会社へ資産を安く売った場合

2003年10月7日

 会社の役員の個人資産を、時価よりも低額で、その会社へ売却した場合には、売却代金を余り安くし過ぎると、税金が余計にかかる可能性がありますので、注意が必要です。


(1)売却代金が時価の2分の1以上である場合

・売却した役員個人にかかる税金

 売却代金の設定を時価の2分の1以上にした場合には、資産を売却した役員個人へは、資産を売却したことによるもうけ、つまり、売却益に対して所得税が課税されます。逆に、売却により損が出た場合には、所得税はかかりません。

なお、売却益の計算は次のようになります。

 売却益=売却代金−(その資産の購入金額+売却のためにかかった費用)

(設例)
 500万円で購入した土地を、時価1,000万円のところ、700万円で売却した場合(売却のための費用50万円)

 売却益=700万円−(500万円+50万円)=150万円


・購入した会社にかかる税金

 購入した会社側については、時価よりも安く購入できたということで、その分、得をしたわけですから、購入代金と時価の差額が受贈益となり、その差額に対して法人税がかかることになります。

(設例)
 上記の設例の場合

 受贈益=1,000万円−700万円=300万円


(2)売却代金が時価の2分の1未満である場合

・売却した役員個人にかかる税金

 売却代金の設定を時価の2分の1未満にした場合には、資産を売却した役員個人へは、みなし譲渡課税となり、所得税がかかります。みなし譲渡課税とは、たとえ、安い値段で売買をしても、時価で売却したものとみなすというものです。つまり、この場合の売却益の計算は次のようになり、いくらで売ったかというのは、税金の計算には関係のない話となってしまいます。

 売却益=時価−(その資産の購入金額+売却のためにかかった費用)

(設例)
 500万円で購入した土地を、時価1,000万円のところ、300万円で売却した場合(売却のための費用50万円)

 売却益=1,000万円−(500万円+50万円)=450万円


・購入した会社にかかる税金

 購入した会社の取り扱いについては、上記(1)の時価の2分の1以上で売却した場合と同じになります。


(3)同族会社の場合

 少数の株主で過半数の株を保有している会社を同族会社といいます。同族会社の場合には、「行為計算の否認」という規定があり、同族会社が不当に税金を安くする行為を行った場合には、税務署長の権限で、時価で売却をしたものとみなして税金の計算をし直すことができることになっています。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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