外国人に支払う費用等の源泉徴収義務|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2013.4.5
(1)外国人への支払時には所得税天引き
外国人や外国企業に、費用や代金の代金の支払いをする場合には、請求額をそのまま払ってはいけません。
給料、家賃、利子、配当、不動産の購入金額等の法律で定められた条件に該当する場合には、だいたい10〜20%の源泉所得税を支払額から天引きする必要があります。
天引きした源泉所得税は、支払日の翌月10日までに、税務署へ納税することになります。
外国人等への支払いは、企業や事業者に限らず、一般の個人も該当しますので、注意が必要です。
(2)対象になる支払い
国税庁が公表した誤りやすい事例には、源泉所得税の天引きが必要な主な支払いとして、次のようなものをあげています。
・不動産の購入金額
外国人等から不動産を購入した場合には、購入金額の10.21%の所得税を天引きします。
なお、個人が1億円以下で居住用に購入した場合は、天引きの必要はありませんが、法人が購入する場合は、全て対象になります。
・地代家賃
外国人等が所有する不動産の地代家賃は、賃借料の20.42%の所得税を天引きします。
こちらも、居住用に個人が借りている場合には必要ありませんが、法人が借りている場合には、全て対象です。
・給与等
外国人へ、国内での勤務に対して支払われる給料、賃金、賞与等は、20.42%の所得税を天引きします。
(3)条約の締結
外国人等の国籍を必ず確認してください。
我が国では、アメリカや中国等、多数の国や地域との間で、租税条約が締結されています。
条約によって天引きする税率が変わっていたり、免税となったりする場合があります。
支払時には、条約が締結されていないかを確認しましょう。
また、事前に届出が必要な場合もありますので、注意が必要です。
(4)納付遅れは罰金対象
納期限は、支払月の翌月10日です。
1日でも遅れますと、10%の不納付加算税や延滞税の対象になる可能性があります。
天引きすべき所得税は、相手先の外国人等から、返還してもらうことになります。
税務署から指摘された時点で、相手先の外国人等と連絡が取れない状態になっていますと、税務署への納税からは逃れられませんので、自分で負担することになってしまいます。
支払先が外国人等の場合には、くれぐれもご注意ください。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。