在職中に支払われる退職金|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2010.8.5
(1)退職所得とは
退職所得とは、退職を基因として支払われる給与をいいます。支払手段には、現金の他に、商品券で渡した場合も含まれます。
退職金に対する税金は、原則として、退職金の支給時に、所得税と住民税が天引きされますので、確定申告の必要はありません。
所得税と住民税は、次の退職所得の金額に、所得税、住民税のそれぞれの税率をかかて計算します。
・勤続年数20年以下の場合
退職所得=(退職金−※勤続年数×40万円)÷2 ※勤続年数が2年未満の場合は、2年とします。
・勤続年数20年超の場合
退職所得=(退職金−800万円−70万円×(勤続年数−20年))÷2
勤続年数に応じて、退職金から控除される金額がどんどん増えていく上に、半分になりますので、税金は、かなり優遇されています。
退職金を受給する際には、必ず、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出するようにしてくださいね。
もし提出がないと、20%の所得税が一律に天引きされる上に、確定申告をしないと、還付も受けられなくなりますよ。
(2)在職中でも退職金となる場合
退職所得は、退職を基因されものをいいますが、在職中に支給された場合でも、退職所得として扱われる場合があります。
新たに退職給与規程を制定した場合や、退職給与規程を改正した場合に、それまでの勤続期間の分の退職金が支給された場合には、退職所得となります。中退共への移行など、合理的な理由がない場合や、従業員の選択で一時金を受け取る場合には、賞与として、高い所得税がかかる場合もありますので、ご注意を。
従業員から役員に昇格した場合には、昇格時に、従業員の退職金を支給していれば、退職所得となります。
また、定年に達した後に、引き続き勤務をする場合において、定年までの退職金を支給された場合にも、退職所得となります。
退職所得となれば、一般的には、賞与扱いよりも税制上優遇されていますので、同じ支給額でも、手取りが多くなります。
なお、次に、実際に退職した際にも、退職金を支給することもあるかもしれませんが、最初の退職金支給時までの勤続期間を考慮しないで、退職金を計算するようにしてください。
(M.H)