源泉徴収の注意点

2005年9月5日

 給料やボーナスを支払う場合、支給する側が所得税を天引きして支給し、差引いた税額を従業員に変わって国に納めます。この作業を源泉徴収といいますが、給料の支給時だけではなく、源泉徴収は他にも様々な場合に発生しますし、天引きのしかたに注意が必要なものもあります。


(1)弁護士、税理士等の報酬

 弁護士や税理士へ報酬を支払う際も、一定の所得税額を源泉徴収しなければなりません。源泉徴収の対象となる主な報酬と、税額の算出方法は次の通りです。

・弁護士や税理士等(※)への報酬
 源泉徴収税額=支払金額の10%(支払額が100万円以下の場合)
例えば、税理士報酬10万円の場合、10万円×10%=1万円を天引きし、9万円を支払います。

※弁護士、税理士以外の対象者
 公認会計士、計理士、会計士補、社会保険労務士、弁理士、企業診断員、測量士、測量士補、建築士、建築代理士、不動産鑑定士、不動産鑑定士補、技術士、技術士補、投資顧問業者、火災損害鑑定人、自動車等損害鑑定人

・司法書士等(※)への報酬
源泉徴収税額=(支払金額−1万円)×10%
例えば、司法書士報酬10万円の場合、(10万円−1万円)×10%=9千円を天引きし、9万1千円を支払います。

※司法書士以外の対象者
 土地家屋調査士、海事代理士


(2)アルバイトの源泉徴収

 アルバイトに給料を支払う際にも、社員と同様、源泉徴収が必要です。源泉徴収税額表を見て、天引きする金額を算出しますが、アルバイトでも「扶養控除等申告書」提出のあるなしで、税額表の「甲欄」を使うか「乙欄」を使うかが違います。提出があれば「甲欄」、なければ「乙欄」を使いますが、徴収する税額に大きな差が出てきます。(日給の場合は、日額表の「丙欄」を使う場合もあります。)

 例えば、「扶養控除等申告書」を提出したアルバイトの給料が、月100,000円だった場合は、天引きする税額は1,130円です。それに対して、「扶養控除等申告書」を提出していない場合は、同じ給料でも、天引きする税額は5,500円になります(扶養親族なしの場合。)。このように、支給額に差が出てしまうので、アルバイト代をもらう本人のためにも、提出させるようにしましょう。


(3)未払いとなった給料

 会社の資金繰りの都合で、給料日に社長の役員報酬の一部が未払いとなってしまった場合は、給料支給日に、未払を含めた本来支払うべき役員報酬総額に応じて、源泉所得税を天引きします。のちに未払いの給料分として支払いがあった際は、すでに源泉所得税を天引きしているため、源泉徴収の必要はありません。


(4)源泉所得税の納付

 給料や、税理士報酬等で徴収した源泉所得税は、支払いをした日の翌月10日までに国に納付しなければいけません。

 ただし、給料の支給人数が10人未満の場合は、納付手続きを簡単にするために半年に1回、まとめて納付することができる特例制度があります。特例制度を適用するためには「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出する必要があります。なお、忙しいときに臨時で使用した人を含めると10人以上になるけど、平常の状態においては10人未満という場合はこの特例制度を選択できます。

 特例を適用すると、1月〜6月までの源泉所得税を7月10日、7月〜12月までの源泉所得税を翌年1月10日までに納付となります。さらに、源泉所得税の滞納がなければ、12月20日までに「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を税務署に提出することによって、1月10日の納期限を1月20日までに延ばすことが可能です。これらの届出書は、1枚の紙にセットになっていますので、納期特例を選択すると、自動的に、1月の納期限は、1月20日になります。7月の納期限は、延長されませんから、注意してくださいね。

 また、納期限が土、日、祝日にあたる時は、それぞれ納期限が繰り下げになります。



(Y.C)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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