役員賞与の支給


2006年7月5日

 平成18年度の税制改正で、これまで経費算入が認められていなかった役員賞与について、税務署に事前に届出をすれば、経費算入が可能になりました。この制度の特徴を確認してみたいと思います。


(1)事前に届け出ること

 経費算入が認められる役員賞与のことを「事前確定届出給与」といいます。この名の通り、事前に届出が必要になります。届出の期限も定められていて、次のうち、いずれか早い日となっています(改正初年度は、平成18年6月30日までの提出も認められます。)。
 
 ・役員としての職務の執行を開始する日
 ・会計期間開始から3ヶ月以内

 「職務の執行を開始する日」という表現が、非常にわかりづらいですね。これは、原則としては、役員に就任した日をいいます。ただ、以前から引き続き役員となっている場合には、毎年決算日から3ヶ月以内に、必ず開催される、定時株主総会の日をいうことになっています。


(2)届出書の記載内容が詳細

 役員賞与支給対象者の氏名、賞与の支給日、金額を記載するのはもちろんですが、その対象者の毎月の役員報酬額と支給日も記載しなければなりません。さらに、役員賞与対象者以外の役員についても、氏名と役員報酬額、支給日を記載することになっています。

 また、役員賞与の支給を決定した機関名も記載することになっていますので、何月何日の株主総会で決定したなど、後日、決定したことを証明するための議事録等を、きちんと保管する必要があります。

 その他に、毎月の役員報酬以外に、賞与で支給することになった理由も、記載することになっています。
 
 事前届出給与にすると、税務署は、税務調査をしなくても、完全に把握することが可能になりますね。


(3)事前に確定していること

 「事前確定届出給与」は、事前に確定し、事前に届出をした給与ということになります。事前届出については、上記で説明しましたが、事前に確定していることも必要になってきます。
 
 事前に確定しているとは、上記の届出期限のところで触れた「職務の執行を開始する日」までに、役員賞与の支給日、支給額を確定しなければならないということです。

 そうすると、定時株主総会で役員賞与の支給を決定することになっている会社は、定時株主総会開催日が、「事前確定」の期限であるとともに、「事前届出」の期限でもあるということです。
 
 支給を決定したその日に、税務署へ届出をしないと、役員賞与を経費算入することは、できなくなってしまいます。


(4)非常勤役員等の年俸制も対象

 これまでは、非常勤役員等への役員報酬を、1年に1回や、半年に1回のように支給していた場合には、原則として、何の手続も必要なく、経費算入することが可能でした。
 
 しかし、1ヶ月単位よりも長いサイクルで支給する役員報酬は、全て事前確定届出給与として、扱われることになりました。
 
 そのため、年払いや半年払いのような支給形態でも、経費算入するためには、事前の届出が必要になってきます。たとえ、非常勤監査役だけが年払い5万円の支給だったとしても、全役員の役員報酬を、税務署へ届け出ることになりま
す。


(5)届出後の変更はできない

 一旦届出をしたら、その後の金額の増減は、できなくなります。
 
 当初、役員賞与を6月、12月にそれぞれ100万円ずつ支給するような決定をしていても、その後の業績不振や資金繰の都合で、70万円に減額したとします。その場合には、支給した70万円全額が、経費不算入ということになります。
                          
   (M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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