消費税の仕組み


2004年6月4日

(1)消費税の基本的な仕組み

 消費税の納税は、売上等でお客さんから預かった消費税から、仕入や経費等の支払に含まれる消費税を控除したあとの残りの消費税を、税務署へ納めることになっています。


(2)納税義務の有無

 売上が1,000万円を超えた場合には、その2年後の分から消費税を納めることになります。つまり、2年前の売上が1,000万円を超えるかどうかによって、今年の消費税の納税義務があるかどうかを判断します。

 平成16年開業の個人事業者を例に取りますと、次のようになります。
 
  年度   平成16年  平成17年  平成18年  平成19年  平成20年
  売上   500万円  1500万円 6000万円 500万円  1500万円
 納税義務   無     無     無     有     有

 このように、開業当初の2年間は、2年前の売上がゼロですので、消費税の納税義務はありません。平成18年には、2年前の売上がありますが、1,000万円以下ですので、消費税を納めなくていいことになります。
 
 また、平成19年の売上は500万円ですが、2年前の平成17年の売上が1,000万円を超えていますので、消費税を納めなければいけなくなります。
 
 平成20年も引き続き消費税を納めますが、平成21年には、2年前の平成19年の売上が1,000万円以下ですので、再び、消費税を納めなくてもいいことになります。
 
 今年の売上で判断するのではなく、2年前の売上で判断しますので、注意してくださいね。
 
 以前は、消費税の納税義務の基準は、3,000万円でしたが、改正により、個人事業者は平成17年分、法人は平成17年3月期以降の納税分から、1,000万円を基準に判断することになります。2年前の売上が判断のポイントですから、個人の場合には平成15年分の売上、法人の場合には平成15年3月期の売上により判定しますので、今から、売上を抑えても、残念ながら納税義務の有無には影響しません。
 
 この改正により、新たに消費税を納めることになる事業者が、大幅に増えることになります。今まで、お客さんから消費税をもらっていても、それを納める必要もなく自由に使えていたのが、これからは、納税が発生しますので、資金繰りには十分注意が必要です。

 ちなみに、年商2,000万円ですと、概算で年間30万円から50万円ぐらいの納税が発生するものと思われます。


(3)簡易課税

 (1)にも書きましたが、消費税は、売上の消費税から、経費等の消費税を控除した残額を納めるのが原則です。納税手続きの簡略化のため、小規模の事業者については、経費等の消費税額に関係なく、売上の分の消費税の一定割合を納める制度があります。この制度を「簡易課税」といいます。小規模かどうかの判定は、売上高5,000万円を基準にします。こちらも、2年前の売上で判断します。
 
  平成16年開業の個人事業者を例に取りますと、次のようになります。
 
  年度   平成16年  平成17年  平成18年  平成19年  平成20年
  売上   500万円  1500万円 6000万円 500万円  1500万円
 納税義務   無     無     無     有     有
 簡易課税  適用無   適用無   適用無 適用有 適用無

平成16年から18年は、消費税を納める必要がありませんから、簡易課税の適用もありません。平成19年は、2年前の平成17年の売上が5,000万円以下ですから、簡易課税を適用できます。

平成20年は、2年前の平成18年の売上が5,000万円を超えいていますので、簡易課税を適用することができません。

以前は、簡易課税適用の基準は、5,000万円ではなく、2億円でした。こちらも改正により、個人事業者の平成17年分、法人の平成17年3月期以降について、基準が引き下げとなります。

簡易課税を適用するためには、事前に届出が必要となります。また、1度届出を出すと、その届出の効力は、永久に続くことになります。ですので、簡易課税を止める時も、届出が必要です。ただし、1度、届出を出したら、2年間は、取りやめをすることができません。

設備投資等を考えている場合などは、簡易課税を適用することにより、納税額が増えてしまう場合もありますので、計画をきちんと立てておく必要があります。

なお、納めるべき一定割合とは、業種によって、次のようになっています。

卸売業  売上でもらった消費税の10%
小売業       〃     20%
建設・製造業    〃     30%
金融・保険業    〃     40%
サービス業     〃     50%


(4)課税事業者の選択

 2年前の売上が無かったり、1,000万円以下だったとしても、事前に届出をすることにより、消費税の納税義務者になることができます。
 
 なぜ、納めなくてもいいのに、わざわざ、消費税を納めるようにするのでしょうか?
 
 何度も書いていますが、消費税は、売上分の消費税から、経費等の消費税を控除した残額を納めます。経費等の金額には、設備投資の金額も含まれます。一時的に経費が増加したり、大規模な設備投資を行ったりすると、支払った消費税が預かった消費税より大きくなり、納税ではなく、国から払いすぎの消費税が、還付されることになるのです。
 
 なんか、得した気分になりますよね(^○^)。
 
 この届出も簡易課税と同じで、一度届出をすると、その効力は永久に続くことになりますので、止める場合には、その旨の届出をすることになります。ただし、1度、課税事業者を選択したら、2年間は、取りやめをすることができませんので、1年目で還付を受けたとしても、2年目は納税というようなことにもなりますので、きちんとした計画が必要になります。


(5)資本金1,000万円以上の会社

 新たに会社を設立した場合には、1期目と2期目は、2年前の売上がゼロですので、消費税を納める必要がありません。
 
 しかし、資本金が1,000万円以上の会社は、売上の規模も大きいだろうということで、1期目と2期目については、消費税の申告をしなければいけないことになっています。
 
 3期目以降は、2年前の売上がありますので、売上が1,000万円以下かどうかによって判断することになります。


(6)不動産収入の場合

 消費税の納税義務の判定基準が1,000万円引き下げられたことにより、今まで、消費税を納めてこなかった事業者も、これからは納める必要がでてきます。
 
 不動産収入で1,000万円を超えている場合にも、対象になりますが、不動産収入のうち、土地と居住用の賃貸料は、非課税となっています。1,000万円の判定には、非課税のものは除いて判定します。


(7)帳簿の記載

 経費等の消費税を控除するためには、帳簿と請求書等の保存が必要になります。請求等には、領収証が含まれますので、今まで、領収証だけで申告をしていた場合には、帳簿の保存がないと、控除ができないことになります。
 
 帳簿の記載事項は、次のようになります。この内容をきちんと記載していないと、消費税の納税が増える可能性がありますよ。
 
 ・支払先の氏名又は名称
 ・支払年月日
 ・支払の内容
 ・支払金額


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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