交際費等は全額経費じゃない!?
2005年2月7日
交際費等は、会社の売上を伸ばしたり、よい取引先を見つけたりするために使われたお金であれば、会社の必要経費として処理します。
ですが、税務上の交際費等の扱いはちょっと違っています。この交際費等の中には無駄遣いした金額も含まれていると考えられ、一部が経費として認めてもらえません。
(1)交際費等は全額経費にならない!?
現在、資本金が1億円以下の会社では、1年間に400万円までの支出した交際費等の90%分は、経費として認めてくれますが、あとの10%は経費にはなりません。
例えば・・・
「資本金1千万円の会社が年間100万円の交際費等を使いました」
100万円×90%=90万円
経費になる金額90万円 経費にならない金額10万円
になり、10万円に税率約30%分、約3万円が交際費等の税負担になります。
では、資本金1千万円の会社が年間500万円の交際費等を支出した場合はどうでしょう。その場合でも、限度額400万円の90%、360万円しか経費になりません。あとの140万円は経費になりませんので、使いすぎには注意しましょう。
資本金1億円を超える会社の交際費等については、全額経費にならず、税金がかかってしまいます。
例えば・・・
1年で400万円の交際費等を使ったとすると、
400万円×税率約40%=約160万円
交際費等だけで約160万円の税金負担が確定することになります。
赤字決算の場合には、基本的に税負担はありませんが、交際費等の金額によ
って、税負担が発生することもあります。
(2)間違えやすい交際費等
交際費等は、範囲が広いために他の科目と間違えやすい科目です。
業者を対象として、抽選会を開催したとします。そのときの賞品にかかる費用は、会社外部の人への贈答として、交際費等として処理することになります。
ですが、よく商店街で見かける一般消費者を対象とした抽選会の場合は処理が違ってきます。この場合、交際費等ではなく広告宣伝費や販売促進費となり、全額費用として認められます。
外部の人に賞品をあげたのだから、交際費等になるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、対象が不特定多数の人であれば、交際費等にはならず広告宣伝扱いになります。
(3)ゴルフ費用の処理
ゴルフクラブの入会金は、法人会員で契約した場合「ゴルフ会員権」として貸借対照表の資産の部に計上されることになります。また、そのゴルフクラブに支出する年会費やロッカー使用料等は交際費等になります。
個人会員としての入会金や年会費等を会社で負担した場合は、その人に対する給与として処理します。
ゴルフのプレー代については法人会員、個人会員にかかわらず、仕事上必要であれば、交際費等になります。そうでない場合は給与扱いです。
給与扱いになれば、その人に所得税がかかることになります。さらに会社役員だったら、役員賞与になり、経費になりませんので注意して下さい。
なお、ゴルフ場へ行くための高速代やタクシー代も交通費ではなく、交際費等となります。なので、帳簿をつける際「〜ゴルフ場タクシー代」のように普通の交通費と区別することが必要です。
(Y.C)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。