退職金と税金

2003年5月7日

 退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税と住民税が源泉徴収(退職金から天引)されます。この退職金は、他の所得に比べ税負担が軽くて済むよう配慮されています。


(1)会社(支給者)側の手続

 退職金を支払う場合には、退職者に「退職所得の受給に関する申告書」を記載させ、その提出を受けます。会社は、下記の方法により、退職所得分の所得税と住民税を計算し、支給の際、退職金から税金を控除(源泉徴収)します。

 控除した税金は、支給日の翌月10日までに、所轄の税務署及び退職者の住所地の市町村に納付することとなります。

 さらに、「退職所得の源泉徴収票」を作成して、退職者に渡します。

 「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けないまま退職した場合には、上記の方法により税金を計算しないで、退職所得の20%の所得税を源泉徴収することとなります。

 会社は、控除した所得税を所轄の税務署に翌月10日までに納付します。

 この手続を怠ると、場合によって、10%の不納付加算税が上乗せされることとなります。


(2)退職者の手続

 「退職所得の受給に関する申告書」を提出した退職者は、源泉徴収だけで所得税の課税関係が終了(分離課税)しますので、原則として確定申告をする必要はありません。ただし、年金などのその他の所得がある場合には、確定申告をしなければなりません。

 「退職所得の受給に関する申告書」を提出せず、20%の所得税を源泉徴収された場合には、確定申告をすることによって、所得税の還付を受けることができます。

【所得税の定率減税】

 所得税には、20%の定率減税という制度があります。退職所得は原則として申告する必要はありませんが、定率減税の制度を利用することにより、所得税が還付されることがあります。


(3)所得税の金額

●退職所得の金額=(退職金の額-退職所得控除額)× 1/2

●税額=退職所得の金額×税率-控除額

所得税の税率表

退職所得金額       税率  控除額

330万円以下        10%    ―
330万円超~900万円以下  20%  33万円
900万円超~1,800万円以下 30%  123万円
1,800万円超        37%  249万円


(4) 退職所得控除額

 退職所得控除額は退職した方の勤続年数に応じて次のようになります。

勤続年数  退職所得控除額

20年以下 40万円×勤続年数
20年超  800万円+70万円×(勤続年数-20年)

(注1)勤続年数に1年未満の端数があるときは、たとえ1日でも1年として計算します。
(注2)上記の算式によって計算した金額が80万円未満の場合は、80万円となります。
(注3)障害者となったことに直接基因して退職する場合は、上記により計算した金額に、さらに100万円加算された金額になります。


(5)計算例

 30年勤務した方が退職金を2,500万円もらった場合

●退職金 2,500万円

●退職所得控除額 800万円+70万円×(30年-20年)=1,500万円

●課税所得 2,500万円-1,500万円=1,000万円

      1,000万円×1/2=500万円

●所得税 500万×20%-33万円=670,000円

●住民税 360,000円(税額表から算出します。)

 

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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