建設仮勘定


2006年10月10日

(1)建設仮勘定の経理

 建物を新築するときに、完成前に、建築代金の一部を支払った場合には、
「建設仮勘定」という勘定科目を使用し、有形固定資産として計上します。

 建物が完成し、引き渡しを受けた時点で、それまで建設仮勘定に計上してい
た金額を、「建物」へ振り替えることになります。


(2)法人税、所得税の取り扱い

 建物の引き渡しを受けて、使用を開始した場合には、決算の時に減価償却費
を計算して、経費に計上します。減価償却費の計算は、次のようになります
(定額法)。

減価償却費=取得価額×0.9×償却率×使用開始日から決算日までの月数÷12
 
 償却率は、建物の構造、使用目的に応じて、減価償却資産の耐用年数等に関
する省令で定められています。

(3)消費税の取り扱い

 建物の代金として支払った消費税は、納付すべき消費税を計算する際、改正
引き渡しを受けた時点で、納付すべき消費税から控除します。法人税、所得税
では、使用を開始してから減価償却を開始しますが、消費税では、引き渡し時
点で、控除されることになります。引き渡しと使用開始の間に、決算を挟んだ
場合には、法人税等と消費税では、控除のタイミングがずれることになります。

 建築が完了する前に、一部分について、引き渡しが行われたことが明らかな
場合には、引き渡しが行われた部分だけを、先に、納付すべき消費税から控除
することもできます。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

領収証のもらえない経費


2006年10月10日

(1)車代

 新商品の発表会等に、招待した得意先にお車代を渡すことがあると思います。
このような場合って、領収証がもらえませんが、領収証が無くとも、経費とし
て認められます。

 車代を支払ったときに、相手先に領収証を請求するということは、普通行い
ません。このように、社会一般で領収証のやりとりを行わない支出については、
領収証が無くとも、経費算入が認められています。

 領収証がない場合には、社内の記録として、支払先の名称や支払額が、わか
るようにしておく必要があります。車代の支払先が2,3件であれば、出金伝
票や現金出納帳への直接の記載でかまいません。支払先の件数が多い場合には、
一覧表にして保管しておくようにしましょう。

 また、支払額についても注意する必要があります。具体的にいくらまでの支
出なら、経費として認められるという規定はありませんが、あくまでも、実費
弁償としての支払ですから、通常の交通手段で、負担するであろう金額の範囲
内で、支払うようにしましょう。会場まで、タクシーで往復3,000円ぐらいか
かるというような場合に、車代を10,000円支給した場合には、差額が、法人税
の対象になる可能性があります。


(2)慶弔費

 一般的に、領収証のやりとりをしないものとして慶弔費があります。慶弔費
ついては、招待状や御礼状が、一つの証明手段になりますので、保存しておく
ようにしましょう。


(3)その他の取引

 商品の売買等で、先方にいくら依頼しても、領収証を発行してもらえない場
合には、支払通知書を作成しましょう。強く依頼すると、今後の取引に影響を
及ぼす可能性もありますから、こちらから、相手先の住所、名称、日付、支払
金額、支払内容を記載した、支払通知書を作成し、相手に渡して、受け取って
もらうようにしましょう。控えを保存しておけば、きちんとした証憑書類とな
ります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

通勤手当いろいろ

2006年9月6日

 通勤手当は、通勤手段と通勤距離によって、所得税の非課税枠が定められています。1ヶ月分の通勤手当が、非課税枠の範囲内であれば、従業員に通勤手当を支給しても、所得税は、かからないことになります。

 非課税枠については、国税庁のHPをご参照ください。


(1)2km未満の障害者がマイカーで通勤する場合

 通勤距離が2km未満の者が、マイカーで通勤した場合には、非課税枠は0円ですから、通勤手当を支給した場合には、全額、所得税の対象になります。

 しかし、障害等の理由により、公共交通機関での通勤が無理な場合には、マイカー通勤にかかるガソリン代等の実費相当額であれば、所得税はかかりません。


(2)複数の勤務場所がある場合

 1ヶ月の間に、月の前半は、本社勤務、月の後半は、工場勤務というように、複数の事業所に勤務している場合には、通勤日数に応じたそれぞれの合計額で、非課税枠を判定することになります。

 例えば、本社への通勤距離が10km、工場への通勤距離が15kmで、どちらもマイカーで通勤しているとします。10kmの非課税枠が6,500円、15kmの非課税枠が11,300円ですから、6,500円÷2+11,300円÷2=8,900円が、1ヶ月間の非課税枠となります。

 ただし、どのような場合でも、1ヶ月間の上限は、10万円となっていますので、非課税になるのは、10万円以下の場合になります。


(3)月の途中で通勤距離が変更になった場合

 月の途中で、引越や転勤等で、通勤距離が変更になった場合には、会社の規程に従うことになります。

 会社の通勤手当の支給規程が、通勤日数による按分計算となっている場合には、按分した金額が、非課税枠とになります。給料計算の締め日現在で、判断することになっている場合には、その締め日現在の通勤距離で、非課税枠を判定します。

 いずれか長い方の通勤距離で、通勤手当を支給することになっている場合には、その長い方の距離で、非課税枠を判定することになります。このような会社であれば、引越日によっては、ちょっとした所得税の節税をすることができますね。


(4)アルバイトの非課税枠

 週3日勤務などのアルバイトやパートの場合には、通勤手当の非課税枠は、出勤日数に関係なく、1ヶ月間の金額で、非課税枠を判定します。非課税枠は、1ヶ月単位で定めてありますので、たとえ勤務日数が少なくとも、日割りする必要はなく、月額で、判定することになります。


(5)緊急業務のためのタクシー代

 夜間に、緊急業務の必要があり、やむを得ずタクシーで出勤した場合には、そのタクシー代は、普段の通勤方法にかかわらず、所得税の対象になりません。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の課税Part5


2006年9月6日

 輸出取引は、消費税が、免除となっています。輸出取引には、商品の海外への輸出はもちろん、日本と海外を結ぶ、飛行機や船の国際便、国際電話、国際郵便を含みます。これらは、国際競争力を高めるため、日本の消費税がかかりません。

 日本で仕入れた商品を、海外へ輸出する場合には、売上については、消費税が免除ですが、仕入の際には、消費税は、負担することになります。一般的に輸出業者は、預かった消費税よりも払った消費税のほうが、大きくなります。このような場合には、国から、払いすぎた消費税を還付してもらうことになります。

消費税の課税 Part4


2006年8月4日

 前回は、非課税の間違えやすい部分について解説しました。
 https://www.hinatax.jp/article/13127605.html
 
 続きを見ていきましょう。
 
(ク)社会保健医療

 非課税の対象になるのは、基本的に、健康保険の対象になる医療です。美容整形や歯の矯正など、いわゆる自由診療になるもの、消費税の対象です。

 勤務中の事故等で、診療を受ける場合に、労災や自動車保険の給付対象であれば、消費税は、非課税になります。

 また、健康診断は、健康保険が使えませんから、非課税になりません。インフルエンザ等の予防接種も、健康保険が使えませんね。会社として、これらの受診をした場合には、消費税も負担することになります。
 
 
(ソ)住宅の貸付け

 居住用として賃貸した建物は、非課税となります。これは、契約書に「居住用」と記載されているかによって判断します。出張用に週単位等で契約するような物件については、たとえ居住用でも、課税になります。契約期間は、1ヶ月単位以上である必要があります。共益費等を徴収する場合には、家賃が非課税であれば、共益費等も非課税となります。

 アパートで、地域によっては、1部屋に1台の駐車場を確保することがあります。駐車場代が、家賃に含まれているような契約形態であれば、駐車場代相当額も、非課税となります。

 貸す側、借りる側の立場の違い、消費税の納税義務の有無によって、有利不利が変わってきます。よく検討して、契約を結ぶようにしましょう。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

住民税の増税


2006年8月4日

 平成18年6月頃、住民税が増税になったと、苦情や問い合わせが、市町村の窓口に殺到しているという記事が、新聞紙上を賑わしました。去年まで、税額がゼロだった人が、数万円の税額になったり、一気に10倍の税額になった人もいたようです。なぜ、このような騒動にまでなってしまったのでしょうか。

年金受給者を例に、説明していきます。


(1)年金受給者の住民税の課税方法

 住民税は、前年の所得に基づき、市町村が算出して、直接納税者に税額を通知します。納税者は、その通知に基づき、金融機関等で、年4回に分けて、住民税を納付することになります。


(2)年金受給者の所得税の課税方法

 所得税は、年金を支給する際、その支給額から、所得税の概算額を算出し、年金から天引きする形で、納付することになっています。支給時には、概算額で計算していますので、本来の負担額とは、ズレが生じてしまいます。このズレを是正するために、毎年2〜3月に、確定申告をして、精算することになります。


(3)平成17年の税制改正

 平成17年から、年金受給者について、所得税、住民税を計算する際に、控除される公的年金控除や老年者控除が、縮小されました。この縮小により、所得税も住民税も増税となっています。


(4)なぜ、住民税だけが騒動になったのか

 (2)のとおり、所得税は、概算額が天引きされます。概算額の算出には、(3)の控除額の縮小が、考慮されています。年金支給時の所得税は、既に増税となっていて、その通知も手元に届いていたのですが、1回の増税額がわずかであることから、問題にする人が多くなかったのです。

 年金支給額の変更は、このような税制改正の他に、介護保険料の改正や支給額自体の改正もありますので、支給額の変更に慣れてしまい、あまり気にされなかったということもあるでしょう。

 それに対して、住民税は、税制改正が考慮されるのは、(2)のとおり、6月の1回限りになります。増税額も1年分が一気に課税されますので、負担感が非常に増すことになります。そのため、事情を知らない納税者が、役所に殺到したということなのでしょう。

 ちなみに、住民税の税率は、国会で決めてますので、うちの市は、住民税が安いということはないです。


(5)平成19年は、もっと増えます!

 平成19年1月から、所得税と住民税の税率が変わります。年金収入が約400万円以下の場合には、所得税10%、住民税5%の税率が、所得税5%、住民税10%となります。

 所得税は、支給時に天引きする概算の税額が、変わります。税率が10%から5%ということは、天引きされる所得税は、半分になります。平成19年の1月以降の年金と取り額は、その分増えることになりますね。

 住民税は、6月に税率の変更が行われます。こちらは、5%から10%ですから、倍になるわけです。平成18年は、10倍になった人もいたようですね。確かに、4,000円の税額が、40,000円になれば、10倍です。これが、さらに倍になるわけですから、今度は、40,000円が80,000円です。2年間で、一気に20倍です。平成19年の役所の窓口は、もっと混雑しそうですね。

(注意)上記は、一例です。税額は、個人によって全く違います。増加する税額も、それぞれです。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の課税 Part3

2006年7月5日

 そのうち、特に間違えやすい部分を見ていきましょう。
 
(ア)土地の譲渡及び貸付け

 あくまでも非課税の対象になるのは、土地です。建物を貸すときは、その建物が建築されている土地も貸していることになりますが、このような場合には、建物の貸付と判断し、非課税には該当しません。ただ、その建物が住宅用としての貸付であれば、(ソ)の住宅用建物の貸付ということで、非課税になります。
 
 同様に、野球場やテニスコート等は、設備の貸付ということで、消費税は非課税になりません。
 
 駐車場の貸付は、更地のまま駐車場として貸し付ければ、非課税です。ただ、一般的には、舗装をしたり、ラインを引いて貸し付けるかと思われます。その場合には、駐車場設備の貸付ということになり、非課税になりません。
 
 貸付の期間も問題で、非課税になるためには、契約期間が1ヶ月以上である必要があります。工事現場の資材置き場として、一時的に、2,3週間、土地を貸した場合には、非課税になりません。
 
 
(オ)商品券、プリペイドカードなどの譲渡

 商品券やプリペイドカードは、誰が使用するかで、消費税の扱いが変わります。
 
 商品券やプリペイドカードを、贈答品として購入した場合には、消費税は、非課税として扱います。
 
 交通機関のプリペイドカードのように、自社で使用する場合には、消費税は、課税として扱います。
 
 手間のかからない経理処理としては、商品券等の購入時に、贈答用であれば、消費税の処理を非課税に、自社使用であれば、課税にしておくことといいでしょう。
                              
 〈つづく〉

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

役員賞与の支給


2006年7月5日

 平成18年度の税制改正で、これまで経費算入が認められていなかった役員賞与について、税務署に事前に届出をすれば、経費算入が可能になりました。この制度の特徴を確認してみたいと思います。


(1)事前に届け出ること

 経費算入が認められる役員賞与のことを「事前確定届出給与」といいます。この名の通り、事前に届出が必要になります。届出の期限も定められていて、次のうち、いずれか早い日となっています(改正初年度は、平成18年6月30日までの提出も認められます。)。
 
 ・役員としての職務の執行を開始する日
 ・会計期間開始から3ヶ月以内

 「職務の執行を開始する日」という表現が、非常にわかりづらいですね。これは、原則としては、役員に就任した日をいいます。ただ、以前から引き続き役員となっている場合には、毎年決算日から3ヶ月以内に、必ず開催される、定時株主総会の日をいうことになっています。


(2)届出書の記載内容が詳細

 役員賞与支給対象者の氏名、賞与の支給日、金額を記載するのはもちろんですが、その対象者の毎月の役員報酬額と支給日も記載しなければなりません。さらに、役員賞与対象者以外の役員についても、氏名と役員報酬額、支給日を記載することになっています。

 また、役員賞与の支給を決定した機関名も記載することになっていますので、何月何日の株主総会で決定したなど、後日、決定したことを証明するための議事録等を、きちんと保管する必要があります。

 その他に、毎月の役員報酬以外に、賞与で支給することになった理由も、記載することになっています。
 
 事前届出給与にすると、税務署は、税務調査をしなくても、完全に把握することが可能になりますね。


(3)事前に確定していること

 「事前確定届出給与」は、事前に確定し、事前に届出をした給与ということになります。事前届出については、上記で説明しましたが、事前に確定していることも必要になってきます。
 
 事前に確定しているとは、上記の届出期限のところで触れた「職務の執行を開始する日」までに、役員賞与の支給日、支給額を確定しなければならないということです。

 そうすると、定時株主総会で役員賞与の支給を決定することになっている会社は、定時株主総会開催日が、「事前確定」の期限であるとともに、「事前届出」の期限でもあるということです。
 
 支給を決定したその日に、税務署へ届出をしないと、役員賞与を経費算入することは、できなくなってしまいます。


(4)非常勤役員等の年俸制も対象

 これまでは、非常勤役員等への役員報酬を、1年に1回や、半年に1回のように支給していた場合には、原則として、何の手続も必要なく、経費算入することが可能でした。
 
 しかし、1ヶ月単位よりも長いサイクルで支給する役員報酬は、全て事前確定届出給与として、扱われることになりました。
 
 そのため、年払いや半年払いのような支給形態でも、経費算入するためには、事前の届出が必要になってきます。たとえ、非常勤監査役だけが年払い5万円の支給だったとしても、全役員の役員報酬を、税務署へ届け出ることになりま
す。


(5)届出後の変更はできない

 一旦届出をしたら、その後の金額の増減は、できなくなります。
 
 当初、役員賞与を6月、12月にそれぞれ100万円ずつ支給するような決定をしていても、その後の業績不振や資金繰の都合で、70万円に減額したとします。その場合には、支給した70万円全額が、経費不算入ということになります。
                          
   (M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

給料計算の仕方

2006年6月5日

(1)支給総額の計算

 まずは、給料の総額を計算します。タイムカードや出勤簿をもとに、残業手当、休日出勤手当等を計算します。さらに、毎月定額である住宅手当、家族手当等を加算します。逆に、欠勤や遅刻早退があれば、規程に基づき、給与を減額する必要があるかもしれません。


(2)社会保険料

 次に、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料を控除します。保険料は、標準報酬月額に、保険料率をかけて計算します。実際には、保険料額表を使用することになります。
 
 標準報酬月額は、毎年4月〜6月の3ヶ月間の給与実績によって、決定されます。残業手当が増えて、給料がいつもの月より増えたとしても、標準報酬月額は変わりませんので、社会保険料の金額は、変わりません。
 
 ただ、途中に昇級等があって、給与額に変動があった場合には、昇級等から3ヶ月の実績に基づき、標準報酬月額の見直しが行われることもあります。昇級等から3ヶ月経過したら、標準報酬月額の変更手続の必要があるか、確認するようにしましょう。
 
 標準報酬月額は、基本的に変動しないことになりますが、厚生年金保険料や介護保険料は、保険料率の見直しが行われますので、1年間に2回ぐらい、保険料額表の変更が行われます。常に最新の表を入手するのを忘れないようにしましょう。
 
 さらに、年金基金に加入している会社は、年金基金の保険料も控除することになります。


(3)雇用保険料

 雇用保険料は、給与支給総額の0.8%になります。これを、給与から控除します。社会保険料と違って、給与額の変動に合わせて、雇用保険料の金額は、変動します。


(4)所得税

 次に、所得税を計算します。まず、給与支給総額から、非課税の通勤手当を控除します。公共交通機関を利用して通勤している場合には、原則として、実費相当額が、非課税となります(1ヶ月10万円を限度)。マイカー等で通勤している場合には、通勤距離よって、非課税額は変わります。
 
 通勤手当を控除した金額から、さらに、社会保険料、雇用保険料を控除します。その金額と扶養親族の人数を、税額表に当てはめて、所得税額を計算します。


(5)住民税

 住民税の納税方法は、従業員が自分で納税する普通徴収と、会社が給料から天引きして納税する特別徴収の2種類があります。給料計算に関係してくるのは、特別徴収を取っている場合です。
 
 従業員が住んでいる市町村から、毎年5月に、6月以降の住民税額の通知が、会社に届きます。毎月、天引きする金額が、記載されていますので、その金額を、給料から控除することになります。
 
 普通徴収、特別徴収は、途中で変更することも可能です。退職した場合には、残額を最後の給料から一括で徴収するか、従業員が自分で納税することになります。


(6)その他の控除額

 その他に会社が独自に、給料から天引きするものがあれば、控除することになります。主なものとしては、財形貯蓄、生命保険料、親睦会費等があります。



(M.H)



※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の課税 Part2

2006年6月5日

 次の4つの要件全てを満たしていることが条件で、一つでも条件を満たさないものは、消費税の対象から除外されます。

(ア)国内での取引であること
(イ)事業者が事業として行ったものであること
(ウ)対価があること
(エ)資産の譲渡及び貸付け並びに役務提供であること


(2)非課税

 上記の4つ全ての要件を満たしても、消費税の趣旨に合わないものは、社会政策的に消費税を課税することが不都合なものについては、非課税制度が設けられています。
 
 非課税になるのは、限定されていて、次のものが非課税になります。これらに該当しないものは、原則として、消費税が課税されることになります。土地の譲渡やアパートの賃貸に消費税がかからないというのは、ここで規定されていたんですね。

※非課税項目※

(ア)土地の譲渡及び貸付け
(イ)有価証券、支払手段等の譲渡
(ウ)預貯金の利子及び保険料
(エ)郵便切手類の譲渡、印紙及び証紙の譲渡
(オ)商品券、プリペイドカードなどの譲渡
(カ)国、地方公共団体等が行う行政事務手数料
(キ)国際郵便為替、国際郵便為替振替業務及び外国為替取引の手数料
(ク)社会保険医療
(ケ)介護保険サービス、社会福祉事業等によるサービス
(コ)助産
(サ)火葬料や埋葬料
(シ)身体障害者用物品の譲渡や貸付け
(ス)学校の入学金、授業料等
(セ)教科用図書の譲渡
(ソ)住宅の貸付け
                               〈つづく〉


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の課税 Part1 消費税の課税 Part1 消費税の課税 Part1

2006年5月10日

 料金設定をする際に、何となく、消費税を上乗せしていたりしませんか。どんなときに、消費税を上乗せする必要があるのか、きちんと確認をしてみましょう。


(1)消費税の対象

 消費税の対象になるかどうかは、次の4つの要件を全て満たしていることが、条件になります。一つでも条件を満たさないものは、消費税の対象から除外されます。

(ア)国内での取引であること

 消費税は、日本国内だけのものですから、海外で行われた取引については、消費税は関係ありませんね。日本人同士の取引でも、取引が海外で行われてい
れば、日本の消費税は、対象外ということになります。
 
 日本より消費税率が高い国は、いっぱいありますので、海外の消費税のほうが、高くつく可能性もありますね。


(イ)事業者が事業として行ったものであること

 消費税の納税義務者は、事業者になります。事業者とは、全ての法人と個人事業者をいいます。法人が行う取引は、全て事業として行ったと解釈されます。
 
 個人事業者の場合には、プライベートに関する取引は、消費税の対象外です。自宅や自家用車の売買は、事業には関係ありませんので、消費税の対象外になります。
 
 インターネットオークションなどで、たまに不要品を売ったりするのは、事業ではありませんが、頻繁に出品したり、オークションで生計を立てているときは、消費税の納税義務が発生する可能性もあります。
 
 
(ウ)対価があること

 ただで物をあげた場合には、消費税の対象外です。金銭のやりとりがなくても、物々交換のように物で支払をしたときは、交換でもらった物が、対価ということになります。
 
 
(エ)資産の譲渡及び貸付け並びに役務提供であること

 商品などの物を販売する行為や、物品をレンタルする行為、さらに、サービスの提供が、消費税の対象になります。
                               〈つづく〉



(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

繰越欠損金


2006年5月10日

(1)青色欠損金の繰越制度

 法人税は、収益から費用を引いた利益に対して、税率をかけて計算します。当期が黒字であっても、過去に赤字が発生していた場合には、当期の黒字と過去の赤字を相殺することができます。相殺後の黒字額に税率をかけて、法人税を計算することになりますので、過去の赤字の分、税負担が軽減されることになります。

 赤字額が黒字額を上回っていれば、その年の法人税はゼロとなり、相殺しきれなかった金額は、翌年以降に繰り越すことができます。


(2)繰越期間

 相殺しきれなかった金額を繰り越すことができる期間は、7年間が限度となります。7年経過しても、黒字と相殺しきれなかった場合には、その赤字は、それ以降は、相殺の対象から外れることになります。
 
 なお、平成14年2月期以前の赤字の場合は、5年間しか繰り越せません。


(3)要件

 毎期、きちんと申告をしていれば、特に問題にはなりませんが、相殺をするには、次のような要件が定められています。

 赤字が生じた年は、青色申告法人でなければなりません。一般的には、会社の場合には、青色申告にしていると思いますが、途中、期限後申告や無申告等があった場合には、青色申告が取り消されることがありますので、注意が必要です。
 
 さらに、赤字が生じた年から黒字と相殺しようとする年まで、申告書を毎期続けて提出している必要があります。これは、相殺しようとする年の申告書を提出する日までに、申告書が提出されていればいいので、申告期限を過ぎていても、提出するようにしましょう。

   
(4)相殺順序

 過去に赤字になった年が、何年もある場合には、古い順に相殺していくことになります。


 以下、事例でご説明します。

   
決算期 利益 相殺額 繰越額 課税対象利益
14年3月期 −500万 500万
15年3月期 100万 100万 400万
16年3月期 −200万 400万(H14)
200万(H16)
17年3月期 300万 300万 100万(H14)
200万(H16)
18年3月期 200万 200万 100万(H16)
19年3月期 300万 100万 200万


(5)所得税の場合

 所得税にも、欠損金の繰越制度があります。ただし、繰り越しできる期間は、3年だけになります。対象になるのは、事業所得や不動産所得になります。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

更正の請求


2006年3月4日

 既に提出した申告書が間違っていて、税金を多く納めすぎてしまった場合には、更正の請求の手続により、納めすぎた税金を還付してもらうことができます。
 
 「更正」とは、税務署長が、税金の誤りを正すことをいい、「更正の請求」は、誤りを正すことを請求する手続になります。
 
 税務署長は、納めすぎが事実と認められれば、税金を還付することになります。


(1)更正の請求の期限

 更正の請求は、本来の申告期限から1年以内であれば提出することが可能です。平成16年分の所得税の確定申告の場合には、平成17年3月15日が申告期限ですので、その1年以内ということは、平成18年3月15日が、更正の請求の期限になります。
 
 
(2)更正の請求書

 更正の手続をするためには、更正の手続書に、納めすぎが事実であることを証明する書類を添付します。経費の計上漏れの場合には、その領収証等ということになります。
 
 
(3)1度も申告をしていない場合

 更正の請求は、既に申告した内容の訂正になります。過去に1度も申告をしてない場合には、期限後の還付申告ということになり、5年前の分まで、さかのぼって申告することが可能です。
 
 過去に、医療費控除や住宅ローン控除をし忘れていた場合には、5年前までさかのぼって、還付請求することができます。手続は、通常の確定申告になります。期限後申告でも、還付申告ですから、ペナルティとして加算される延滞税等は、ありません。



(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

会計参与


2006年3月4日

 平成18年5月に施行が予定されている、新会社法において、新たな会社の役員として、「会計参与」が加わりました。

(1)会計参与とは

 会計参与とは、取締役と共同して決算書を作成する、株式会社の役員をいいます。会計参与を置くかどうかは、会社が任意に決めることができます。

 会計参与は、会計の専門的知識を生かし、直接、決算書の作成に関わるということから、決算書の信頼性がより一層増すと考えられています。金融機関が、どのような対応をするか見極める必要がありますが、会計参与が作成した決算書によって、融資が受けやすくなる可能性があります。


(2)資格

 会計参与になれるのは、税理士か公認会計士(税理士法人及び監査法人を含む。)だけです。決算書の正確さに対する専門性を高めるため、会計や税務に対する専門性が求められています。
 
 会社の顧問税理士が、会計参与を兼務することは、可能です。


(3)任期

 会計参与の任期は、原則として2年です。定款において、最長で10年まで伸長することもできます。
 
 取締役の任期も新会社法の施行後は、10年にすることができますが、取締役と会計参与の任期を一致させる必要はありません。ただ、任期満了による役員改選の際には、同じ人が再任する場合でも、登記手続が必要になりますので、一致させておいた方が、登記料の負担が軽くなります。


(4)選任

 会計参与の選任は、取締役と同様、株主総会で行います。会計参与を辞めさせたいときにも、株主総会で決議します。会計参与を自主的に辞めるときは、後任の会計参与が決まるまで、その責任は、継続します。
 
 会計参与は、選任、解任、辞任時に、株主総会で意見を述べることができます。取締役と意見が合わずに、決算書の作成ができない場合などは、作成できない理由などを述べることになります。
 
 
(5)職務と権限

 会計参与は、取締役と共同での決算書作成のため、会計参与報告を作成します。作成した決算書及び会計参与報告は、会計参与の事務所に5年間保管し、債権者や株主から、閲覧請求があった場合には、開示しなければなりません。
 
 取締役が不正行為や法令違反を行っているのを発見した場合には、株主にそのことを報告しなければならないという、不正に対する厳しい義務もあります。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

5,000円以下の飲食費は、全額経費に


2006年2月6日

(1)改正の内容

 平成19年3月決算の会社から、1人あたり5,000円以下の飲食費は、交際費から除外することになりました。
 
 
(2)交際費に該当した場合

 資本金額に応じ、次の金額は、経費になりません。
 
・資本金1億円以下の場合
 損金不算入額=支出交際費の額−A×90%
※Aは、次のア、イのいずれか少ない金額
 ア 400万円
 イ 支出交際費

・資本金1億円超の場合
 損金不算入額=支出交際費の全額
 
 交際費に該当すれば、一部、経費計上できなかったのですが、今後は、交際費であっても、5,000円以下の飲食費であれば、全額経費にすることができます。
 
 
(3)1人あたりとは

 1人分の飲食費が5,000円以下かどうかが問題になります。例えば、20,000円の飲食費の場合、4人以上であれば、1人あたりが5,000円以下となりますね。1人あたりの金額をはっきりさせるために、今後は、より一層、帳簿等に、飲食したメンバーの名前を、きちんと控えておくようにしましょう。
 
 
(4)5,000円以下とは

 会社の消費税の経理方式が、税込経理方式の場合は、注意が必要です。税込経理方式では、帳簿には、税込金額しか記載されません。そのため、このような金額判定の際には、全て、税込で行うことになります。
 
 税込5,250円(税抜5,000円)の飲食代では、経理方式により、不利になります。今後は、飲食店でも、この税制改正に合わせて、5,000円のメニューを多く出してくると思われます。少しでも収入を上げたい飲食店側としては、税抜5,000円の設定にしたいところですので、会社側でも、それに合わせて、税抜経理に変更していったほうがいいですね。
 
(5)5,000円を超えた場合は

 5,000円を超える飲食費は、全て交際費になるわけではありません。あくまでも、飲食の内容によります。やむを得ない理由により、会議時の昼食代が、たまたま5,000円を超えてしまったようなときには、交際費ではなく、会議費になります。しかし、接待の意味があって、高額の食事を提供したのであれば、交際費になります。



(M.H)


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1人オーナー会社の増税


2006年2月6日

(1)制度の内容

 役員報酬は、所得税法上、給与として扱われます。給与所得には、サラリーマンの経費に相当する部分として、給与所得控除というのがあります。この給与所得控除の金額を、法人税を計算する際に、利益に加算することになります。法人税は、利益に税率をかけて計算しますので、利益に加算するということは、その分、法人税の負担が増えることになります。
 
 ちなみに、給与所得控除の金額は、年収1,200万で230万円、年収2,400万円で、290万円となります。

 なお、この改正は、平成19年3月決算から始まる予定です。


(2)対象となる会社

 次の2つの要件を満たす会社です。
 
・社長とその親族の持株割合が90%以上であること
 
・社長とその親族が、役員の過半数を占めること

 改正案では、「業務を主宰する役員」という表現が使われています。これは、趣旨としては、社長のことを指しています。ただ、実質的なオーナー以外に、名義上の社長がいるような場合には、オーナーを指すことになります。
 
 また、「常務に従事する役員」という表現から、役員の過半数を判定する際には、非常勤役員や名義上の役員は、除外して判定します。
 
 役員が3名でも、社長と2名の非常勤役員という構成の場合は、常勤役員は、社長1人ですので、過半数を占めていることになります。


(3)除外規定

 この規定には、除外規定が設けられています。上記(2)の2つの要件に該当しても、(1)の規程は、適用されませんので、法人税が増えるないことになります。除外規定の判定には、まず、次の所得等の金額を求めます。
 
 所得等の金額=
 (前期以前3期分の会社の利益+前期以前3期分の社長の役員報酬額)÷3
                
・所得等の金額が800万円以下の場合

 利益と役員報酬を足した金額が、800万円以下であれば、この規程は適用されません。利益がゼロで、役員報酬が800万円以内であれば、これまでの税負担と、何ら変わらないことになります。
 
・所得等の金額が800万円超3,000万円以下の場合

 この場合には、社長の役員報酬額が、所得等の金額の50%以下であれば、適用除外となります。
 
 
(4)対策

・社長一族の持株割合を90%未満にする

 親族以外の第三者に10%超の株式を保有してもらえば、この規程は、適用されなくなります。信頼のおける取引先で、同じように、この規程に苦しめられそうなところがあれば、お互いに、11%ずつ株を持ち合えば、この規程の対象外になります。
 
 取引先以外では、従業員などに出資してもらうのも大丈夫です。
 
 ただ、後から仲が悪くなったり、退職したりすると、株を保有していることが問題になることもありますので、慎重に実行する必要があります。


・役員を増やす

 社長一族が役員の過半数を占めてはいけませんので、親族以外の役員を増やせばいいことになります。しかし、名義上や非常勤ではダメですので、常勤できる人物を役員にしなくてはいけません。
 
 従業員で信頼の置ける者がいれば、役員への昇格を持ちかけてみてはいかがでしょうか。肩書きによって、仕事にやりがいを持つことにより、業績もアップするかもしれません。名義上ではダメですから、役員として、経営参加させることを忘れないでくださいね。
 
 また、取締役会の過半数を反社長派に握られた場合には、社長解任というようなクーデターを起こされる可能性もありますので、こちらも慎重に実行してください。
 

・社長以外の役員報酬比率をアップする

 社長以外の役員になっている奥さんや子どもの役員報酬を上げれば、適用除外になる可能性が高くなります。社長個人の収入は減ってしまうかもしれませんが、社長一家として、結果的に収入が減らないことを目的とします。
 
 これも、勤務実態とかけ離れた役員報酬を支給した場合には、この規程以前に、経費として認められない可能性が出てきます。


 現段階では、まだ、改正案の状況ですので、このまま法案が通るかという問題もありますし、詳細についても決まっていない部分もありますので、今後の推移を注意深く見守ってください。



(M.H)


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株式譲渡の税金

2006年1月16日

 サラリーマンが、上場株式の売買を行って、損益が発生した場合の、所得税の確定申告について、ご説明いたします。

(1)譲渡損益の計算

 まずは、株を売って、儲かったのか、損したのかの計算方法をご説明します。譲渡損益は、次の計算式で算出します。
 
 譲渡損益=売却価額−取得費−手数料等
 
 
(2)取得費とは

 取得費というのは、買ったときの金額に、手数料を足した金額になります。何回かに分けて購入している場合には、平均単価を計算することになります。例えば、1株ずつ、手数料込みで50万円と70万円で2回購入している場合には、(50万円+70万円)÷2株=60万円が単価となり、2株のうちの1株を売却していれば、60万円×1株=60万円が、取得費になります。
 
 買った値段を把握していないときは、証券会社から送られてくる取引報告書で、確認することになります。また、過去10年以内に購入したものであれば、証券会社で調べてもらうことも可能です。
 
 それでもわからない場合には、自分が保管している、取引明細で確認することになりますが、預金通帳や家計簿、日記などで確認できるのであれば、それでもかまいません。
 
 過去の資料もない場合には、名義書換日を調べて、その日付から、証券会社のデータベースや新聞記事から把握することになります。


(3)特定口座と一般口座

 証券会社に口座を開設した場合に、特定口座か一般口座かを選択することになります。特定口座を選択すると、証券会社が、譲渡損益の管理を行ってくれます。さらに、特定口座を選択した方は、源泉徴収の有無を選ぶことになります。源泉徴収ありを選ぶと、譲渡益の10%が、口座から徴収されることになります。
 
 特定口座を選択しない場合には、一般口座となり、譲渡損益の管理は、自分で行うことになります。
 
 多くの証券会社は、特定口座の源泉徴収ありを進めますが、必ずしも、それが、税制上、一番有利とは限りません。


(4)一般口座で譲渡益の場合

 一般口座を選択し、1年間の収支がプラスの場合には、確定申告が必要になります。

 譲渡益に対する所得税7%は、確定申告で納めることになります。
 
 株の譲渡益には、住民税3%もかかりますが、これは、6月以降に納税することになります。会社からの給料天引きになっている場合には、通常、株の譲渡益分も一緒に給料天引きとなりますので、株の分の住民税は、別に納めたいという方は、確定申告書第二表の「自分で納付(普通徴収)」の欄に、チェックを入れてください。


(5)一般口座で譲渡損の場合

 一般口座で、譲渡損の場合には、確定申告は不要です。面倒くさがりの方は、申告をしないでそのままでもいいのですが、一手間をかけて、確定申告をすると、お得になる制度があるんです。
 
 それが、譲渡損失の繰越控除制度です。譲渡損が生じた場合には、確定申告をすることにより、翌年以後3年間の譲渡益と相殺することが可能になります。譲渡益が出ても、過去3年の赤字と相殺できるわけですから、申告の手間をかけるだけで、税負担が減少することになります。これは、申告を続けることによって受けられる制度ですから、忘れずに申告をしましょう。


(6)平成13年9月30日以前に取得した株式の売却

 平成13年9月30日以前に購入した株を売却した場合には、取得費を、平成13年10月1日の終値の80%相当額とすることができます。実際の購入額がいくらであろうと、取得費は固定されますので、親から相続でもらった株なんかを持っている場合には、計算上は、譲渡損となる場合も出てきます。
 
 実際の購入金額がわかっていて、そちらのほうが有利だという場合には、実際の株価で申告することも可能です。
 

(7)購入価額1,000万円までの非課税制度

 平成13年11月30日から平成14年12月31日までの間に購入した株式を、平成17年1月1日から平成19年12月31日までの間に売却した場合には、購入金額の合計が1,000万円に達するまでは、その譲渡は非課税となります。
 
 こちらも、確定申告が必要になります。


(8)特定口座(源泉徴収あり)の場合

 特定口座で源泉徴収ありを選択して、1年間の収支がプラスになっても、申告の必要はありません。源泉徴収ありの場合は、譲渡益に対して、証券会社の口座から、既に税金(所得税7%、住民税3%)が控除されていますので、改めて申告書を提出するという、投資家の手間を省く制度になっています。
 
 しかし、上記の(5)(6)(7)の制度は、確定申告をしないと受けられない制度
になっていますので、譲渡損が発生した場合や非課税制度を利用したい場合などは、申告の手間を惜しんだために、税負担が多くなることもあります。


(9)特定口座(源泉徴収なし)の場合

 特定口座で源泉徴収なしを選択して、1年間の収支がプラスになった場合には、確定申告の必要があります。損益計算は、証券会社でやってくれますので、証券会社が発行した報告書を元に、(4)と同じように、申告をすることになります。

 報告書は、証券会社から税務署にも提出されますので、申告を忘れますと、後で、追徴されることになります。

 譲渡損の場合には、(5)と同様、特例を利用するのであれば、申告が必要になりますが、面倒という方は、そのままでも大丈夫です。


(10)専業主婦は注意を

 年間の所得が38万円以下の人は、親や配偶者等の親族の扶養になります。この所得には、特定口座(源泉徴収あり)で確定申告をしなかった場合の譲渡益は、含まれません。
 
 ですから、たとえ20億円の儲けがあったデイトレーダーでも、他に所得がなく、確定申告をしなければ、扶養親族の対象になります。
 
 専業主婦や学生などで、株で収益が上がっている場合には、申告をしてしまうと、扶養からはずれることになり、配偶者や親の税負担が増えることになります。



(M.H)



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消費税簡単計算

2005年12月6日

 平成16年4月に、消費税の免税事業者の基準が、3,000万円から1,000万円に引き下げられました。そこで、申告書の記載事項順に、税込で損益計算書を作成している方のために、簡単な消費税の計算方法を紹介します。

(1)課税標準額
 
 1年間の売上を1.05で割ってください。この数値を1,000円未満切り捨てしたものが、課税標準額です。ただ、消費税は、売上の概念が広いので、固定資産の売却があった場合には、消費税では、売上ととらえますので、売却額を売上に加えるようにしてください。
 
 車両の下取りのように、所有資産と購入資産を入れ替えるような場合には、下取りの査定額が売上となります。
 
 なお、売上の中に、輸出分が入ってる場合には、輸出は、免税となりますので、消費税の計算から除外します。
 
 また、消費という性格や政策的配慮から、非課税となっているものもありますので、こちらも除外します。
 
 
(2)消費税額

 消費税の税率は、現在のところ4%となっています。意外でした?実は、消費税5%というのは、国税の消費税4%+地方消費税1%の合計となっています。
 
 1,000円未満切り捨てをした課税標準額に、4%をかけたものが、消費税額となります。


(3)控除対象仕入税額

 仕入や経費等で、支払った金額に、4/105をかけます。これは、税込5%のうちの4%分の消費税を求める計算式になります。経費のうちには、消費税がかからないものもありますので、除外する必要があります。たとえば、給料等の人件費、法定福利費、減価償却費、租税公課、保険料、諸会費等が除外対象になります。運送関係の方は、特に軽油税も除外する必要があります。
 
 
(4)差引税額

 (2)の消費税額から(3)の控除対象仕入税額を引いた金額になります。
 

(5)中間納付税額

 前期の消費税額が60万円を超えると、中間納税を行っていますので、中間納税額を控除します。申告の際には、実際に納税しているかどうかは問いませんので、未納場合でも、計算に含めます。
 
 
(6)納付税額

 (4)の差引税額から(5)の中間納付税額を控除した残額です。この金額が、マイナスになった場合には、消費税を払いすぎているということで、還付ということになります。
 
 
(7)課税資産の譲渡等の対価の額

 (1)課税標準額の1,000円未満を切り捨てする前の数値を記載します。
 
 
(8)資産の譲渡等の対価の額

 (7)の課税資産の譲渡等の対価の額に、非課税売上を加算した金額になります。特に非課税項目に該当するものがない場合でも、非課税の中に、利子がありますので、受取利息分は、加算する必要が出てくると思います。
 

(9)譲渡割額

 地方消費税の計算をします。税率1%というのは、国税の消費税の25%相当額という意味になっていますので、国税の消費税で計算した、4%分の金額に25%をかけて計算します。
 
 
(10)消費税及び地方消費税の合計(納付又は還付)税額

 国税の消費税4%分と地方消費税1%分を合計した金額を記載します。これが、確定申告で納付する消費税額になります。



(M.H)



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同業者団体の会費

2005年12月6日

 会社が所属する協会や連盟などの同業者団体が、会員のために行う広報活動、研修指導、その他通常の業務運営のための会費については、会社が支払ったときに、経費に計上することになります。
 
 ただし、会費の使途が、会員相互の懇親、政治献金などの場合には、会社がその団体に対して、支出した時点では、経費にならず、前払費用となります。その団体が、会費の目的のために支出した時点で、交際費や寄付金などの経費に計上できることになります。
 
 支払い時に経費にならないことから、多額の場合には、資金繰りに影響しますし、交際費や寄付金は、税金の計算上、支払額の一部が経費にならないなどの不利が生じる場合がありますので、注意が必要です。
 
 なお、その団体の入会金については、会員としての地位を譲渡可能であれば、資産計上し、譲渡時又は脱退時に、譲渡損益の計算をすることになります。譲渡ができない場合には、繰延資産となり、5年間で償却ということになります。


(2)社交団体の会費

 ロータリークラブ、ライオンズクラブ等の社交団体の会費は、法人会員として入会した場合には、交際費として、取り扱うこととなります。法人会員制度がないため、やむを得ず、社長などの個人名で入会せざるを得ない場合には交際という扱いに変わりはありませんが、それ以外で、個人名義で入会した場合には、社長等の賞与として扱われ、会社の経費にならない上に、社長等には、所得税が課税される可能性があります。
 
 入会金についても、会費と同様、法人会員であれば、交際費の扱いとなりますが、個人会員であれば、交際費の場合と個人の賞与の場合があります。


(3)青年会議所の会費

 青年会議所の会費は、会費の使途や目的、事業内容に応じて、判断することになります。懇親が目的の会費であれば、交際費に該当しますが、交際費以外の目的での会費であれば、全額が経費に計上できる場合もあります。ロータリークラブやライオンズクラブの会費に比べれば、割安ということが影響しているようです。



(M.H)


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資格取得手当

2005年11月10日

 従業員が資格や技術を習得するために、会社が費用を負担した場合には、原則として、従業員への給与となり、所得税の対象となります。会社は、給料という経費ですが、従業員側は、源泉所得税がかかるので、その分、手取りが減ることとなります。
 
 ただし、次の条件のいずれかを満たす場合には、給与には該当せず、源泉所得税が課税されない上に、会社も、福利厚生費等の経費となります。
 
・会社の仕事に直接必要な技術や知識を、従業員に習得させるための費用であること

・会社の仕事に直接必要な免許や資格を、従業員に取得させるための研修会や講習会などの出席費用であること

・会社の仕事に直接必要な分野の講義を、従業員に大学などで受けさせるための費用であること

 条件としては、「会社の仕事に直接必要であること」になります。また、会社が習得等を「させる」場合に限られます。自主的に勉強する場合は、給与課税になります。
 
 各人の業務内容によって、判断が分かれる場合がありますので、不安がある場合には、きちんと税理士等に相談する必要があるでしょう。

 なお、役員でも、会社の仕事に必要があれば、課税対象外になります。



(M.H)


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初めて消費税を納めるとき

2005年11月10日

(1)消費税の基本的な仕組み

 消費税の納税は、売上等でお客さんから預かった消費税から、仕入や経費等の支払に含まれる消費税を控除したあとの残りの消費税を、税務署へ納めることになっています。 


(2)納税義務の判定

 売上が1,000万円を超えた場合には、その2年後の分から消費税を納めることになります。つまり、2年前の売上が1,000万円を超えるかどうかによって、今年の消費税の納税義務があるかどうかを判断します。

(3)免税事業者から課税事業者になった場合

 前期に消費税の納税義務がなかった事業者(以下「免税事業者」という。)が、今期に消費税を納める事業者(以下「課税事業者」という。)となった場合には、前期末に所有していた棚卸資産について、消費税の調整をする必要があります。
 
 前期末に所有していた棚卸資産分の消費税を、今期の消費税の納税額から控除することになります。例えば、前期末に、105万円(税込)の棚卸資産があった場合には、105万円×5÷105=5万円の納税額が減ることになります。
 
 翌期に消費税の納税義務があるかどうかは、(2)から既にわかっていますので、免税事業者であるときに、商品を多めに購入しておけば、翌年の消費税を減らせる結果となります。ただ、在庫は、通常、利益になりますので、その分、法人税の負担が増えることになりますから、消費税の軽減以上に、法人税の負担が増えることのないよう、注意が必要です。
 
 なお、以前に課税事業者であった期間がある場合には、免税期間中に仕入れた棚卸資産についてだけが控除の対象となりますので、いつ仕入れたものかがわかるように、きちんと明細に記載しておく必要があります。


(4)課税事業者から免税事業者になった場合

 (3)とは逆に、課税事業者から免税事業者になる場合には、課税事業者である期の末日に所有している棚卸資産の分の消費税は、納めるべき消費税から、控除できないことになります。
 
 期末に商品を大量に仕入れても、消費税の軽減にはつながりませんので、やはり、消費税の納税のことも考えた、計画的な仕入が必要になってきますね。


(5)簡易課税を選択している場合

 (3)の場合も(4)の場合も、簡易課税制度を選択している場合には、棚卸資産の分の消費税について、考慮する必要はありません。簡易課税制度は、売上のみで、納税額を計算する制度ですので、仕入れた分の消費税については、納税額に影響してこないんですね。



(M.H)



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紹介料の支払い方

2005年10月5日

 お客さんを紹介してもらったお礼に、紹介料を支払った場合には、原則として、交際費に該当します。交際費は、中小企業の場合、一部が経費になりませんので、その分、税負担が増すことになります。ただし、下記の要件を満たしていれば、販売手数料等の経費となり、税負担が増えることはありません。
 

(1)情報提供が業務かどうか

 不動産の仲介業者のように、紹介をすることが業務となっている業者に支払った紹介料は、交際費には該当しません。しかし、以前に家を建てたお客さんが、友人を紹介した場合のように、一般の人や会社が紹介をしてくれた場合には、下記(2)以降の、いろいろな制約が出てきます。


(2)支払い基準を公表すること

 紹介料を支払う場合には、事前に契約書を交わしておく必要があります。しかし、紹介キャンペーンなんかを行う場合には、全ての人と契約書を交わしておくのは、現実的には不可能でしょう。
 
 そのような場合には、必ずしも契約書を交わしておく必要はなく、事前に、紹介料の支払い基準を公表しておけば、事足りることとなっています。公表の方法には、チラシ等の広告、ダイレクトメール等の文書を出したり、会社に掲示したりする方法があります。
 
 口頭での公表でもかまいませんが、税務署の調査の際には、公表の証明が大変になりますので、避けたほうがいいでしょう。


(3)支払額が妥当であること

 紹介料の支払額が、その内容に対して、妥当な金額である必要があります。紹介料を支払ったことにより、赤字になったり、相手先によって、金額が増減しないようにしましょう。
 
 支払い基準が、契約額の何パーセントというような場合には、細かい金額の端数が生じることもあると思います。1,000円未満切捨てなどのように、一定基準での端数処理は、妥当の範囲になるようです。
 

(4)取引先の従業員でないこと

 会社の従業員が、自分が勤める会社を紹介して手数料を受け取った場合には、交際費に該当することになります。従業員ですから、自分が勤める会社の利益になることをするのは、当然ですよね。
 
 取引先の従業員でも、紹介先がその会社でないところであれば、交際費に該当しないことになります。
 
 
(5)紹介内容等

 契約書や書面において、紹介を受ける内容を、あらかじめ明らかにしておく必要があります。また、紹介後に、実際に業務を行う必要があります。成約にならなくとも、紹介を頂いただけで、紹介料を支払うというのではなく、成約分についてのみ紹介料を払うようにしてください。
 
 
(6)紹介料をもらったら

 紹介料を受け取った側については、会社であれば、収入に加算することはもちろんですが、個人であっても、所得税の対象になるのが原則であることを、忘れないでください。どのような形であれ、紹介料を受け取れば、申告の必要があることを付け加えておいたほうがいいでしょう。



(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

白色申告のしかた

2005年10月5日

(1)白色申告と青色申告

 ほとんどの会社は、税金上の特典があることから、税金の申告には、青色申告を選択します。しかし、青色申告にするためには、事前に税務署へ届出をしなければなりません。
 
 事前に届出をしなかった場合には、税金の申告は、白色申告となります。


(2)白色申告のしかた

 基本的には、白色申告でも、申告のしかたは一緒になります。言葉のとおり、使用する用紙が、白色と青色の違いはありますが、その他の添付書類として使用する別表用紙は、同じものを使います。
 
 ただ、青色申告の特典といわれるように、青色申告だからこそ利用できる制度がありますので、白色申告の場合には、その特典を利用することができません。
 
 例えば、中小企業の場合には、30万円未満の備品等の固定資産は、購入時に一括で経費に算入することができます。これは、青色申告の会社に認められた特典ですので、白色申告の場合には、一括で経費に算入できる金額は、10万円未満に引き下げになってしまいます。
 
 10万円以上の固定資産については、一括で経費にはできず、減価償却という方法で、数年間にわたり、徐々に経費計上していくことになります。


(3)設立時に届出を!

 青色申告を適用する際の事前届出には、期限が定められています。設立第1期の場合には、第1期の決算日の前日までに提出しなければなりません。これを過ぎますと、第1期は、白色申告となります。
 
 この場合、青色申告の特典である、繰越欠損金制度を利用することはできなくなります。創業当初というのは、設備投資などがかさみ、赤字になることが多くあります。この赤字は、青色申告であれば、将来の黒字と相殺して、税負担を軽減するのに活用できるのですが、白色申告ですと、黒字になったときは、黒字に対する税金を、そのまま負担することになります。
 
 書類1枚を提出し忘れただけで、余分な税金を負担することになりますので、忘れずに、「青色申告の承認申請書」を提出するようにしましょう。


(4)所得税の白色申告

 所得税にも白色申告があります。現在の所得税の青色申告は、様式が以前と変わったために、用紙の色が青色ではなく、白色申告と同じ用紙となっています。青色と白色の違いは、申告書の該当箇所に、○印を付けるか付けないかだけになります。
 
 用紙は同じでも、青色申告の特典を適用できないことには変わりありません。特に所得税では、お金の支出を伴わない特典もありますので、帳簿をきちんと付けて、青色申告を目指しましょう。
 
 なお、申告書に添付する決算書は、青色と白色では、用紙が違いますので、間違えないようにしてください。



(M.H)



※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

源泉徴収の注意点

2005年9月5日

 給料やボーナスを支払う場合、支給する側が所得税を天引きして支給し、差引いた税額を従業員に変わって国に納めます。この作業を源泉徴収といいますが、給料の支給時だけではなく、源泉徴収は他にも様々な場合に発生しますし、天引きのしかたに注意が必要なものもあります。


(1)弁護士、税理士等の報酬

 弁護士や税理士へ報酬を支払う際も、一定の所得税額を源泉徴収しなければなりません。源泉徴収の対象となる主な報酬と、税額の算出方法は次の通りです。

・弁護士や税理士等(※)への報酬
 源泉徴収税額=支払金額の10%(支払額が100万円以下の場合)
例えば、税理士報酬10万円の場合、10万円×10%=1万円を天引きし、9万円を支払います。

※弁護士、税理士以外の対象者
 公認会計士、計理士、会計士補、社会保険労務士、弁理士、企業診断員、測量士、測量士補、建築士、建築代理士、不動産鑑定士、不動産鑑定士補、技術士、技術士補、投資顧問業者、火災損害鑑定人、自動車等損害鑑定人

・司法書士等(※)への報酬
源泉徴収税額=(支払金額−1万円)×10%
例えば、司法書士報酬10万円の場合、(10万円−1万円)×10%=9千円を天引きし、9万1千円を支払います。

※司法書士以外の対象者
 土地家屋調査士、海事代理士


(2)アルバイトの源泉徴収

 アルバイトに給料を支払う際にも、社員と同様、源泉徴収が必要です。源泉徴収税額表を見て、天引きする金額を算出しますが、アルバイトでも「扶養控除等申告書」提出のあるなしで、税額表の「甲欄」を使うか「乙欄」を使うかが違います。提出があれば「甲欄」、なければ「乙欄」を使いますが、徴収する税額に大きな差が出てきます。(日給の場合は、日額表の「丙欄」を使う場合もあります。)

 例えば、「扶養控除等申告書」を提出したアルバイトの給料が、月100,000円だった場合は、天引きする税額は1,130円です。それに対して、「扶養控除等申告書」を提出していない場合は、同じ給料でも、天引きする税額は5,500円になります(扶養親族なしの場合。)。このように、支給額に差が出てしまうので、アルバイト代をもらう本人のためにも、提出させるようにしましょう。


(3)未払いとなった給料

 会社の資金繰りの都合で、給料日に社長の役員報酬の一部が未払いとなってしまった場合は、給料支給日に、未払を含めた本来支払うべき役員報酬総額に応じて、源泉所得税を天引きします。のちに未払いの給料分として支払いがあった際は、すでに源泉所得税を天引きしているため、源泉徴収の必要はありません。


(4)源泉所得税の納付

 給料や、税理士報酬等で徴収した源泉所得税は、支払いをした日の翌月10日までに国に納付しなければいけません。

 ただし、給料の支給人数が10人未満の場合は、納付手続きを簡単にするために半年に1回、まとめて納付することができる特例制度があります。特例制度を適用するためには「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出する必要があります。なお、忙しいときに臨時で使用した人を含めると10人以上になるけど、平常の状態においては10人未満という場合はこの特例制度を選択できます。

 特例を適用すると、1月〜6月までの源泉所得税を7月10日、7月〜12月までの源泉所得税を翌年1月10日までに納付となります。さらに、源泉所得税の滞納がなければ、12月20日までに「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を税務署に提出することによって、1月10日の納期限を1月20日までに延ばすことが可能です。これらの届出書は、1枚の紙にセットになっていますので、納期特例を選択すると、自動的に、1月の納期限は、1月20日になります。7月の納期限は、延長されませんから、注意してくださいね。

 また、納期限が土、日、祝日にあたる時は、それぞれ納期限が繰り下げになります。



(Y.C)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

免税事業者の消費税の還付

2005年9月5日

(1)消費税の基本的な仕組み

 消費税の納税は、売上等でお客さんから預かった消費税から、仕入や経費等の支払に含まれる消費税を控除したあとの残りの消費税を、税務署へ納めることになっています。
 
 もし、仕入等の消費税のほうが、売上等の消費税よりも多かった場合は、どうなるでしょう。このように、払った消費税のほうが多い場合には、払いすぎた消費税分を、税務署が会社へ還付してくれることになります。


(2)納税義務の有無

 売上が1,000万円を超えた場合には、その2年(期)後の分から消費税を納めることになります。つまり、2年(期)前の売上が1,000万円を超えるかどうかによって、今年の消費税の納税義務があるかどうかを判断します。


(3)設立第1期と第2期の消費税

 会社を設立した第1期と第2期は、2期前の売上がありませんから、自動的に、消費税の納税義務は免除されます。第1期目の売上が、年換算で1,000万円を超えた場合には、第3期目から消費税を納めることになります。

 ただし、資本金が1,000万円以上の会社については、相当の売上規模があるとみなされ、第1期目から、消費税の納税義務が発生します。第1期目の売上が、年換算で1,000万円以下であれば、第3期目の消費税の納税義務は、免除されます。


(4)1・2期目の消費税の還付

 消費税の納税義務のない会社を「免税事業者」といいますが、免税事業者は、消費税の申告ができないことになっています。申告ができないということは、(1)で説明した、払いすぎた消費税の還付のための申告もできないんです。
 
 会社をはじめた当初は、事業に必要な設備を用意したり、販売のための仕入をしたりと、売上以上に支出がかさむことが、よくあります。こんな時に、払いすぎた消費税を取り戻す方法があります。
 
 設立第1期目の決算日までに、「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出することにより、免税事業者であった第1期が、強制的に、課税事業者へと変わることになります。課税事業者というと、納税のイメージが伴いますが、意味合いとしては、消費税の申告を必ずしなければいけない事業者ということになりますので、納税の申告も還付の申告もできることになります。
 
 ただ、この課税事業者選択届出書を提出すると、2年間の強制適用となりますので、1年目で消費税の還付を受けても、2年目は納税という可能性が高くなります。目先の還付金にとらわれて、届出書を提出してしまうと、結果的に、税負担が多くなる可能性がありますので、事業計画をきちんと分析して、届出書を提出するかどうか、検討する必要があるでしょう。
 
 また、課税事業者選択届出書は、1度提出すると、永久に効力が発生しますので、途中で、強制的に課税事業者になることをやめたいと思ったときは、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する必要があります。この届出書を提出すれば、翌期からは、本来の2期前の売上が、1,000万円以下かどうかで、その期の納税義務を判定することになります。



(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

収入印紙の豆知識

2005年8月5日

(1)収入印紙と印紙税

 印紙には、よく目にする収入印紙、法務局などで使用する登記印紙、特許申請に使用する特許印紙など様々ありますが、ここでは収入印紙について解説したいと思います。

 よく3万円以上の買い物をすると、200円の収入印紙が貼られた領収書を受け取りますよね。収入印紙は主に、印紙税の納付の為に使用します。印紙税は、契約書や領収書など、取引に際して作成される文書にかかる税金です。何気ない日常取引の中にも、印紙税という税金が関わってきます。


(2)課税文書と税額

 印紙税がかかるのは、税法で定められている課税文書に限られています。代表的なものをあげると次のとおりです。

・売上代金に係る金銭の受取書
 主に商品を売ったときの領収書、アパート家賃の領収書、工事代金の領収書 など。
・不動産、船舶又は航空機等の譲渡に関する契約書
 不動産売買契約書、不動産売渡証書など。
・消費貸借に関する契約書
 借入証書など。
・請負に関する契約書
 工事請負契約書、工事注文請書、広告契約書など。

 課税文書になるかどうかは、その文書の名称だけで判断するのではなく、実際の記載内容により判断するので、請求書がメインで領収書がくっついている書類でも、印紙が必要な場合があります。

 肝心な税額は、文書の種類と該当する記載金額によって違ってきます。最もよく使われる、売上代金に係る金銭の受領書については、広く知られているとおり、3万円未満が非課税です。3万円以上100万円未満の受領書は200円の印紙が必要になります。

 その他の課税文書に対する税額は、国税庁HPにある税額表でご確認下さい。


(3)印紙税納付を怠った場合

 印紙を貼るべき文書に貼っていなかったり、金額が不足していることが、調査で発覚した場合は、本来の税額+その2倍に相当する金額を過怠税として納めなければいけません。つまり本来の3倍の税金を払うことになります。ただし、調査を受ける前に未納や不足に気がつき、自主申告した場合は、本来の印紙税額+その10%(つまり本来の1.1倍)の金額の過怠税で済みます。なお、過怠税は法人税の延滞税と同じく、全額経費になりません。


(4)印紙税の還付

 決められた金額以上の印紙を貼ったり、貼る必要のない文書に印紙を貼ってしまった場合は、手続きにより国からお金を返してもらえます。そのためには、税務署にある「印紙税過誤納確認申請書」を記載して税務署に提出します。書類を提出する際は、間違って印紙を貼ってしまった書類と印鑑(法人の場合は代表者印)、還付金は銀行や郵便局の通帳に振込まれるので、口座番号が必要です。


(5)相殺の領収書

 会社間の取引の関係上、売掛金と買掛金を相殺することがあります。その際に発行する相殺の領収書には、印紙を貼る必要はありません。なぜなら、領収書といえども相殺は金銭の受取書に該当しないからです。ただし注意が必要です。領収書に「売掛金と買掛金を相殺」などの、相殺したことが分かるように記載しなければいけません。

 印紙税の節約の仕方について解説しておりますので、こちらもご覧下さい。




(Y.C)



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パソコンの経理処理

2005年8月5日

 パソコンの法定耐用年数は、なんと、4年です。それ以上前のパソコンを使っている方もいるでしょうし、中には、4年前のパソコンなんて使い物にならないと感じている方もいるでしょう。でも、残念ながら、法律でそう決まっていますので、税金の申告では、それに従うことになります。
 
 
(1)購入時の処理

 パソコンを購入したら、購入時に、「工具器具備品」(又は、「器具備品」、「備品」でも可。)という資産に計上します。
 
 でも、最近は、低価格のパソコンも販売されており、モニタ付きで79,800円というのもったりします。このように、購入代金が10万円未満の場合には、資産に計上しないで、「消耗品費」などの、経費にすることができます。
 
 10万円未満かどうかの判定は、1セットごとに行います。パソコン本体とディスプレイを別々に購入しても、単体では、使い物になりませんので、合計額で判定することになります。なお、ディスプレイのみの買い替えの場合には、単体で判定します。
 
 
(2)減価償却

 パソコンを購入したら、決算期ごとに減価償却をして、経費を計上していきます。減価償却の計算式は、下記のとおりです(定率法)。
 
 減価償却費=(購入代金−減価償却費の累計額)×償却率
 
 償却率は、耐用年数ごとに決まっており、4年の場合には、0.438になります。購入初年度だけは、購入月から決算月までの、月数按分が必要となりますので、計算式は、下記のとおりとなります。
 
 減価償却費=購入代金×償却率×購入月から決算月までの月数÷12ヶ月

 なお、パソコンでも、サーバー用に使用する場合には、耐用年数が5年(償却率0.319)となりますので、注意が必要です。


(3)設立第1期の減価償却

 設立第1期や決算期を変更した場合には、事業年度が、1年に満たない場合があります。1年に満たない場合には、耐用年数の改訂を行う必要があります。
 
 改訂耐用年数=法定耐用年数×12÷その事業年度の月数
 
 ・計算結果に1年未満の端数が出たときは、切捨。
  (例 4年×12÷5ヶ月=9.6年→9年)
 ・事業年度の月数は、1ヶ月未満の端数を切り上げて計算。
  (例 H17.8.5〜H17.12.31は、4ヶ月と27日→5ヶ月)


(4)中小企業の特例

 資本金1億円以下の中小企業は、購入代金が30万円未満であれば、購入初年度に、購入代金の全額を経費に計上できます。
 
 この特例を適用するためには、税金の申告をする際に、申告書に添付する減価償却の明細書の備考欄に、次のように記載する必要があります。
 
 「取得価額 30万円未満の減価償却資産について措法67の8を適用している。また、適用した減価償却資産の取得価額の合計額は○○円であり、その明細は別途保管している。」
 
 文章の最後に、明細を別途保管の旨の記載があるとおり、全額経費に計上した資産については、別管理が必要になります。全額経費に計上しますから、決算書には、資産としてなにも載らないことになりますが、別の台帳で、パソコンの有無をきちんと把握するようにしてください。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

リース取引の種類

2005年6月6日

(1)リース取引とは

 リース取引とは、物件の所有者からリース期間中に、その物件を借りて使用する代わりに、リース料を支払う取引です。かたくるしく書きましたが、「リース」という言葉は日常一般的に使われているので、だいたいの内容は知っていますよね。

 会社が結ぶリース取引は基本的に、契約期間の途中で契約を解除することができません。物件を使用することによってかかるコスト(設置料や保険料など)を、借りた側が負担するので、実際には自分のものとして使用するのと、ほとんど変わりません(一部例外あり。)。

 実は、リース取引は契約内容により、会計処理の方法が違ってきます。どのような契約を結べば、会社にとって有利なのか、検討することが大事です。


(2)リース料が経費になる取引

 通常の賃貸借取引のリースです。この場合はリース料を支払ったときに費用計上されます。リース期間が終了すると、返品することになりますが、契約更新することによって、再び使用することができます。

 このリース取引は税金対策にも効果があります。

 例えば、3月決算で多額の利益が出そうだったから、3月に新車を一括で買った。という場合は、車が資産計上されてしまい、1ヶ月分の減価償却分しか経費になりません。現金が減って利益が減らないという、考えと違う結果になってしまいます。

 ですが、支払いと同時に経費になるリース取引の場合は違います。たとえ、3月にリース契約をして、3月31日に1年分のリース料を前払した場合でも、短期前払費用となり、支払った1年分のリース料が経費になります。すると利益が少なくなり、支払う税金も抑えられることになりますね。


(3)リースなのに会社の資産に

 リース期間終了後に、無償でリース物件をもらえたり、リース期間が耐用年数に比べ極端に短い、などの一定の要件を満たしている場合は、リースといえども貸借対照表に資産として計上されます。
 
 この場合は、減価償却によって経費になるので、支払った金額と経費になる金額が一致しません。つまり、ローンを組んで物件を購入した場合とあまり変わらないことになります。


(4)リース取引のメリット

 リース取引にする大きなメリットは、購入する場合と違い、一度に多額の設備資金を用意する必用がないことです。資金上の問題で諦めていた設備投資も、これで有効に行うことができます。また、賃貸借取引になりますので、金融機関からの借入枠も使わずに済みます。
 
 その他に、契約内容によって法人税がお得になったり、通常よりも多額の減価償却できたりと、税金対策にも効果がある場合がありますので、リースを検討される際は当事務所にご相談下さい。


(Y.C)


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設備投資は、決算対策になるか?

2005年6月6日

 決算で大幅な利益が出そうなので、何か物を買って、少しでも税金を減らそう。昔から、節税策として考えられてきました。さて、どれほど、効果があるのか、検討してみましょう。

(1)減価償却

 3月決算の会社が、3月25日に、500万円のトラックを購入したとします。耐用年数を5年とすると、その年の減価償却費(定率法)は、次のようになります。
 
 5,000,000円×0.369×1月/12月=153,750円
 
 計算式中の「1月/12月」の部分は、月割り計算を意味しています。期の途中
で、減価償却対象となる資産を購入した場合には、初年度だけ、月割り計算で
減価償却費の計算をすることになります。税率を40%とすると、節税額は、次
のとおりです。
 
 153,750円×40%=61,500円

 そうなりますと、500万円の出費をしたにもかかわらず、浮いた税金は、61,500円ということになります。今期の税金を少しでも少なくしたいという目的には、全然合ってないですね。

 それでも、2年目以降は、現金の出金がなくとも、減価償却費という形で、購入費の500万円が徐々に経費に計上されますので、減価償却が行われる5年間という期間で見ると、最終的には、出金分のほぼ全額が経費に計上されることになります。

 もし、トラックを購入しなければ、500万円に対する税金は、200万円かかることになります。それでも、会社に300万円が残るわけですから、今後の運転資金として、有効に活用することができるのではないでしょうか。

 税金の計算では、出金=経費ではありませんので、節税だけに気を取られずに、今後の資金繰りや経営戦略を考えて、設備投資をする必要があります。


(2)特別償却

 購入したトラックが、天然ガス車の場合には、上記(1)の減価償却費に、特別に償却費を上乗せして計算できる、「特別償却」を適用できる場合があります。
 
 上乗せ計算が適用できるのは、一定の要件に該当したときで、主なものとしては、次ような制度があります。
 
 ・エネルギー需給構造改革推進設備等の取得
 ・中小企業者等の機械等の取得
 ・事業基盤強化設備の取得
 ・情報通信機器等の取得             他
 
 上乗せできる金額は、制度によって様々ですが、目安としては、購入金額の30%〜50%となっています。
 
 この制度は、2期目以降の減価償却費の先取りの制度なので、トータルでの減価償却費には、影響がありません。ただ、初年度に限っては、購入代金の約12%〜20%の節税が行えることになります。


(3)特別税額控除

 (2)の制度に代えて、法人税を直接減額する制度もあります。
 
 特別償却は、初年度の償却費を多く計上できるので、初年度の税金は少なくなりますが、2年目以降の減価償却費が、通常よりも減少してしまうため、逆に2年目以降の納税額が多くなってしまいます。

 税額控除制度は、減価償却費には、何の影響も与えませんので、単純に購入年度の法人税が少なくなることになります。金額は、制度によって、おおむね購入金額の7%〜10%となっています。
 
 設備投資の時期、制度の選択により、納税額に大きく影響が出る場合がありますので、充分に検討する必要があります。



(M.H)


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平成17年度税制改正

2005年5月9日

 平成17年度税制改正の主なものについて、ご紹介いたします。

(1)定率減税の半減

 本来の所得税等の額から、一律に控除されていた定率減税を下記のとおり、半減することになりました。
 
        改正前         改正後
 所得税  20%(25万円限度)   10%(12.5万円限度)
 住民税  15%(4万円限度)   7.5%(2万円限度)
 
 本来の所得税額が10万円の人は、20%の定率減税により、負担すべき所得税が8万円となっていましたが、改正後は、9万円となります。

 この改正は、所得税については、平成18年1月の給料支給分から、住民税については、平成18年6月の給料支給分から適用されます。給料計算担当者は、年末に税務署から、新しい源泉税額表が送られてきますので、忘れずに処理する必要があります。


(2)住宅税制

 中古住宅について、税制上の特典を受けるためには、築年数が25年(木造20年)以内という制限がありましたが、一定の耐震基準に適合する場合には、築年数の制限がなくなりました。対象になる、住宅税制は、以下のとおりです。
 
 ・住宅ローン減税
 ・居住用財産の買換え等の譲渡所得税
 ・住宅取得投資金の相続時精算課税
 ・所有権移転登記、抵当権設定登記の登録免許税
 
 
(3)人材投資育成税制

 今年度から、新たに創設された、法人税の減額制度です。中小企業の場合には、支出した研修費の20%の減税を受けられる場合があります。対象になる研修費の範囲は、業務に関係する以下の支出になります。
 
 ・外部への研修委託費
 ・会社が指定した研修への参加費や受講費
 ・研修の講師に対する謝礼、講演料等
 ・研修会場の使用料
 ・研修の教材費                 など
 
 控除額の計算は、何種類かありますので、会社にとって、一番有利なものを選択することになります。また、この規定は、平成17年4月1日以後に開始する決算期から適用開始になりますので、大規模な研修を検討している場合には、実施時期を検討する必要があります。
 
 
(4)国民年金保険料の納付証明書の添付
 
 年末調整や確定申告の際に、国民年金保険料の社会保険料控除を受ける場合には、保険料納付証明書の添付が義務づけられました。
 
 タレントや国会議員の国民年金の未納問題に端を発し、これまでは、金額の記載のみで控除が可能だったものが、証明書を添付しなければ、控除を受けられないことになりました。会社の給与計算の担当者は、証明書の確認という手間が増えることになりますし、自営業者等の確定申告が必要な方は、証明書の保管が必要になってきます。
 
 
 その他にも、改正点がございますので、詳しいことは、当事務所にお問い合わせください。



(M.H)


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固定資産税

2005年4月4日

(1)固定資産税とは

 固定資産税とは1月1日現在、資産(土地・家屋・償却資産)を持っている人に対してかかる税金です。

 固定資産税の対象となる主な資産は、次のようなものです。

(土地)・・・宅地、田んぼ、畑はもちろん、池や沼、山、なども対象になります。
(家屋)・・・住宅、店舗、工場、倉庫、物置小屋などです。
(償却資産)・・・土地家屋以外の会社で使っている資産で、減価償却費として償却される資産をいいます。ただし自動車は償却資産の対象にはなりません。


(2)税金を納める人

 固定資産税を納めなければいけない人は、原則は資産の持ち主です。持ち主というのは建物や土地の場合、主に登記簿に所有者として登記されている人をいいます。償却資産の場合は、1月31日までに市町村に提出する「償却資産申告書」に所有者として登録されている人になります。


 固定資産税を計算するうえで重要なのは評価額です。土地と家屋の固定資産評価額は3年に1度、評価替えによって見直すことになっています。最近では平成15年度に、実施されました。
 
 固定資産評価は、国が決めた固定資産評価基準に基づいて実施され、最終的に市町村長が価額を決定します。この価額を課税標準額といいます。具体的な固定資産の評価方法については複雑なのでここでは省略します。

 このように決められた金額が、固定資産課税台帳に登録されます。

 償却資産の課税標準額は、所有者が毎年1月1日現在で所有している資産を申告して、償却資産申告書に記入された金額が課税標準額となります。

 税額の計算方法は、課税標準額×税率(1.4%)で、算出額が納めるべき固定資産税となります。

 今現在はほとんど税率1.4%ですが今後、地方の税収をアップするために税率が引き上げられるかもしれません。

 課税標準額は原則、固定資産評価額をそのまま使って計算するのですが、宅地については税負担の急増を抑えるためなどの目的で、課税標準額を調整するので評価額よりも低い課税標準額を基礎として計算することもあります。

 ただし、同じ行政区域内で固定資産の課税標準額が次の金額に満たない場合は、税金が免除されます。

(土地)・・・30万円 (家屋)・・・20万円 (償却資産)・・・150万円


(3)都市計画税とは

 都市計画税とは、都市のいろいろな計画事業を進めるためにかかる費用の一部を負担するための税金です。1月1日現在、市街化区域内に土地や家屋を持っている人が負担することになります。

 固定資産税の納税方法は、役所から送られてくる納税通知書により、4月、7月、12月、2月の4回に分けて納めることになります。
 その際、固定資産税と一緒に都市計画税も納めることになります。

 税額の計算方法は、おおむね、課税標準額×税率(0.3%)です。
 課税標準額は、基本的には固定資産税と同じく家屋や土地の価格です。

 宅地についても固定資産税と同じように、課税標準額を調整して税負担を抑えられる特例が認められています。
 
 なお、固定資産税が免税の場合は、都市計画税も課税されません。

 新築住宅の場合一部税額が減税されたり、火災や水害で損害を受けたとかで、特別な事情がある場合など、その他さまざまな減税の特例が認められています。

(4)縦覧制度

 土地や家屋を持っている納税者は、縦覧帳簿で自分が持っている土地や家屋の価格(評価額)を、同一区域内にある土地や家屋の価格と比較することができます。他と比較することによって、納税者が自分の土地や家屋の価格が適正かどうかを見分けることができます。この制度を縦覧制度といいます。
 
 縦覧帳簿には土地と家屋の2種類があります。それぞれ、所在地や評価額などが記載されていますが、所有者の名前や住所は記載されていませんので、「○○さんの土地の価格を知りたい」というような縦覧はできません。

 縦覧できる人は、あくまで固定資産税の納税者が対象になるので、基本的に納税義務がない人は縦覧することができません。しかし、納税者からの委任状があれば代理人として他人の帳簿を縦覧することができます。

 縦覧期間は、4月1日から最初の納期限の日までです。(ちなみに平成17年度の仙台市の場合は5月2日まで)資産が所在する役所、役場で見ることができます。縦覧による料金は無料ですが、縦覧申請書や本人確認がとれる免許証などが必要になります。

 なお、縦覧帳簿をコピーして持ち帰ることはできないので、メモ帳などを持参することをおすすめします。


(5)閲覧制度
 
 閲覧制度は縦覧制度と同じく、自分が持っている資産の価格を確認できる方法の1つです。

 閲覧は、市町村に登録されている自分の資産について、価格などを確認することができます。閲覧できる期間は、特に定めはありませんが、平成17年度分は4月1日からとなります。

 閲覧するには基本的に手数料がかかってしまいますが、縦覧期間中であれば特別、全国ほとんどの役所で無料で閲覧することができます。


(6)不服申立て

 送られてきた固定資産税納税通知書の価格以外の内容(所在地や面積)に納得がいかない、という場合はその納税通知書が送られてきた日の翌日から60日以内に、市町村長に対して不服申立てをすることができます。
 
 固定資産の価格について不満がある場合は、市町村長に対する不服申立てではなく、書面によって各市町村に設置している固定資産評価審査委員会に対する審査の申出となります。審査についても、納税通知書が送られてきた日の翌日から60日以内に申出をしなければなりませんので注意して下さい。
 
 ただし、評価替えの年以外は基本的に、価格においての不服審査の申出をすることはできません。 

(Y.C)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

愛知万博で節税

2005年4月4日

 予約システムのトラブルや弁当持ち込み禁止など、何かとお騒がせの愛知万博ですが、国税庁では、愛知万博に関する支出について、経費算入を優遇する取り扱いをしています。
 
(1)取引先に入場券を配った場合

 会社が、販売促進の目的で愛知万博の入場券のみを、取引先等に配布した場合には、その入場券の購入代金は、交際費以外の販売促進費等の経費として扱うことになります。
 
 ご存知のとおり、交際費に該当した場合には、中小企業でも、最低限、支出額の10%が経費として認められませんが、交際費以外の経費として扱うということは、全額、経費計上することが可能になります。
 
 ここで注意しなければいけないのは、入場券の配布が、販売促進を目的として行われるものでなければいけないことです。ある特定の人に配布したような場合には、原則通り、交際費となる場合もありますので、注意が必要です。
 
 また、配布するものは、「入場券のみ」ですので、一緒に、会場までの交通費や新幹線の切符などを渡さないようにしてくださいね。
 
 なお、個人事業者の場合には、交際費は、全額経費になります。


(2)愛知万博への社員旅行

 従業員の慰安やレクリエーションとして、愛知万博を見学する場合には、入場券の購入代金、会場までの交通費、宿泊費等については、福利厚生費となり、全額、経費に算入することになります。

 さらに、従業員の家族も一緒に万博の見学を行った場合には、その家族分の入場券等も、同様に福利厚生費として扱うことになります。通常、社員旅行では、家族を同伴し、その家族分の旅費を会社が負担した場合には、その従業員の給与という扱いになり、従業員に所得税がかかることになります。国がやってるだけに、愛知万博については、条件が大幅に緩和されてるんですね。
 
 社員旅行の日程のひとつとして、愛知万博を組み込んだ場合には、通常の社員旅行としての取り扱いになりますので、4泊5日以内や従業員の半数以上の参加等、種々の要件をクリアする必要があります。
 
 詳しくは、こちらを参照ください。



(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

贈与時の名義書換料は取得費に

2005年3月4日

 2月1日、最高裁判所は、「ゴルフ会員権を売却したときの譲渡所得税について、父から贈与を受けたときに支払った名義書換料が取得費になるか」を争った裁判で、取得費算入を認める判決を出しました。地裁、高裁では、取得費不算入の納税者側敗訴でしたが、一転して、納税者側勝訴の逆転判決となりました。
 
 
(1)これまでの取り扱い

 土地・建物の不動産やゴルフ会員権などを売却して、売却益が出た場合には、その売却益に対して、所得税がかかります。売却益は、次のように計算します。
 
売却益=収入−取得費−譲渡経費 (※取得費=購入代金−減価償却費)
 
 相続や贈与で不動産等を取得した場合には、購入代金がゼロですが、不動産やゴルフ会員権の名義を変更するための、登記費用や名義書換料がかかります。
これらの費用は、売却益を計算する際は、取得費として認められていませんでした。


(2)2月14日 通達公表

 国税庁は、最高裁の判決を受けて、今までの取り扱いを変更することになり、早速、2月14日に変更を公表し、HP上に公開しました。
 
 取得費に算入できることになったのは、不動産の登記費用、ゴルフ会員権の名義書換手数料の他に、不動産取得税、株式の名義書換手数料などとなっています。


(3)既に申告してしまった人はどうするか

・平成16年分
 今日(平成17年3月4日)の段階では、確定申告の期間中ですので、3月15日までに「訂正」の申告をすることが可能です。3月16日以降でも、5年間は、還付請求ができますので、混雑している税務署を避けて、のんびり行ってもいいかもしれませんね。
 
・平成15年分
 過去の税金を多く払いすぎた場合に、払いすぎの分を還付してもらう手続きを「更正の請求」といいます。更正の請求は、申告期限から1年間、行うことができますので、平成17年3月15日までに手続きを行うことになります。
 
・平成14年分以前
 更正の請求の期限を過ぎていますが、税務署長の職権によって、還付することが可能ですので、「嘆願書」を税務署に提出することになります。ただし、還付が可能なのは、法律上5年間と決まっていますので、平成10年分以前は、還付を受けることができなくなります。
 
 平成11年分については、手続きの関係上、3月10日頃までに嘆願書を提出しないと、期限に間に合わない可能性が出てきますので、急いだほうがいいですね。
 
 「更正の請求」は、所定の様式がありますので、その用紙を使用することになりますが、「嘆願書」は、様式が任意となっています。自分で作成してもいいですし、「更正の請求」の用紙のタイトルを「嘆願書」に代えて提出することも可能です。


(4)概算取得費で申告した場合

 購入代金がわからなかったり、タダでもらった不動産等を売却した場合には、収入金額の5%を取得費とすることができます。この5%相当額を概算取得費といいますが、概算取得費を使って申告をする場合には、名義書換料等の経費をさらに上乗せすることは、認められていません。
 
 過去に申告した概算取得費よりも、名義書換料等が多い場合には、税金が還付される可能性がありますので、当事務所にご相談ください。

 ちなみに、最高裁で勝訴判決を受けたの人の職業は、税理士です。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

交際費等は全額経費じゃない!?

2005年2月7日

 交際費等は、会社の売上を伸ばしたり、よい取引先を見つけたりするために使われたお金であれば、会社の必要経費として処理します。

 ですが、税務上の交際費等の扱いはちょっと違っています。この交際費等の中には無駄遣いした金額も含まれていると考えられ、一部が経費として認めてもらえません。


(1)交際費等は全額経費にならない!?

 現在、資本金が1億円以下の会社では、1年間に400万円までの支出した交際費等の90%分は、経費として認めてくれますが、あとの10%は経費にはなりません。

例えば・・・
 「資本金1千万円の会社が年間100万円の交際費等を使いました」
 100万円×90%=90万円
 経費になる金額90万円   経費にならない金額10万円
 になり、10万円に税率約30%分、約3万円が交際費等の税負担になります。
 
 では、資本金1千万円の会社が年間500万円の交際費等を支出した場合はどうでしょう。その場合でも、限度額400万円の90%、360万円しか経費になりません。あとの140万円は経費になりませんので、使いすぎには注意しましょう。
 
 資本金1億円を超える会社の交際費等については、全額経費にならず、税金がかかってしまいます。

例えば・・・
 1年で400万円の交際費等を使ったとすると、
 400万円×税率約40%=約160万円
 交際費等だけで約160万円の税金負担が確定することになります。

 赤字決算の場合には、基本的に税負担はありませんが、交際費等の金額によ
って、税負担が発生することもあります。


(2)間違えやすい交際費等

 交際費等は、範囲が広いために他の科目と間違えやすい科目です。

 業者を対象として、抽選会を開催したとします。そのときの賞品にかかる費用は、会社外部の人への贈答として、交際費等として処理することになります。
 
 ですが、よく商店街で見かける一般消費者を対象とした抽選会の場合は処理が違ってきます。この場合、交際費等ではなく広告宣伝費や販売促進費となり、全額費用として認められます。
 
 外部の人に賞品をあげたのだから、交際費等になるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、対象が不特定多数の人であれば、交際費等にはならず広告宣伝扱いになります。


(3)ゴルフ費用の処理

 ゴルフクラブの入会金は、法人会員で契約した場合「ゴルフ会員権」として貸借対照表の資産の部に計上されることになります。また、そのゴルフクラブに支出する年会費やロッカー使用料等は交際費等になります。

 個人会員としての入会金や年会費等を会社で負担した場合は、その人に対する給与として処理します。

 ゴルフのプレー代については法人会員、個人会員にかかわらず、仕事上必要であれば、交際費等になります。そうでない場合は給与扱いです。
 
 給与扱いになれば、その人に所得税がかかることになります。さらに会社役員だったら、役員賞与になり、経費になりませんので注意して下さい。
 
 なお、ゴルフ場へ行くための高速代やタクシー代も交通費ではなく、交際費等となります。なので、帳簿をつける際「〜ゴルフ場タクシー代」のように普通の交通費と区別することが必要です。



(Y.C)


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医療控除から除外する保険金等

2005年2月7日

 医療費控除とは、1年間に支払った医療費の一部を所得税の計算対象から控除することによって、所得税を軽減させることをいいます。原則として、次の計算式で計算した金額に税率をかけた金額が減税されます。この制度を受けるためには、確定申告が必要となります。

 (支払った医療費−受け取った保険金など)−10万円(※)
       (※)その年の所得によって10万円を下回る場合があります。


(1)対象になる医療費

 基本的に病院や薬局で支払った医療費であれば対象になりますが、一部対象にならないものもありますので、申告の際には、注意が必要です。以下に、主な具体例を挙げておきます。

 医療費控除から除外されるもの

・医師への謝礼
・健康診断の費用(健康診断により疾病等が発見された場合を除く。)
・ビタミン剤などのいわゆる健康食品の購入代金
・美容整形の費用
・通院のためのガソリン代


(2)出産費用

 出産費用は一時期に多額の医療費が発生しますので、控除を受けようと考えている方も多いと思いますが、その際は、以下の点に注意してください。

・妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、入院費は医療費控除の対象になります。

・タクシー、電車、バス等の通院費用は、医療費控除の対象になりますが、領収証がない場合には、家計簿やメモにより支払額を明確にしておきます。

・健康保険などから出産育児一時金や配偶者出産育児一時金などが支給されますので、その金額は医療費控除の額を計算する際に医療費から差し引かなければなりません。市町村によっては、「お祝い金」としているところもありますので、注意してください。


(3)歯の治療費

 歯の治療も保険が適用されずに医療費が高額になる場合がありますので、申告の際は次の点に注意してください。

・保険のきかない自由診療のうち、一般的な治療については、医療費控除の対象になりますが、必要以上に高額な材料を使用したり、容貌を美化したりするための治療は対象になりません。

・歯の治療費を歯科ローンにより支払う場合には、信販会社への金利や手数料相当分は、医療費控除の対象となりません。また、病院から領収証を発行されなかったときは、ローンの申込書等を用意してください。


(4)その他の注意点

・介護サービスも対象となるものがあります。

・医療費控除は、1月1日から12月31日を計算期間としますので、治療が年をまたいだ場合には、それぞれの年ごとに医療費の計算を行います。例えば、合計で17万円(12月に9万、1月に8万)の支払をした場合には、医療費控除を受けられない場合があります。

・原則として、領収証の提出又は提示が必要です。


(5)受け取った保険金等とは

 医療費控除を計算する際には、支払った医療について保険金等で補てんされた金額を、控除金額から除外することになっています。対象となる保険金等は、下記の通りです。
 
・健康保険等から受ける、高額療養費、移送費、出産育児一時金等
・損害保険、生命保険、共済等から受ける医療保険金、入院費給付金、傷害費用保険金等
・医療費の補てんのために受け取る損害賠償金
・互助会等から医療費の補てんのために受け取る給付金

 高額の入院給付金を受け取れる医療保険に加入していると、負担した入院費より、受け取った保険金のほうが、大きい場合があります。このようなときは、その入院費については、医療費控除の対象から除外することになります。ただし、オーバーした分は、他の医療費と相殺する必要はありませんので、他の医療費の合計が10万円を超えれば、医療費控除を受けることができます。


(6)保険金が未確定の場合

 12月の入院の分を保険会社に請求したところ、3月15日の確定申告期限までに入金されなかった場合には、一旦、概算額で確定申告を行うことになります。給付額が確定して、概算額と差額がある場合には、後日、訂正を行うことになります。結構、面倒なんですね。


(7)出産手当金

 健康保険に加入している本人が、子供を出産した場合には、出産育児一時金と出産手当金が支給されます。

 出産育児一時金は、1児につき30万円が支給され、上記に記載のとおり、医療費から控除することになります。
 
 出産手当金は、産前産後に会社を休んだために、受けることができなかった給料を補てんするために支給されます。医療費の補てんのために支給されるものではありませんので、医療費から控除する必要はありません。


(8)職員互助会からの給付金

 会社の互助会や親睦会から、医療費の補てんのために入院給付金を受け取ったときは、たとえ、任意の団体から受け取ったものでも、医療費の補てん目的であれば、医療費から控除する必要があります。
 
 ただし、入院という事実だけに基づいて、社交上の儀礼として支給される入院見舞金であれば、控除する必要はありません。


(9)交通事故の慰謝料を受け取った場合

 交通事故にあい、加害者側の保険から、慰謝料や保険金が支給された場合には、医療費の補てん目的で支給されたものであれば、医療費から控除することになります。
 
 また、慰謝料という収入が発生していますが、この受け取った慰謝料は、非課税となっています。


(M.H)


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費用が資産に!?

2005年1月13日

(1)繰延資産とは

 会社で支出する費用のうち、支出の効果がそのときだけでなく1年以上に及ぶものを繰延資産といいます。

 繰延資産は車両などの固定資産の減価償却と同じで、期間に分散して費用化していくことが認められています。その間は資産計上して、未償却分を繰り延べていくから繰延資産というのですね。

 繰延資産は大きく2つに分けることが出来ます。
 1つは商法でも認められている「商法上の繰延資産」で、6種類あります。

 もう1つは「税法上の繰延資産」です。税法では商法で挙げられているものとは別に、繰延資産として資産計上しなければならないものがあります。例えば、公共的施設や共同的施設(商店街のアーケードなど)の負担金がこれにあたります。(20万円未満は資産計上不要)

 ここでは、商法上も認められている繰延資産について説明していきます。

(2)商法上も認められている繰延資産

・創業費
 会社設立に必要な設立諸費用や発起人への報酬、設立登記の登録免許税などに支出した費用です。

・開業費
 会社設立後、営業を始めるまでの開業準備のために特別に支出した費用です。
 「特別に支出した費用」なので、常に発生する費用は含まれません。

・新株発行費
 会社設立後、新たに株式を発行するために支出した費用です。
 株券の印刷費や、増資にあたっての登記の登録免許税などが該当します。

・社債発行費
 社債を発行するために支出した費用です。
 社債券の印刷費や、社債の登記の登録免許税などが該当します。

・社債発行差金
 社債を額面金額未満で発行した場合の、額面金額と発行金額との差額です。

・建設利息
 会社を設立しても2年以上にわたって開業できない場合に、株主に配当する利息です。

 以前は試験研究費と開発費も繰延資産として計上出来ました。しかし、2000年3月期からは支出があった決算期に一括費用処理することになりました。

(3)繰延資産の会計処理

 商法でも認められている繰延資産(社債発行差金は除く)については、商法上早く費用化することが要求されているので、税法もそれを考慮して自由に償却することを認めています。

 自由に償却出来るということは、支出額の範囲においていつでも、いくらでも費用に計上してもよい、ということです。

 商法では早く費用化するために、それぞれ次のように償却期限が定められています。

・創業費、開業費
 創業、開業後5年以内に最低5分の1以上を毎期償却

・新株発行費、社債発行費
 発行後、3年以内に最低3分の1以上を毎期償却

・社債発行差金
 社債の償還期間にわたって償却

 赤字が出そうな場合はその期の償却額を少なくして費用を抑えることが出来ます。また、利益が出そうな場合は一括で償却して利益を抑えることが出来るので、税金対策にもなります。


(Y.C)


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売上代金が回収不能になった場合の処理(貸倒損失)

2005年1月7日

 月末に入金予定だった売掛金が、相手先の倒産などにより、回収できないことがあります。回収不能のことを「貸倒」といいますが、この回収できなかった金額を、貸倒損失として経費にするためには、税法上の様々な基準をクリアしなければなりません。

 基準をクリアしないまま経費処理をすると、寄附金という扱いになり、資本金や利益金額に応じて、経費算入できない金額が出てきます。貸倒処理には、十分な検討が必要ですので、事前に必ず相談してくださいね。


(1)債権の全部又は一部が切捨てられた場合

 次に掲げるように、法的整理等によって、債権の切捨てが確定した場合には、その切捨てられた債権の金額を、強制的に損失に計上しなければなりません。

 ・会社更生法等による更生計画の認可の決定があった場合
 ・民事再生法による再生計画の認可の決定があった場合
 ・商法による特別清算の認可、若しくは、整理計画の決定があった場合
 ・破産法による強制和議の認可の決定があった場合
 ・債権者集会で、合理的な基準により協議決定があった場合
 ・第三者の斡旋による協議で、合理的な基準により債権切捨の契約があった場合
 ・長期間債務超過の会社に対して、書面により、債務免除の通知をした場合

 最初4つは、裁判所に申し立てをして手続を行うことになりますが、申し立てをした段階では、貸倒引当金の計上という形で、債権の50%程度を、経費に計上することができます。最終的な債務整理の決定がおりるまで、何年もかかる場合がありますので、債務整理が現在どのような状況なのか、チェックをしていく必要があります。

 最後の書面による債務免除(債権放棄)は、一般的には、内容証明郵便を利用し、証拠を残すようにします。また、一方的に債権放棄を通知しても、債務者に返済能力がある場合には、寄附金として取り扱われ、経費算入に制限が出てきます。


(2)全額回収不能見込の場合

 相手の資産状況や支払能力等から見て、債権全額の回収ができないことがわかったときは、その時点で、全額を貸倒として経費に計上することができます。
 
 (1)の法的整理等の場合には、強制的に経費に算入されますが、(2)の場合には、自主的に経費に算入するという意思表示をしなければなりません。回収不能が判明した時点でしか、経費算入ができないという規定になっていますので、経費算入の意思表示をしなかった場合には、法的整理等が行われるまで、経費算入ができない場合も出てきます。
 
 また、全額回収不能が条件ですから、一部でも回収の見込がある段階でこの規定を適用しても、貸倒とは認められず、寄附金の扱いになることがあります。
 
 担保を取っているときは、担保分の回収可能性がありますので、担保を処分した後の残りの債権を、経費処理することになります。


(3)1年以上取引がない場合等

 得意先との取引がなくなってから、1年以上経過した場合には、次の金額を貸倒として経費に計上することができます。
 
 貸倒金額=債権金額−1円(備忘価額)
 
 なお、債権は、売掛金や未収請負金等の売掛債権だけが、この規定の対象であり、貸付金や未収利息等は含まれません。また、取引停止をいつと見るかですが、得意先と直接の接触をせずに、振込で入金があった場合には、その入金日となります。取引停止には、継続的に取引を行っていることが前提になりますので、たまたま、一度だけの取引が回収不能になった場合には、対象になりません。
 
 そうそう、担保がある場合には、この規定は使えませんので、注意してください。

 さらに、同一地域の売掛債権の合計額が、旅費等の回収費用を下回り、督促をしても回収不能の場合には、上記と同じように、債権金額から1円を引いた金額を、貸倒として経費に計上することができます。

 この規定も、担保がある場合には、使えませんよ。


(5)貸倒処理した債権が回収できた場合

 既に回収不能として処理した債権が、ひょんなことから回収できたとします。こんなときは、あきらめていたものが回収できたということで、なんか、儲かった気がしますよね。
 
 経理上も、「気」だけじゃなく、本当の儲けとして、収入に加算しなければいけません。収入に計上する金額は、既に貸倒として経費処理した金額ではなく、実際に、回収した金額になります。このようなときの勘定科目を「償却済債権取立益」と言います。


(6)ゴルフ会員権の預託金

 民事再生法により、ゴルフ会員権の預託金の切捨があった場合には、その切捨てられた金額は、会社の貸倒として経費に計上されます。

 会社所有の場合には、経費に計上できますが、個人所有の会員権の切捨があった場合には、個人の所得税からは、何も控除されないことになります。含み損の出ている会員権は、ゴルフ場が破綻する前に、売買により譲渡損失として確定しておくことが必要です。


(M.H)


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青色申告の特典


2004年12月6日

 あなたの会社は青色申告法人ですか?

 わからなくても、青色申告法人か白色申告法人かを、すぐに確認できる方法があります。 法人税申告書の別表1の用紙が青色であれば、あなたの会社は青色申告法人です。

 そもそも、青色申告をして何になるの?白色申告と何が違うの?と思っている方もいると思います。


(1)青色申告の特典

 簡単に言うと、青色申告をすると税法上、白色申告には認められていない様々な特典が認められています。
 主な特典を紹介します。

・当期に発生してしまった赤字を、翌期以降最高7年間繰り越すことができる!
 
 なぜこれが特典になるのかというと、会社に利益が出れば当然、その分の税金を払うことになります。

 でも、青色申告で前期までに赤字を出していた場合、当期の利益と前期までの赤字を相殺することができるのです。
 前期までの赤字が2期以上の事業年度で発生している場合、最も古い事業年度に発生した赤字から順に控除します。

 つまり、前期までに発生してしまった赤字を、利益で埋めてしまうまでは税金を納めなくてもすむということです。

 平成16年の税制改正によって、赤字の繰り越し期間が5年から7年に延長されました。平成13年3月31日より前に始まった、事業年度に発生した赤字の繰り越し期間は5年間となりますので注意しましょう。

(設立5期まで限定)
・赤字を繰り戻して、1年だけさかのぼって納めた税額を返してもらえる!

例えば・・・

 前期は、売上がバンバン伸びて、利益を出して税金を納めたのに、当期はぜんぜん売上が伸びなくて赤字になってしまった。
 というような場合は、1年だけさかのぼって納めた税金を返してもらうことができます。

 解散等の場合を除き、平成4年4月1日から平成18年3月31日までの間に終了する各事業年度に発生した赤字については、この還付制度は適用できません。
 また、税金を支払った事業年度から、赤字発生の事業年度までの各事業年度について、申告期限内に青色申告で提出していなければ、還付請求をすることはできません。
 
 ここでは2つの特典を紹介しましたが、この他にも様々な特典があります。


(2)青色申告の適用要件

 では、どんな会社でも「青色申告をしたい!」と言えば認められるのか、というとそうもいきません。
 
 青色申告には様々な特典があるかわりに、様々な適用要件があります。その要件をクリアすることが必要です。

 青色申告を認めてもらおうとする会社は、申告書を提出しようとする事業年度が始まる日の前日までに、青色申告の承認申請書を税務署長に提出しなければいけません。

 ただし設立第1期目については、設立日から3ヶ月後と、決算日とのどちらか早い日の前日までに申請することが必要です。


(3)個人青色申告

 青色申告は会社だけではなく、個人の所得税にも認められています。

 所得税青色申告にも、会社の青色申告と同じで様々な有利な特典があります。主なものをあげると、

・最高65万円の青色申告特別控除

 所得の金額から最高65万円を控除することができます。
 貸借対照表、損益計算書、金額計算に関する明細書を申告書に添付する必要があります。
 平成16年の税制改正でこれまでの55万円の控除から65万円の控除に改正されました。よって、65万円控除は平成17年分の申告から適用となります。

・青色事業専従者給与の経費算入
・貸倒引当金の必要経費算入
・減価償却の必要経費算入  など
そのほか、所得税の青色申告の特典はまだまだたくさんあります。

 適用要件をクリアし、税金上お得な青色申告をおすすめします。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

経費の先取り引当金


2004年11月5日

 月末に入金予定だった売掛金が、相手先の倒産などにより、回収できないことがあります。回収不能のことを「貸倒」といいますが、この回収できなかった金額は、貸倒損失として、経費になります。
 
 このように、売掛金などの債権には、回収不能というリスクがつきまといます。税法では、回収不能リスクを経費として先取りする方法が認められています。この方法を、貸倒引当金の繰入といいます。
 
 経費を先取りできる引当金は、いろいろありますが、税法で認められているものを下記に紹介します。


(1)貸倒引当金

 金銭債権の回収不能に備えて計上する引当金を、貸倒引当金といいます。計上できる金額は、期末の債権額に対して、業種ごとに、次の率となっています。
 
 ・卸売業及び小売業(法人)・・・・・・・1.0%
 ・製造業(法人)・・・・・・・・・・・・0.8%
 ・その他の事業(法人)・・・・・・・・・0.6%
 ・個人事業・・・・・・・・・・・・・・・5.5%
 
 破産や手形の不渡り等が発生した場合には、回収できないと予想される金額を見積もって、経費に計上することができます。


(2)返品調整引当金

 売れ残った商品に対して、販売価額による買い戻しをする特約を結んでいる場合に、その買い戻しにより生じる損失の見込額を計上する引当金を、返品調整引当金といいます。計上できる金額は、過去の返品率をもとに計算した金額です。
 
 ただし、対象業種が限られており、出版業、医薬品販売、化粧品販売、CD販売などとなっております。


(3)退職給与引当金

 退職金制度を導入している場合に、将来の退職金支出に備えて計上する引当金を、退職給与引当金といいます。この引当金は、平成15年に廃止され、現在は、過去に計上した退職給与引当金を、強制的に、10年間で利益に振り返ることとされています。

 税法では廃止されましたが、会計では、「退職給付会計」として、計上が義務づけられています。


(4)準備金制度

 引当金制度は、会計上も認められている制度ですが、政策上の理由から、引当金と同じように、経費の先取りができる、「準備金」の制度が、税法では、認められています。
 
 主なものに、海外投資等損失準備金や特別修繕準備金がありますが、この制度が使えるのが、資源を開発する法人や船舶の修繕など、特殊なものに限られています。
 
 
(5)引当金の戻入

 引当金は、経費の先取りですから、将来、その経費が発生しなかった場合には、その先取りした経費は、戻さなければなりません。過去にさかのぼって戻すことはできませんから、発生しないことが確定した年に、利益に加算します。


(M.H)


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建物修理はすべて経費になるか


2004年11月5日

 会社が事務所などの修繕をした場合に、支払ったときに、全額「修繕費」として会社の経費になるわけではありません。
 
 支払時に経費になるかどうかは、修繕の内容に判断することになり、修理をした結果、事務所建物の使用できる期間が長くなった場合には、修繕費ではなく建物の追加取得になります。

 建物の追加取得となった場合には、決算において減価償却費を計上することになります。減価償却は耐用年数によって、毎年、費用配分していきますから、支払った金額全て経費になるには、何年もかかってしまいます。


(1)資産の取得になる場合

 会社が所有している資産の修理、改良等のために支払った金額のうち、修理によってその資産の使える年数が延長されたり、地震等にも耐えるように資産を改良し、耐久性等が増したと認められる部分の金額は資産の取得となります。

例えば、次のようなものは、資産の取得となります。

1.会社と物置とをつなぐ廊下の取り付け工事費用など、明らかに建物自体につけ加えた部分の金額

2.会議室の部分を車庫スペースに変えたとか、建物の使用目的を変えるための改造や改装にかかった金額

 修繕の内容により、判断するわけですが、例外があり、次のどちらかにあてはまる場合は、資産の取得になるかならないかの判定をすることなく、修繕費として経費処理することが認められています。

・修理、改良等にかかった金額が20万円未満の場合
・だいたい3年周期で行われる、修理、改良等の場合


(2)修繕費になる場合

 修繕とは本来、使っているものの働きを維持したり、もとの状態に戻したりすることをいうので、修繕費とは、建物や機械の働きをそのまま維持するために支払った金額をいいます。

 しかし実際には、修繕にかかった金額が、資産の取得になるのか、ものの働きを維持するためのものなのか判断しにくい場合があります。

 資産の取得になるのか修繕費になるのか、判断がつかない場合には、次のいずれかに該当するときは、経費処理することを認めています。

1.修繕にかかった金額が60万円未満だった場合
2.修繕にかかった金額が、修理した資産の取得価額の10%以下だった場合

例えば、3年前に1500万円で建てた事務所を100万円かけて大修理しました。判断がつかないので、請求書を見ると、「事務所工事代 100万円」としか書いておらず、修理にかかった部分と、資産取得の部分の区分がわかりませんでした。

 この場合、1500万円の10%(=150万円)以下になるので上記2から、経費処理することになります。

 明らかに、建物を増築したというような場合は、初めから資産の取得になります。


(3)税金負担への影響は

 さて、資産の取得として処理した場合と、修繕費として処理した場合では税金の負担は変わってくるのでしょうか?

 修繕費と判断された場合には、支払額全額が、その年の経費になり、利益が減少しますから、その年の税負担は、少なくなります。
 
 資産の取得と判断された場合には、減価償却によって毎年、費用配分されることになります。支払った年に計上できる経費が少なくなりますので、その年の税負担は、逆に増えることになります。
 
 資産の取得になるのか修繕費になるのか適切に判断することが重要です。そのためには、業者まかせではなく、見積書、請求書等にも細かく目を通しておくことが必要です。


(Y.C)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

クレジットカード決済

2004年10月6日

 会社の経費をクレジットカードで支払ったときの領収証や利用明細書って、どうしてますか?まさか、そのまま、捨ててしまうなんてことはないですよね。

(1)消費税における請求書等の保存

 当たり前と思われるかもしれませんが、消費税では、請求書や領収証(以下、「請求書等」)の保存が義務づけられています。そして、その請求書等には、次の事項が記載されていなければなりません。
 
 ・支払先の氏名又は名称
 ・取引年月日又は支払年月日
 ・取引の内容
 ・取引金額又は支払金額
 ・こちらの氏名又は名称(支払先が小売業の場合は省略可)


(2)クレジットカードでの決済

 クレジットカードで買い物をすると、後日、カード会社の締め日ことに集計した、請求明細書が送られてきます。この明細書があれば、買い物のときに渡される、レシート等は不要だと思っていないでしょうか?
 
 カード会社から送られて来る請求明細書に記載されているのは、年月日、店の名前、金額は記載されています。しかし、(1)の3つめ、「取引の内容」が、請求明細書には、記載されていないことが、多いのです。
 
 「取引の内容」が記載されているのが、買い物のときに渡されるレシート等になりますので、保存する必要が出てくるわけです。捨ててしまうと、消費税を余分に払うことになります。

 

 カード会社によっては、「電気代」のように、取引内容が掲載されている場合があります。その場合には、カードの利用明細の保存でよいことになります。


(3)金額が3万円(税込)未満の場合

 実は、1回の買い物が税込で3万円未満の場合には、レシート等の保存をしなくてもいいことになっています。
 
 と、言うことで、3万円以上の買い物のときは、レシート等の保存をお忘れなく。


(4)領収証がない場合

 3万円以上の買い物でも、自動販売機で購入したり、乗車券等のように、回収されてしまって、領収証等が無い場合には、例外として、領収証等を保存しなくてもいいことになっています。
 
 また、相手方に領収証等を発行してもらうように要求したにもかかわらず、相手方が、領収証等をくれない場合にも、例外として、保存しなくてもいいことになっています。
 
 このような場合には、鉄道会社や航空会社を除き、帳簿に、年月日、支払先の住所及び氏名又は名称、取引内容、支払金額、保存できない理由を記載しなければいけません。


(5)注意点

 レジで買い物をしたあとに、レシートとは別に、領収証を発行してもらう場合があります。そのときに、但し書きに「品代」と記載してもらったりしますが、「品代」では、取引の内容がわかりませんので、面倒でも、購入したものを記載してもらってください。
 
 また、「上様」も、こちらの名称ではありませんので、きちんと名称を記載してもらってください。(小売業の場合には、省略できます。)

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

納税・申告が遅れたら罰金!?


2004年9月4日

 関西電力では、平成15年3月期(申告期限 平成15年6月2日)の消費税の確定申告を、手続きミスから忘れてしまい、約10日遅れで提出しました。納税のほうは、きちんと納期限に済んでいたのですが、申告が遅れたというペナルティーとして、12億円の無申告加算税が課税されたのです。
 http://www.kepco.co.jp/pressre/2004/0720-3j.html

 単なるうっかりミスのようですが、関西電力ほどの大企業になると、納税額が247億円という大きな金額になることから、追徴される金額も、莫大なものになってしまいます。

 税金には、申告期限や納付期限が定められています。その期限を過ぎてしまうと、罰金的な意味合いで、追加の税金がかかることになります。その追加の税金のことを附帯税といいます。以下に、具体的内容を示します。


(1)延滞税

 法定の納期限までに、国税を納付しなかったときには、納期限の翌日から納付日までの期間に応じて、年4.1%の率で延滞税がかかります。延滞税は、完納までの期間が、長くなればなるほど、率が上がっていくことになります。納期限から、2ヶ月が過ぎると、年14.6%という、サラ金並みの利率になってしまいます。
 
 100万円の税金を30日間延滞すると、次のようになります。
 
 1,000,000円×4.1%×30日÷365日=3,369円→3,300円(百円未満切捨)
 
 なお、納期限から1年を経過した場合には、原則として、それ以後の延滞税の計算は停止されます。だからって、納めないでいると、差し押さえの可能性もありますので、税金は期限内に納めましょう。
 
 
(補足)

 納期限から2ヶ月までの期間の利率は、毎年変わります。前年11月30日現在の公定歩合に4%を加算した率が、その年の延滞税の率になります。平成15年11月30日現在の公定歩合は、0.1%でしたので、0.1+4=4.1%となるわけです。
 現在は、公定歩合が低くなっていますが、今後上昇した場合でも、7.3%が上限となります。


(2)過少申告加算税

 期限内に申告書を提出した場合でも、その後、修正申告等で、税額が当初申告した金額より増加した場合には、その増額した金額の10%相当額の、過少申告加算税が追加せされます。
 
 ただし、修正申告書が税務署の調査が入る前に提出されたときは、過少申告加算税は賦課されません。申告後に何か、ちょっとした間違いがあったときは、早めに修正申告書を提出すると、余計な出費が無くなりますね。
 
 なお、修正申告等で増加した金額が、50万円を超える場合等一定の場合には、15%相当額の過少申告加算税が加算されることもあります。


(3)無申告加算税

 申告期限内に申告書を提出しないで、期限後に申告書を提出した場合には、15%の無申告加算税がかかることになります。

 こちらは、税務署が調査に入る前に、期限後申告書を提出したときは、15%
ではなく、5%が加算されることになります。
 
 上記の関西電力の場合には、調査前に提出しましたので、5%加算というこ
とになったんですね。


(4)不納付加算税

 給料等から天引きした源泉徴収税額を、納期限までに納めなかった場合には、10%の不納加算税が加算されます。源泉徴収税額は、納付=申告となりますので、加算税の名称がちょっと変わってるんですね。
 
 こちらは、税務署の調査が入る前に、納付をした場合には、加算されるのは、5%となります。
 
 納付をしませんと、毎年2月と8月頃に、直前半年分の税額の確認が行われ
ます。この確認が行われる前に納めれば、加算される金額は、5%で済むわけですね。


(5)重加算税

 修正申告書等を提出し、過少申告加算税の対象になる増加税額ある場合に、その増加した税額が、仮装、隠ぺいによるとき(いわゆる脱税をしたとき)は、15%の過少申告加算税ではなく、35%の重加算税が加算されることになります。
 
 これが、無申告の場合に脱税をしていると、40%の重加算税になります。脱税をしている方は、見つからないように注意してください。じゃなくて、脱税は割に合いませんから、やめときましょうね。


(6)延滞金、加算金

 (1)〜(5)は、国税についての説明でした。事業税等の地方税にも、延滞金や加算金がかかるものがあります。ただし、延滞金の利率が4.1%となる期間は、2ヶ月ではなく、1ヶ月となりますので、注意が必要です。





(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

公示制度(長者番付)


2004年8月4日

 毎年5月になると、その年に行われた確定申告に基づいて、所得税額のランキングが発表されます。いわゆる長者番付というものですね。一般的には、所得税について、マスコミで大きく取り扱われますが、実は、所得税以外にも、法人税や相続税でも、公示される制度があるんです。
 
 公示方法というのが、各税務署の掲示板に掲示されるだけですので、税務署に用がなかったりすると、なかなか目にする機会が少ないかと思います。でも、よく見ると、意外な発見をしたりできるんです。
 
 税目ごとに、その違いを説明いたします。


(1)所得税

 所得税は、前年分をその年の2月16日から3月15日までの間に申告しますが、公示は、3月31日時点で、所得税額が1,000万円以上の者について、公示が行われます。これが、いわゆる長者番付となるものです。
 
 3月31日が、公示するかどうかの判定日になりますので、申告期限は過ぎてしまいますが、4月以降に申告をした場合には、所得税額がいくらになっても、公示の対象からはずれることになるわけです。
 
 この方法を使って、公示からはずれたのが、セコムの親族といわれています。


(2)法人税

 法人税にも公示制度があります。所得税と違うのは、公示の基準で、法人税の場合には、所得が4,000万円超が公示対象となります。また、法人の場合には、申告期限は、法人ごとに違いますので、とにかく、提出された申告書が、4,000万円超のものであれば、公示されることになります。しかも、申告書の種類は、申告期限内の確定申告の他、期限後に行う、修正申告も対象になります。
 
 通常は、申告期限から、1,2ヶ月後に、税務署の掲示板に掲示されますが、掲示内容をよく見ますと、3期連続で公示されている会社があったりします。恐らくこれは、税務調査等があり、3期分の修正申告を行ったのではないかという想像ができます。意外に有名企業が、修正申告をしてたりしますので、たまに、税務署の掲示板を見てみるのもいいですよ。
 
 修正申告で公示される方としては、できれば、載りたくないというのが心情でしょう。法人税の場合にも、裏技があり、修正申告は、公示対象になりますが、税務署長が職権で行う、更正や決定の手続きの場合には、公示対象から、はずれることになります。
 
 
(3)相続税

 相続税の場合には、亡くなった方の財産総額が5億円超の場合か、もらった財産の金額が2億円超の場合に、公示の対象になります。こちらも、税務署の掲示板に掲示されることになります。
 
 この公示を見ると、亡くなった方がどのぐらいの財産を持っていたのか、また、誰がどのぐらいの財産を相続したのかということを知ることができます。プライバシーも何もあったものではないですね。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

同族会社に関する規定

2004年8月4日

(1)同族会社とは

 同族会社とは、株主のうち、上位トップ3の株主の持ち株割合が、発行済株式の50%超を占める会社をいいます。「会社」が対象ですので、協同組合や医療法人は、除外されます。
 
 持ち株割合の計算は、親族を同一株主とみなすなど、細かな計算規定がありますので、株が分散している会社の場合には、注意が必要です。(と、言っても、ほとんどの会社は、社長一族の持ち株だけで、50%を超えると思いますので、あまり気にしなくてもいいかもしれませんね。)


(2)同族会社の留保金課税

 同族会社については、1年間の利益が一定金額を超えると、通常の法人税に上乗せする形で、法人税が余分にかかる仕組みとなっています。上場会社などには、通常の法人税しかかからないのに、同族会社というだけで、税金が増えてしまうんですね。
 
 これは、同族会社となると、会社も個人も財布は一緒という感覚になり、配当等をあまり行わなくなり、会社にお金を貯め込む傾向が出てきます。そうなると、国は、配当金に対する税金を徴収できるはずが、その分税収が減ってしまうので、会社から上乗せして徴収しようということになったんですね。
 
 上乗せされる金額は、課税留保金額に次の税率をかけた金額です。
 
 年3,000万円以下の金額 ・・・・・・・・・10%
 年3,000万円超年1億円以下の金額・・・・・15%
 年1億円超の金額 ・・・・・・・・・・・・20%
 
 なお、課税留保金額とは、次の算式により計算します。
 
 課税留保金額=(イ)−(ロ)

 (イ)留保金額=利益−法人税等−役員賞与−配当金
 
 (ロ)留保控除額=次の3つのうち、最も大きい金額
 
 ・利益の35%
 ・年1,500万円
 ・期末資本金×25%−期末利益積立金


(3)留保金課税の適用停止

 次に該当する場合には、法人税に上乗せされる、留保金課税がかかりません。
 
・新事業創出促進法に規定する、設立10年以内の中小企業者
 
 中小企業者の要件は、業種に応じて、資本金や従業員の数に制限があります。
 
 製造業・・・・資本金3億円以下又は従業員300人以下
 卸売業・・・・資本金1億円以下又は従業員100人以下
 サービス業・・資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
 小売業・・・・資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
 
 基本的に、設立10年以内の中小企業は、留保金課税が免除されることになりますが、創業時から、多額の利益ってそう簡単に出るものなんでしょうか。
 
・新事業創出促進法に規定する認定事業者

・資本金1億円以下で、自己資本比率(A/B)が、50%以下の会社
 
 A:自己資本+株主からの借入金
 B:A+負債


(4)役員としての取り扱い

 役員への給与には、経費算入に、様々な制限が設けられています。それに対して、使用人への給与には、特に制限はありません。同族会社は、役員就任について融通が利きますので、わざと使用人の立場にして、給与を経費に算入することがあります。
 
 本来は役員とすべき人を使用人にして、その人の給与を、制限なく、経費に算入する会社が出てくることになります。税法では、それを防ぐために、同族会社の使用人でも、役員として扱われることがあります。
 
 経営に参加している場合には、きちんと役員として就任させるほうがいいで
しょう。


(5)行為計算の否認

 同族会社の場合には、税務署長の職権で、強制的に収入を増加させたり、経費算入に制限を設けることが、できることになっています。
 
 同族会社は、株主=役員という場合が多く、経営監視の目が実質的に、無きに等しくなっておりますので、通常の会社では行わないような取引を、行う場合があります。例えば、関連会社に対して、通常の値段の半分で、商品を販売したり、株主に低利で資金を貸し付けたりすることがあります。
 
 その取引を行った結果、税金の負担を不当に減少させた場合には、税務署長は、その取引がなかったものとすることができます。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

IT投資促進税制


2004年7月6日

(1)概要

 青色申告をしている場合に、平成15年1月1日から平成18年3月31日までの間に、特定の情報通信機器を取得した場合には、減価償却費を多めに計上できたり、又は、税金の控除を受けられる制度です。


(2)要件(資本金3億円以下又は個人事業者)

 ・青色申告であること
 ・新品であること(中古はダメですよ!)
 ・自社で使用すること(まとめて買って、他社に貸すはダメです)
 ・一会計期間に購入した資産の合計額が140万円以上
  (ソフトウェアの場合、70万円以上)


(3)対象資産

 パソコン、ディスプレイ、スキャナー、プリンター、デジタルコピー機、FAX、IP電話設備、ソフトウェアなど


(4)特別償却

 通常の減価償却費に加えて、50%の特別償却費が上乗せされます。
 例えば、200万円のデジタル複写機を購入した場合には、次のようになります。
 
 ・通常の減価償却費(定率法)
  200万円×0.369=738,000円
  
 ・特別償却費
  200万円×50%=1,000,000円
  
 ・合計
  738,000+1,000,000円=1,738,000円
  
  通常の減価償却費よりも、100万円も多く、経費に計上できますよ。


(5)税額控除

 (4)の税額控除に代えて、税額控除を選択することもできます。どちらか一方の選択ですので、両方は適用できません。
 
 控除額=取得価額×10%(法人税の20%を限度)
 
 先ほどの、200万円のデジタル複写機ですと、200万円×10%=20万円分、法人税や所得税が、減額されるんですね。
 
 どちらかの選択ですが、さて、どちらを採用した方が得なのでしょうか?
 これは、購入初年度だけを見ますと、特別償却が有利になりますが、長い目で見ると、税額控除のほうが有利になるようになっています。
 
 税額控除は、控除ですので、単純に、税金が安くなりますが、特別償却という制度は、単なる経費の先取りなので、初年度の経費が増えても、耐用年数の5年トータルの経費としては、金額が変わらないからなんですね。
 
 ちょっと、わかりづらい説明になってしまいましたので、実際に申告をする際には、きちんと有利選択できるよう、情報提供いたします。


(6)リースの場合

 税額控除は、購入の他にも、リース契約により、対象資産を事業供用しても受けることができます。ただし、この場合の控除額は、次のようになります。
 
 控除額=リース料総額×60%×10%(法人税の20%を限度)
 
 つまり、リース料総額の6%が控除になるわけですね。


(7)繰越控除

 税額控除って、文字通り、税金の控除ですから、控除する税金がなければ適用できません。赤字の場合には、法人税がゼロですから、この特例を使っても、なんのメリットがないんです。まして、特別償却の場合ですと、経費が増えるわけですから、より、赤字が増加する結果になるわけですね。
 
 そのような会社のために、税額控除に1年間の繰越制度があります。
 
 今年、税金がゼロのために控除できなかったり、税額が少額で、特例の全額を控除できなかった場合には、控除できなかった金額を、1年間に限り繰り越すことができます。
 
 次の年に利益が出て、税額が発生すれば、翌年分の税金から、控除を受けることになります。この繰越を利用するためには、1年目に繰越制度を利用する旨の届出が必要になります。
 
 なお、2年目も税額が発生しなかった場合には、控除は受けられません。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の仕組み


2004年6月4日

(1)消費税の基本的な仕組み

 消費税の納税は、売上等でお客さんから預かった消費税から、仕入や経費等の支払に含まれる消費税を控除したあとの残りの消費税を、税務署へ納めることになっています。


(2)納税義務の有無

 売上が1,000万円を超えた場合には、その2年後の分から消費税を納めることになります。つまり、2年前の売上が1,000万円を超えるかどうかによって、今年の消費税の納税義務があるかどうかを判断します。

 平成16年開業の個人事業者を例に取りますと、次のようになります。
 
  年度   平成16年  平成17年  平成18年  平成19年  平成20年
  売上   500万円  1500万円 6000万円 500万円  1500万円
 納税義務   無     無     無     有     有

 このように、開業当初の2年間は、2年前の売上がゼロですので、消費税の納税義務はありません。平成18年には、2年前の売上がありますが、1,000万円以下ですので、消費税を納めなくていいことになります。
 
 また、平成19年の売上は500万円ですが、2年前の平成17年の売上が1,000万円を超えていますので、消費税を納めなければいけなくなります。
 
 平成20年も引き続き消費税を納めますが、平成21年には、2年前の平成19年の売上が1,000万円以下ですので、再び、消費税を納めなくてもいいことになります。
 
 今年の売上で判断するのではなく、2年前の売上で判断しますので、注意してくださいね。
 
 以前は、消費税の納税義務の基準は、3,000万円でしたが、改正により、個人事業者は平成17年分、法人は平成17年3月期以降の納税分から、1,000万円を基準に判断することになります。2年前の売上が判断のポイントですから、個人の場合には平成15年分の売上、法人の場合には平成15年3月期の売上により判定しますので、今から、売上を抑えても、残念ながら納税義務の有無には影響しません。
 
 この改正により、新たに消費税を納めることになる事業者が、大幅に増えることになります。今まで、お客さんから消費税をもらっていても、それを納める必要もなく自由に使えていたのが、これからは、納税が発生しますので、資金繰りには十分注意が必要です。

 ちなみに、年商2,000万円ですと、概算で年間30万円から50万円ぐらいの納税が発生するものと思われます。


(3)簡易課税

 (1)にも書きましたが、消費税は、売上の消費税から、経費等の消費税を控除した残額を納めるのが原則です。納税手続きの簡略化のため、小規模の事業者については、経費等の消費税額に関係なく、売上の分の消費税の一定割合を納める制度があります。この制度を「簡易課税」といいます。小規模かどうかの判定は、売上高5,000万円を基準にします。こちらも、2年前の売上で判断します。
 
  平成16年開業の個人事業者を例に取りますと、次のようになります。
 
  年度   平成16年  平成17年  平成18年  平成19年  平成20年
  売上   500万円  1500万円 6000万円 500万円  1500万円
 納税義務   無     無     無     有     有
 簡易課税  適用無   適用無   適用無 適用有 適用無

平成16年から18年は、消費税を納める必要がありませんから、簡易課税の適用もありません。平成19年は、2年前の平成17年の売上が5,000万円以下ですから、簡易課税を適用できます。

平成20年は、2年前の平成18年の売上が5,000万円を超えいていますので、簡易課税を適用することができません。

以前は、簡易課税適用の基準は、5,000万円ではなく、2億円でした。こちらも改正により、個人事業者の平成17年分、法人の平成17年3月期以降について、基準が引き下げとなります。

簡易課税を適用するためには、事前に届出が必要となります。また、1度届出を出すと、その届出の効力は、永久に続くことになります。ですので、簡易課税を止める時も、届出が必要です。ただし、1度、届出を出したら、2年間は、取りやめをすることができません。

設備投資等を考えている場合などは、簡易課税を適用することにより、納税額が増えてしまう場合もありますので、計画をきちんと立てておく必要があります。

なお、納めるべき一定割合とは、業種によって、次のようになっています。

卸売業  売上でもらった消費税の10%
小売業       〃     20%
建設・製造業    〃     30%
金融・保険業    〃     40%
サービス業     〃     50%


(4)課税事業者の選択

 2年前の売上が無かったり、1,000万円以下だったとしても、事前に届出をすることにより、消費税の納税義務者になることができます。
 
 なぜ、納めなくてもいいのに、わざわざ、消費税を納めるようにするのでしょうか?
 
 何度も書いていますが、消費税は、売上分の消費税から、経費等の消費税を控除した残額を納めます。経費等の金額には、設備投資の金額も含まれます。一時的に経費が増加したり、大規模な設備投資を行ったりすると、支払った消費税が預かった消費税より大きくなり、納税ではなく、国から払いすぎの消費税が、還付されることになるのです。
 
 なんか、得した気分になりますよね(^○^)。
 
 この届出も簡易課税と同じで、一度届出をすると、その効力は永久に続くことになりますので、止める場合には、その旨の届出をすることになります。ただし、1度、課税事業者を選択したら、2年間は、取りやめをすることができませんので、1年目で還付を受けたとしても、2年目は納税というようなことにもなりますので、きちんとした計画が必要になります。


(5)資本金1,000万円以上の会社

 新たに会社を設立した場合には、1期目と2期目は、2年前の売上がゼロですので、消費税を納める必要がありません。
 
 しかし、資本金が1,000万円以上の会社は、売上の規模も大きいだろうということで、1期目と2期目については、消費税の申告をしなければいけないことになっています。
 
 3期目以降は、2年前の売上がありますので、売上が1,000万円以下かどうかによって判断することになります。


(6)不動産収入の場合

 消費税の納税義務の判定基準が1,000万円引き下げられたことにより、今まで、消費税を納めてこなかった事業者も、これからは納める必要がでてきます。
 
 不動産収入で1,000万円を超えている場合にも、対象になりますが、不動産収入のうち、土地と居住用の賃貸料は、非課税となっています。1,000万円の判定には、非課税のものは除いて判定します。


(7)帳簿の記載

 経費等の消費税を控除するためには、帳簿と請求書等の保存が必要になります。請求等には、領収証が含まれますので、今まで、領収証だけで申告をしていた場合には、帳簿の保存がないと、控除ができないことになります。
 
 帳簿の記載事項は、次のようになります。この内容をきちんと記載していないと、消費税の納税が増える可能性がありますよ。
 
 ・支払先の氏名又は名称
 ・支払年月日
 ・支払の内容
 ・支払金額


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

平成16年度税制改正


2004年5月6日

 今年は、小幅な改正といわれていますが、主な改正の内容をご紹介いたします。


(1)住宅ローン減税の延長

 ローンを利用して、住宅を取得した場合に、10年間、年末ローン残高の1%分、所得税が減額される制度が、平成16年末まで、延長されました。
 
 平成17年以降は、徐々に控除額が減少することになります。ちなみに、ローンを3,000万円としますと、住宅を取得する年により、10年間の控除額は、次のようになります。
 
 居住年     控除額
 平成16年    約270万円
 平成17年    約250万円
 平成18年    約240万円     ※特別減税を考慮しない。


(2)居住用財産の譲渡損の繰越控除

 居住用の不動産を売却して、取得時の金額よりも値下がりしたために、売却損が発生した場合には、給与などの他の所得と、相殺して、相殺しきれなかった金額は、3年間繰り越して、他の所得と相殺できることになりました。
 
 この制度は、以前からあったのですが、売った不動産にローンが残っていなければならない、新たに、居住用の不動産を取得しなければならないなどの、条件がありましたが、この条件が無くなりました。
 
 これによって、ローンの返済が終わっている不動産の売却や、賃貸アパート等への住み替えの場合にも、適用できるようになります。


(3)不動産売却の税率の引き下げ

 不動産を売却した場合の、売却益に対する、所得税の税率が引き下げられました。住民税を含めた税率は、次のようになります。
 
 長期譲渡(所有期間5年超)  20%(改正前26%)
 短期譲渡(所有期間5年以下) 39%(改正前52%)
 
 税率の引き下げと引き替えに、100万円の特別控除という制度が廃止されました。この廃止により、税率が引き下げられても、所得税の負担が増える場合もあります。


(4)損益通算の廃止

 居住用以外の不動産を売却して、売却損が発生した場合に、給与などの他の所得との相殺ができなくなりました。
 
 この改正は、増税は遡及しないという、税制改正の原則を破る、悪しき前例になる可能性があります。


(5)投資信託の税率の引き下げ

 株式投資信託の税率が、上場株式並みに、引き下げられました。売却益に対する税率が、所得税、住民税を合わせて、10%(改正前26%)になりました。また、特定口座での利用も可能になったり、売却損を繰り越せることになったりと、以前よりも、利用しやすくなりました。


(6)非上場株式の税率の引き下げ

 上場株式に比べて、割高だった、非上場株式の売却益に対する税率が、所得税、住民税を合わせて、20%(改正前26%)になりました。
 
 
 上記(2)から(6)の改正は、平成16年1月1日以後の売却から、適用されます。


(7)欠損金の繰越期間の延長

 法人の今期の赤字を、翌期以後5年間の黒字と相殺して、法人税がかからなくなる、繰越欠損金の制度が、5年から7年に延長されました。7年に延長されるのは、平成14年3月期以降の赤字からになります。

 これにより、帳簿の保存期間も、5年から7年に延長されました。また、税務調査の対象期間も延長されることになります。


(8)年金課税の強化

 公的年金等控除額が縮小されました。65歳以上の場合、年金からの最低控除額が、140万円から120万円になります(65歳未満は、70万円で変わりません。)


 この改正は、平成17年分から適用されます。


(9)老年者控除の廃止

 65歳以上の方(年間所得1000万円以下に限る)の老年者控除65万円が廃止されます。
 
 この改正は、平成17年分から適用されます。

 政府税制調査会でも話題になっていますが、これからは、高齢者の課税はどんどん強化されていくのでしょうか?


(10)青色申告特別控除の引き上げ

 平成17年分から、所得税の事業所得や不動産所得に対する、青色申告特別控除額が、65万円(現行55万円)に引き上げられました。これにより、青色申告を選択し、帳簿をきちんと付けることの有利さが、増すことになります。
 
 
(11)住民税均等割の引き上げ

 所得に関係なく、住民1人あたりに課税される、個人住民税の均等割が、平成17年分から下記のとおり、引き上げられ、統一されました。
 
       現行            改正後
 人口50万以上の市      3,000円 → 3,000円
 人口5万以上50万未満の市  2,500円 → 3,000円
 その他の市及び町村     2,000円 → 3,000円

 また、同一生計の妻に対する均等割の優遇措置も縮小され、パート収入100万円以上の場合には、平成18年から、全額課税されます。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

決算賞与


2004年4月5日

(1)従業員への賞与

 従業員へ賞与を支給した場合には、原則として、支給日に、会社の経費に計上することになります。
 
 例えば、賞与の計算期間が6月から11月分を、12月に支給というような場合には、11月に経費に計上することはできませんので、注意が必要です。

(2)決算賞与

 使用人に支給額を通知した日に、経費に計上できる場合もあります。そのために、下記の条件がついてきます。
 
 
・支給額を、支給を受けるすべての従業員に通知すること。

 従業員全員に通知することになっていますので、一部の幹部職員だけに通知するというわけにはいきません。また、それぞれ、個人個人の支給額を通知することになっていますので、「従業員全員で○○万円」という、通知のしかたも認められません。
 
 
・通知した金額を通知した従業員全員に支給すること

 通知した日から、支給日までの間に、急に退職することになり、退職した従業員には、支給しないということはできません。支給日で、支給することが確定していますので、社長が、辞める人間にまで、賞与を出したくないと思っても、支給しないわけにはいきません。


・決算日から1ヶ月以内に支給すること

 決算日が、3月31日であれば、4月30日までに支給しなければいけません。これを過ぎると、通知日ではなく、支給日で、経費に計上することになります。
 
 
・通知日の事業年度で損金経理すること

 損金経理とは、会社の決算で、経理処理することをいいます。決算書にきちんと経費として計上しましょう。


(3)通知手続き

 社長が口頭で、従業員に伝えても、上記の用件は満たしますが、後から、通知をしたかどうかの確認が不可能になりますので、書面で通知するようにしましょう。
 
 従業員同士の賞与額を、公にしたくないのであれば、個別に文書を渡すようにしましょう。
 
 業績賞与などの場合に、賞与を明らかにしたいと思えば、一覧表を提示して、従業員から、確認の押印又はサインをもらうようにしましょう。
 
 いずれの場合も、通知日が問題になりますので、日付をきちんと入れることを、忘れないでください。


(4)源泉徴収税額の算出

 賞与の場合の源泉徴収税額は、給与とは違ってきます。算出に使う数字は、次の2つです。
 
・前月の給与の総支給額から、非課税の通勤手当等と社会保険料を控除した金額
・扶養親族の数

この2つの数字を、源泉徴収税額表の別表第三に当てはめますと、税率が求められます。

その税率を、賞与額にかけて、源泉徴収税額を計算します。

なお、前月の給与がない場合、又は、前月の給与の10倍以上の賞与を支給する場合には、毎月の給料計算で使う、源泉徴収税額表の別表第一を使うことになります。

源泉徴収税額表は、最寄りの税務署でもらうか、国税庁のHPからダウンロードできます。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税総額表示雑感

2004年4月5日

 4月1日から消費税の総額表示制度がスタートしました。各小売店とも、様々な工夫を凝らして、表示方法の変更を行ったようです。
 ただ、表示方法については、認められている方法と、認められない方法があります。先週の折り込み広告を見ますと、ほとんどの広告は、きちんと対応しているのですが、一部、認められていない方法で表示している店がありました。
 
 どのような表示方法かというと、100円(税込105円)という、表示方法です。

 いわゆる100円ショップがこの方法を採用するのではないかと思われていましたが、スーパーなどでもこの方法を採用したようです。
 
 しかし、問題がありました。この方法には、条件が付いており、税抜金額が税込金額より目立ってはいけないとなっています。スーパーのモ○ヤや靴小売りのA○Cマート、ラーメンの会○っぽなどは、明らかに目立っていますね。
皆さんも、近所で、確認してみてください。
 
 この総額表示制度によって、実質、値下げをしている小売店が多いようですが、景気回復傾向の雰囲気が出てきた状況が、デフレにより、逆戻りすることのないよう、祈るばかりです。

 また、総額表示制度は、一般消費者に価格を提示する場合に適用されることになっています。ということは、事業者間の取引や見積書を発行して、打ち合わせをしてから、金額を決めるような取引の場合には、総額表示制度は適用されません。
 
 しかし、これだけ、総額表示制度が報道されますと、営業中に誤解が生じる可能性が出てきます。例えば、従来どおり、見積書を出した際に、税別20万円で出したつもりが、相手業者では、4月から総額表示だからということで、税込20万円と勘違いしてしまう可能性が出てきます。
 
 都度の取引は、税抜で、締め日の合計請求書で、消費税を上乗せする方法で取引をしている場合には、支払の際に、トラブルになる可能性が出てきますので、これからは、税抜なのか、税込なのか、しっかりと明記した方がいいでしょう。
 
 詳しくは、直接、ご説明いたしますので、お問い合わせください。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

年金課税の強化(老年者控除と公的年金等控除)


2004年4月2日

(1)平成16年度税制改正

 平成17年分の所得税から、65歳以上の課税が強化されることになりました。
年金生活者にとっては、かなりの増税となりますので、実質的には、年金課税への強化となっています。


(2)老年者控除の廃止

 65歳以上方には、所得税を計算する際、50万円の所得控除がありましたが、この制度が、平成17年から廃止されます。
 
 なお、年間の所得が1,000万円を超える場合には、元々、この制度の適用はありません。


(3)公的年金等控除の縮小

 65歳以上の公的年金については、年金収入から、最低140万円を控除した金額が、所得税の対象となっていました。この最低控除額140万円が、平成17年からは、120万円に縮小されることになります。
 
 本来は、65歳未満と同じ、70万円になるところでしたが、上記の老年者控除の廃止とともに縮小されたのでは、一気に税負担が増してしまいますので、120万円にとどまったようです。
 
 
(4)どのぐらいの増税?

 年金収入が年間250万円の場合の、所得税対象額は、次のようになります。
 
・平成16年まで
 年金収入250万−年金控除140万円=110万円
 
・平成17年から
 年金収入250万ー年金控除120万円=130万円

 控除額の最低額の差額が20万円ですので、この場合の、所得税と住民税の差額は、約3万円の違いが出てきます。(特別減税を考慮しない。)

 年金の支給額が減額された上に、増税では、ますます、手取り額が減ってしまいますね。


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。