消費税増税前のかけこみ購入はお得か|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2013.12.5
(1)消費税率は8%へ
平成26年4月から、消費税率が5%から8%にアップするということで、増税前に物品購入等をして、少しでも支払額を抑えたいという動きがあるようです。
例えば税抜100万円の商品を購入する場合は、消費税率によって、税込105万円と108万円となり、3万円の差が出ますね。
ですので、増税前に買っておこうとなるわけです。
これって、果たしてお得なのでしょうか。
実は、会社の場合は、増税後に買っても、負担額は同じなんです。
(2)消費税の仕入税額控除
会社は、売上等でもらった消費税から、経費等で支払った消費税を差し引いた差額分の消費税を、税務署へ納税します。
税抜100万円の商品を5%時に購入すれば、税務署へ納税する消費税が、5万円分減るんです。
105万円の支払いをしますが、消費税の納税額が5万円安くなるわけですから、会社の負担は税抜価格の100万円となります。
同じ商品を8%時に購入すれば、総額で108万円の支払いとなります。
会社が税務署へ納める消費税が8万円減るわけですから、増税後でも、会社の負担額は100万円で変わらないんですよ。
(3)増税後の値引き交渉
消費税増税後は、かけこみ需要の反動で、ものが売れなくなるといわれています。
そんな時に高額商品の購入や大規模修繕なんかの話が来たら、相手は喜びますよね。
みんなが欲しがっている時は、誰も値引きなんかしてくれませんが、売れない時だったら、値引き交渉も可能になります。
その時は必ず、商品の「本体価格(税抜価格)」の値引きを要求してください。
決して、増税分や消費税を負けろと要求してはいけません。
消費税分の値引き要求は、法律で禁止されていますからね。
(4)メリットがない会社もあります
消費税を納めていない会社は、そもそも消費税の納税がないわけですから、納税額が安くなるということはありません。
また、消費税の計算方法で、簡易課税を適用している会社は、計算方法が異なりますので、納税額がいくら安くなるかは、商品の購入金額では変わりません。
こういった会社は、一般の消費者と同じように、購入のタイミングを考えても大丈夫ですよ。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。