減価償却方法の選択|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2018.11.20
(1)減価償却方法の選択
減価償却費の計算方法の選択を間違えると、経費が少なくなって、納税額が増えてしまいます。
逆に思ったより経費が増えてしまって、赤字になってしまうこともあります。
減価償却の方法は、一般的には、定額法、又は、定率法のどちらかを採用します。
それぞれの計算方法の説明は省略しますが、イメージとしては、定額法は、毎年均等額を経費計上します。
それに対して、定率法は、最初の数年間が経費計上額大きく、年を経るにつれて、だんだん償却費が少なくなっていきます。
定額法と定率法のどちらを採用するかは、会社の任意です。
採用したい償却方法を、税務署へ届け出るだけで、好きな方法を選択できます。
早期にいっぱい経費を計上したいという場合には、定率法を採用します。
なお、税務署への届出をしなかった場合は、自動的に、定率法を採用したことになります。
ちなみに、個人事業者等の所得税の計算では、届出がないと定額法になります。
(2)定率法が使えない資産
先に経費を多く計上したい場合は、定率法を採用すべきなのですが、資産の種類によっては、定額法しか採用できない資産があります。
・建物
・建物附属設備
・構築物
上記3種類の資産は、定額法しか採用できません。
定率法を採用する届出をしてもダメです。
ただし、これらの建物等の資産でも、定率法で減価償却をしている場合があります。
それは、定率法が使えなくなる税制改正が行われる前に、その建物等を取得している場合です。
減価償却の方法は変更が可能なのですが、定額法への変更届を出さなければ、定率法での計算は、ずっと続けられます。
(3)2007年3月31日以前取得建物
建物の価値を高めたり、耐久性を増すような改良工事をした場合は、修繕費として経費にならず、減価償却の対象となります。
税制改正後の改良工事は、基本的に定額法しか採用できません。
しかし、2007年3月31日以前に取得した建物への改良工事であれば、定率法を採用することが可能です。
現在の定率法とは計算方法が違うので、旧定率法ですが、少しでも経費を多く計上したい場合は、この方法も検討してみてくださいね。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。