役員賞与の扱いについて

2003年8月5日

 今期の業績が順調なので、役員や従業員へ決算賞与を支給することがあります。社内の士気向上のためには結構なことなのですが、役員への賞与については、注意が必要となります。

(1)役員賞与の範囲

 賞与とは、臨時的に支給される給与のことをいいます。役員に対して支給する、いわゆるボーナスや決算手当などをいいます。税法では、その他にも役員賞与となるものがあります。


(2)役員賞与の取り扱い

 法人税法では、役員賞与は、経費にならないこととなっています。つまり、役員に賞与を支給しても、法人税が安くなることはありません。さらに、賞与を受け取った役員に対しては、所得税が課税されますので、二重に税金がかかることとなります。

 例えば、毎月の給与を50万円、賞与を300万円ずつ2回支給した場合、年間600万円しか経費になりませんが、賞与をなしにして、毎月の給与を100万円とすると、年間1,200万円が経費となります。

 なお、従業員への賞与は全額経費となりますので、法人税は安くなります。


(3)使用人兼務役員の場合

 取締役営業部長や取締役大阪支店長のように、取締役という役員の立場と、部長や支店長という従業員の立場の両方の役職がある人を使用人兼務役員といいます。

 使用人兼務役員に対して賞与を支給した場合には、その賞与を従業員分と役員分に分けて、従業員分は損金算入、役員分は損金不算入という取り扱いになります。


 

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

もし、競馬で2億円当たったら|仙台市の税理士・ひなた税理士法人

2003年7月7日

 1,200万で買った競馬の馬券が見事的中し、2億円の払い戻しを受けた場合、いったいいくらの税金がかかるのでしょうか。

 競馬の払戻金は、一時所得として所得税の対象となります。1月から12月までの1年間、他のレースは当たらず、さらに、競馬の払戻金以外に収入がなかった場合で計算してみます。

 なんと、2億円の払戻金も、所得税・住民税合わせて、約4,344万円の税金がかかってしまうのです。

 これは、あくまで、他に所得がない場合です。サラリーマンの場合には、給与所得と合算されますので、さらに、税金が上乗せになる可能性があります。

 もし、当たった方がこれを読んでいましたら、税金分をきちんと残して、有効にお使いください。

 なお、一時所得の計算式は、次のようになっています。

 一時所得の金額=収入金額−収入を得るために支出した費用−特別控除額(最高50万円)

 これを、今回の事例に当てはめますと、次のようになります。

 一時所得の金額=2億円−1,200万円−50万円=1億8,500万円

 扶養家族が無く、社会保険料や生命保険料等を一切支払っていない場合は、一時所得は、半分が所得税の対象となりますので、課税対象金額は、次のようになります。

 1億8,500万円÷2−基礎控除38万円=9,337万円

 これに所得税の税率をかけます。

 9,337万円×37%−249万円=32,056,900円

 現在、特別減税が20%(上限25万円)ありますので、この金額から、さらに25万円控除されます。

 32,056,900円−25万円=31,806,900円

 さらに、所得税に加えて、住民税も課税されますので、同様に住民税を計算します。

 (1億8,500万円÷2−33万円)×13%−31万円−4万円=11,632,100円


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

福利厚生費としての社員旅行

2003年6月3日

 社員旅行の費用は、社会通念上一般的に行われていると認められる程度のものであれば、所得税を課税しないこととなっています。基準を満たさなかった場合には、会社側は、給与として経費になりますが、従業員側は、給与ですので、所得税の対象となり、源泉徴収として所得税を追徴されることとなります。

 あいまいな「社会通念上一般的」の解釈が問題となってきます。

(1)形式基準

 まず形式としては、次の2つの要件を満たさなければなりません。

・旅行期間が4泊5日以内のものであること(目的地が海外の場合には、目的地における滞在日数で判断します。) 。

・全従業員の50%以上が旅行に参加すること。

 最近は、会社行事に参加したがらない従業員も多くなってきていますが、半数以上は参加しなければなりません。また、参加しなかった従業員に金銭等を渡した場合には、その従業員に対して給与を支給したことになり、源泉徴収の対象となりますので、ご注意ください。


(2)豪華旅行

 旅行の目的や行程などを考慮して、会社が負担する旅費が高額な場合には、従業員に対する給与となります。国内旅行よりも海外旅行のほうが安い時代ですので、一概に何円以上なら高額というふうには言い切れないのが難しいところとなっています。


(3)参加人員

 参加者を部長職以上とか、営業成績優秀者というふうに限定した場合には、給与扱いとなり、所得税の対象となります。全従業員を参加の対象にしてください。また、従業員の家族を同行させた場合には、家族分は従業員に負担させるのが望ましいです。会社側が負担した場合には、上記の要件を満たしていれば、従業員本人の分は福利厚生費となりますが、家族の分は従業員への給与となります。

 さらに、得意先の担当者などを招待する場合もあるかと思いますが、その場合には、交際費となり旅費の90%しか経費算入できなくなります。


(4)役員の取扱

 以上、従業員を基準に説明してきましたが、役員の場合は、基準は同様となります。役員に対して、給与として所得税の課税対象となった場合には、「役員賞与」という扱いとなります。役員賞与は、全額経費に算入することができませんので、役員自身が所得税を負担した上に、会社も役員分の旅費全額が法人税の対象となりますので、従業員以上に注意が必要となります。

 

(M.H)

 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

経費になる税金、ならない税金

2003年6月3日

 事業を営んでいると、支払ったものは、何でも経費になるような気がしますが、税金の場合は、支払っても経費にならないものもあれば、未納でも、納税通知書が届いた時点で経費になるものもあります。次のような税金の経理処理には、注意が必要となります。

(1)支払っても経費にならない税金

・法人税、所得税、都道府県民税、市町村民税

・無申告や納税が遅れたときにかかる、加算税、延滞税及び延滞金
 (国税の場合は延滞税、地方税の場合は延滞金といいます。)

・罰金及び科料並びに過料
 (交通反則金などは、経費になりません。)


(2)未納でも申告時点で経費になるもの

・事業税、事業所税

・消費税(会社の経理方法により、経費にならない場合があります。)


(3)未納でも課税通知書が届いた時点で経費になるもの

・不動産取得税、自動車税、固定資産税
 (実際に納付をした時点で、経費にすることも可能です。)


(4)支払い時点で経費になるもの

・上記以外の印紙税、登録免許税、自動車重量税等の税金は、支払った時点で経費にすることができます。

 

(M.H)

 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

電子納税

2003年5月7日

 国税の納付は原則として、税務署や金融機関の窓口に直接赴いて納付することとなっています。銀行の窓口が開いているのは、9時から15時まで、月末になると混雑したりと、非常に不便なものでした。インターネットバンキングや電話回線を利用したファームバンキングを利用して、各種振込をされている方も多いと思いますが、これまで、国税の納付には利用できませんでした。

 しかし、平成16年3月から、名古屋国税局管内を皮切りに、電子納税ができるようになります。電子納税は、事前登録をしておけば、インターネットバンキングやATMを利用して、ご自分の預貯金口座からの振替えにより納付することとなります。

 詳しくはe-Taxホームページ( http://www.e-tax.nta.go.jp)をご覧ください。

 

(M.H)

 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

退職金と税金

2003年5月7日

 退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税と住民税が源泉徴収(退職金から天引)されます。この退職金は、他の所得に比べ税負担が軽くて済むよう配慮されています。


(1)会社(支給者)側の手続

 退職金を支払う場合には、退職者に「退職所得の受給に関する申告書」を記載させ、その提出を受けます。会社は、下記の方法により、退職所得分の所得税と住民税を計算し、支給の際、退職金から税金を控除(源泉徴収)します。

 控除した税金は、支給日の翌月10日までに、所轄の税務署及び退職者の住所地の市町村に納付することとなります。

 さらに、「退職所得の源泉徴収票」を作成して、退職者に渡します。

 「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けないまま退職した場合には、上記の方法により税金を計算しないで、退職所得の20%の所得税を源泉徴収することとなります。

 会社は、控除した所得税を所轄の税務署に翌月10日までに納付します。

 この手続を怠ると、場合によって、10%の不納付加算税が上乗せされることとなります。


(2)退職者の手続

 「退職所得の受給に関する申告書」を提出した退職者は、源泉徴収だけで所得税の課税関係が終了(分離課税)しますので、原則として確定申告をする必要はありません。ただし、年金などのその他の所得がある場合には、確定申告をしなければなりません。

 「退職所得の受給に関する申告書」を提出せず、20%の所得税を源泉徴収された場合には、確定申告をすることによって、所得税の還付を受けることができます。

【所得税の定率減税】

 所得税には、20%の定率減税という制度があります。退職所得は原則として申告する必要はありませんが、定率減税の制度を利用することにより、所得税が還付されることがあります。


(3)所得税の金額

●退職所得の金額=(退職金の額-退職所得控除額)× 1/2

●税額=退職所得の金額×税率-控除額

所得税の税率表

退職所得金額       税率  控除額

330万円以下        10%    ―
330万円超~900万円以下  20%  33万円
900万円超~1,800万円以下 30%  123万円
1,800万円超        37%  249万円


(4) 退職所得控除額

 退職所得控除額は退職した方の勤続年数に応じて次のようになります。

勤続年数  退職所得控除額

20年以下 40万円×勤続年数
20年超  800万円+70万円×(勤続年数-20年)

(注1)勤続年数に1年未満の端数があるときは、たとえ1日でも1年として計算します。
(注2)上記の算式によって計算した金額が80万円未満の場合は、80万円となります。
(注3)障害者となったことに直接基因して退職する場合は、上記により計算した金額に、さらに100万円加算された金額になります。


(5)計算例

 30年勤務した方が退職金を2,500万円もらった場合

●退職金 2,500万円

●退職所得控除額 800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円

●課税所得 2,500万円-1,500万円=1,000万円

      1,000万円×1/2=500万円

●所得税 500万×20%-33万円=670,000円

●住民税 360,000円(税額表から算出します。)

 

(M.H)

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中小企業の少額減価償却資産の即時償却制度の創設

2003年4月2日

 建物や車両など使用可能期間が長期になる資産は、購入金額全額を経費にすることはできず、減価償却資産として、何年間かにわたり、徐々に経費に計上することとなっています。

 しかし、購入金額が少額の場合には、経費計上に特例が設けられています。


(1)購入金額が30万円未満の場合(平成15年度改正)

 次の条件に当てはまれば、購入金額の全額を一括で経費に計上することができます。

・資本金1億円以下の法人又は個人事業者であること

・平成15年4月1日以降に取得したものであること


(2)購入金額が10万円未満の場合

 全額を経費として計上できます。


(3)購入金額が10万円上20万円未満の場合

 購入金額の3分の1ずつを経費として計上できます。

 

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

利息に対する税金

2003年4月2日

(1)利子所得への課税

 銀行の預金や郵便局、農協等の貯金に対する利子は、利子所得として、所得税の対象となります。

 利子所得は、金融機関からその支払いを受ける際に、利子に対して15%の所得税と5%の住民税の合計20%の税金が控除されます。控除された税金は、金融機関が国へ納税します。

 例)利子 300円の場合

   所得税 45円  住民税 15円  手取額 240円

 今まで、利子を受け取っても申告をしたことがないという方がほとんどだと思いますが、なぜ、申告をしなくても問題が発生しなかったのでしょうか。

 それは、利子所得については、源泉分離課税制度というのがとられているからなのです。

 源泉分離課税制度とは、金融機関が利子の支払いの際に、税金を控除して支払うことによって、納税が完了する制度をいいます。利子を受け取った時点で、納税が完了するわけですから、受け取った利子について申告をする必要がないわけですが、逆に、利子の分の税金の還付を受けることもできません。

 郵便貯金通帳には、税金控除前の利子の金額と税金の金額が記載されますが、銀行の預金通帳の場合には、税金控除後の手取額のみが記載されることが多いようです。


(2)非課税

 次の利子については、税金が控除されないこととなっています。

・老人等のマル優

 年齢が65歳以上の人、遺族年金を受け取ることができる妻である人、身 体障害者手帳の交付を受けている人などの元本350万円までの利子

・勤労者財産形成貯蓄の利子

 元本550万円までの財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の利子

・納税準備預金の利子やいわゆる子供銀行預金の利子

 

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

相続時精算課税制度

2003年3月3日

(1)相続時精算課税制度とは

 65歳以上の親から20歳以上の子へ生前贈与を行った場合に、その贈与した財産の金額が2,500万円以下であれば、贈与税は無税(0円)となり、2,500万円を超えた場合には、その超えた金額の20%を贈与税として納税します。

 将来、親が亡くなり相続が発生した場合には、亡くなった時点の財産に、生前贈与をした財産を合算して相続税を計算します。相続税と生前贈与で納税した贈与税に差額が生じた場合には、その差額を納税または、還付されることとなります。

 また、贈与する財産が住宅の取得資金に充てられる場合には、親の年齢が65歳未満でもかまわない上に、非課税枠が3,500万円に拡大されます。


(2)相続時精算課税制度の内容

ア.原則

・贈与者  65歳以上の親

・受贈者  20歳以上の子(子が亡くなっている場合には孫)

・非課税枠 親1人につき2,500万円(通常贈与は、子1人につき110万円)

・税率   非課税枠を超える部分につい20%の税率で課税(相続時に相続税で精算)

・申告期限 贈与を受けた年の翌年3月15日

・贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限を設けない。


イ.住宅取得資金の特例

・非課税枠 3,500万円とする。

・贈与者(親)は65歳未満でも可。


(3)計算例

父(65歳、配偶者なし)子(20歳、兄弟なし)

財産総額 1億円

【相続時精算課税制度】

・生前贈与時

 贈与税 (1億円-2,500万円)×20%=1,500万円


・相続時

 相続税 (1億円-基礎控除6,000万円)×20%-200万円=600万円

 生前贈与分の精算  600万円-1,500万円=△900万円(還付)


【従来の生前贈与】

・生前贈与時

 贈与税 (1億円-110万円)×50%-225万円=4,720万円

・相続時
 相続税 0円


(4)適用の注意点

・1度選択すると相続時まで適用される。

・相続時に合算される財産の金額は、生前贈与時の時価であること。土地等の値下がりが予想される場合には、十分な検討が必要です。

・両親が健在の場合、父母それぞれ1人ずつ適用、不適用を選択できます。

・親以外からの贈与については、通常の110万円の非課税枠が適用されます。

・現行の住宅取得資金の特例(非課税枠550万円)を適用した場合には、以後5年間、相続時精算課税制度を適用できません。

 

(M.H)

 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

確定申告をしなければならない人

2003年2月4日

(1)給与所得者

・年間の給与収入が2,000万円を超える人

・2カ所以上から給与をもらっている人で、2カ所目以降の給与収入の合計が年間20万円を超える人

・1カ所から給与をもらっている人で、給与所得と退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超える人

・同族会社の役員や親族で、その会社から、貸付金の利子や地代家賃等を収受している人(金額の条件はありません。)

・その他


(2)退職所得がある人

 退職金をもらうときには、会社に「退職所得の受給に関する申告書」というのを提出して、所得税や住民税を控除され、課税関係が終了しますが、提出しなかった場合には、20%の税率で所得税が控除されます。

 所得税を計算し直した結果、税額が20%相当額を超えた場合には、申告が必要となります。

 
(M.H)
 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

住宅ローン控除

2003年2月4日

 50平方メートル以上の住宅を新築又は購入したり、100万円以上の増改築を行った場合には、10年間、年末のローン残高の1%相当額の所得税の還付を受けることができます。

 2年目以降は、勤務先の会社で年末調整により還付を受けられますが、1年目は、税務署へ確定申告が必要となります。

 その際の、必要書類は下記のとおりです。

 ・家屋及び土地の登記簿の謄本、抄本又は登記事項証明書

 ・建築請負契約書又は売買契約書の写し

 ・住民票の写し

 ・金融機関等からの「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」

 ・源泉徴収票などの所得がわかるもの
 

(M.H)

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消費税の免税制度

2002年12月2日

 平成15年度の税制改正案の一つに消費税の免税点の引き下げがあがっています。消費税は、前々期の売上高が3,000万円を超えた場合に納税義務が発生することとなります。つまり、売上高が3,000万円以下の事業者は消費税をいくら預かっても、税務署へ1円たりとも納める必要はないのです。

 政府税制調査会の資料から、平成12年度の試算で個人法人を含めた事業者全体の 6割、約367万人が免税事業者であることがわかりました。そのうち、個人は全事業者45.8%、法人は1 6.1%となっています。

 3,000万円の免税点を1,000万円へ引き下げる案が出ているわけですが、仮に1,000万円へ引き下げられると、個人では全事業者の14.8%、法人では、8.2%の事業者が新たに消費税の免税事業者となります。ちなみに売上高1千万円以下の個人事業者が全事業者の31.0%を占め最も多くなっていますが、この中には、おそらく、副業で不動産賃貸をしている方や、農業所得者が含まれるものと思われます。

 同じ資料に、諸外国の免税点も掲載されています。最低は、スペイン、スウェーデンの免税点0から最高でもイギリスの1,028万円(1ポンド187円)となっていまし、税率は、20%前後が多くなっています。

 

(M.H)


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消費税の簡易課税制度

2002年12月2日

 消費税は、売上で預かった消費税から、仕入や経費で支払った消費税を控除して残った金額を税務署に納めることになっています。しかし、売上高が2億円以下の事業者については、売上で預かった消費税のうち業種に応じて10%から50%分の消費税を納めればいいという制度があります。これを簡易課税制度といいますが、この基準である2億円の引き下げも税制改正案としてあがっています。

 この制度を適用しているのは、同じ資料から平成12年度で全事業者の47.1%ということがわかりました。仮に2億円から1億円に引き下げられた場合には、全事業者の10%の事業者がこの制度を利用できなくなります。

 免税制度と簡易課税制度があることにより、消費者が買い物等で支払った消費税の一部を国へ納税せずに事業者の運転資金として利用できたのですが、原案通りに改正が行われた場合、今後は消費税の納税を含めた資金繰り対策が必要となります。増税の痛みだけが目に付きますが、税収増となった分は有効に利用して欲しいものです。

 

(M.H)

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固定資産税の精算

2002年11月5日

 不動産取引の際に、取引の日以後の固定資産税を売り主と買い主の間で精算する取引慣行があります。固定資産税は、その年の1月1日現在の所有者に課税されますので、売買の日から12月31日までの分の固定資産税をを日割りで買い主が売り主へ支払うこととなります。

 この場合の、売り主側の譲渡税の申告上の取扱は、受け取った固定資産税の日割り分も譲渡収入に含めることとなります。逆に買い主のほうは、取得時の経費とはならず、その不動産の取得価額に加算することとなります。

 あくまでも、取引慣行としては問題ありませんが、この場合には、経費の按分ではなく、税金上は、売買代金に含めて計算することになりますので、ご注意ください。

 

(M.H)

 

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役員へ貸付をした場合

2002年11月5日

 役員への貸付についてご説明いたします。

会社が役員に、無利息または通常の利率よりも低い利率でお金を貸し付けた場合、その役員は、会社から利息相当分の給与を受けたものとみなされ、所得税の課税対象となります。

 役員へ貸付を行う場合には、必ず利息を徴収するようにしてください。その場合の利率は、市中金利といたします。会社が借入を行っている場合には、その金利を適用するとよいでしょう。

 貸付ではなく一時的な仮払として処理していることもありますが、精算を長期間怠っていると、貸付金とみなされ、所得税が課税されたり、または、使途秘匿金として通常の税率よりも高率の法人税が課税されますので、注意してください。
 

(M.H)

 

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会社の資金繰りのために社長からお金を借りた

2002年10月2日

 一時的な資金不足のために、会社と役員間で金銭の融通をすることは中小企業ではよくあることですが、その場合の注意点についてご説明いたします。

・ 会社が役員から無利息でお金を借りた場合

 役員から会社がお金を無利息で借りることは、何ら問題もありませんし、その他のことを考慮しますと、それが一番望ましいようです。会社側は支払利息の負担が減りますので、その分利益が増え、税収が増加することから、課税関係は生じないと言われています。

 役員借入金は、課税庁側からみると脱税の温床と考えられています。会社へ貸付を行うときには、通帳を通すなどして必ず出所がわかるようにしておきます。決して、現金で集金してきた売上代金を帳簿を通さずに役員借入金として会社へ貸し付けてはいけません。この場合には、「所得隠し」や「脱税」となります。

・ 役員からの借入に利息を支払う場合

 利息を設定する場合には、利率をその時点の市中金利に合わせるようにします。そして、取締役会の承認を受けておいたほうが無難です。明確な理由もなしに市中金利より高い利率を設定した場合には、役員に対する給与となり、源泉徴収が必要となります。利益を追求すべきその会社の役員が高利貸しとなって会社に損失を与えることのないようにしてください。

 また、利息を受け取った役員は、雑所得として所得税の確定申告が必要となります。利息が20万円以下の場合には確定申告が不要となる制度もありますが、同族会社の役員には、この規定は適用されませんので、必ず確定申告をしてください。


・ 役員報酬を受け取り、すぐに会社に貸し付ける場合

 資金繰りの都合から設定した役員報酬を受け取れない場合には、一旦支給した後すぐに会社へ貸し付けたように会計処理をします。一旦支給した形を取りますので、役員報酬に対する源泉所得税はきちんと翌月10日(納期特例を採用している場合には、1月と7月)までに、納めなければなりません。この処理を怠ると、役員賞与として経費算入ができなくなる場合があります。
 

(M.H)

 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

印紙税の節約の仕方

2002年9月2日

 商売をしていると、いろいろな場面で、印紙を貼付する場面に出くわすと思います。3万円以上100万円以下の領収証には、200円の印紙というのは、普段何気なく印紙を貼っていますが、これが、税込105万円だったらどうしていますか?金額の書き方ひとつとっても、添付する印紙に差が出てきますので、その手法を簡単にご紹介します。


・ 契約書は、取引上問題なければ1通だけ作成し、他の関係者は、コピーを所持するようにすると、印紙は、原本だけに添付すればよいことになります。ただ、コピーに朱肉をつけて押印した場合には、コピーにも印紙が必要になりますので、ご注意を。


・ 金額を消費税別で記載すると、印紙の判定は、税抜金額で行います。次のような記載の仕方をすると印紙は200円です。

小計1,000,000円 消費税等50,000円 合計1,050,000円
金額1,050,000円(うち消費税等50,000円)


・ できるだけひとつの文書にまとめる。印紙税は、作成する文書の種類によって金額が変わってきます。例えば、建築条件付きの土地をハウスメーカーから購入して住宅を建てる場合に、土地の売買契約書と建物の建築請負契約書をひとつの契約書にすると、印紙税が軽減されます。

 

(M.H)

 

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認定NPO法人への寄附

2002年9月2日

 NPO法人とは、特定の非営利活動を行うことを目的として設立された、所轄官庁の認証を受けた法人をいいます。そのうち、一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の認定を受けたものを「認定NPO法人」といいます。

・個人が認定NPO法人へ寄附した場合

個人が認定NPO法人へ一定の寄附をした場合には、寄附金控除の対象となり、原則として支払った寄附金の額から1万円を引いた金額に税率をかけた分だけ所得税が軽減されます。


・法人が認定NPO法人へ寄附した場合

 法人が行った寄附金には、経費算入額に制限が設けられていますが、認定NPO法人への寄附金は、特定公益増進法人へ対する寄附金として、制限される額が少なくなります。


・相続財産を認定NPO法人寄附した場合

 相続人が、相続財産を認定NPO法人へ寄附し、寄附を受けた認定NPO法人がその財産を非営利活動のために利用した場合には、相続税税の計算から除外されます。

 認定NPO法人は、国税庁から公表されいますので、寄附をする前にきちんと確認をすることが必要なります。現在、「国境なき医師団日本」などが認定されています。
 

(M.H)

 

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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