消費税の総額表示による経理処理
2004年1月5日
平成16年4月から、一般消費者を対象とする取引では、消費税込みでの価格表示が義務づけられます。改正後の税抜きによる経理処理をご説明いたします。
なお、今までの税込みによる経理を行っている場合には、経理処理、消費税の申告額の計算方法とも変更する必要はありません。
(1)税抜きの価格表示を行う場合
例えば、税抜価格175円の商品を販売した場合には、175円の5%相当額は、8.75円となります。今までは、小数点以下の0.75円を切り捨て処理することが、法律上明文化されていましたが、この規定が廃止されることとなりました。
当分の間、次のような経理処理が認められます。
(借方)現金 183 (貸方) 売 上 175
仮受消費税等 8
なお、企業同士の取引の場合には、税込表示は義務づけられません。
(2)税込みの価格表示を行う場合
改正により税込表示が義務化されることにより、
【183円(うち消費税等8円)】
というような表示方法になります。この場合の消費税等は、
183×5÷105=8.714・・・
となり、この場合も、小数点以下の処理が問題となります。
税込表示でも、消費税等相当額を明示している場合には、端数の切り捨て処理が当分の間認められることになり、上記(1)と同じ経理処理ができることになります。
この経理処理は、既に平成15年10月1日以降から認められています。
(3)税込表示しているが、レジシステムが税抜計算しかできない場合
【183円(うち消費税等8円)】と表示されている商品を10個販売した場合、販売額は、通常、1,830円となりますが、レジシステムが従来の税抜計算のままですと、
175円×10個+1,750円×5%=1,837円(端数切捨て)
と、なってしまいます。
このような場合には、税込システムへ変更するまでの措置として、次のような経理処理が、平成19年3月31日まで認められます。
(借方)現金 1837 (貸方) 売 上 1750
仮受消費税等 87
なお、この場合のお客さんとのトラブルは考慮していません。
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。