同族会社に関する規定
2004年8月4日
(1)同族会社とは
同族会社とは、株主のうち、上位トップ3の株主の持ち株割合が、発行済株式の50%超を占める会社をいいます。「会社」が対象ですので、協同組合や医療法人は、除外されます。
持ち株割合の計算は、親族を同一株主とみなすなど、細かな計算規定がありますので、株が分散している会社の場合には、注意が必要です。(と、言っても、ほとんどの会社は、社長一族の持ち株だけで、50%を超えると思いますので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんね。)
(2)同族会社の留保金課税
同族会社については、1年間の利益が一定金額を超えると、通常の法人税に上乗せする形で、法人税が余分にかかる仕組みとなっています。上場会社などには、通常の法人税しかかからないのに、同族会社というだけで、税金が増えてしまうんですね。
これは、同族会社となると、会社も個人も財布は一緒という感覚になり、配当等をあまり行わなくなり、会社にお金を貯め込む傾向が出てきます。そうなると、国は、配当金に対する税金を徴収できるはずが、その分税収が減ってしまうので、会社から上乗せして徴収しようということになったんですね。
上乗せされる金額は、課税留保金額に次の税率をかけた金額です。
年3,000万円以下の金額 ・・・・・・・・・10%
年3,000万円超年1億円以下の金額・・・・・15%
年1億円超の金額 ・・・・・・・・・・・・20%
なお、課税留保金額とは、次の算式により計算します。
課税留保金額=(イ)-(ロ)
(イ)留保金額=利益-法人税等-役員賞与-配当金
(ロ)留保控除額=次の3つのうち、最も大きい金額
・利益の35%
・年1,500万円
・期末資本金×25%-期末利益積立金
(3)留保金課税の適用停止
次に該当する場合には、法人税に上乗せされる、留保金課税がかかりません。
・新事業創出促進法に規定する、設立10年以内の中小企業者
中小企業者の要件は、業種に応じて、資本金や従業員の数に制限があります。
製造業・・・・資本金3億円以下又は従業員300人以下
卸売業・・・・資本金1億円以下又は従業員100人以下
サービス業・・資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
小売業・・・・資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
基本的に、設立10年以内の中小企業は、留保金課税が免除されることになりますが、創業時から、多額の利益ってそう簡単に出るものなんでしょうか。
・新事業創出促進法に規定する認定事業者
・資本金1億円以下で、自己資本比率(A/B)が、50%以下の会社
A:自己資本+株主からの借入金
B:A+負債
(4)役員としての取り扱い
役員への給与には、経費算入に、様々な制限が設けられています。それに対して、使用人への給与には、特に制限はありません。同族会社は、役員就任について融通が利きますので、わざと使用人の立場にして、給与を経費に算入することがあります。
本来は役員とすべき人を使用人にして、その人の給与を、制限なく、経費に算入する会社が出てくることになります。税法では、それを防ぐために、同族会社の使用人でも、役員として扱われることがあります。
経営に参加している場合には、きちんと役員として就任させるほうがいいで
しょう。
(5)行為計算の否認
同族会社の場合には、税務署長の職権で、強制的に収入を増加させたり、経費算入に制限を設けることが、できることになっています。
同族会社は、株主=役員という場合が多く、経営監視の目が実質的に、無きに等しくなっておりますので、通常の会社では行わないような取引を、行う場合があります。例えば、関連会社に対して、通常の値段の半分で、商品を販売したり、株主に低利で資金を貸し付けたりすることがあります。
その取引を行った結果、税金の負担を不当に減少させた場合には、税務署長は、その取引がなかったものとすることができます。
(1)同族会社とは
同族会社とは、株主のうち、上位トップ3の株主の持ち株割合が、発行済株式の50%超を占める会社をいいます。「会社」が対象ですので、協同組合や医療法人は、除外されます。
持ち株割合の計算は、親族を同一株主とみなすなど、細かな計算規定がありますので、株が分散している会社の場合には、注意が必要です。(と、言っても、ほとんどの会社は、社長一族の持ち株だけで、50%を超えると思いますので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんね。)
(2)同族会社の留保金課税
同族会社については、1年間の利益が一定金額を超えると、通常の法人税に上乗せする形で、法人税が余分にかかる仕組みとなっています。上場会社などには、通常の法人税しかかからないのに、同族会社というだけで、税金が増えてしまうんですね。
これは、同族会社となると、会社も個人も財布は一緒という感覚になり、配当等をあまり行わなくなり、会社にお金を貯め込む傾向が出てきます。そうなると、国は、配当金に対する税金を徴収できるはずが、その分税収が減ってしまうので、会社から上乗せして徴収しようということになったんですね。
上乗せされる金額は、課税留保金額に次の税率をかけた金額です。
年3,000万円以下の金額 ・・・・・・・・・10%
年3,000万円超年1億円以下の金額・・・・・15%
年1億円超の金額 ・・・・・・・・・・・・20%
なお、課税留保金額とは、次の算式により計算します。
課税留保金額=(イ)-(ロ)
(イ)留保金額=利益-法人税等-役員賞与-配当金
(ロ)留保控除額=次の3つのうち、最も大きい金額
・利益の35%
・年1,500万円
・期末資本金×25%-期末利益積立金
(3)留保金課税の適用停止
次に該当する場合には、法人税に上乗せされる、留保金課税がかかりません。
・新事業創出促進法に規定する、設立10年以内の中小企業者
中小企業者の要件は、業種に応じて、資本金や従業員の数に制限があります。
製造業・・・・資本金3億円以下又は従業員300人以下
卸売業・・・・資本金1億円以下又は従業員100人以下
サービス業・・資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
小売業・・・・資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
基本的に、設立10年以内の中小企業は、留保金課税が免除されることになりますが、創業時から、多額の利益ってそう簡単に出るものなんでしょうか。
・新事業創出促進法に規定する認定事業者
・資本金1億円以下で、自己資本比率(A/B)が、50%以下の会社
A:自己資本+株主からの借入金
B:A+負債
(4)役員としての取り扱い
役員への給与には、経費算入に、様々な制限が設けられています。それに対して、使用人への給与には、特に制限はありません。同族会社は、役員就任について融通が利きますので、わざと使用人の立場にして、給与を経費に算入することがあります。
本来は役員とすべき人を使用人にして、その人の給与を、制限なく、経費に算入する会社が出てくることになります。税法では、それを防ぐために、同族会社の使用人でも、役員として扱われることがあります。
経営に参加している場合には、きちんと役員として就任させるほうがいいで
しょう。
(5)行為計算の否認
同族会社の場合には、税務署長の職権で、強制的に収入を増加させたり、経費算入に制限を設けることが、できることになっています。
同族会社は、株主=役員という場合が多く、経営監視の目が実質的に、無きに等しくなっておりますので、通常の会社では行わないような取引を、行う場合があります。例えば、関連会社に対して、通常の値段の半分で、商品を販売したり、株主に低利で資金を貸し付けたりすることがあります。
その取引を行った結果、税金の負担を不当に減少させた場合には、税務署長は、その取引がなかったものとすることができます。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。