2024年1月5日
(1)相続空き家特例で3,000万円控除
亡くなった方が住んでいた家を、相続後に売却した場合は、売却益から3,000万円の特別控除が受けられます。
売却益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税がかからないのです。
ただし、昭和56年5月31日以前に建築された建物でなければいけません。
売却益の計算は、まず、売却価額から土地の取得価額と建物の減価償却後の帳簿価額を控除します。
さらに、仲介手数料や印紙代等の譲渡費用を控除します。
その残額が売却益です。
売却損であれば、税金はかかりません。
特に建物については、取得時の金額ではなく、減価償却をした後の金額ですのでおまちがいなく。
なお、売却代金が1億円を超える場合は、3,000万円控除の対象になりません。
3人以上で相続した空き家を2024年以降に売却した場合は、一人あたりの控除額は、2,000万円に減額されます。
(2)売却後の解体もOK
相続空き家は耐震基準を満たしていないため、解体する必要があります。
2023年までは、解体してから売る必要がありました。
解体費の金額や負担をめぐって、売買価額の折り合いが付かない場合や、想定よりも安い金額で売却という可能性がありました。
2024年からは、買主側で解体することも認められました。
買主は、売買の翌年の2月15日までに解体する必要があります。
間に合わないと特例が使えなくなりますので、売買が終わっても、買主が期日までに解体工事をきちんと終えるか確認する必要があります。
築年数から考えると現実的な対応とは思えませんが、リフォームをして耐震基準をクリアする方法も認められています。
(3)居住の判定は厳密に
相続空き家は、亡くなった人だけが住んでいたことが条件です。
売却までの間に、他人に貸したり、事業用で使用したりしてはいけません。
相続人が自分で住んでもいけません。
老人ホームや介護施設に入っていたため、亡くなった時には相続空き家に住んでいなかったということもあると思いますが、一定の要件を満たしていれば特例の対象になります。
亡くなってから3年経った年の12月31日までに売却しなければいけませんので、早めの対応をお勧めします。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。