軽減税率の8%と経過措置の8%|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2019.10.4
(1)飲食料品は軽減税率
飲食料品は、軽減税率が適用され、消費税率は8%です。
ただし、酒類と医薬品は、標準税率の10%です。
定期購読の新聞も、軽減税率の8%です。
店内で飲食をした場合は、標準税率の10%ですが、同じ飲食品を持ち帰りにした場合は、軽減税率の8%です。
軽減税率については、こちらを参考にしてください。https://bit.ly/2MaZ3mD
(2)10月以降も8%の経過措置
10月以降、食品以外でも消費税率が8%の場合もあります。
10月以降に乗車する電車の切符や定期券を、9月以前に購入しておくと、消費税率は8%になります。
遊園地やコンサートのチケットも、9月以前に購入しておけば、8%のままです。
また、2019年3月31日以前に締結した請負契約であれば、10月以降に成果物の引き渡しが行われても、消費税率は8%のままです。
契約内容に変更がなければ、引き渡しが何年後になっても8%のままです。
経過措置については、5%から8%に上がったときの記事ですが、こちらを参考にしてください。https://bit.ly/30NPtv3
(3)同じ8%でも違う中身
軽減税率も経過措置も、どちらも消費税率は8%ですね。
同じ8%でも、実は中身が違うのです。
皆さんが負担している消費税は、国の消費税の他に、地方分の地方消費税も含まれています。
消費税率10%というのは、国の消費税が7.8%と地方消費税2.2%を合計した税率なのです。
なので、「消費税等」と書かれているレシートがあったりします。
勘定科目も「未払消費税等」や「仮受消費税等」と「等」が付くのが正しいのです。
軽減税率の8%は、国の消費税6.24%と地方消費税1.76%の合計なんですね。
10%と同じ78対12の比率です。
10%に増税する前の8%時代には、国と地方の比率は63対17で、国の消費税6.3%と地方消費税
1.7%の合計でした。
経過措置の8%は、増税の前の税率が適用されます。
つまり、軽減税率の8%と経過措置の8%は、同じ8%でも、構成が違うわけです。
消費税の納税額を計算する際には、同じ8%でも、明確に区分しなければいけません。
経理処理においても、軽減税率で8%なのか、経過措置で8%なのか、分けて仕訳するよう注意してください。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。