固定資産税の精算金の処理|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2008.7.5
(1)固定資産税の課税のタイミング
固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者が、納税することになっています。年の途中で売買があった場合や新たに建物を建築したような場合には、次の年の1月1日まで、固定資産税は、かからないことになります。
(2)不動産売買時の精算
一般的に、不動産の売買が行われた時は、固定資産税の按分精算が行われます。これは、その年の1月1日現在の所有者である売り主に対して、固定資産税が課税されているため、1年分の固定資産税を売り主が全額負担していると感じられるためです。
例えば、7月1日に売買を行った場合には、売り主が、その年の固定資産税を納税していますから、買い主は、その年の固定資産税の半年分、つまり半額を、売買代金とは別に、買い主に支払います。
(3)買い主の税法上の取り扱い
税法では、固定資産税の納税義務者は、売り主であり、買い主には納税義務は一切ありません。買い主が売り主に支払った固定資産税相当額は、税金の支払いではなく、売買代金とみなされます。
売買代金とみなされるわけですから、契約書上の売買金額に、固定資産税相当額を加算した金額が、その不動産の取得価額になります。
買い主側の勘定科目は、買い主が納税すべき税金ではありませんから、「租税公課」ではありません。土地の固定資産税相当額であれば「土地」、建物の固定資産税相当額であれば「建物」等の、購入した資産の金額に含めることになります。
また、土地の購入は、消費税が非課税、建物購入は、消費税が課税ですから、固定資産税相当額も、それに合わせて、消費税の計算をすることになります。負担した固定資産税相当額に105分5を乗じた金額を、納めるべき消費税から、控除することになります。
(4)売り主の税法上の取り扱い
一方売り主側は、売買代金に固定資産税相当額を加算した金額が、譲渡価額になりますので、固定資産税相当額を加味したところで、売却損益を計算することになります。
さらに、消費税の納税義務があれば、建物分の固定資産税相当額に105分5を乗じた金額の消費税負担も必要になります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。