未成工事支出金と仕掛品|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.6.5

(1)製造業・建設業等の売上計上時期

 製造業や建設業等は、請負金額が10億円以下であれば、原則として、その請け負った成果物が完成して、相手に引き渡しをした時点で、売上を計上することになります。

 手付金や中間金を受け取っていても、引き渡しの時点まで、売上計上する必要はなく、引き渡し時に、一括で売上を計上します。


(2)売上原価の算出

 売上が未計上の場合には、それに対応する原価も、経費計上することはできません。原価とは、材料費、外注費、人件費その他の経費をいいます。

 売上が引き渡しまで一切計上されないのですから、それに対応する原価は、引き渡し時に経費に算入します。たとえ、決算までに支払い済みであったり、請求書が届いていたりしても、経費計上はできません。

 これがけっこう大変なのですが、人件費の場合は、その成果物にかかった労働時間等をきちんと把握して、未完成部分にかかった人件費を算出しておく必要があります。


(3)経理処理と消費税

 消費税は、引き渡した時点で、売上に対する消費税を納税することになります。しかし、原価分の消費税については、引き渡した時点ではなくて、支払いが確定した年の消費税として、納付税額から控除するという、ちょっとややこしい計算が必要になります。

 経理処理としては、次のようにしておくと、利益計算も消費税の計算もスムーズにいくと思います。

 売上は、引き渡し時点に全額売上計上ですから、手付けや中間金を受け取った時点では、前受金としておきます。そして、引き渡し時点で、入金額又は請求額を売上に計上し、前受金を売上に振り替えるようにします。

 原価は、支払時又は請求時に、完成、未完成にかかわらず、一旦全額を経費に計上します。会計ソフトであれば、消費税は、課税仕入れとしておきます。

 決算時に未完成部分の原価を算出します。算出した原価を、期末棚卸額として、経費から除外する経理処理を行います。製造業の場合、仕訳にすると、次のようになります。

(借方) 仕掛品 ×× (貸方) 期末仕掛品 ××

 これが翌期には、期首棚卸として、次の仕訳をすることになります。

(借方) 期首仕掛品 ×× (貸方) 仕掛品 ××

 会計ソフトの場合、消費税は、対象外(不課税)にしておきます。

 ちょっとややこしいですが、税務調査では、必ずチェックされるところですので、きちんと計算するようにしましょうね。

(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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