被災企業支援にも活用できるエンジェル税制|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2011.7.20
(1)エンジェル税制とは
エンジェル税制とは、個人で未上場のベンチャー企業に出資した場合に、投資額に応じて所得税が減税される制度をいいます。
経済産業省のHPでは、子会社に出資した親会社の役員が、300万円の投資で、47万円減税された例が紹介されています。この役員が子会社の取締役になって、役員報酬をもらえば、減税に加えて、収入の増加も狙えますね。
(2)出資対象は設立3年以内の中小企業
エンジェル税制の対象になるのは、設立3年以内の中小企業になります。中小企業の要件は、業種によって違いますが、資本金5,000万円以下か従業員数が50人以下であれば、すべて中小企業となります。
3年経過してしまった会社の場合には、子会社を設立すれば、設立3年以内を満たすことになりますね。
なお、出資した年に株の譲渡益がある場合は、設立10年以内の企業も、減税の対象になります。
(3)外部から6分の1以上出資してもらう
親族やグループ会社以外の外部の人間から、6分の1以上の出資をしてもらうことが必要です。
特定の被災企業を支援したいという場合には、このエンジェル税制を利用して出資すれば、義援金を寄付したのと同様の効果が得られ、減税の特典も受けることができます。
発行済株式の過半数を所有する株主がいる場合や、株主の中に資本金1億円超の大企業がいる場合には、要件が異なりますので、確認が必要です。
(4)現金で出資すること
減税の対象になるのは、現金出資のみです。現物出資は対象となりません。不動産や機械設備で支援しても、対象となりませんが、出資した現金で、その物件を購入してもらえば、大丈夫ですね。
(5)経済産業大臣から確認を受ける
ベンチャー企業は、経済産業大臣から、エンジェル税制の対象企業であることの確認を受ける必要があります。窓口は、各地域の経済産業局になります。
出資した個人は、会社から経産大臣の確認書を受け取り、所得税の確定申告時に添付して、寄付金控除等の減税措置を受けることになります。
(M.H)