2025年4月18日
(1)夫婦間での居住用不動産の贈与
結婚20年以上の夫婦間で、自分が住むための土地、建物をもらった場合には、特例として2,000万円の配偶者控除が適用されます。
つまり、通常の基礎控除額110万円と合わせて、2,110万円までは贈与税はかかりません。
贈与税がかからなくても、この特例を利用する意思表示をするために、翌年3月15日までに、贈与税の申告が必要となります。
この特例は、一組の夫婦間で一生に一度しか利用できません。
なお、居住用の土地・建物を購入するための資金をもらった場合も、この特例が適用されます。
(2)住宅取得等資金の特例
父母又は祖父母から、住宅を取得するための資金をもらった場合には、1,000万円までの金額であれば贈与税は非課税となります。
適用対象は金銭であり、不動産をもらったら適用対象外です。
なお、省エネルギー、耐震、バリアフリーについて一定の基準をいずれも満たしていない場合は、非課税の上限は500万円となります。
父母又は祖父母には、義理の父母及び祖父母は含まれませんが、養子縁組をすれば適用が可能です。
この特例も、贈与税がかからなくても、この特例を利用する意思表示をするために、翌年3月15日までに申告が必要です。
(3)相続時精算課税制度
60歳以上の父母、祖父母等から18歳以上の子や孫等へ生存贈与をした場合は、2,500万円の特別控除が適用されます。
上記の住宅取得等資金の場合は、60歳未満でも適用可能です。
2,500万円は、1ペア毎に適用されます。
例えば、両親からそれぞれ2,500万円ずつ生前贈与された場合は、父子間で2,500万円の特別控除、母子間で2,500万円の特別控除となります。
この特別控除は、一生の間で使える金額です。
1年で2,500円を使い切っても良いですし、500万円ずつ5年で使い切ることも可能です。
一生分の2,500万円を使い切った場合は、越えた分の20%の贈与税が課税されます。
生前贈与された財産は、贈与時の時価で相続税の課税対象となります。
生前に納めた贈与税は相続税額から控除され、納めすぎた贈与税があれば還付されます。
相続時精算課税を適用すると、暦年課税に戻ることはできませんが、基礎控除の110万円は、毎年適用できます。
1年での最大の生前贈与額は、特別控除2,500万円と基礎控除110万円を合わせた2,610万円ということになります。
なお、同じ年に複数の人から相続時精算課税を受けた場合は、110万円は按分計算します。
相続時精算課税を適用する場合は、贈与税がかからなくても、この特例を利用する意思表示をするために、翌年3月15日までに申告が必要です。
基礎控除の110万円以内でも、相続時精算課税選択届出書の提出は必要です。
相続時精算課税適用後の毎年110万円まで生前贈与は、7年遡及の対象外です。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。