年末調整のよくある間違い2007

2007.12.5

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 年末調整を行うために、従業員は会社に対して「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」という、2つの用紙を提出することになっています。

 また、2年目以降の住宅ローン控除を受ける人は、その関係書類も会社に提出します。


(1)年末調整とは

 会社は、毎月の給料や賞与を支払う際に、従業員の扶養家族の人数等に応じて、所得税を概算額で給料等から天引きすることとなっています。毎月天引きしている金額は、概算額ですから、12月の給料支給時に1年分の所得税額を計算し直し、計算した所得税額と毎月の概算額との差額を精算することとなっています。

 この精算手続のことを、「年末調整」といいます。


(2)よくある間違い〜扶養控除等申告書編〜

・扶養親族の所得金額欄に、年収を記載している。

 所得と年収は違います。扶養親族になるのは、所得が38万円以下の人です。所得とは、収入から経費を引いた金額をいいます。パートやアルバイトの場合、経費に相当する金額として、最低65万円が与えられています。

 パート収入が年間100万円の場合、所得は、100万円−65万円=35万円となり、所得が38万円以下ですから、扶養親族に該当することとなります。金額欄には、「35万円」と記載します。

 パート収入は気にされている方が多いのですが、大学生の子供がいる場合には、子供のアルバイト代にも注意してください。稼ぎすぎていると、扶養親族に該当しなくなり、後で追徴課税されることがよくあります。

 なお、年金の場合の、経費に相当する金額は、65歳以上で最低120万円、65歳未満で最低70万円となっていますので、年金額が158万円(65歳以上)又は108万円(65歳未満)の場合に、扶養親族に該当します。


・「同居老親等」に○が付いていない

 70歳以上の父母や祖父母を扶養している場合には、扶養控除の金額が増加します。さらに、同居しているかどうかでも金額が変わってきます。同居しているのに、ここに印が付いていないと、控除額で損をすることとなります。

 ただし、同居老親等に該当するのは、直系のみですので、

 老人ホームなどに入居されている場合には、同居ではありませんので、こちらは○を付ないように注意してください。


・「特定扶養親族」に○が付いていない

 16歳以上22歳以下の方を扶養している場合には、扶養控除の金額が増加します。該当する場合には、○を付けてください。

 生年月日がきちんと書かれていれば、そちらで判断はできますが、たまに、生年月日も書かれていないときがあります。よく、2番目以降のお子さんの生年月日を、間違われる方がいます。お子さんにばれると大変ですよ。


・障害の内容が書かれていない

 本人が障害者であったり、障害者を扶養していたりする場合には、控除額が増加します。障害者である旨を記載する欄がありますので、そちらもきちんと記入してください。

 また、障害の重さにより、控除額も変わってきます。障害者手帳等に書かれている等級も記載するようにしてください。


・寡婦・寡夫を記載していない

 死別や離婚により配偶者がいない場合には、控除額が増加することがあります。男性と女性、死別と離婚では、要件が違いますので、申告書の裏面の要件をよく読んで、その旨を記載するようにしてください。


 寡婦

 夫と死別又は離婚して、扶養親族がいる人

 夫と死別して、所得が500万円以下(給与の場合には、年収約688万円以下)の人


 特別の寡婦

 上記の寡婦に該当し、扶養親族である子がいて、かつ、所得が500万円以下の人


 寡夫

 妻と死別又は離婚して、扶養親族である子がいて、かつ、所得が500万円以下の人


(3)よくある間違い〜保険料控除申告書編〜

・加入している保険すべてを記載してある

 生命保険料控除は、生命保険の種類によって、「一般」と「個人年金」の2種類に分かれています。

 それぞれ、年間の保険料が10万円以上であれば、生命保険料控除の控除額は5万円で打ち止めとなります。ですから、月額1万円程度の保険を1つだけ記載されれば、控除は満額受けられることになります。

 あまりにいっぱい保険をかけられていると、別の意味で心配になってきます。

 なお、「一般」と「個人年金」の区別は、証明書に、その保険がどちらが該当するか記載されていますので、証明書をきちんと確認してください。「年金保険」という名称の保険でも、「一般」に該当することもあります。


・損害保険料控除もあります

 平成19年分より、損害保険料控除は、廃止されました。ただし、平成18年12月31日までに契約した長期損害保険契約については、19年以降も、控除を受けることができます。

 「長期」になるのは、保険期間が10年以上で、かつ、満期返戻金があるものです。期間が10年以上でも、満期返戻金が無いものもありますので、その場合は、対象になりません。


・自分で払った健康保険料を記載していない

 年の途中で無職の期間があった場合には、健康保険料や国民年金を自分で納付することになります。この自分で払った保険料は、申告がないと、会社では一切把握できません。

 用紙の左下に記載する欄がありますので、自分で払った金額を記載してください。なお、領収証の添付は必要ありません。

 給料から社会保険料が天引きされている人は、会社で計算しますので、記載する必要はありません。


(4)よくある間違い〜住宅ローン控除編〜

・1年目なのに年末調整で控除を受けようとする

 住宅ローン控除は、1年目だけは、税務署で確定申告をすることになっていますので、年末調整で会社に提出されても、控除は受けられません。

 2年目以降は、会社の年末調整で控除を受けることができます。


・残高証明書しか提出しない

 年末調整で住宅ローン控除を受けるためには、金融機関発行の「残高証明書」と「住宅借入金(取得)等特別控除申告書」を、会社に提出する必要があります。申告書は、2年目の夏頃税務署から、2年目以降の分がまとめて郵送されます。

 紛失や転職等により、手元に申告書がない場合には、税務署に再発行の手続をする必要がありますので、年末調整時期になって慌てないようにしましょう。

 残高証明書は、毎年11月頃に、各金融機関から郵送されます。


(5)よくある間違い〜その他〜

・前職の源泉徴収票を提出しない

 年末調整は、その年の1月1日から12月31日までの給料を合計して行います。年の途中で転職等をした場合には、前の勤務先から源泉徴収票を発行してもらい、現在の勤務先に提出します。

 前職の源泉徴収が、1月31日までに入手できない場合には、年末調整はできませんので、確定申告で精算することになります。

 同時に2カ所以上の職場に勤務している場合には、源泉徴収を提出しても、年末調整は受けられません。勤務期間が重複している場合には、確定申告をすることになります。


・医療費の領収証を提出する

 1年間に多額の医療費がかかった場合には、所得税を軽減させる、医療費控除の制度があります。この医療費控除は、年末調整で行うことはできません。医療費控除が必要な場合は、確定申告を行うことになります。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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