5000円以内の飲食費|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2010.6.4
(1)交際費の取り扱い
交際費は、資本金の額に応じて、経費計上できない金額が、定められています。
・資本金1億円以下の場合
損金不算入額=支出交際費の額−A×90%
※Aは、次のア、イのいずれか少ない金額
ア 600万円
イ 支出交際費
・資本金1億円超の場合 損金不算入額=支出交際費の全額
資本金1億円超であれば、交際費の全額が、法人税の対象になります。
中小企業の場合でも、原則10%は、法人税の対象になります。
(2)5000円以下の飲食費
接待や懇親ための飲食は、交際費に該当し、一部が経費として認められないのですが、飲食代金が、1人当たり5,000円以下であれば、税法上の交際費から除外していいことになっています。
交際費から除外ということは、全額が経費計上できることになります。
お歳暮、お中元等の贈答品を食品にしても、飲食費ではありませんので、交際費となります。
(3)書類の保存
この適用を受けるためには、次の事項を記載した書類を作成する必要があります。
・飲食の年月日
・社外の参加者との関係と氏名又は名称
・全参加者の人数
・飲食費の金額と飲食店の名称及び住所
この書類は、様式が決まっているわけではありません。会社の様式で、稟議書や申請書等のひな型あれば、それを使ってかまいません。面倒な場合には、必要事項を、領収証の裏にメモしておいてもいいですよ。
この記載がないと、人数の確認ができませんし、そもそも、飲食費そのものが、会社で負担すべきものなのかの判断もできないことになってしまいます。
(4)1人当たりの計算
1人当たり5,000円以下の判定は、単純に飲食費の合計額を、参加者の人数で割って行います。消費税の処理を税込経理にしている場合には、税込金額で判定することになりますので、税抜経理を採用しているほうが、より多く、経費計上できることになります。
接待等が1次会、2次会と行われた場合には、別々に判定することになります。1店当たり1人5,000円以下かで、判断します。
また、会費制で行われた場合には、1人分の会費が5,000円以下であれば、交際費から除外されます。
計算の結果、たとえ5,000円を超えた場合でも、必ず交際費になるわけではありません。あくまでも接待を目的とした飲食ではなく、合理的な理由があって、5,000円を超えてしまった場合には、会議費等の他の科目で処理してかまいません。
(5)経理処理
5,000円以下の飲食費の経理処理は、申告処理がしやすいように、「会議費」等の、「交際費」とは別の勘定科目を使ったほうがいいと思います。
「交際費」とした場合でも、後からすぐに、区分できるようにしておかないと、申告の時に苦労することになります。
(M.H)