個人事業の承継は相続前|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2021年9月17日


(1)売上1,000万円以下は消費税免除

 個人事業主は、前々年の消費税課税対象の売上が
1,000万円以下である場合には、消費税の納税義務はありません。

 納税義務がありませんから、申告の必要もありません。

 売上高が1,000万円を超えた場合は、その翌々年から消費税の納税義務が発生します。

 新規創業の場合は、1年目と2年目の前々年はまだ創業前で売上がありませんから、通常1年目と2年目は消費税を納める必要はありません。

 ただし、個人事業でも1年目の6月末までの給与支給額が1,000万円を超える場合等、ある程度の規模で事業を始める場合は、1年目から消費税の納税義務がありますから注意してください。


(2)相続により事業承継した場合

 相続による事業承継で事業を開始した場合は、1年目から消費税の納税義務が免除されるとは限りません。

 例えば親から事業を承継した場合に、親が免税事業者の場合は、事業を承継した子の1年目は同様に免税事業者になります。

 しかし、親が課税事業者であった場合は、親が亡くなった日までの事業については、親の名前で消費税の納税をします。

 亡くなった日の翌日以後の事業については、子の名前で消費税の納税をすることになります。

 つまり、消費税課税事業者の事業を相続により承継した場合の創業1年目は、承継直後から課税事業者になります。

 事業承継後2年目と3年目については、親と子の2人の売上を合計して、1,000万円以下かどうかを判定します。

 事業を相続により承継した場合は、消費税の納税義務の判定が複雑になりますのでご注意を。


(3)亡くなる前に承継しよう

 亡くなってから承継すると、親の売上規模が影響しますので、亡くなる前に承継してしまいましょう。

 亡くなる前に承継を済ませれば、(2)の判定は不要で、単なる親の廃業と子の創業の形になります。

 親は個人事業の廃業届と消費税の廃止届を提出して、翌年3月に、廃業日までの分の確定申告をして終了となります。

 子は開業届を提出して創業となり、事業承継以降の確定申告を毎年していくことになります。

 消費税の納税義務の有無は(1)の方法で判定しますので、創業1年目と2年目は消費税の免税事業者となる可能性が高いでしょう。

 親の青色申告は引き継がれませんので、青色申告の承認申請は別途提出が必要です。

 消費税の簡易課税を適用したい場合も、親から引き継ぎはありませんので、別途簡易課税選択適用届が必要です。

 在庫や設備の引き継ぎ額が大きい場合は、消費税の納税額や還付額に影響しますので、相続で承継するかも含めて、承継方法や届出書の提出について、十分な検討をする必要があります。


(4)不動産賃貸業は相続で

 不動産賃貸業の場合は、相続前の承継が必ずしも有利になるとは限りません。

 不動産賃貸業の承継は、所有不動産の名義変更を伴いますので、登記費用や不動産取得税の負担を考えると、相続での承継が有利になる可能性が高いと思います。

 相続税の納税負担もありますので、きちんとシミュレーションして対策をしましょう。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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