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現金残高がマイナスに

2007-02-06
2007年1月5日

(1)現金出納帳の様式

 現金出納帳の最低限必要な様式は、次になります。

┌──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│日付│科目│摘要│入金│出金│残高│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│ │ │ │ │ │ │
├──┼──┼──┼──┼──┼──┤

 摘要欄には、入出金の相手先名とその内容を記載することになります。
 
 現金出納帳を記載したら、手元の実際の現金残高と現金出納帳の残高が合っていれば、その日の作業は終了ということになります。合わなければ、記載漏れや誤記入ということですので、その原因を追及し、修正することになります。


(2)残高がマイナスになる場合

 入金と全ての支払いを記帳したにもかかわらず、現金出納帳の残高がマイナスになってしまった。こんな経験はありませんか。もちろん、この状態では、実際の現金有り高と、一致しませんね。

 この原因として、一番多いのは、入金の記帳漏れです。ちょっとした支払いの時に、金庫から現金を出さずに、社長や経理担当者の財布から、支払いをすることがあったのではないでしょうか。ちょっと立て替えのつもりが、そのことをすっかり忘れてしまい、帳簿に記帳していないということが、よくあります。

 会社の立場からみれば、ちょっと立て替えというのは、入金があったことを意味します。立て替えた金額を、現金出納帳の入金欄に記入する必要があります。たとえ出金と同じ金額でも、面倒がらずに記帳するようにしましょう。

 また、支払いにお金が不足する時に、社長がポケットマネーから補充して、支払いをすることがあります。これも、会社からみれば、入金ということになります。社長が直接支払いをするような会社の場合には、この記帳漏れが起こりやすいですので、経理担当者に、きちんと伝えるようにしてください。


(3)勘定科目

 一週間や一月程度の、一時的に立て替えた時の勘定科目は、「仮受金」がいいでしょう。

 金額がまとまっていて、清算の目処が立っていない時は、「短期借入金」や「長期借入金」を使うことになります。短期と長期の違いは、返済期限が1年以内かどうかで、区別します。

 社長や会社の役員が立て替えた場合には、銀行融資などと区別するために、「役員借入金」や「社長借入金」を使用するのもいいでしょう。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

年末調整のやり直し

2007-02-06
2007年1月5日

(1)年末調整の時期

 年末調整は、原則として、その年の最後の給与を支払う時に、行うことになっています。税金上の取り扱いは、ボーナスや賞与も「給与」になりますので、毎月の給料の後に、ボーナスの支給がある場合には、ボーナス支給時に年末調整をすることになります。


(2)年末調整のやり直し

 年末調整を受けるための扶養控除等(異動)申告書や保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書は、年末調整を受ける前に、会社に提出しなければなりません。会社によっては、11月中に提出を求められます。

 本来、年末調整は、12月31日現在の状況により行うことになるのですが、どうしても、会社の事務手続き上、早めに提出する必要が出てきます。年末調整のための申告書を提出した後に、出産や結婚等によって、扶養親族に変動があった場合などは、そのことを会社に申し出て、再度、年末調整をしてもらう必要があります。

 この年末調整のやり直しができるのは、翌年の1月31日までとなっています。


(3)扶養親族等の増減

 年末調整後12月31日までの間に、出産や結婚等により扶養親族が増加した場合には、年末調整をやり直します。

 結婚の場合には、配偶者の給与収入が、年間103万円以下である必要があります。結婚後に職場を退職した場合でも、その年の1月から結婚までの間の収入が103万円超あれば、扶養親族(配偶者控除対象者)にはなれませんので、注意してください。結婚後、引き続き無職であれば、翌年から、扶養となります。

 また、子供が結婚により、結婚相手の扶養となった場合には、自身の扶養からは、外れることになります。


(4)配偶者の収入見積額が変動した場合

 配偶者が扶養になるかどうかは、年末調整のタイミングにより、どうしても、収入の見積額で行うことになります。当初は、103万円以内に抑えるつもりだったのが、実際に支給されてみると、超えてしまっていたということがあり得ます。

 その様な場合には、年末調整のやり直しが必要になります。扶養から外れますので、差額を会社に支払う必要が出てきます。

 見積額が103万円以下で、変動後も103万円以内に収まった場合には、扶養であることに変わりありませんので、年末調整をやり直す必要はありません。

 103万円を超える場合でも、141万円未満の場合には、扶養にはなりませんが、配偶者特別控除の対象になります。配偶者特別控除は、1,2万円のちょっとした違いでも、控除額が変わることになりますので、見積額と実際の支給額に変動があった場合には、年末調整のやり直しが必要になるか、会社に確認してみたほうがいいでしょう。


(5)年末調整後に保険料を支払った場合

 年末調整を受けた後に、生命保険料、損害保険料、健康保険料、国民年金保険料、小規模企業共済の掛金等を支払った場合には、年末調整をやり直すことにより、還付金が増える可能性があります。

 生命保険料や損害保険料については、控除額に上限がありますので、既に、上限に達している場合には、還付金は増えません。それ以外については、控除する所得税が残っていれば、還付金が増えることになりますので、年末調整のやり直しをお願いしましょう。

 ただ、短期の損害保険料控除は、控除額が少額なので、還付金が増えても200円なんてこともありますので、手間と金額を考えて手続きをしてください。


(6)住宅借入金等特別控除申告書の入手

 会社に銀行から送られてきた残高証明書だけを提出して、住宅ローン控除は受けられない方が、たまにいらっしゃいます。年末調整で住宅ローン控除を受けるためには、残高証明書の他に、税務署から送付される申告書が必要になります。

 申告書は、住宅ローン控除の確定申告をした年の夏頃に、税務署から、2年目以降の申告書をまとめて送られてきます。住宅を取得した年によっては、最大で14年分ということもあります。

 保管期間が長くなる上に、1年に1回のことなので、どうしても紛失される方がおります。申告書を紛失した場合には、再発行が可能ですので、税務署で手続きをすることになります。再発行が年末調整までに間に合わなかった時は、再発行後、年末調整のやり直しをしてもらい、還付金を受け取ることになります。


(7)1月31日に間に合わなかった場合

 年末調整のやり直しの期限は、翌年1月31日です。それまでに間に合わなかった場合には、確定申告で、還付を受けることになります。手続きをしないと、住民税にも影響しますので、忘れずに確定申告をしましょう。

 ただし、追加納付となる場合には、1月31日の期限に関係なく、年末調整をやり直すことになります。そのまま手続きを怠りますと、10月頃に、税務署から会社宛に、追加納付を指摘されることがあります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

所得税額控除

2006年12月5日

(1)法人税額控除

 会社でも、個人と同じように、所得税がかかることがあります。例えば、預貯金の利息を受け取ったときは、利息に対して、15%の所得税と5%の住民税が課税されます。

 会社名義の預貯金でも、個人名義の預貯金でも、同じように課税され、税金を控除した分が、通帳に入金されます。

 個人の場合には、控除されたまま、納税手続は、完了します。しかし、会社の場合には、あくまでも、利益に税率をかけて、法人税を計算することになっています。

 受取利息も会社の収益ですから、利益の一部になります。利息に税率をかけた金額が、利息に対する税金ということになるのですが、利息を受け取るときに、既に、税金は、課税されています。

 結果として、二重に税金を払っていることになりますので、利息の受取時に課税された15%の所得税は、法人税の前払いとして、法人税の計算から、控除することになっています。

 例えば、1,000円の利息を受け取った場合、1,000円×15%=150円の所得税が控除されます。法人税は、1,000円×30%=300円の納税になりますが、既に、150円の所得税という、同じ国税が既に控除されていますので、本来納めるべき法人税300円から、所得税150円を引いた、150円を税務署に納付することになります。

 住民税分の5%については、同じ住民税である法人都道府県民税の納税額から、控除することになります。


(2)対象となる所得税

 次に掲げる利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金に対する所得税が、法人税から控除する対象となります。

・公社債及び預貯金の利子や公社債投資信託等の収益の分配
・法人から受ける利益の配当、常勤の分配等
・みなし配当
・定期積金にかかる給付補てん金
・その他


(3)税率

 控除される税金は、利息は、所得税15%、住民税5%の計20%ですが、上場企業の配当は、所得税7%、住民税3%の計10%となっています。

 このように、課税対象の違いによって、税率も変わってきます。投資対象の銘柄によっては、会社で投資するよりも、個人のほうが有利な場合もあります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

国庫補助金等の圧縮記帳

2006年12月5日

(1)国庫補助金等を受け取った場合

 国から補助金をもらった場合、会社は、その分儲かったわけですから、通常、もらった補助金に対して、法人税がかかります。

 国の収入というのは、基本的に税金です。ということは、補助金は、税金から出ていることになります。税金から支出された補助金に、法人税という税金を課税するのは、結局、補助金を支給しても、国に戻ることになってしまいます。

 このため、補助金を受け取った場合には、その補助金を税金を気にしないで、有効に活用してもらえるように、法人税の負担を軽減する制度が設けられています。この制度を、圧縮記帳といいます。


(2)対象となる補助金

 圧縮記帳の対象になるのは、次の機関が交付する補助金、交付金、助成金、給付金で、一定のものになります。

・国又は地方公共団体
・独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
・独立行政法人雇用・能力開発機構
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
・独立行政法人空港周辺整備機構又は成田国際空港株式会社
・独立行政法人農畜産業振興機構
・独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
・社会保険診療報酬支払基金
・指定周波数変更対策機関
・日本たばこ産業株式会社


(3)固定資産取得要件

 補助金等の使途は、固定資産の取得や改良に充てなければいけません。補助金等の支給対象が、人件費の補填のように、経費のための支出の時は、圧縮記帳の対象になりません。

 補助金等をもらっても、そのまま、経費の支出になれば、収入=経費で、利益は、ゼロになりますね。法人税の負担を軽減するという圧縮記帳の手続は、必要なくなります。


(4)圧縮記帳の経理方法

 国庫補助金等を1億円もらい、その1億円で、新たに工場を建設した場合には、次の3つの方法により、経費を計上することができます。これらの方法により、収入=経費となり、補助金等に税金がかからないことになります。

 中小企業にとっては、最初の直接減額する方法が、処理上の手間が少なく、いいと思います。

・直接減額する方法

 (借方)固定資産圧縮損 1億  (貸方)建物 1億

 正確には、1円の備忘価額を残す必要があります。

・積立金方式

 (借方)固定資産圧縮積立金積立額 1億  (貸方)建物圧縮積立金 1億

 借方に、圧縮積立金積立額という、経費を計上します。直接減額する方法ですと、建物金額が、決算書から無くなってしまいますが、積立金方式ですと、決算書にも、実際に存在する建物の金額が、残ることになります。

・剰余金方式

 (借方)利益剰余金 1億  (貸方)建物圧縮積立金 1億

 決算承認の株主総会で、処理します。申告上は、承認する決算期の申告に反映されますので、申告書上で、調整する必要があります。


(5)その他

 補助金等によっては、返還条件がついている場合があります。圧縮記帳の条件として、補助金等の返還不要が確定する必要がありますので、条件付の場合には、返還不要が確定する前に決算期を迎えた場合には、返還不要として、経費計上することになります。

 そのまま、返還不要が確定すれば問題ありませんが、万が一、返還となった倍には、差額の法人税を、追加納付することになります。

 また、補助金等は、支給した金額に対して助成する場合が多くあります。支出した金額の領収証が、申請書類の添付書類となっていたりします。先に支出してから、補助金等をもらうことになりますので、資金繰りには、十分に注意する必要があります。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

社長の自宅を社宅にしたら

2006年11月7日

(1)家賃の徴収

 会社所有の建物を、社長へ社宅として貸し付けた場合には、会社は、一定額
の家賃を、社長から徴収する必要があります。

 家賃を徴収しないで無料で貸した場合には、家賃相当分の給与支給があった
とみなされ、社長に対して、所得税が課税されることになります。

 徴収すべき家賃の半額より低い金額で貸した場合には、実際に徴収した金額
と徴収すべき金額との差額が、給与とみなされ、所得税が課税されます。


(2)徴収すべき家賃の金額(小規模住宅)

 建物の床面積が、132平方メートル(マンション等の場合は、99平方メート
ル)以下である場合には、次の3つの金額の合計額が、社長から徴収すべき1
ヶ月分の家賃となります。

・(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
・12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3平方メートル)
・(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%


(3)徴収すべき家賃の金額(小規模住宅以外)

 建物の床面積が、上記の132平方メートルを超える場合には、次の2つの
金額の合計額を12で割った金額が、社長から徴収すべき1ヶ月分の家賃とな
ります。

・その年度の建物の固定資産税の課税標準額×12%(マンション等の場合は、
10%)
・その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%


(4)社長の自宅を社長個人で購入した場合

 一般的に、自宅といえば、そこに住む本人が購入するのが普通ですよね。そ
の場合、事業には関係ありませんから、購入費用に関しては、一切会社の経費
になりません。自己資金が足りなくて、ローンを組んでも、その返済は、社長
が会社から役員報酬としてもらった給料の中から支払うことになります。


(5)社長の自宅を会社で購入すると

 社長の自宅を会社が購入して、それを社長に貸すわけですから、会社は、不
動産賃貸業という事業を営むことになります。事業のためにかかった、不動産
の購入費用、ローンの金利、固定資産税等は、会社の経費になります。

 社長は、会社へ家賃を支払うことになりますが、上記(2)、(3)の方法で計算
してみると、徴収すべき家賃の金額は、通常、相場よりずっと安くなることが
多くなります。

 社宅にすると、少ない負担で住宅を取得することが可能になりますが、あく
までも不動産の名義は、会社ということになります。将来、社長を退任するこ
とになった場合には、会社へ、その住宅を返さなければいけなくなります。こ
れも、役員退職金規程を定めておけば、不動産を退職金代わりにすると、社長
を退任した後も、自分のものとして、住み続けることが可能になります。

(6)豪華な社宅

 建物の床面積が240平方メートルを超え、かつ、設備等が豪華になっている
社宅は、上記の計算式に関わらず、相場の家賃を徴収する必要があります。ま
た、床面積が240平方メートル以下であっても、プール等がついている場合に
は、豪華な社宅とされ、相場の家賃を徴収する必要があります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

源泉所得税の納期の特例

2006年11月7日

(1)原則

 給与を支給した場合には、支給額に応じて、所得税を天引きする費用があり
ます。天引きした所得税は、毎月、翌月10日までに、納付しなければなりませ
ん。給料日が11月25日の場合には、翌月12月10日になります。また、給料計算
の締め日が、毎月末日で、支給日が翌月5日という場合には、支給日が12月5日
であれば、翌月1月10日が納期限となります。


(2)納期の特例

 給与の支給対象者が常時10人未満で、納期の特例の承認申請書を、税務署に
提出した場合には、毎月の納付から、半年に1回の納付に変更することができ
ます。1月から6月までに支給した給料の分については、7月10日までに、
7月から12月までに支給した給料の分については、1月1日までに、納付する
ことになります。

 申請書を提出した翌月分から、半年に1回の納付に変わりますので、提出し
た月の分までは、今まで通り、毎月納付となります。

 ただし、対象になるのは、給与の他には、賞与、退職金、そして税理士等の
報酬だけになります。外交員等の報酬や剰余金の分配をした場合の源泉徴収に
ついては、対象になりません。

 納付手続が、毎月から年2回に減少しますので、事務手続が楽になりますが、
半年分をまとめて納付することになるため、1回の納付額が高額になりますの
で、資金繰に注意する必要があります。


(3)納期の特例の特例

 1月10日納期限の源泉所得税については、年末調整等の事務も加わること
から、事務手続が煩雑になるため、納期限を、1月20日に延長することがで
きます。通常、上記(2)の納期の特例の承認申請書と同一の用紙になっていま
すので、納期の特例を選択すれば、自動的に、1月の納期限は、1月20日に
延長されることになります。

 ただし、滞納がある場合には、延長されませんし、また、1月20日までに
納税がなかった場合には、延滞税の計算は、1月10日より行われることにな
ります。


(4)納期の特例をやめる場合

 給与の支給対象者が、常時10人以上となった場合や、納期の特例をやめて、
毎月納付に変更したいと思った場合には、納期の特例の要件に該当しなくなっ
たことの届出書を提出することになります。

 提出した月の翌月から、毎月納付に変わります。提出した月の分までは、納
期の特例の対象ですが、納期限は、提出した月の翌月10日になりますので、
注意してください。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

建設仮勘定

2006年10月10日

(1)建設仮勘定の経理

 建物を新築するときに、完成前に、建築代金の一部を支払った場合には、
「建設仮勘定」という勘定科目を使用し、有形固定資産として計上します。

 建物が完成し、引き渡しを受けた時点で、それまで建設仮勘定に計上してい
た金額を、「建物」へ振り替えることになります。


(2)法人税、所得税の取り扱い

 建物の引き渡しを受けて、使用を開始した場合には、決算の時に減価償却費
を計算して、経費に計上します。減価償却費の計算は、次のようになります
(定額法)。

減価償却費=取得価額×0.9×償却率×使用開始日から決算日までの月数÷12
 
 償却率は、建物の構造、使用目的に応じて、減価償却資産の耐用年数等に関
する省令で定められています。

(3)消費税の取り扱い

 建物の代金として支払った消費税は、納付すべき消費税を計算する際、改正
引き渡しを受けた時点で、納付すべき消費税から控除します。法人税、所得税
では、使用を開始してから減価償却を開始しますが、消費税では、引き渡し時
点で、控除されることになります。引き渡しと使用開始の間に、決算を挟んだ
場合には、法人税等と消費税では、控除のタイミングがずれることになります。

 建築が完了する前に、一部分について、引き渡しが行われたことが明らかな
場合には、引き渡しが行われた部分だけを、先に、納付すべき消費税から控除
することもできます。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

領収証のもらえない経費

2006年10月10日

(1)車代

 新商品の発表会等に、招待した得意先にお車代を渡すことがあると思います。
このような場合って、領収証がもらえませんが、領収証が無くとも、経費とし
て認められます。

 車代を支払ったときに、相手先に領収証を請求するということは、普通行い
ません。このように、社会一般で領収証のやりとりを行わない支出については、
領収証が無くとも、経費算入が認められています。

 領収証がない場合には、社内の記録として、支払先の名称や支払額が、わか
るようにしておく必要があります。車代の支払先が2,3件であれば、出金伝
票や現金出納帳への直接の記載でかまいません。支払先の件数が多い場合には、
一覧表にして保管しておくようにしましょう。

 また、支払額についても注意する必要があります。具体的にいくらまでの支
出なら、経費として認められるという規定はありませんが、あくまでも、実費
弁償としての支払ですから、通常の交通手段で、負担するであろう金額の範囲
内で、支払うようにしましょう。会場まで、タクシーで往復3,000円ぐらいか
かるというような場合に、車代を10,000円支給した場合には、差額が、法人税
の対象になる可能性があります。


(2)慶弔費

 一般的に、領収証のやりとりをしないものとして慶弔費があります。慶弔費
ついては、招待状や御礼状が、一つの証明手段になりますので、保存しておく
ようにしましょう。


(3)その他の取引

 商品の売買等で、先方にいくら依頼しても、領収証を発行してもらえない場
合には、支払通知書を作成しましょう。強く依頼すると、今後の取引に影響を
及ぼす可能性もありますから、こちらから、相手先の住所、名称、日付、支払
金額、支払内容を記載した、支払通知書を作成し、相手に渡して、受け取って
もらうようにしましょう。控えを保存しておけば、きちんとした証憑書類とな
ります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

通勤手当いろいろ

2006年9月6日

 通勤手当は、通勤手段と通勤距離によって、所得税の非課税枠が定められています。1ヶ月分の通勤手当が、非課税枠の範囲内であれば、従業員に通勤手当を支給しても、所得税は、かからないことになります。

 非課税枠については、国税庁のHPをご参照ください。


(1)2km未満の障害者がマイカーで通勤する場合

 通勤距離が2km未満の者が、マイカーで通勤した場合には、非課税枠は0円ですから、通勤手当を支給した場合には、全額、所得税の対象になります。

 しかし、障害等の理由により、公共交通機関での通勤が無理な場合には、マイカー通勤にかかるガソリン代等の実費相当額であれば、所得税はかかりません。


(2)複数の勤務場所がある場合

 1ヶ月の間に、月の前半は、本社勤務、月の後半は、工場勤務というように、複数の事業所に勤務している場合には、通勤日数に応じたそれぞれの合計額で、非課税枠を判定することになります。

 例えば、本社への通勤距離が10km、工場への通勤距離が15kmで、どちらもマイカーで通勤しているとします。10kmの非課税枠が6,500円、15kmの非課税枠が11,300円ですから、6,500円÷2+11,300円÷2=8,900円が、1ヶ月間の非課税枠となります。

 ただし、どのような場合でも、1ヶ月間の上限は、10万円となっていますので、非課税になるのは、10万円以下の場合になります。


(3)月の途中で通勤距離が変更になった場合

 月の途中で、引越や転勤等で、通勤距離が変更になった場合には、会社の規程に従うことになります。

 会社の通勤手当の支給規程が、通勤日数による按分計算となっている場合には、按分した金額が、非課税枠とになります。給料計算の締め日現在で、判断することになっている場合には、その締め日現在の通勤距離で、非課税枠を判定します。

 いずれか長い方の通勤距離で、通勤手当を支給することになっている場合には、その長い方の距離で、非課税枠を判定することになります。このような会社であれば、引越日によっては、ちょっとした所得税の節税をすることができますね。


(4)アルバイトの非課税枠

 週3日勤務などのアルバイトやパートの場合には、通勤手当の非課税枠は、出勤日数に関係なく、1ヶ月間の金額で、非課税枠を判定します。非課税枠は、1ヶ月単位で定めてありますので、たとえ勤務日数が少なくとも、日割りする必要はなく、月額で、判定することになります。


(5)緊急業務のためのタクシー代

 夜間に、緊急業務の必要があり、やむを得ずタクシーで出勤した場合には、そのタクシー代は、普段の通勤方法にかかわらず、所得税の対象になりません。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の課税Part5

2006年9月6日
 
 輸出取引は、消費税が、免除となっています。輸出取引には、商品の海外への輸出はもちろん、日本と海外を結ぶ、飛行機や船の国際便、国際電話、国際郵便を含みます。これらは、国際競争力を高めるため、日本の消費税がかかりません。
 
 日本で仕入れた商品を、海外へ輸出する場合には、売上については、消費税が免除ですが、仕入の際には、消費税は、負担することになります。一般的に輸出業者は、預かった消費税よりも払った消費税のほうが、大きくなります。このような場合には、国から、払いすぎた消費税を還付してもらうことになります。

消費税の課税 Part4

2006年8月4日

 前回は、非課税の間違えやすい部分について解説しました。
 https://www.hinatax.jp/article/13127605.html
 
 続きを見ていきましょう。
 
(ク)社会保健医療

 非課税の対象になるのは、基本的に、健康保険の対象になる医療です。美容整形や歯の矯正など、いわゆる自由診療になるもの、消費税の対象です。

 勤務中の事故等で、診療を受ける場合に、労災や自動車保険の給付対象であれば、消費税は、非課税になります。

 また、健康診断は、健康保険が使えませんから、非課税になりません。インフルエンザ等の予防接種も、健康保険が使えませんね。会社として、これらの受診をした場合には、消費税も負担することになります。
 
 
(ソ)住宅の貸付け

 居住用として賃貸した建物は、非課税となります。これは、契約書に「居住用」と記載されているかによって判断します。出張用に週単位等で契約するような物件については、たとえ居住用でも、課税になります。契約期間は、1ヶ月単位以上である必要があります。共益費等を徴収する場合には、家賃が非課税であれば、共益費等も非課税となります。

 アパートで、地域によっては、1部屋に1台の駐車場を確保することがあります。駐車場代が、家賃に含まれているような契約形態であれば、駐車場代相当額も、非課税となります。

 貸す側、借りる側の立場の違い、消費税の納税義務の有無によって、有利不利が変わってきます。よく検討して、契約を結ぶようにしましょう。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

住民税の増税

2006年8月4日

 平成18年6月頃、住民税が増税になったと、苦情や問い合わせが、市町村の窓口に殺到しているという記事が、新聞紙上を賑わしました。去年まで、税額がゼロだった人が、数万円の税額になったり、一気に10倍の税額になった人もいたようです。なぜ、このような騒動にまでなってしまったのでしょうか。

年金受給者を例に、説明していきます。


(1)年金受給者の住民税の課税方法

 住民税は、前年の所得に基づき、市町村が算出して、直接納税者に税額を通知します。納税者は、その通知に基づき、金融機関等で、年4回に分けて、住民税を納付することになります。


(2)年金受給者の所得税の課税方法

 所得税は、年金を支給する際、その支給額から、所得税の概算額を算出し、年金から天引きする形で、納付することになっています。支給時には、概算額で計算していますので、本来の負担額とは、ズレが生じてしまいます。このズレを是正するために、毎年2~3月に、確定申告をして、精算することになります。


(3)平成17年の税制改正

 平成17年から、年金受給者について、所得税、住民税を計算する際に、控除される公的年金控除や老年者控除が、縮小されました。この縮小により、所得税も住民税も増税となっています。


(4)なぜ、住民税だけが騒動になったのか

 (2)のとおり、所得税は、概算額が天引きされます。概算額の算出には、(3)の控除額の縮小が、考慮されています。年金支給時の所得税は、既に増税となっていて、その通知も手元に届いていたのですが、1回の増税額がわずかであることから、問題にする人が多くなかったのです。

 年金支給額の変更は、このような税制改正の他に、介護保険料の改正や支給額自体の改正もありますので、支給額の変更に慣れてしまい、あまり気にされなかったということもあるでしょう。

 それに対して、住民税は、税制改正が考慮されるのは、(2)のとおり、6月の1回限りになります。増税額も1年分が一気に課税されますので、負担感が非常に増すことになります。そのため、事情を知らない納税者が、役所に殺到したということなのでしょう。

 ちなみに、住民税の税率は、国会で決めてますので、うちの市は、住民税が安いということはないです。


(5)平成19年は、もっと増えます!

 平成19年1月から、所得税と住民税の税率が変わります。年金収入が約400万円以下の場合には、所得税10%、住民税5%の税率が、所得税5%、住民税10%となります。

 所得税は、支給時に天引きする概算の税額が、変わります。税率が10%から5%ということは、天引きされる所得税は、半分になります。平成19年の1月以降の年金と取り額は、その分増えることになりますね。

 住民税は、6月に税率の変更が行われます。こちらは、5%から10%ですから、倍になるわけです。平成18年は、10倍になった人もいたようですね。確かに、4,000円の税額が、40,000円になれば、10倍です。これが、さらに倍になるわけですから、今度は、40,000円が80,000円です。2年間で、一気に20倍です。平成19年の役所の窓口は、もっと混雑しそうですね。

(注意)上記は、一例です。税額は、個人によって全く違います。増加する税額も、それぞれです。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の課税 Part3

2006年7月5日

 そのうち、特に間違えやすい部分を見ていきましょう。
 
(ア)土地の譲渡及び貸付け

 あくまでも非課税の対象になるのは、土地です。建物を貸すときは、その建物が建築されている土地も貸していることになりますが、このような場合には、建物の貸付と判断し、非課税には該当しません。ただ、その建物が住宅用としての貸付であれば、(ソ)の住宅用建物の貸付ということで、非課税になります。
 
 同様に、野球場やテニスコート等は、設備の貸付ということで、消費税は非課税になりません。
 
 駐車場の貸付は、更地のまま駐車場として貸し付ければ、非課税です。ただ、一般的には、舗装をしたり、ラインを引いて貸し付けるかと思われます。その場合には、駐車場設備の貸付ということになり、非課税になりません。
 
 貸付の期間も問題で、非課税になるためには、契約期間が1ヶ月以上である必要があります。工事現場の資材置き場として、一時的に、2,3週間、土地を貸した場合には、非課税になりません。
 
 
(オ)商品券、プリペイドカードなどの譲渡

 商品券やプリペイドカードは、誰が使用するかで、消費税の扱いが変わります。
 
 商品券やプリペイドカードを、贈答品として購入した場合には、消費税は、非課税として扱います。
 
 交通機関のプリペイドカードのように、自社で使用する場合には、消費税は、課税として扱います。
 
 手間のかからない経理処理としては、商品券等の購入時に、贈答用であれば、消費税の処理を非課税に、自社使用であれば、課税にしておくことといいでしょう。
                              
 〈つづく〉

(M.H)

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役員賞与の支給

2006年7月5日

 平成18年度の税制改正で、これまで経費算入が認められていなかった役員賞与について、税務署に事前に届出をすれば、経費算入が可能になりました。この制度の特徴を確認してみたいと思います。


(1)事前に届け出ること

 経費算入が認められる役員賞与のことを「事前確定届出給与」といいます。この名の通り、事前に届出が必要になります。届出の期限も定められていて、次のうち、いずれか早い日となっています(改正初年度は、平成18年6月30日までの提出も認められます。)。
 
 ・役員としての職務の執行を開始する日
 ・会計期間開始から3ヶ月以内

 「職務の執行を開始する日」という表現が、非常にわかりづらいですね。これは、原則としては、役員に就任した日をいいます。ただ、以前から引き続き役員となっている場合には、毎年決算日から3ヶ月以内に、必ず開催される、定時株主総会の日をいうことになっています。


(2)届出書の記載内容が詳細

 役員賞与支給対象者の氏名、賞与の支給日、金額を記載するのはもちろんですが、その対象者の毎月の役員報酬額と支給日も記載しなければなりません。さらに、役員賞与対象者以外の役員についても、氏名と役員報酬額、支給日を記載することになっています。

 また、役員賞与の支給を決定した機関名も記載することになっていますので、何月何日の株主総会で決定したなど、後日、決定したことを証明するための議事録等を、きちんと保管する必要があります。

 その他に、毎月の役員報酬以外に、賞与で支給することになった理由も、記載することになっています。
 
 事前届出給与にすると、税務署は、税務調査をしなくても、完全に把握することが可能になりますね。


(3)事前に確定していること

 「事前確定届出給与」は、事前に確定し、事前に届出をした給与ということになります。事前届出については、上記で説明しましたが、事前に確定していることも必要になってきます。
 
 事前に確定しているとは、上記の届出期限のところで触れた「職務の執行を開始する日」までに、役員賞与の支給日、支給額を確定しなければならないということです。

 そうすると、定時株主総会で役員賞与の支給を決定することになっている会社は、定時株主総会開催日が、「事前確定」の期限であるとともに、「事前届出」の期限でもあるということです。
 
 支給を決定したその日に、税務署へ届出をしないと、役員賞与を経費算入することは、できなくなってしまいます。


(4)非常勤役員等の年俸制も対象

 これまでは、非常勤役員等への役員報酬を、1年に1回や、半年に1回のように支給していた場合には、原則として、何の手続も必要なく、経費算入することが可能でした。
 
 しかし、1ヶ月単位よりも長いサイクルで支給する役員報酬は、全て事前確定届出給与として、扱われることになりました。
 
 そのため、年払いや半年払いのような支給形態でも、経費算入するためには、事前の届出が必要になってきます。たとえ、非常勤監査役だけが年払い5万円の支給だったとしても、全役員の役員報酬を、税務署へ届け出ることになりま
す。


(5)届出後の変更はできない

 一旦届出をしたら、その後の金額の増減は、できなくなります。
 
 当初、役員賞与を6月、12月にそれぞれ100万円ずつ支給するような決定をしていても、その後の業績不振や資金繰の都合で、70万円に減額したとします。その場合には、支給した70万円全額が、経費不算入ということになります。
 

   (M.H)

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給料計算の仕方

2006年6月5日

(1)支給総額の計算

 まずは、給料の総額を計算します。タイムカードや出勤簿をもとに、残業手当、休日出勤手当等を計算します。さらに、毎月定額である住宅手当、家族手当等を加算します。逆に、欠勤や遅刻早退があれば、規程に基づき、給与を減額する必要があるかもしれません。


(2)社会保険料

 次に、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料を控除します。保険料は、標準報酬月額に、保険料率をかけて計算します。実際には、保険料額表を使用することになります。
 
 標準報酬月額は、毎年4月~6月の3ヶ月間の給与実績によって、決定されます。残業手当が増えて、給料がいつもの月より増えたとしても、標準報酬月額は変わりませんので、社会保険料の金額は、変わりません。
 
 ただ、途中に昇級等があって、給与額に変動があった場合には、昇級等から3ヶ月の実績に基づき、標準報酬月額の見直しが行われることもあります。昇級等から3ヶ月経過したら、標準報酬月額の変更手続の必要があるか、確認するようにしましょう。
 
 標準報酬月額は、基本的に変動しないことになりますが、厚生年金保険料や介護保険料は、保険料率の見直しが行われますので、1年間に2回ぐらい、保険料額表の変更が行われます。常に最新の表を入手するのを忘れないようにしましょう。
 
 さらに、年金基金に加入している会社は、年金基金の保険料も控除することになります。


(3)雇用保険料

 雇用保険料は、給与支給総額の0.8%になります。これを、給与から控除します。社会保険料と違って、給与額の変動に合わせて、雇用保険料の金額は、変動します。


(4)所得税

 次に、所得税を計算します。まず、給与支給総額から、非課税の通勤手当を控除します。公共交通機関を利用して通勤している場合には、原則として、実費相当額が、非課税となります(1ヶ月10万円を限度)。マイカー等で通勤している場合には、通勤距離よって、非課税額は変わります。
 
 通勤手当を控除した金額から、さらに、社会保険料、雇用保険料を控除します。その金額と扶養親族の人数を、税額表に当てはめて、所得税額を計算します。


(5)住民税

 住民税の納税方法は、従業員が自分で納税する普通徴収と、会社が給料から天引きして納税する特別徴収の2種類があります。給料計算に関係してくるのは、特別徴収を取っている場合です。
 
 従業員が住んでいる市町村から、毎年5月に、6月以降の住民税額の通知が、会社に届きます。毎月、天引きする金額が、記載されていますので、その金額を、給料から控除することになります。
 
 普通徴収、特別徴収は、途中で変更することも可能です。退職した場合には、残額を最後の給料から一括で徴収するか、従業員が自分で納税することになります。


(6)その他の控除額

 その他に会社が独自に、給料から天引きするものがあれば、控除することになります。主なものとしては、財形貯蓄、生命保険料、親睦会費等があります。


 

(M.H)


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消費税の課税 Part2

2006年6月5日

 次の4つの要件全てを満たしていることが条件で、一つでも条件を満たさないものは、消費税の対象から除外されます。

(ア)国内での取引であること
(イ)事業者が事業として行ったものであること
(ウ)対価があること
(エ)資産の譲渡及び貸付け並びに役務提供であること


(2)非課税

 上記の4つ全ての要件を満たしても、消費税の趣旨に合わないものは、社会政策的に消費税を課税することが不都合なものについては、非課税制度が設けられています。
 
 非課税になるのは、限定されていて、次のものが非課税になります。これらに該当しないものは、原則として、消費税が課税されることになります。土地の譲渡やアパートの賃貸に消費税がかからないというのは、ここで規定されていたんですね。

※非課税項目※

(ア)土地の譲渡及び貸付け
(イ)有価証券、支払手段等の譲渡
(ウ)預貯金の利子及び保険料
(エ)郵便切手類の譲渡、印紙及び証紙の譲渡
(オ)商品券、プリペイドカードなどの譲渡
(カ)国、地方公共団体等が行う行政事務手数料
(キ)国際郵便為替、国際郵便為替振替業務及び外国為替取引の手数料
(ク)社会保険医療
(ケ)介護保険サービス、社会福祉事業等によるサービス
(コ)助産
(サ)火葬料や埋葬料
(シ)身体障害者用物品の譲渡や貸付け
(ス)学校の入学金、授業料等
(セ)教科用図書の譲渡
(ソ)住宅の貸付け
                               〈つづく〉

 

(M.H)

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消費税の課税 Part1

2006年5月10日

 料金設定をする際に、何となく、消費税を上乗せしていたりしませんか。どんなときに、消費税を上乗せする必要があるのか、きちんと確認をしてみましょう。


(1)消費税の対象

 消費税の対象になるかどうかは、次の4つの要件を全て満たしていることが、条件になります。一つでも条件を満たさないものは、消費税の対象から除外されます。

(ア)国内での取引であること

 消費税は、日本国内だけのものですから、海外で行われた取引については、消費税は関係ありませんね。日本人同士の取引でも、取引が海外で行われてい
れば、日本の消費税は、対象外ということになります。
 
 日本より消費税率が高い国は、いっぱいありますので、海外の消費税のほうが、高くつく可能性もありますね。


(イ)事業者が事業として行ったものであること

 消費税の納税義務者は、事業者になります。事業者とは、全ての法人と個人事業者をいいます。法人が行う取引は、全て事業として行ったと解釈されます。
 
 個人事業者の場合には、プライベートに関する取引は、消費税の対象外です。自宅や自家用車の売買は、事業には関係ありませんので、消費税の対象外になります。
 
 インターネットオークションなどで、たまに不要品を売ったりするのは、事業ではありませんが、頻繁に出品したり、オークションで生計を立てているときは、消費税の納税義務が発生する可能性もあります。
 
 
(ウ)対価があること

 ただで物をあげた場合には、消費税の対象外です。金銭のやりとりがなくても、物々交換のように物で支払をしたときは、交換でもらった物が、対価ということになります。
 
 
(エ)資産の譲渡及び貸付け並びに役務提供であること

 商品などの物を販売する行為や、物品をレンタルする行為、さらに、サービスの提供が、消費税の対象になります。
                               〈つづく〉


 

(M.H)

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繰越欠損金

2006年5月10日

(1)青色欠損金の繰越制度

 法人税は、収益から費用を引いた利益に対して、税率をかけて計算します。当期が黒字であっても、過去に赤字が発生していた場合には、当期の黒字と過去の赤字を相殺することができます。相殺後の黒字額に税率をかけて、法人税を計算することになりますので、過去の赤字の分、税負担が軽減されることになります。

 赤字額が黒字額を上回っていれば、その年の法人税はゼロとなり、相殺しきれなかった金額は、翌年以降に繰り越すことができます。


(2)繰越期間

 相殺しきれなかった金額を繰り越すことができる期間は、7年間が限度となります。7年経過しても、黒字と相殺しきれなかった場合には、その赤字は、それ以降は、相殺の対象から外れることになります。
 
 なお、平成14年2月期以前の赤字の場合は、5年間しか繰り越せません。


(3)要件

 毎期、きちんと申告をしていれば、特に問題にはなりませんが、相殺をするには、次のような要件が定められています。

 赤字が生じた年は、青色申告法人でなければなりません。一般的には、会社の場合には、青色申告にしていると思いますが、途中、期限後申告や無申告等があった場合には、青色申告が取り消されることがありますので、注意が必要です。
 
 さらに、赤字が生じた年から黒字と相殺しようとする年まで、申告書を毎期続けて提出している必要があります。これは、相殺しようとする年の申告書を提出する日までに、申告書が提出されていればいいので、申告期限を過ぎていても、提出するようにしましょう。

   
(4)相殺順序

 過去に赤字になった年が、何年もある場合には、古い順に相殺していくことになります。


 以下、事例でご説明します。

   

決算期 利益 相殺額 繰越額 課税対象利益
14年3月期 −500万 500万
15年3月期 100万 100万 400万
16年3月期 −200万 400万(H14)  
      200万(H16)
17年3月期 300万 300万 100万(H14)
      200万(H16)
18年3月期 200万 200万 100万(H16)
19年3月期 300万 100万 200万
(5)所得税の場合
 
 所得税にも、欠損金の繰越制度があります。ただし、繰り越しできる期間は、3年だけになります。対象になるのは、事業所得や不動産所得になります。
 

(M.H)
 

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更正の請求

2006年3月4日

 既に提出した申告書が間違っていて、税金を多く納めすぎてしまった場合には、更正の請求の手続により、納めすぎた税金を還付してもらうことができます。
 
 「更正」とは、税務署長が、税金の誤りを正すことをいい、「更正の請求」は、誤りを正すことを請求する手続になります。
 
 税務署長は、納めすぎが事実と認められれば、税金を還付することになります。


(1)更正の請求の期限

 更正の請求は、本来の申告期限から1年以内であれば提出することが可能です。平成16年分の所得税の確定申告の場合には、平成17年3月15日が申告期限ですので、その1年以内ということは、平成18年3月15日が、更正の請求の期限になります。
 
 
(2)更正の請求書

 更正の手続をするためには、更正の手続書に、納めすぎが事実であることを証明する書類を添付します。経費の計上漏れの場合には、その領収証等ということになります。
 
 
(3)1度も申告をしていない場合

 更正の請求は、既に申告した内容の訂正になります。過去に1度も申告をしてない場合には、期限後の還付申告ということになり、5年前の分まで、さかのぼって申告することが可能です。
 
 過去に、医療費控除や住宅ローン控除をし忘れていた場合には、5年前までさかのぼって、還付請求することができます。手続は、通常の確定申告になります。期限後申告でも、還付申告ですから、ペナルティとして加算される延滞税等は、ありません。


 

(M.H)

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会計参与

2006年3月4日

 平成18年5月に施行が予定されている、新会社法において、新たな会社の役員として、「会計参与」が加わりました。

(1)会計参与とは

 会計参与とは、取締役と共同して決算書を作成する、株式会社の役員をいいます。会計参与を置くかどうかは、会社が任意に決めることができます。

 会計参与は、会計の専門的知識を生かし、直接、決算書の作成に関わるということから、決算書の信頼性がより一層増すと考えられています。金融機関が、どのような対応をするか見極める必要がありますが、会計参与が作成した決算書によって、融資が受けやすくなる可能性があります。


(2)資格

 会計参与になれるのは、税理士か公認会計士(税理士法人及び監査法人を含む。)だけです。決算書の正確さに対する専門性を高めるため、会計や税務に対する専門性が求められています。
 
 会社の顧問税理士が、会計参与を兼務することは、可能です。


(3)任期

 会計参与の任期は、原則として2年です。定款において、最長で10年まで伸長することもできます。
 
 取締役の任期も新会社法の施行後は、10年にすることができますが、取締役と会計参与の任期を一致させる必要はありません。ただ、任期満了による役員改選の際には、同じ人が再任する場合でも、登記手続が必要になりますので、一致させておいた方が、登記料の負担が軽くなります。


(4)選任

 会計参与の選任は、取締役と同様、株主総会で行います。会計参与を辞めさせたいときにも、株主総会で決議します。会計参与を自主的に辞めるときは、後任の会計参与が決まるまで、その責任は、継続します。
 
 会計参与は、選任、解任、辞任時に、株主総会で意見を述べることができます。取締役と意見が合わずに、決算書の作成ができない場合などは、作成できない理由などを述べることになります。
 
 
(5)職務と権限

 会計参与は、取締役と共同での決算書作成のため、会計参与報告を作成します。作成した決算書及び会計参与報告は、会計参与の事務所に5年間保管し、債権者や株主から、閲覧請求があった場合には、開示しなければなりません。
 
 取締役が不正行為や法令違反を行っているのを発見した場合には、株主にそのことを報告しなければならないという、不正に対する厳しい義務もあります。
 

(M.H)

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