贈与税の仕組み|仙台市の税理士・ひなた税理士法人
2003年11月6日
2025年3月18日更新
(1)贈与税の原則
贈与税は、個人が他人から現金、預貯金、株式等をもらったときに、もらった人にかかる税金です。
財産をあげた人には、税金はかかりませんが、あげた財産が土地や建物等の不動産の場合は、あげた人にも譲渡税がかかる場合があります。
ひとりの人が1月1日から12月31日までの1年間で、他人からもらった財産の合計額が、贈与税の対象になります。
ただし、財産をもらった人ひとりにつき、110万円の基礎控除額がありますので、1年間でもらった財産の合計額が110万円を超えなければ、贈与税はかかりません。
複数の人からもらった場合は、全員分の合計が110万円以内かどうかで判断します。
(2)贈与税がかからない場合
法人から財産をもらった場合は、贈与税がかかりません。
贈与税はかかりませんが、一時所得として所得税がかかります。
生活費や教育費としてもらった場合は、贈与税がかかりません。
夫婦、親子、兄弟姉妹などの間で、仕送りなどの生活費や教育費としてもらった財産は、非課税です。
1,500万円までの教育資金の一括控除制度を適用しなくても、贈与税はかかりません。
選挙の候補者が、選挙運動のためにもらった金品は贈与税がかかりませんが、公職選挙法の規定により、報告が必要となります。
香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞金などで、社会通念上相当と認められるものであれば、贈与税はかかりません。
いくらまでならかからないという規定はありませんが、お祝いという名目で、現金1,000万円をもらった場合には、贈与税の対象になります。
(3)贈与の事例
離婚によって財産分与や慰謝料として、相手方から財産をもらった場合は、通常、贈与税はかかりません。
ただし、形式的に離婚をしても、内縁状態が続いている場合には、贈与税を免れるための離婚として、贈与税の対象になる可能性があります。
子の借金を親が返済した場合には、親が現金を子に贈与し、子はそのもらった現金で借金を返済したことになります。
結局、善意で親が返済してあげても、子に、贈与税の負担が残ることとなります。
親が子に金銭を貸し付けた場合には、贈与税はかかりません。
しかし、親子間の場合、返済がルーズになったり、無利息であったりすることがよくあります。
このような場合は、実質的に贈与と同じ結果になりますので、当初決めた約束通り、返済は滞らないようにしましょう。
なお、返済ルールや利率などは、書面にして残しておくことをお勧めします。
(4)贈与税の税率
贈与税の税率は下記のとおりで、贈与額が増えれば増えるほど税率が高くなります。
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
上記の税率は、父母や祖父母から18歳以上の子や孫に贈与された場合の税率です。
兄弟、夫婦、18歳未満の子のように、上記以外の方の税率は下記のとおりです。
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% -
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 640万円
(5)贈与税の申告
贈与税がかかる場合は、財産をもらった年の翌年2月1日から3月15日までの間に、財産をもらった人の所轄税務署に、申告をしなければなりません。
納税も3月15日までに行う必要があります。
所得税と違い、振替納税はありません。
もらった財産の合計が110万円以下で、贈与税がかからない場合は、申告の必要がありません。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。