2023年7月20日
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(1)見舞金の経費計上額は
従業員や役員が入院等をした際に見舞金を支払うことがあるかと思います。
そして、見舞金の金額をいくら支払えばいいのか判断を迷うのではないでしょうか。
今回は見舞金の金額を考える際に参考になる判例をご紹介します。
(2)判例の紹介
H14.6.13の裁決事例で入院1回につき50,000円が妥当であると認められています。
この事例では役員に見舞金3,995,000円支払われていました。
しかし、一般的に認められる見舞金は入院1回当たり50,000円と判断されました。
結果、9回入院をしていたので50,000×9回の
450,000円が見舞金、残り3,545,000円が役員賞与とされました。
役員賞与にとして経費にするには事前確定届出給与を株主総会が行われた日から1ヶ月以内に所轄の税務署に届出を提出する必要があります。
今回の事例では、事前確定届出給与を提出していないため経費処理はされず個人の所得となりました。
実際の支払例より見舞金50,000円を超えて支払のないことから事例の金額が認められています。
また、H13.2.28の地方裁判の判決で保険金を基に
55,000,000円を退職金としていたが代表者に支払った退職金は災害等の見舞金に該当するのではとの事例があります。
災害等の見舞金として55,000,000円は一般的に認められる金額に対して高額とのことで認められず、退職金と認められています。
(3)見舞金は50,000円で決まり?
H14.6.13の裁決事例で入院1回につき50,000円が妥当と認められていますが、50,000円以上の支払いだから経費として認められていない事例はありません。
会社の規模や貢献度に応じて社会一般的に認められる金額が決まるので、必ずしも50,000円というわけではないのです。
ですが、50,000円を超えると経費として否認されるリスクが高まりますので支払いには注意が必要です。
また、慶弔見舞金支給規程を設定していただき、従業員、役員等の役職ごとに会長、社長、部長、従業員、アルバイト等と細かく記載し支払ったとしても、経費として否認されるリスクは減らせる可能性はありますので詳細に記載しましょう。
(Y.I)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。