年末調整のよくある間違い2012

2012.11.5

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 年末調整を行うために、従業員は会社に対して「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」という、2つの用紙を提出することになっています。

 また、2年目以降の住宅ローン控除を受ける人は、税務署から送られてきた控除申告書と金融機関の借入金残高証明書も会社に提出します。


1年末調整とは

 会社は、毎月の給料や賞与を支払う際に、従業員の扶養家族の人数等に応じて、所得税を概算額で給料等から天引きすることとなっています。

 毎月天引きしている金額は、概算額ですから、12月の給料支給時に1年分の所得税額を計算し直し、計算した所得税額と毎月の概算額との差額を精算することとなっています。

 この精算手続のことを、「年末調整」といいます。


2よくある間違い〜扶養控除等申告書編〜

1平成25年分扶養控除等申告書を使っている

 平成25年分の扶養控除等申告書を使って、平成24年分の年末調整をしている方は、注意してください。

 控除対象扶養親族は、16歳以上を記載しますが、25年分の申告書には、「平10.1.1以前生」と記載されています。

 24年分の年末調整で扶養親族になるのは、「平9.1.1以前生」の16歳以上になります。

 15歳以下の扶養親族は、用紙下部の「住民税に関する事項」に記入します。

 生年月日がきちんと記載してあれば、年末調整担当者が判断できます。


2扶養親族の所得金額欄に、年収を記載している。

 所得と年収は違います。扶養親族になるのは、所得が38万円以下の人です。

 所得とは、収入から経費を引いた金額をいいます。

 パートやアルバイトの場合、経費に相当する金額として、最低65万円が与えられています。

 パート収入が年間100万円の場合、所得は、100万円−65万円=35万円となり、所得が38万円以下ですから、扶養親族に該当することとなります。金額欄には、「35万円」と記載します。

 パート収入は気にされている方が多いのですが、大学生の子供がいる場合には、子供のアルバイト代にも注意してください。

 稼ぎすぎていると、扶養親族に該当しなくなり、後で追徴課税されることがよくあります。

 なお、年金の場合の、経費に相当する金額は、65歳以上で最低120万円、65歳未満で最低70万円となっていますので、年金額が158万円(65歳以上)又は108万円(65歳未満)の場合に、扶養親族に該当します。


3「同居老親等」に○が付いていない

 70歳以上の父母や祖父母を扶養している場合には、扶養控除の金額が増加します。

 さらに、同居しているかどうかでも金額が変わってきます。

 同居しているのに、ここに印が付いていないと、控除額で損をすることとなります。

 老人ホームなどに入居されている場合には、同居ではありませんので、こちらは○を付ないように注意してください。


4「特定扶養親族」に○が付いていない

 19歳以上22歳以下の方を扶養している場合には、扶養控除の金額が増加します。該当する場合には、○を付けてください。

 生年月日がきちんと書かれていれば、そちらで判断はできますが、たまに、生年月日も書かれていないときがあります。


5障害の内容が書かれていない

 本人が障害者であったり、障害者を扶養していたりする場合には、控除額が増加します。障害者である旨を記載する欄がありますので、そちらもきちんと記入してください。

 また、障害の重さにより、控除額も変わってきます。障害者手帳等に書かれている等級も記載するようにしてください。

 15歳以下の子供は、扶養控除の対象にはなりませんが、障害者控除の対象になりますので、忘れずに記載してください。


6寡婦・寡夫を記載していない

 死別や離婚により配偶者がいない場合には、控除額が増加することがあります。

 男性と女性、死別と離婚では、要件が違いますので、申告書の裏面の要件をよく読んで、「寡婦」「特別の寡婦」「寡夫」のうち該当する欄に○を付けてください。


 寡婦

 夫と死別又は離婚して、扶養親族がいる人

 夫と死別して、所得が500万円以下(給与の場合には、年収約688万円以下)の人


 特別の寡婦

 上記の寡婦に該当し、扶養親族である子がいて、かつ、所得が500万円以下の人


 寡夫

 妻と死別又は離婚して、扶養親族である子がいて、かつ、所得が500万円以下の人


3よくある間違い〜保険料控除申告書編〜

1保険契約の内容を区分していない

 生命保険料控除は、生命保険の種類によって、「一般」、「介護医療」、「個人年金」の3種類に分かれています。

 なお、「一般」、「介護医療」、「個人年金」の区別は、証明書に、その保険がどれに該当するか記載されています。

 10、11月頃に生命保険会社から届いた証明書を確認してください。

 「年金保険」という名称の保険でも、「一般」に該当することもあります。

 「医療保険」という名称の保険でも、「一般」に該当することもあります。

 平成24年1月1日以後の、新たな保険契約の締結の有無や、契約の変更の有無によって、控除額の計算式が変わります。


2損害保険料控除もあります

 平成19年分より、損害保険料控除は、廃止されました。

 ただし、平成18年12月31日までに契約した長期損害保険契約については、19年以降も、控除を受けることができます。地震保険料控除欄の「旧長期」に、○を付けてください。

 「長期」になるのは、保険期間が10年以上で、かつ、満期返戻金があるものです。

 期間が10年以上でも、満期返戻金が無いものもありますので、その場合は、対象になりません。


3平成18年までに契約した地震保険の二重控除

 平成18年12月31日以前に契約した地震保険には、長期損害保険料控除の対象になるものもあります。1つの保険料の支払いで2つの控除は受けられませんので、どちらか有利なほうを選択します。

 農協の建更等の証明書は、1つの保険契約で両方の証明金額が記載されていますので、注意が必要です。


4自分で払った健康保険料を記載していない

 年の途中で無職の期間があった場合には、健康保険料や国民年金を自分で納付することになります。この自分で払った保険料は、申告が無いと、会社では一切把握できません。

 用紙の右下に記載する欄がありますので、自分で払った金額を記載してください。

 親が子供の国民年金を払ってあげた場合も、親の控除対象になります。

 なお、国民年金は、控除証明書か領収証の添付が必要です。健康保険は、領収証等の添付は必要ありません。

 給料から社会保険料が天引きされている人は、会社で計算しますので、記載する必要はありません。


5よくある間違い〜配偶者特別控除申告書編〜              

1扶養の配偶者の分も記載している

 配偶者特別控除と配偶者控除は、重複適用できません。

 年間所得38万円以下で扶養になる場合は、配偶者特別控除申告書の記載は必要ありません。


2年金を記載しない

 年金をもらっている場合には、雑所得になります。

 65歳以上の場合は、年金収入から120万円を引いた金額が所得になります。

 65歳未満の場合は、年金収入から70万円を引いた金額が所得になります。

 ただし、65歳未満で年金収入が130万円を超える場合には、計算が必要になりますので、裏面を確認してください。


5よくある間違い〜納税編〜

11月20日までに納税する

 6ヶ月分の源泉所得税をまとめて納税する「納期の特例」を適用している場合には、7月分から12月分の納期限は、翌年1月20日になります。

 毎月納付の場合の12月分の納期限は、翌年1月10日です。


2給与計算の締日で納税する

 例えば12月31日締め、翌年1月10日払いの給与は、平成25年分の給与となります。

 給与の締日と支給日が月をまたぐ場合には、年末調整は支給日で考えます。

 12月支給分までが、その年の年末調整の対象になります。

 

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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