輸入消費税の落とし穴|仙台市の税理士・ひなた税理士法人
2026年5月18日更新
(1)輸入消費税の課税
海外から商品や材料などを輸入する際には、税関に対して「輸入消費税」を納める必要があります。
国内取引における消費税は、事業者が納税義務者となりますが、輸入の場合は事業者に限定されません。
そのため、事業を行っていない個人が海外通販などで商品を購入した場合(個人輸入)や、海外旅行のお土産を国内に持ち込む場合も、原則として消費税の課税対象となります。
なお、税率は国内取引と同様に10%です。
ただし、輸入する物品が「飲食料品(酒類・外食を除く)」などの軽減税率対象品目である場合は、8%が適用されます。
(2)仕入税額控除の適用
輸入した商品等を国内で販売・使用する場合、輸入時に税関へ支払った消費税は、自社の消費税納税額を計算する際に「仕入税額控除」として差し引くことができます。
控除できる金額は、税関に実際に支払った消費税額です。
海外の取引先へ支払った商品代金に単純に税率を乗じた金額とは必ずしも一致しない点に注意してください。
消費税は関税等を含めた金額に対して課税されるためです。
この控除を受けるためには、帳簿に輸入取引である旨や税額を正しく記載すること、税関長より交付される「輸入許可証」を保存することが必要です。
2023年10月のインボイス制度開始後も、輸入取引については「適格請求書(インボイス)」ではなく、この輸入許可証が仕入税額控除の証憑となります。
(3)経理処理と仕訳
輸入した商品等が販売用であれば、一般的な仕訳は次のようになります。
(借方)仕入高 ××× (貸方)現預金 ×××
仮払消費税等(輸入) ×××
国内仕入と形は似ていますが、金額の内訳が異なります。
仕入高の金額は、商品本体価格に関税や海外運賃、保険料などの輸入諸掛を加算した合計額になります。
この金額自体は消費税の計算には直接関係しません。
二重控除を防ぐため、消費税区分は「不課税」または「対象外」とします。
「仮払消費税等」の金額は、税関へ実際に支払った消費税額を計上します。
通関業者に納税を委託している場合は、業者からの請求書や支払明細書に記載されている「輸入消費税額」を確認して入力してください。
会計ソフトに入力する場合、初期設定や税区分コードの選択に細心の注意が必要です。
商品代金(本体+関税等)の入力時に、税区分を「課税仕入」を選択してしまうと、消費税を二重に計上することになり、過大な控除となってしまいます。
消費税額の入力時は、支払った消費税分のみを「輸入消費税」専用の税区分にしてください。
会計ソフトにより設定方法やコード名が異なりますので、必ず最新のマニュアルやFAQを確認して操作してください。
荷揚げ後の日本国内での運賃が発生している場合、その分は国内取引として「課税仕入(10%)」となります。
不課税である輸入分と課税対象の国内分を適切に切り分けて入力する必要があります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
