利息に対する税金|仙台市の税理士ひなた税理士法人
2024年10月18日
(1)利子所得への課税
銀行の預金や郵便局、農協等の貯金に対する利子は、利子所得として、所得税の対象となります。
利子所得は、金融機関からその支払いを受ける際に、利子に対して15.315%の所得税と5%の住民税の合計約20%の税金が控除されます。控除された税金は、金融機関が国へ納税します。
例)利子 300円の場合
所得税 45円 住民税 15円 手取額 240円
今まで、利子を受け取っても申告をしたことがないという方がほとんどだと思いますが、なぜ、申告をしなくても問題が発生しなかったのでしょうか。
それは、利子所得については、源泉分離課税制度というのがとられているからなのです。
源泉分離課税制度とは、金融機関が利子の支払いの際に、税金を控除して支払うことによって、納税が完了する制度をいいます。利子を受け取った時点で、納税が完了するわけですから、受け取った利子について申告をする必要がないわけですが、逆に、利子の分の税金の還付を受けることもできません。
郵便貯金通帳には、税金控除前の利子の金額と税金の金額が記載されますが、銀行の預金通帳の場合には、税金控除後の手取額のみが記載されることが多いようです。
(2)国債等は選択課税
国債や地方債等の利子は、確定申告をすることができます。
何もしなければ税金が天引きされて終了ですが、確定申告をすることで、還付を受けることが可能になる場合があります。
一度確定申告をしてから申告不要に変更することや、申告期限後に確定申告をすることはできませんので、きちんと有利不利を見極めて判断するようにしましょう。
(3)同族会社の私募債の利子
同族会社が発行した社債で、その同族会社の株主等が受け取った利子は、最高税率が45%の総合課税の対象になります。
総合課税は超過累進税率といって、所得が増えれば増えるほど税率が上がっていき、住民税と合わせると最高税率は約55%です。
公社債であれば一律約20%の課税で済みますが、役員報酬等で所得が高額の場合は、税負担が大きくなりますので、計画的に進めましょう。
(4)役員借入金の利子
会社が役員からの借入金に対して利息を支払った場合は、利子を受け取った役員は雑所得として課税されます。
利子所得はないので、税率は一律の約20%ではなく、最高45%の超過累進税率となります。
役員借入金は、無利息でも問題ないので、税負担を考慮して利息を設定する必要がありますね。
なお、会社が支払った利息は、会社の経費です。
(5)非課税
次の利子については、税金が控除されないこととなっています。
・障害者のマル優
身体障害者手帳の交付を受けている人、遺族年金を受け取ることができる妻である人などの元本350万円までの利子
・勤労者財産形成貯蓄の利子
元本550万円までの財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄の利子
・納税準備預金の利子やいわゆる子供銀行預金の利子
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。