義援金の取扱い|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2020年8月5日
(1)会社が義援金を支払った場合
会社が、被災地の自治体に設置された災害対策本部に義援金を支払った場合は、全額が経費になります。
経費計上するためには、法人税の申告書別表14(2)「寄附金の損金算入に関する明細書」に寄附内容を記載しなければいけません。
別表14(2)の「指定寄附金等に関する明細」欄に、寄附の年月日、寄附先の自治体名、寄附金額等を記載してください。
領収証等の添付は必要ありませんが、支出先の採納されたことがわかるように、保存は必要です。
寄附先が日本赤十字社や社会福祉法人中央共同募金会の場合には、その義援金が最終的に自治体や義援金配分委員会等に支払われるのであれば、全額が経費になります。
手続きは、上記の自治体に直接寄附した場合と一緒です。
日本赤十字社等への寄附は、最終的に被災自治体に渡ることを、募金趣意書等で確認してください。
通常の事業資金への寄附や時期等によっては、全額が経費にならない場合がありますので、義援金の内容を必ず確認してください。
(2)個人が義援金を支払った場合
個人が、被災地の自治体に設置された災害対策本部に義援金を支払った場合は、ふるさと納税の対象になります。
ふるさと納税ですから、各人の限度額の範囲内であれば、2,000円分の自己負担を除いた寄附額全額が、所得税と住民税から減税となります。
ふるさと納税のワンストップサービスも利用可能です。
ふるさと納税のしくみ
https://www.hinatax.jp/article/15751206.html
寄附先が日本赤十字社等の場合には、その義援金が最終的に自治体や義援金配分委員会等に支払われるのであれば、ふるさと納税の対象になります。
ただし、ワンストップサービスは利用できませんので、日本赤十字社等への寄附の場合は、確定申告が必要になります。
(3)NPO法人へ義援金を支払った場合
寄附先のNPO法人が「認定NPO法人等」であれば、会社、個人共に、税制上の優遇措置が受けられます。
ただし、自治体や日赤等への寄附と違い、優遇措置に制限がありますので、寄附先のNPO法人が、どの優遇制度に該当するか確認する必要があります。
(4)募金団体へ義援金を支払った場合
寄附先が報道機関等がやっているような募金団体であれば、最終的に国や被災自治体に支払われたことを、募金団体が税務署に確認を受ける必要があります。
確認を受けたことが記載された預り証があれば、税制上の優遇措置を受けられます。
(5)被災企業への支援金
会社が、被災した取引先に対して災害見舞金を支出した場合は、全額が経費となります。
その見舞金は、被災前の取引関係の維持、回復を目的としたものでなければいけません。
寄附金でも交際費でもないので、別表14(2)や別表15への記載は必要ありません。
科目は何でもかまわないので、悩んだなら、雑費にでもしておいてください。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。