法人成りによる所得税軽減効果|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2014.8.20
(1)個人事業の所得税
個人事業の場合は、収入から経費を引いて利益を計算します。
この利益から、扶養控除等の所得控除を引いた金額に、所得税率をかけて、所得税額を計算します。
おおざっぱにいえば、個人事業主の所得税はこんな感じです。
(2)会社の法人税
会社は、収益から費用を引いて、利益を計算します。
この利益に法人税率をかけて、法人税額を計算します。
おおざっぱにいえば、会社の法人税はこんな感じです。
(3)個人事業主の法人成り
例えば年間利益が1,000万円の個人事業主が、会社を設立して、個人事業を会社で行う、いわゆる法人成りをしたとします。
会社は1,000万円の利益と同額を、社長へ役員報酬として支給します。
役員報酬は経費ですから、会社の利益はゼロとなります。
利益ゼロにいくら法人税率をかけても、法人税はゼロです。
社長は、役員報酬をもらいますので、所得税を負担することになります。
役員報酬は給与の一種ですから、所得税を計算する際に、経費に相当する給与所得控除を差し引くことになります。
この給与所得控除は、領収証も何も必要ありません。
給与所得控除があることにより、個人事業主時代の所得税よりも、役員報酬の所得税のほうが、結果として所得税額が安くなることになります。
これが、会社にすると税金が安くなるといわれる仕組みになります。
(4)法人成りの負担増
所得税は安くなりますが、会社の場合は、最低年間約7万円の住民税均等割を負担しなければいけません。
しかも、赤字でもこの均等割はかかるのです。
社会保険料負担も増加することが考えられますので、目先の所得税だけにとらわれて法人成りをしないよう、よく検討する必要があります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。