2024年4月20日
(1)一人あたり1万円以下の飲食費は経費
2024年度の税制改正で、交際費の経費計上枠が拡大されました。
交際費には、経費計上に一部制限があります。
一人あたりの飲食費が1万円以下であれば、交際費に該当しないこととなり、全額経費計上が可能になります。
1万円以下の判定は、合計額を参加人数で割って計算します。
参加者が5人で、飲食費の合計が5万円であれば、全額が経費となります。
飲食をした年月日、飲食店名、参加人数、合計額を記録するようにしてください。
さらに、代表者一人で良いので、接待先の社名、役職、氏名も記録してください。
科目は交際費と区別するために、「会議費」としておく方法がわかりやすいと思います。
交際費の増減を把握したい場合には、科目の補助コードを使って、すぐに区別できるようにしておくと良いですね。
なお、参加人数を水増しして経費精算して、後から税務署に否認される事例が多数ありますので、会社の経費申請は通るからといって安易な不正はしないように。
(2)税抜経理が有利
会社の消費税の処理方法が税抜経理方式の場合は、1万円の判定は税抜金額で行います。
一人あたり11,000円の飲食費であれば、税抜
10,000円ですから、交際費の対象外で経費です。
税込経理ですと、税込10,000円が経費計上の上限になります。
税抜経理の方が、経費計上額を大きく取れます。
(3)免税事業者の飲食店に注意
利用した飲食店が免税事業者の場合は、インボイスが発行されません。
免税事業者へ支払った消費税は、特例で消費税相当額の80%を控除して良いことになっています。
つまり、11,000円の飲食代の場合は、消費税相当額1,000円の80%の800円が控除対象消費税となります。
消費税が800円ということは、税抜金額は
10,200円となり、1万円を超えてしまいます。
1円でも1万円を超えてしまった場合は、支払額全額が交際費に該当しますので、ご注意を。
(4)中小企業は800万円まで経費
中小企業の場合は、1年間の交際費が800万円まで、経費計上可能です。
もともと交際費を800万円も使わないよという会社は、1万円の基準は気にしても意味がありません。
逆に800万円を超える会社は、一人あたりの金額をチェックして、経費計上額を増やしていきましょう。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。