2024年5月15日
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(1)みなし役員
従業員でも、法人税法上は役員とみなされる場合があります。
会社の取締役や監査役として役員登記されていれば、会社法上その会社の役員です。
しかし、その会社の株式の5%超を保有している場合は、役員とみなされる場合があります。
オーナー企業の場合は、オーナー一族で過半数の株を所有していることが多いと思います。
オーナー一族の場合には、たとえ部長や工場長といった従業員としての肩書きだったとしても、役員とみなされるかもしれません。
自分の持ち株割合が5%超かどうかは、配偶者の持ち株も合算して判定します。
配偶者が無職だったとしても、配偶者の持ち株が5%超であれば、役員かもしれません。
ただし、肩書きどおり従業員としての職務しかしていない場合は、持ち株割合が多くても役員とはなりません。
経営に携わっていないか、慎重に判断しましょう。
(2)賞与は経費計上不可
従業員であれば、支給した賞与は全額経費です。
役員に支給した賞与は、原則経費になりません。
従業員に賞与を支給したつもりでも、経営に従事していて、持ち株割合が5%超であれば、役員賞与として経費にならない可能性があります。
役員でも事前確定届出給与の手続きをしておけば、賞与も経費にできます。
どちらか判断がつかないのであれば、割り切って取締役として役員登記をして、事前確定届出給与の手続きをしておくのも一つの手です。
(3)社宅家賃が高い
役員や従業員に社宅を提供している場合は、会社が通達で定められた金額以上の家賃を徴収していれば、給与等として追徴課税されることはありません。
役員か従業員か、役員であれば賃貸面積が広いかどうかで、家賃の計算方法は変わってきます。
従業員であれば、役員の半分以下の家賃徴収で課税上の問題はクリアされます。
従業員のつもりで安い家賃に設定していたら、後から役員とみなされて追徴課税されるかもしれません。
その場合は、安く設定していた分が給与とされて、所得税がかかることになります。(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。