退職所得の受給に関する申告書|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2014.7.4
(1)退職時の手続き
会社が役員や従業員に退職金を支給する場合には、「退職所得に受給に関する申告書」を提出してもらってください。
この申告書の提出があれば、会社は、勤続年数等に応じて、所得税と住民税を計算して、退職金から控除して支給します。
退職金から控除した所得税と住民税は、支給日の翌月10日までに、税務署と居住している市町村に納税します。
退職金を受け取った役員等は、所得税等が退職金から天引きされることで、課税関係は終了しますので、原則として確定申告をする必要はありません。
(2)提出がない場合
申告書の提出があれば、勤続年数等に応じた控除等があるので、天引きされる所得税が大幅に軽減されます。
退職金の額によっては、天引きされる税金はゼロということもあります。
しかし、退職所得の受給に関する申告書の提出がない場合は、退職金から天引きする所得税は、勤続年数に関係なく、退職金の20%となります。
20%の所得税では、ほとんどの人が、本来の所得税より大幅に高くなります。
高く天引きされた所得税は、確定申告をすることによって還付されますが、還付申告ができるのは翌年以降と時間がかかりますし、確定申告という手間も必要になります。
なお、住民税は、勤続年数を考慮した税額を天引きします。
(3)会社側の不利益
たまに、退職金の税金がゼロということで、申告書ももらわず、何も手続きをしていない会社があります。
申告書の提出がされていないわけですから、退職金の20%の所得税を天引きして納税をしなければいけなかったのに、会社は何もしていません。
後日、税務署がこの事実を見つけた場合は、会社に20%の所得税の納付をするように言ってきます。
しかも不納付加算税と延滞税付きです。
これは、余計な出費ですので、くれぐれもご注意を。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。