領収証等の保存期間|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.5.20

 

(1)保存期間

 会社の総勘定元帳等の帳簿や、領収証等の証ひょう書類は、原則として、7年間の保存が義務づけられています。7年間というのは、その決算期の申告期限から7年間となります。領収証の日付ではなく、決算期単位で7年間ということになります。

 例えば、21年3月期であれば、平成21年5月31日が申告期限になりますので、平成28年5月31日まで保存しなければなりません。平成20年4月1日から平成21
年3月31日までの全ての領収証等が保存対象になります。

 この期間を過ぎれば、領収証等は、廃棄処分していいことになります。


(2)対象になる帳簿書類等

 対象になる帳簿書類等は、一例として、次のようなものになります。あくまでも一例であり、税金の申告に関係するものは、全て保存する必要があります。

・帳簿
 総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、預金出納帳、手形記入帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳など

・決算書関係
 貸借対照表、損益計算書、棚卸表など

・書類
 領収証、請求書、注文書、注文請書、契約書、見積書、納品書、送り状、小切手帳、手形帳の耳、預金通帳など


(3)電子データによる保存

 業歴が長くなったり、企業規模が大きくなってくると、保存する書類の量も膨大なものとなり、その保存コストが負担となってきます。その対策として、帳簿書類を電子データやスキャナで読み込んで保存することも認められています。

 電子データ保存やスキャナ保存をする場合には、データ保存を開始する3ヶ月前までに、システムの概要を記載した申請書を税務署に提出し、承認を受ける必要があります。

 なお、追加、訂正、削除の履歴管理、タイムスタンプによる改ざん防止、発行日から1週間以内のスキャナ保存など、実際の運用には、かなり高いハードルが設定されています。


(4)個人事業者の保存期間

 個人事業者の場合も、保存期間は原則として7年間となっています。申告期限から7年間ですので、平成21年分の帳簿書類は、平成29年3月15日まで保存
することになります。

 なお、領収証、請求書、注文書、注文請書、契約書、見積書、納品書、送り状等の書類は、保存期間は5年間で良いことになっています。

 どうしても保管場所が厳しい場合は仕方ありませんが、必要な書類まで廃棄してしまわないよう、可能であれば、全て7年間保存しておいたほうがいいでしょうね。

 

(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

外貨取引の評価方法|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.5.7

 

(1)帳簿への表示

 最近では、海外企業との取引を行う会社が増えていますが、外貨での取引を行った場合、会社の帳簿や決算書は、全て日本円で表示することになります。

 この際に問題となるのは、日本円に換算(評価)する為替レートです。


(2)評価方法

 計算書等に為替レートが記載されていますので、このレートを使って円換算します。

 為替レートが表示されていない場合には、原則、その日の取引銀行での電信売買相場の仲値(以下、TTM)を使います。このTTMは、銀行毎に、毎日独自に決定しているレートで、銀行のHP上に過去のレートも含めて公開されていますので、評価の際に参考にしてください。


(3)決算時の短期外貨建債権債務等

 決算時には、外貨建普通預金や、短期(期間1年以内)の外貨建定期預金及び外貨建取引についてのみ、通常、次の計算式で為替差損益を計上し、期末日のレートで評価した残高を表示する必要があります。

 {期末残高(外貨)×期末日TTM}−期末残高(円)=為替差益※
 ※マイナスの場合、為替差損
 期末残高(円)+為替差損(益)=期末評価後残高


(4)評価方法の選択

 評価方法については、外国通貨及び売買目的有価証券を除き、取引日のレートを使う方法と、期末日のレートを使って為替差損益を計上する方法のいずれかを選択することができます。

 選択する場合は、変更する決算期の前日までに、所轄の税務署へ届出することになりますが、届出の有無にかかわらず、一度採用した評価方法については3年間は原則として変更ができませんので、注意してください。


(5)為替相場に著しい変動があった場合

 為替相場に著しい変動があった場合には、期間中の取引全てを、期末時の
レートを使って評価し直すことができます。「著しい変動」とは、以下の算式によって計算された変動率が、おおむね15%以上となった場合が該当します。

(期末評価後残高−期末評価前残高)÷期末評価後残高×100=変動率(%)

 特に昨年の夏以降、為替相場の変動が大きくなっていますので、多額の輸出取引がある場合には、この制度を使うかどうかで、会社の利益に大きな影響がでるかもしれませんね。

(H.S)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

欠損金の繰戻還付の復活|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.4.20 

(1)欠損金の繰戻還付

 前期が黒字で法人税の納付をしていて、今期は、赤字になったとします。今期の赤字を、前期の黒字と相殺して、前期に納税した法人税の還付を受ける制度が、欠損金の繰戻還付です。

 青色申告書を提出している資本金1億円以下の中小法人等であれば、全てこの制度を適用することができます。

 例えば、前期に500万円の黒字で、税率22%とすると、法人税110万円を納税します。当期に200万円の赤字となった場合には、前期に納税した法人税110万円のうち、200万円に相当する法人税44万円の還付を受けることになります。算式にすると、次の通りです。

 還付金額=前期法人税額×当期の赤字額÷前期の黒字額
     =110万円×200万円÷500万円=44万円

 この制度は、法人税のみの制度で、法人事業税等の地方税へは、適用されません。法人地方税は、赤字を翌期以降7年間の黒字と相殺できる、欠損金の繰越控除のみとなります。


(2)適用開始時期

 全ての中小法人等が欠損金の繰戻還付ができるようになるのは、平成21年2月期の決算期からとなります。それ以前でも、設立5年以内などの条件に合えば、欠損金の繰戻還付を受けることができます。

 3月決算法人であれば、平成20年3月期が黒字で、平成21年3月期が赤字であれば、21年3月期の申告時に、法人税の還付手続を取ることになります。

 9月決算や12月決算のように、還付を受けられる決算までにまだ間がある場合には、決算期の変更も検討してください。今期は赤字になることが確実で、前期黒字で納税していれば、決算を前倒しにすることによって、法人税の還付を早く受けることが可能になります。


(3)還付を受けるための手続

 欠損金の繰戻還付を受けるためには、通常の確定申告の他に、「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を一緒に提出することになります。

 別表1(1)では、右上の「欠損金の繰戻しによる還付請求税額」欄の枠外、「外」書きの部分に、還付法人税額を記載します。

 また、別表7(1)には、当期分の青色欠損金の「欠損金の繰戻し額」欄に、当期の欠損金の金額を記載します。当期の欠損金が、前期の黒字を上回る場合には、差額は、7年間の繰越欠損金の対象となります。

 中小法人等の税率が、22%から18%に下がることを考えると、欠損金の繰戻還付を受けた方が、一般的には有利になります。


(4)税務調査の対象に

 欠損金の繰戻還付の請求をした場合には、法律上、税務調査を行うことになっています。しばらく税務調査を受けていない場合には、還付請求をきっかけに、税務調査となるかもしれません。

 なお当事務所でも、設立5年以内の会社で、何度か欠損金の繰戻還付の請求を行ったことがあります。請求額が多額でないためか、せいぜい確認の電話が入る程度の調査だけでした。欠損金の繰戻還付だけで、本格的な税務調査になる可能性は低いと思われます。

(M.H)
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共有持分を追加取得した場合の住宅ローン控除|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.3.5

(1)国税庁の取り扱い変更

 平成21年2月27日に、国税庁は、「居住用家屋の共有持分を追加取得した場合の住宅借入金等特別控除の取扱いについて」を公表し、これまでの取り扱いを変更しました。

 例えば、夫婦共有の住宅について、離婚による財産分与により、相手の持分を取得することがあります。この場合、住宅ローン控除は、離婚前から所有していた持分のみか、財産分与によって追加取得した持分のみの、どちらかしか、住宅ローン控除の適用を受けることができませんでした。

 今回、国税不服審判所の裁決があり、離婚前からの持分と追加取得した持分の、両方を合わせて住宅ローン控除の適用ができる取り扱いに、変更されました。

 このように、裁判所の判決や国税不服審判所の裁決により、これまでの取り扱いと全く逆の取り扱いに、急に変更することが、たまに起こります。


(2)確定申告書を提出している人の還付請求の期限

 追加取得した持分について、住宅ローン控除を受けなかった年分の確定申告書を提出している場合には、更正の請求をすることによって、還付を受けることができます。

 更正の請求は、この取り扱いの変更を知った日の翌日から2ヶ月以内となっています。還付できそうだと思ったら、すぐに手続きにかかったほうがいいですね。

 また、法律により、法定申告期限から5年を経過した年分については、還付を受けることはできませんので、平成15年分については、平成21年3月16日が、更正の請求と期限となります。あと10日ほどしかありませんので、該当する人は、急いで提出するようにしましょう。


(3)年末調整のみの場合の還付請求の期限

 サラリーマンのため年末調整のみので、確定申告をしていない場合には、新たに確定申告書を提出することにより、還付を受けることができます。

 還付を受けたい年分の翌年から5年間が、還付申告ができる期間となります。平成16年分の場合は、平成21年12月31日が期限となります。平成15年分については、既に期限が過ぎていますので、還付を受けることはできないことになります。

 共有持分の追加取得をして、全体での住宅ローン控除を適用していなくて、さらに、その年の納税額がある場合には、還付される可能性が高いので、税理士又は税務署に相談してみましょう。

(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

親族へ支払う経費の取り扱い|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.2.5

(1)親族へ給料や家賃等を支払った場合

個人事業者が、同一生計の親族へ、給料、家賃、借入金の利子等の経費を支払った場合には、原則として、所得税を計算する際の必要経費にはなりません。

必要経費の対象外となるのは、同一生計の親族の場合です。嫁に行った娘等、生計が別になっている場合には、支払った経費が適正額の範囲内であれば、必要経費として認められることになります。

身内だからといって、他の従業員よりも高額な給料を支払っていたりすると、給料が高いことの合理的な説明ができないと、必要経費として認められないことになります。

また、一緒に生活をしていなくても、仕送りをしているような場合には、同一生計とみなされて、必要経費の対象外となることもあります。


(2)親族が負担した必要経費

事業で使用している土地建物の名義が、同一生計の親族の場合に、その親族に家賃を支払っても、(1)の規定から必要経費にはなりません。

土地建物の固定資産税は、名義人である親族宛てに来ます。その固定資産税を親族が負担して支払ったとしても、所得税を計算する際には、土地建物を事業に使用している個人事業者の必要経費とすることができます。

このように親族が事業に無償で提供している場合に、それに付随する必要経費を負担した場合には、事業に使用している個人事業者の必要経費に加えることができます。今まで計上もれがなかったか、確認してみるといいですね。


(3)青色事業専従者給与

青色申告の場合には、特典として、親族へ支払った給与も、必要経費に算入することができます。

この特典を利用するには、事前に、給与支払額を税務署に届けておく必要があります。その年の3月15日までに届出をすれば、その年の1月分給料から、必要経費に参入することが可能です。

ただ、身内だからといって、資金繰りによって、給料を払ったり払わなかったりということのないようにしてくださいね。必要経費になるのは、実際に払った分だけになります。いくら届出をしていても、支払いの事実が確認できなければ、必要経費にはなりません。

預金口座間で振り込み等によって資金移動しておくのが、間違いのない方法です。現金払いの場合には、きちんと現金出納帳に記帳しておきましょう。

また、親族への給料でも、源泉徴収の義務がありますので、給料支払時には、源泉所得税を天引きして、税務署への納税も行うことになりますし、年末調整も必要になります。

なお、白色申告の場合には、事業専従者が配偶者であれば86万円、配偶者以外であれば、一人につき50万円の、専従者控除を受けることができます。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

他人名義の生命保険料控除|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2009.1.5

(1)生命保険料控除

生命保険料を支払った場合には、支払った金額に応じて一定の金額を、所得税を計算する際に控除することができます。

生命保険料控除は、一般の生命保険料と個人年金保険料の2種類に分かれており、それぞれ最高5万円まで、合わせて10万円の所得控除を受けることができます。


(2)別の契約者の保険料を負担した場合

一般的には、生命保険の契約者が、保険料を支払うことになります。しかし、契約者でない者が、保険料を負担する場合もあります。

例えば、契約者が妻の生命保険の保険料を、夫が負担して支払ったとします。生命保険料控除は、保険料を負担した者が受けることが原則です。証明書や証券を見れば、契約者は妻ですから、普通に考えれば、妻が保険料を負担していると判断されます。

これを夫が、年末調整や確定申告の際に、自分が負担しているとして申告をすれば、夫の所得から生命保険料控除を受けることが可能になります。

夫婦に限らず、親子や祖父母が孫の保険料を負担している場合などにも、契約者以外の控除が可能です。実際に保険料を負担している者が、契約者とは別人であることが明らかであれば、控除を受けられますので、まだ、控除額に余裕がある場合には、契約者と実際の負担者を、見直してみましょう。


(3)贈与税の対象になる場合

死亡保険金や満期保険金を受け取った場合に、契約者と受取人が異なる場合には、贈与税の対象になります。贈与税の税率は、かなり高く設定されていて、保険金が1,000万円ですと、約230万円の税金となります。また、契約者と受取人が同じでも、相続税や所得税の対象となるものもあります。

後日思わぬ税金がかかり、予定通りの財産形成ができなくなってしまう可能性がありますので、名義を安易に決めて契約しないように、注意しましょう。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

準確定申告|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2008.1120

(1)準確定申告とは

収入がある方が亡くなった場合、その年の生前発生していた所得については、所得税の申告をしなければなりません。

この場合、所得が給与所得のみであれば、会社で年末調整を行うことによって、納税は終了しますが、それ以外の方は確定申告をすることになります。この確定申告を「準確定申告」といいます。

ちなみに、準確定申告によって計算された所得税は、還付の場合、還付額が相続財産に加算されます。逆に納税の場合には、納税額が相続財産から控除されます。


(2)準確定申告をする必要がある場合

準確定申告は、基本的に相続人が申告することになりますが、申告が必要な場合と不要な場合とがあります。

申告が必要かどうかは、確定申告と同じく亡くなった方の生前の収入内容によって判断しますので、生前に毎年確定申告を行っていた方の場合には、申告の必要があるかを確認したほうが良さそうですね。

準確定申告が必要な代表的なケースを、以下にあげておきます。

・年金等の雑所得のみ方で、所得税の納税や還付がある場合
・給与収入が2,000万円を超えていた場合
・2ヶ所以上から給与を受けていた場合
・給与所得や退職所得以外の所得の合計が20万円を超えていた場合
・同族会社の役員等で、会社から貸付金利子や賃借料等を受取っていた場合


(3)申告方法

準確定申告は、通常の確定申告と違い、亡くなった日の翌日から4ヶ月以内に、亡くなった方の住所地を管轄する税務署へ申告します。相続人が2名以上いる場合には、相続人全員の連署により準確定申告を提出することになります。

申告の際には、一般の確定申告用の申告書と、相続人の内容を記載した準確定申告用の付表をセットで提出します(相続人が1名の場合には、付表を省略できます)。その他の添付書類については、確定申告と同じですので、ここでの説明は省略します。


(4)各種控除

基本的に、各種控除については通常の確定申告と同じですが、配偶者控除等の判定については、死亡の日の現況により判断することになります。また、社会保険料や生命保険料等の各控除は、死亡の日までに支払った額が控除の対象となります。

医療費控除の対象となるのも、死亡の日までに支払った額ですが、控除対象となるのは、死亡の日の前日迄に支払った金額ですので注意してください。ちなみに、死亡後に支払った医療費については準確定申告の控除対象になりませんが、相続税で控除できますので、領収書等は保管しておいてください。


(5)注意点

本来、確定申告をしなければならない方が、1月1日から、確定申告の申告期限までの間に、確定申告を行わないまま亡くなった場合、通常の確定申告と手続きは異なります。

この場合、前年の所得分と、亡くなった年の所得分との2年分について、準確定申告を行うことになり、両方の申告共に亡くなった日の翌日から4ヶ月以内に申告しなければなりません。

また、準確定申告で所得税の納税が発生した場合、申告期限までに現金で納税しなければいけません。相続財産が不動産や株式のみの場合や、現預金がほとんどない場合等には、相続人の方で準備しなければいけませんので、注意しましょう。
(H.S)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

21年度改正事業承継税制|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2008.11.05

(1)自社株の相続税納税猶予制度

非上場の中小企業の株式の一部について、相続税額の80%の納税猶予を受けられるようになります。この制度は、平成21年度の税制改正として行われ、平成20年10月1日に遡って適用される予定です。

納税猶予の対象となるのは、その会社の発行済株式の3分の2が上限になります。3分の1については、通常の相続税を納税することになります。


(2)対象となる中小企業

納税猶予制度の対象となる中小企業は、中小企業基本法における中小企業になります。業種に応じて、資本金や従業員数に制限が設けられていて、例えば、サービス業の場合には、資本金5,000万円以下、又は、従業員数100名以下である場合に、納税猶予を受けることができいます。


(3)事業承継の要件

納税猶予を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

・被相続人(亡くなった人)が会社の代表者であったこと

必ずしも死亡時に代表者である必要はなく、一度でも代表者になっていれば対象になります。

・被相続人と親族等を合わせて、50%超の株式を保有し、かつ、親族等の中で、筆頭株主であること

・相続により、相続人(遺族)と親族等を合わせて、50%超の株式を保有し、かつ、親族等の中で筆頭株主となること


(4)相続後5年間の継続要件

相続後5年間は、次の要件を満たす必要があります。

・相続人が会社の代表者であること

・雇用のおおむね8割以上を維持すること

・対象株式を継続保有すること

5年間のうちに、代表者を退任したり、M&A等で株式を他人に譲渡したり、従業員が大幅に減少した場合などは、相続税の納税猶予が打ち切られます。

それまで猶予されていた相続税を納税する必要が出る上に、申告期限から猶予されていた期間分の利息として利子税も納税する必要が出てきます。

また、最終的に、納税猶予されていた相続税が、免除となるのは、相続人が死亡した時点になります。途中にさらに孫への事業承継が行われた場合の取り扱いなど、まだ、詳細が明かにされていない部分もありますので、今後発表される平成21年度の税制改正の内容について、十分注意しておく必要があります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

ソフトウェア開発にも工事進行基準|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2008.10.20

(1)工事進行基準とは

工事進行基準とは、請負工事の収益(売上)と原価(費用)を、工事の進行割合に応じて、順次計上していく方法をいいます。工事進行基準を採用すると、その工事の利益を進捗状況に応じて計上できることから、毎期の損益を平準化させることができます。

これに対して、工事の完成引渡時に、一括して、売上及び原価を気乗する方法を、工事完成基準といいます。工事完成基準は、完成時に一括で損益が計上されるため、毎期の決算書の変動が大きくなり、その会社の実態を把握することが難しくなります。


(2)工事進行基準の対象

工事進行基準の対象となるのは、工事、建設、製造(請負によるもの)の他に、ソフトウェアの開発も含まれます。平成20年4月1日以後に開始する事業年度から、ソフトウェアの開発も、工事進行基準の対象となりました。


(3)工事進行基準の強制適用

法人税法では、着手の日から完成までの期間が1年以上であり、かつ、請負対価の額が10億円以上の請負を長期大規模工事といい、工事進行基準の適用が強制されています。

長期大規模工事以外の請負は、工事進行基準と工事完成基準のどちらかを選択することになります。

税金上有利なのは、工事完成基準になります。工事完成基準であれば、請負が完了して引渡しをするまで、利益の計上を先延ばしにすることができます。

しかし、融資や経営事項審査、資金繰り等を考えると、工事完成基準は利益の変動が大きいことから、工事進行基準を採用して、利益を平準化させたほうがいい場合もあります。会社にとって、どれが一番いい方法なのか、きちんと検討しておきましょう。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

有姿除却|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2008.10.06

(1)除却と有姿除却

税務上、会社の資産を廃棄することを除却といいます。

除却には、実際に資産を廃棄する「除却」と、その資産を廃棄していなくて
も、今後事業用として使用する予定のないものを帳簿上から除く「有姿除却」
とがあります。


(2)有姿除却の会計処理

通常の除却の場合、帳簿価額を全額除却損として計上するのに対し、有姿除
却では、除却時点でその資産の価値(廃材や鉄屑等)を見積り、「貯蔵品」と
して資産に残しておく必要があります。

例えば、帳簿価額500の機械を除却する時、鉄屑としての見積価格が30であ
った場合、会計処理は以下のように異なります。

(借方)固定資産除却損 470 (貸方)備品(機械) 500
貯 蔵 品   30

なお、有姿除却の場合で、資産の現在価値が0円の場合には、全額を除却損
として処理することになります。


(3)有姿除却ができる条件

有姿除却は、例えば一時的に使用を停止している場合や、メンテナンス等を
行い、いつでも同じ用途で使える状態にしている場合等、今後も再利用する可
能性が残っている場合には、使えません。

有姿除却を行う場合には、その資産が今後、スクラップや廃棄を前提として、
放置されることが条件となります。

なお、除却損として計上できる時期についても、上記条件を満たした時にな
ります。一時的な使用の停止等では、除却損を計上できませんので、注意しま
しょう。


(4) 有姿除却のメリット

有姿除却をすることによって、経費計上を一括でできるというメリットがあ
る反面、有姿除却をするにあたっては、資産の再利用の可能性について、説明
できる状態にしておく必要があります。

その場合、有姿除却後、資産がどういった状況なのかが問題となりますので、
例えば、機械であれば電源が入らないように分解する等の処置をしておくとよ
いでしょう。

有姿除却は、税法で認められている制度ですが、後で再利用できる状態では
ないかと誤解を受けるリスクもありますので、必要のない資産は売却や廃棄し
ておいたほうがいいですね。

(H.S)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

役員退職金の損金算入時期|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2008.9.5

(1)株主総会決議時が原則

退職した役員に退職金を支払う場合には、金額が多額になることから、経費計上するタイミングを間違えると、思わぬ損失が生じる可能性があります。

役員への退職金を経費計上するのは、株主総会で退職金の支給を決議した日が原則となります。決議をしただけで、後日、支給するというような場合でも、決議した日に、未払金として経費計上することになります。

例えば3月決算の場合に、3月31日に臨時株主総会を開いて、役員退職金の支給を決議すれば、実際の支給が翌期になっても、当期の経費として、計上できることになります。決議内容を明確にするために、議事録を作成しておくようにしましょう。

なお、合同会社、医療法人、財団法人等の場合には、株主総会ではなく、社員総会で決議することになります。


(2)支給日で経費計上

役員退職給与規程が定めてあり、支給額が規定に基づいて容易に計算できるため、株主総会の開催を待たずに、先に役員退職金を支給してしまう場合もありますね。

逆に株主総会決議はしたけれども、資金繰り等の都合で、役員退職金の支給が遅れてしまうこともあるでしょう。

原則は、株主総会決議時に経費計上ですが、支給時に、経費計上することも可能となっています。損益計算書に、役員退職金として、費用計上してある場合には、税務上も経費として認められることになります。


(3)当期利益と経費計上の時期

株主総会で決議した年に経費計上すると、多額の赤字が出るような場合には、支給を翌期にして、経費計上のタイミングをずらすことも可能になってきます。当期の多額の赤字を回避して、翌期の決算までに、約1年をかけて、対策を練ることもできるようになりますね。

逆に、当期の経費を多く計上したいような時には、定時株主総会を待たずに、臨時株主総会を開催して、支給の決議をすれば、その時点で、経費計上が可能となります。

くれぐれも、支給の決議をした時点で、その役員が退職していなければ、退職給与にはならずに、不定期の役員報酬として、経費算入ができなくなりますので、注意してください。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

食事の支給

2008.8.5

(1)従業員への食事の支給

従業員へ食事を支給した場合には、支給のためにかかった費用は、福利厚生費となります。しかし、非課税の要件を満たさない場合には、食事の提供を受けた従業員は、食事代相当額の給与をもらったということになり、所得税が課税されることになります。

従業員に余分な負担をさせることになりまし、会社も、源泉所得税の天引き、納付という手間が増えますので、下記の非課税の要件に、十分に注意しましょうね。


(2)食事の支給であること

非課税になるのは、食事を支給した場合です。食費を支給した場合は、非課税になりません。

社員食堂があって、会社が食事そのものを提供している場合は問題ありませんが、出前や弁当、また外食をするような場合には、食事の内容について、領収証を会社に提出させるようにしてください。

食事代として現金を渡して、食事内容について、会社が感知しない場合には、非課税とはなりません。


(3)通常の勤務時間外の食事であること

残業で夜遅くなった場合や宿日直の場合の食事の提供のように、通常の勤務時間外に支給された食事は、非課税となります。

逆に、通常の勤務時間中である昼食等の支給は、下記(4)の金額基準を満たさなければ、所得税の課税対象となります。


(4)食事代の半分以下かつ3,500円以内の負担であること

通常の勤務時間中である昼食等であれば、食事代の50%以上を、従業員から徴収しており、かつ、会社の食事代の負担が、月額3,500円(税抜)以内であれば、非課税となります。

社員食堂であれば、材料費の50%以上を、給料天引き等の方法で、従業員から徴収してください。弁当や外食であれば、業者等へ支払った金額の50%以上を、従業員から徴収します。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

長寿医療制度の口座振替


2008.8.5

(1)長寿医療制度保険料の口座振替の開始

年金から保険料が天引きされるということで批判の多かった、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)ですが、平成20年10月分の保険料より、口座振替が可能になります。


(2)社会保険料控除

本人又はその配偶者や親族の社会保険料を支払った場合、支払った人の所得税を計算する際、所得から社会保険料を控除することができ、その分、所得税が安くなります。

社会保険料控除の対象となる社会保険料のうち、主なものは、次の通りです。

・健康保険、雇用保険、国民年金、厚生年金の保険料(保険税を含む)
・介護保険料
・年金基金の掛金
・公務員共済等の掛金


(3)長寿医療制度保険料の口座振替への変更

長寿医療制度の保険料は、年金からの天引きが原則ですので、夫婦で年金を受給している場合には、それぞれの年金から、保険料が天引きされることになります。

社会保険料控除を受けられるのは、社会保険料を支払った人だけになります。奥さんの年金から天引きされた保険料は、支払った人は、奥さんですから、旦那さんの社会保険料控除として計算することはできないんです。

奥さんが旦那さんの扶養親族となっている場合には、天引きされた保険料は、何の控除も受けられず、無駄になってしまいます。

そこで、口座振替への変更手続きを行って、収入の多い人の口座から引落になるようにすれば、保険料が無駄にならず、社会保険料控除を満額利用することができるようになります。

今まで国民健康保険であれば、世帯全員分を納付していたので、名義が誰であれ、実際に納付した人が、社会保険料控除を受けることができたのに、年金天引きという制度にしたために、一手間かけないと、所得税の負担が増えてしまうことになってしまいます。


(4)口座振替への変更手続き

口座振替の変更手続きは、各市区町村でご確認ください。市町村によっては、役場の窓口で手続きするほか、引落口座がある金融機関でも手続きが可能なようです。

平成20年分の所得税から、少しでも所得税を安くしたい場合は、手続きを早めにする必要があります。一番早い10月分からの口座振替にしたければ、8月半ばまでに手続きをしておかなければいけません。市区町村によって、15日や20日というように、期限が違いますので、必ず、お住まいの市区町村にご確認ください。

なお、国保の滞納がある場合には、口座振替に変更できませんし、世帯主である子どもや配偶者名義等の口座から引落にできるのは、年金収入が180万円未満である必要があります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

75歳以上の扶養控除

2008.7.5

(1)後期高齢者医療制度

子息等の被扶養者となっていた方が、75歳以上になると、健康保険の被扶養者から外れ、後期高齢者医療制度の被保険者となります。被扶養者であれば、保険料の負担がなかったのが、その後は、ご自身で保険料を負担することになります。


(2)扶養控除

所得税の扶養控除の対象となるのは、年間所得金額が38万円以下の場合です。給与や年金は、一定の控除額がありますので、給与収入の場合ですと年間103万円以下、年金収入の場合には、年間158万円以下であれば、年間所得が38万円以下となり、扶養控除の対象となります。


(3)後期高齢者医療制度と扶養控除の関係

後期高齢者医療制度の被保険者となり、健康保険が、子息等の扶養から外れた場合であっても、所得税を計算する際の扶養控除には、一切影響がありません。

所得税は、上記(2)のとおり、所得が38万円以下であることが基準ですから、健康保険の取り扱い変更によって、扶養控除が適用できなます。

平成20年4月以降に、会社へ親等の75歳以上の方の保険証を返却した際に、誤って、所得税の取り扱いも変更になっていないか確認してみましょう。年末調整の際にも、被扶養親族欄に、氏名を書き忘れることのないように、気をつけましょうね。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

固定資産税の精算金の処理|仙台市の税理士・ひなた会計事務所

2008.7.5

(1)固定資産税の課税のタイミング

固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者が、納税することになっています。年の途中で売買があった場合や新たに建物を建築したような場合には、次の年の1月1日まで、固定資産税は、かからないことになります。


(2)不動産売買時の精算

一般的に、不動産の売買が行われた時は、固定資産税の按分精算が行われます。これは、その年の1月1日現在の所有者である売り主に対して、固定資産税が課税されているため、1年分の固定資産税を売り主が全額負担していると感じられるためです。

例えば、7月1日に売買を行った場合には、売り主が、その年の固定資産税を納税していますから、買い主は、その年の固定資産税の半年分、つまり半額を、売買代金とは別に、買い主に支払います。


(3)買い主の税法上の取り扱い

税法では、固定資産税の納税義務者は、売り主であり、買い主には納税義務は一切ありません。買い主が売り主に支払った固定資産税相当額は、税金の支払いではなく、売買代金とみなされます。

売買代金とみなされるわけですから、契約書上の売買金額に、固定資産税相当額を加算した金額が、その不動産の取得価額になります。

買い主側の勘定科目は、買い主が納税すべき税金ではありませんから、「租税公課」ではありません。土地の固定資産税相当額であれば「土地」、建物の固定資産税相当額であれば「建物」等の、購入した資産の金額に含めることになります。

また、土地の購入は、消費税が非課税、建物購入は、消費税が課税ですから、固定資産税相当額も、それに合わせて、消費税の計算をすることになります。負担した固定資産税相当額に105分5を乗じた金額を、納めるべき消費税から、控除することになります。


(4)売り主の税法上の取り扱い

一方売り主側は、売買代金に固定資産税相当額を加算した金額が、譲渡価額になりますので、固定資産税相当額を加味したところで、売却損益を計算することになります。

さらに、消費税の納税義務があれば、建物分の固定資産税相当額に105分5を乗じた金額の消費税負担も必要になります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。


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固定資産売却時の減価償却費

2008.6.5

◇◆◇固定資産売却時の減価償却費◇◆◇

(1)減価償却費の計算時期

 税法上、減価償却費を計上できるのは、決算期末に所有している減価償却資
産だけとなっています。決算期の途中で、その資産を売却した場合には、決算
期末で所有していませんから、減価償却費の計算はできません。

 しかし、会計では、決算期の途中で売却した場合には、所有している期間に
よって、按分して、減価償却費を計上するのが一般的です。

 会計に合わせて減価償却費を計算した場合には、税法では認められていない、
減価償却費を計上していることになります。

 ただどちらの方法を採用したとしても、減価償却費の計上分が、そのまま固
定資産の売却損益の増減として反映されることになるため、利益や税金には、
結果的に影響しませんので、税法又は会計のどちらの方法を採用しても、問題
にはなりません。


(2)便利な税法的処理

 経理処理としては、税法の処理が、断然ラクです。固定資産を売却した場合
の仕訳としては、期首の帳簿価額と売却価額との差額が、固定資産の売却損益
となります。減価償却費の計算は、一切行う必要がありません。

 この処理をすると、通常、販売費及び一般管理費か製造原価に計上されるべ
き減価償却費がゼロとなります。結果として、その分、営業利益や経常利益が
増加することになります。

 そして、固定資産の売却損益に影響してくるのですが、固定資産売却損益は、
特別損益となり、営業利益や経常利益には、何ら影響しません。最終利益には
影響しますが、これは、税法又は会計のどちらの方法でも、変わらないことは、
最初に述べたとおりです。

 融資や入札の審査では、営業利益や経常利益が重視されます。処理がラクな
税法の処理を採用すれば、審査にも有利に働くことになります。中小企業にと
っては、決算期中に固定資産を売却した場合には、減価償却費の按分計算をし
ないで処理することが、望ましいでしょう。

(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

中古資産の耐用年数

2008.6.5

◇◆◇中古資産の耐用年数◇◆◇


(1)耐用年数の改正

 平成20年4月1日以後に開始する決算期から、機械装置の耐用年数が変更にな
りました。一般的な1年決算法人の場合には、平成21年3月期から、新しい耐
用年数が適用されることになります。個人事業の場合には、平成21年分からと
いうことになりますね。

 これまでの耐用年数は、機械装置の種類ごとに定められていましたが、改正
後は、機械装置が利用される業種ごとに定められることになります。結果的に、
ほとんどの機械装置の耐用年数が同じか短くことになりますが、一部は、長く
なるものもありますので、注意が必要です。


(2)中古資産の耐用年数

 中古資産の耐用年数は、機械装置にかかわらず、全ての減価償却資産につい
て、中古資産の取得時の経過年数に基づいて、簡便計算することが認められて
います。計算方法は下記のとおりです。

・法定耐用年数の全期間が経過している場合
  法定耐用年数×20%

・法定耐用年数の一部期間が経過している場合
  法定耐用年数−経過年数+経過年数×20%

 計算結果に、1年未満の端数が生じた場合には、端数は切り捨てし、切り捨
て後の年数が2年以下の場合には、2年とします。


(3)簡便計算のやり直し

 耐用年数の改正は、中古資産にも適用されます。新たに取得した中古資産は、
改正後の法定耐用年数に基づいて、(2)の簡便計算を行います。

 改正前から所有している中古資産についても、耐用年数の見直しが必要にな
ります。簡便計算で耐用年数を求める際の法定耐用年数が改正されているわけ
ですから、改正後は、新たな法定耐用年数で、計算をやり直します。

 経過年数は、取得時の年数を使用して計算しますので、簡便計算のやり直し
は、かなり面倒な作業になります。決算時に慌てないよう、当時の資料が残っ
ているか、今から探しておいたほうが良さそうですね。

 当時の資料がなく、簡便計算のやり直しができない場合には、税金の申告上
は、経費が少なくなって税金が増える可能性が高いので、それほど問題になり
ませんが、銀行融資等の審査では、粉飾決算と取られる可能性も出てきます。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

たまたま土地を売却した場合

2008.5.2
◇◆◇たまたま土地を売却した場合◇◆◇

(1)非課税収入が多い場合
 消費税は、原則として、お客様から売上と一緒に頂いた消費税から、仕入や
経費等と一緒に支払った消費税を控除した残額を納税します。
 しかし、土地の売却や住居用の家賃収入などのように、消費税が非課税とな
っている収入が、全売上の5%超を占める場合には、支払った消費税の一部し
か、納税額から控除できないことになっています。
 土地の売却は、高額になることが多いので、たまたま売却したような場合に
は、非課税売上の割合が増加し、課税売上割合が大きく減少することになりま
す。課税売上割合が減少すると、消費税の納税額が増えることになります。
 その様な場合に、「課税売上割合に準ずる割合」を利用することによって、
少しでも控除額を多くして、納税額を減らすことができる場合があります。

(2)たまたま土地を売却した場合
 土地の売却が単発で、土地の売却以外は事業内容にほとんど変化がない場合
には、土地を売却した決算期の直前3期分の通算課税売上割合か、前期の課税
売上割合のいずれか低い割合を、課税売上割合に準ずる割合として、承認申請
することができます。
 ただし、直前3期の最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合との差が
5%を超える場合には、事業内容に変化があるということで、承認が受けられ
ません。
 さらに、たまたま土地を売却した時だけに認められる特例ですので、翌年以
降については、課税売上割合に準ずる割合の適用廃止届を提出する必要があり
ます。

(3)課税売上割合に準ずる割合
 課税売上割合に準ずる割合は、土地の売却が無くても、利用することはもち
ろん可能です。一般的には、使用人の人数や従事日数、機械等の使用時間、事
業所の面積等の割合が利用されます。
 課税売上割合に準ずる割合を利用するためには、その決算期の末日までに、
税務署長の承認を受ける必要があります。却下以外は可否の通知を出さない他
の承認申請と違い、きちんと承認の通知を受ける必要がありますので、決算期
末前までに余裕をもって、承認申請を提出する必要があります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

買収した会社の欠損金

 

2008.5.2

 

◇◆◇買収した会社の欠損金◇◆◇


(1)青色欠損金の繰越控除

 青色申告の会社が赤字になった場合、その赤字は、翌年以降の黒字と相殺し
て、法人税の計算をすることになります。相殺しきれない場合には、さらに次
の年の黒字と相殺することになり、最終的に、赤字は、最長7年間繰り越すこ
とになります。


(2)特定株主等に支配された場合の不適用

 多額の欠損金を有する赤字会社や休眠会社の株を買い取り、その会社の会社
名や役員を入れ替えて、新たに事業を開始すると、新事業の黒字と買収以前の
赤字とを相殺して、法人税の圧縮をすることが可能になります。

 それを防ぐために、新しい株主が発行済み株式総数の50%超を所有すること
になってから5年間は、買収した赤字会社の繰越欠損金利用できず、買収後の
黒字と相殺できないようになっています。

 なお、5年経過前に繰越欠損金が使えるようになる場合もありますので、そ
の様な事例を以下に掲載しておきますね。


(3)休眠会社が事業を再開した場合

 株式譲渡をするまで事業を営んでいなかった会社を買収した場合には、事業
を再開又は新たに開始した決算期より前に発生した欠損金は、繰り越しするこ
とができません。


(4)異なる事業を開始する場合

 会社買収後に、それまで営んでいた事業を廃止して、廃止した事業の売上金
額のおおむね5倍以上の借入れ等を行った場合は、その借入れを行った決算期
より前に発生した欠損金は、繰り越しすることができません。


(5)赤字会社の債権を取得した場合

 会社を買収した株主が、赤字会社のほとんどの債権を格安で取得し、買収前
の売上金額のおおむね5倍以上の借入れ等を行った場合は、その借入れを行っ
た決算期より前に発生した欠損金は、繰り越しすることができません。


(6)役員・従業員のほとんどが辞めた場合

 会社買収後に、買収される前の常務取締役以上の全役員が退任し、使用人も
20%以上が退職し、新たに始めた事業の売上金額が、買収前の売上金額のおお
むね5倍以上の借入れ等を行った場合は、その借入れを行った決算期より前に
発生した欠損金は、繰り越しすることができません。

 

(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

欠損金の繰戻還付

 

2008.4.4


(1)欠損金の繰戻還付

 通常、会社が赤字になった場合の特例として、その赤字を翌期以降7年間の黒字と相殺が可能となる、青色欠損金の繰越控除があります。

 しかし、設立後5年以内の会社は、赤字になった場合は、翌期以降に繰り越すのではなく、前期の黒字と相殺して、前期の法人税を還付してもらうことが可能となっています。これを、欠損金の繰越還付といいます。


(2)還付手続き

 還付を受けるために、赤字の場合の通常の確定申告の他に、欠損金の繰り戻しによる還付請求書を提出する必要があります。ただし、欠損金の繰越はありませんので、別表7の記載は不要です。

この制度は、法人税だけの規定で、同様に欠損金の繰越制度がある事業税には、適用されません。ですから、翌期の法人税の申告の際には、法人税の計算上、欠損金の繰越がなくても、事業税では、繰り越しして翌期以降の黒字と相殺することになります。


(3)暫定税率不成立の影響

 このさぽーと発行時の平成20年4月4日現在、平成20年度の税制改正法案が、5月31日まで延長された一部を除き成立していません。このため、一部の制度が、3月31日をもって期限切れとなっています。

 欠損金の繰戻還付制度は、設立後5年以内の会社に限定されていましたが、平成20年3月31日をもって、5年以内の枠がはずされ、平成20年4月1日以後に終了する決算期からは、どの会社でも受けられる状態となっています。

 現在施行されている法律をそのまま解釈すれば、平成20年4月1日以後に終了する決算期が赤字で、その前の期が黒字であれば、前期の法人税の一部の還付を受けられることになります。

 決算期は、会社の任意で変更可能となっていますので、中途半端でも4月10日決算なんて変更すれば、前期の法人税が還付されるかもしれません。恐らく税制改正法案が、原案通り可決されれば、4月1日に遡って遡及適用される可能性が高いと思われます。遡及適用されれば、やっぱり還付した法人税は、納め直してくれなんとことになるかもしれませんので、実行は、くれぐれも慎重に。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

リース取引の経理処理

 

2008.4.4

 


(1)リース取引の改正

 平成20年4月1日以後に契約する所有権移転外ファイナンス・リース取引は、売買取引として、扱われることになります。

 これまでは、リース料の支払時に、リース料や賃借料として、経費処理していました。改正後は、契約時に、資産として計上し、減価償却費として経理処理していくことになります。

 なお、リース契約には、他に所有権移転ファイナンス・リース、オペレーティングリースとありますが、ほとんどのリース契約が所有権移転外ファイナンス・リース取引となっています。


(2)契約時の仕訳

 リース取引は、売買取引として扱われますので、資産の購入とそれに対するローンの支払いということになります。

 期首に月額105、リース期間5年、リース料総額6,300というリース契約の場合(以下、(3)以降同じ。)には、次のような仕訳になります。

(借方)リース資産  6,000 (貸方)リース債務 6,300
   仮払消費税等  300

 消費税も、売買として扱われることになりますので、契約時に、リース料総額の5%分を、仮払消費税等として計上することになります。

 消費税の経理方法を、税込方式又は一括税抜方式を採用している場合には、仕訳時には、消費税を意識する必要がありませんから、消費税込みで、次のように仕訳します。

(借方)リース資産  6,300 (貸方)リース債務 6,300


(3)リース料支払時の仕訳

 リース料の支払いは、ローンの支払いということになりますので、次のような仕訳になります。

(借方)リース債務 105 (貸方)現金預金 105


(4)決算時の仕訳

 これまで、リース取引では、決算時の仕訳は、必要ありませんでしたが、改正後は、減価償却費の計算が必要になります。申告の際は、定率法や定額法の減価償却と同様、償却の明細を別表16(4)に記載する必要があります。

 減価償却費の計算方法は、リース期間定額法となり、税抜経理方式の場合、次のように計算します。

減価償却費=リース料総額×当期の賃借月数÷賃借期間の月数
     =6,000×12月÷60月=1,200

仕訳は、会社の経理方法により、次のどちらかになります。

・間接法
 (借方)減価償却費 1,200 (貸方)減価償却累計額 1,200

・直接法
 (借方)減価償却費 1,200 (貸方)リース資産   1,200

 1年間のリース料の支払額が、税抜100×12月=1,200ですから、減価償却費として経費計上できる金額と支払額が同額となります。


(5)賃借料の経理処理

 中小企業の負担を減らすために、これまで通り、支払時にリース料や賃借料として、経理することも認められています。申告の際の別表記入も省略することができますので、結果的に、これまでと同じ処理でも、法人税は問題ありません。

 ところが、リース料と経理しても、リース取引を売買として扱うことに変わりはありませんので、消費税の計算では、注意が必要です。税抜経理方式を採用している場合には、消費税の処理を適正に行うために、契約時に次の仕訳を行います。

(借方)仮払消費税等 300 (貸方)リース債務 300

 さらにリース料の支払時には、次の仕訳を行います。リース料の消費税の設定も、既契約は、課税対象ですが、平成20年4月1日以降の契約は、課税対象外とします。

(借方)リース料  100 (貸方)現金預金 105
   リース債務  5

 消費税計算や固定資産管理の手間を考えると、平成20年4月1日以降に契約のリース取引は、上記(2)から(4)の処理をしたほうが、管理が楽になると思われます。

(M.H)


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個人の少額減価償却資産の売却

2008.3.5

(1)中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例

 青色申告の個人が、30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、年間30万円を上限に、取得価額全額を取得した年の経費に計上できます。

 白色申告の個人の場合には、全額経費に計上できる資産は、10万円未満となっていますので、青色申告のほうが節税対策がしやすいことになります。


(2)少額減価償却資産を売却した場合

 減価償却資産を売却した場合には、譲渡所得となります。その資産が事業用や不動産賃貸用であっても、事業用又は不動産用の決算書に、売却益や売却損は、計上しません。

 30万円未満の少額減価償却資産は、全額経費計上していれば、帳簿に残高が載ってきません。その様な資産の売却収入は、収入金額全額が譲渡所得として、他の所得と合算して、所得税を計算することになります。

 さらに、消費税の課税事業者の場合には、消費税の納税も必要になります。

 なお、少額減価償却資産の全ての売却損益を通算して、年間50万円以下であれば、特別控除がありますので、所得税は免除されます。


(3)20万円未満の少額減価償却資産

 10万円未満の少額減価償却資産や20万円未満の減価償却資産で、一括償却を行った資産の場合には、譲渡所得ではなく、事業所得又は不動産所得として、所得税の計算を行います。

 もちろん、消費税の課税事業者であれば、消費税の納税もあります。

(M.H)

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減価償却方法の変更


2008.3.5

(1)減価償却方法の選択

 建物(平成10年4月1日以後取得の建物を除く。)、建物附属設備、車両運搬具、工具器具備品、機械装置等の有形固定資産は、減価償却の方法を、定額法か定率法のどちらかを選択することになります。

 新たに法人を設立した場合等は、定額法又は定率法のどちらを選択するか、第1期の申告期限までに、届出をする必要があります。もし届出をしなかった場合には、定率法を選択したものとみなされます。これを法定償却方法といいます。

 個人事業者の場合も、開業初年度の確定申告期限までに選択することになりますが、届出をしなかった場合には、法人と違い、法定償却方法は定額法になります。


(2)減価償却方法の変更

 一度選択した償却方法を変更したい場合には、変更したい決算期の前期末までに、変更の承認申請書を提出する必要があります。変更したい決算期末までに、税務署から何の通知もなければ、変更が承認されたことになります。

 ただし、前回の選択又は変更から3年経過してない場合には、特別な理由がない限り、変更の承認申請は、却下されることになります。


(3)19年度税制改正による措置

 平成19年度税制改正で、減価償却方法が改正されました。
 https://www.hinatax.jp/article/13186989.html

 税制改正初年度の平成19年4月1日以後に最初に終了する決算期(例:20年3月期決算)については、減価償却方法の変更に特例が設けられています。

 本来は、前期末までに承認申請となっていますが、改正初年度は、変更したい決算期の申告期限までに、変更承認申請を提出すればよくなっており、申請すれば、そのまま承認されることになっています。20年3月期決算の場合には、20年5月までに提出すればいいわけです。

 従来の定率法を採用している場合、減価償却の改正で、減価償却額が大幅に増加しました。このため、設備投資初年度に、より節税効果を得られるようになっています。

 逆に思わぬ経費の増加により、計画していた利益が計上できないということも出てきます。その場合には、定額法への変更も検討する必要が出てきます。

 なお、変更等の手続きを行わなかった場合には、従来の償却方法を継続して選定したものとみなされます。


(4)変更と選定

 全ての資産を、法定償却方法から別の減価償却方法に変更したい場合には、変更承認申請の他に、選択の届出も行う必要があります。

 税制改正が実施された平成19年4月1日前後では、減価償却方法の選択は、別々に行うことになっています。ですから、平成19年3月31日以前取得の資産は、法定償却方法からの変更承認申請、平成19年4月1日以後取得の資産は、新たに償却方法の選択届を行います。

 平成19年4月1日以後取得資産の選択届を行わなかった場合には、改正日を境に、2つの償却方法で計算する必要が出てきますので、注意が必要です。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

ゴルフ会員権の売却損

2008.2.5

(1)ゴルフ会員権の売却で節税

 ゴルフ会員権を売却すると、所得税が還付されることがあります。

 ゴルフ会員権を売却して、売却損が出た場合には、給与や退職金等の他の収入と相殺して計算することが認められています。

 ゴルフ会員権が売却損であれば、給与や退職金の収入と相殺されますので、所得税の対象になる給与や退職金の収入が、売却損の分、減少することになります。

 含み損を抱えた上に、あまり利用しないゴルフ場があるようであれば、売却を検討されてみてはいかがでしょうか。ただ、毎年の税制改正時に、相殺禁止となるのではないかとの噂が出ますので、売却時期には、慎重に検討してください。


(2)計算例

 例えば、600万円で購入したゴルフ会員権を50万円で売却した場合には、550万円の売却損が発生します。その年の年収が1,000万円であれば、所得税の対象になる収入は、1,000万円−550万円=450万円となります。

 給与や退職金は、一定の金額以上であれば、支給される際に、所得税が天引きされます。1,000万円の給与であれば、1,000万円に対応した所得税が天引きされるのです。

 相殺した結果、所得税の対象になるのは、450万円だけですので、その差額分の所得税が、納めすぎということで還付されることになります。


(3)確定申告が必要

 ゴルフ会員権の売却損と他の収入との相殺を行うためには、確定申告をする必要があります。申告期間は、原則2月16日から3月15日までとなっていますが、還付申告の場合には、この期間以外でも、申告は可能です。

 ただし、青色申告をしている場合や電子証明書控除を受ける場合等は、期限後では特例を受けられなくなりますので、申告期限を守るようにしましょう。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

法人成りの法定調書

2008.1.7

(1)法人成りとは

 個人事業者が会社を設立して、個人事業で行っていた事業を、会社で継続して行うことを、法人成りと言います。

 平成18年の会社法の改正により、資本金1円でも、誰でも会社を設立することができるようになったため、会社を設立して法人成りする方が増えているようです。

 もし、今個人事業で消費税の納税を行っているのであれば、法人成りで、合法的に消費税の免除を受けることもできます。


(2)法定調書

 その年の1月1日から12月31日までに支払った給与や家賃、税理士報酬等について、翌年の1月31日までに支払内容について、税務署に報告する義務があります。その報告書を、「法定調書」と言います。

 どのような支払内容について、報告義務があるかについては、法律によって定められています。


(3)年の途中で法人成りした場合

 年の途中で法人成りをした場合には、1月1日から12月31日までの期間に、個人事業の期間と会社の期間の両方が存在することになります。法律上は、個人と会社は、別々の存在として扱われますので、法定調書も、個人と会社で、別々に作成、提出することになります。

 個人事業から会社へと引き続き勤務している従業員は、一旦個人事業を退職し、新たに会社に就職したという取り扱いになります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

電子証明書等特別控除

2008.1.7

(1)概要

 所得税の確定申告を、納税者本人の電子証明書を付して、電子申告で行った場合に、最大で5,000円の税額控除を受けることができます。

 この制度は、平成19年分又は20分年の、いずれか1年分で受けることができます。19年分で控除を受けた場合には、20年分では受けることはできません。また、19年分の控除額が5,000円未満の場合に、差額を20年分で控除することもできません。

 例えば、平成19年分で3,000円の控除を受け、平成20年分で残りの2,000円の控除を受けるということはできず、19年分で控除を受けた3,000円のみで、終わりとなります。


(2)申告期間

 この控除を受けるためには、確定申告期間内に、電子申告をする必要があります。

 通常、所得税の還付申告の場合には、確定申告期限を過ぎて申告しても、なんのペナルティもありません。しかし、この控除制度は、期限を過ぎると、控除を受けられなくなります。

 還付申告の場合は、年明けから申告ができますので、平成19年分で控除を受ける場合には、1月4日から3月17日までが、申告期間となります。平成20年分の場合は、1月5日から3月16日までとなります。


(3)税理士に依頼している場合

 申告を税理士に依頼している場合でも、この控除は受けられます。ただし、電子申告をすることが要件となっていますので、税理士が電子申告で確定申告を行う必要があります。

 さらに、納税者本人の電子証明書を付すことも要件ですから、所定の電子証明書を入手する必要があります。


(4)電子証明書

 所得税の確定申告で利用できる電子証明書は、十数種類に限定されています。

 電子証明書を入手するには、各発行機関で定められた手数料が必要になります。料金は発行機関によって異なり、1年間で1万円程度の手数料がかかるものもあります。

 この控除を受けるために入手するのであれば、公的個人認証サービス(いわゆる「住基カード」)が、手頃な金額となっています。発行する市町村によって若干異なりますが、だいたい3年間の利用で1,000円程度となっています。

 また、発行手続きも市町村によって異なり、その場で即発行となるところから、2週間程度かかるところもあるようです。さらに、この控除制度ができたためか、住基カードの発行が増加し、カード自体の在庫が不足している市町村もあるようですので、早めに発行手続きをしたほうが良さそうです。

 税額控除に関係ありませんが、住基カードは、写真付きも選べますので、自分の好きな写真を住基カードに使って、身分証明書としても利用することができます。これで写真写りの悪い運転免許証を利用する必要なくなりますね。


(5)サラリーマンの税額控除

 この控除制度は、サラリーマンのように給与以外の収入がない方でも、納税額があれば、控除を受けることができます。サラリーマンの場合、年末調整で所得税の手続きは完了していますので、普段は、なんの申告もしていませんが、確定申告をすれば、5,000円の還付金を受け取れるんです。

 ただし、電子証明書の入手に1,000円、さらに、この電子証明書をパソコンに読み取らせるための機械の購入に安くても3,000円と、それなりに出費がありますので、単純に5,000円が得するわけではないということに注意してください。

 さらに、所得税には、20万円未満の少額収入は、申告不要という制度があります。確定申告をすると、この申告不要制度の利用ができなくなり、今まで申告する必要がなかった収入も、全部税務署に明らかにする必要が出てきます。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

年末調整のよくある間違い2007

2007.12.5
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 年末調整を行うために、従業員は会社に対して「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」という、2つの用紙を提出することになっています。

 また、2年目以降の住宅ローン控除を受ける人は、その関係書類も会社に提出します。


(1)年末調整とは

 会社は、毎月の給料や賞与を支払う際に、従業員の扶養家族の人数等に応じて、所得税を概算額で給料等から天引きすることとなっています。毎月天引きしている金額は、概算額ですから、12月の給料支給時に1年分の所得税額を計算し直し、計算した所得税額と毎月の概算額との差額を精算することとなっています。

 この精算手続のことを、「年末調整」といいます。


(2)よくある間違い〜扶養控除等申告書編〜

・扶養親族の所得金額欄に、年収を記載している。

 所得と年収は違います。扶養親族になるのは、所得が38万円以下の人です。所得とは、収入から経費を引いた金額をいいます。パートやアルバイトの場合、経費に相当する金額として、最低65万円が与えられています。

 パート収入が年間100万円の場合、所得は、100万円−65万円=35万円となり、所得が38万円以下ですから、扶養親族に該当することとなります。金額欄には、「35万円」と記載します。

 パート収入は気にされている方が多いのですが、大学生の子供がいる場合には、子供のアルバイト代にも注意してください。稼ぎすぎていると、扶養親族に該当しなくなり、後で追徴課税されることがよくあります。

 なお、年金の場合の、経費に相当する金額は、65歳以上で最低120万円、65歳未満で最低70万円となっていますので、年金額が158万円(65歳以上)又は108万円(65歳未満)の場合に、扶養親族に該当します。


・「同居老親等」に○が付いていない

 70歳以上の父母や祖父母を扶養している場合には、扶養控除の金額が増加します。さらに、同居しているかどうかでも金額が変わってきます。同居しているのに、ここに印が付いていないと、控除額で損をすることとなります。

 ただし、同居老親等に該当するのは、直系のみですので、

 老人ホームなどに入居されている場合には、同居ではありませんので、こちらは○を付ないように注意してください。


・「特定扶養親族」に○が付いていない

 16歳以上22歳以下の方を扶養している場合には、扶養控除の金額が増加します。該当する場合には、○を付けてください。

 生年月日がきちんと書かれていれば、そちらで判断はできますが、たまに、生年月日も書かれていないときがあります。よく、2番目以降のお子さんの生年月日を、間違われる方がいます。お子さんにばれると大変ですよ。


・障害の内容が書かれていない

 本人が障害者であったり、障害者を扶養していたりする場合には、控除額が増加します。障害者である旨を記載する欄がありますので、そちらもきちんと記入してください。

 また、障害の重さにより、控除額も変わってきます。障害者手帳等に書かれている等級も記載するようにしてください。


・寡婦・寡夫を記載していない

 死別や離婚により配偶者がいない場合には、控除額が増加することがあります。男性と女性、死別と離婚では、要件が違いますので、申告書の裏面の要件をよく読んで、その旨を記載するようにしてください。


 寡婦

 夫と死別又は離婚して、扶養親族がいる人

 夫と死別して、所得が500万円以下(給与の場合には、年収約688万円以下)の人


 特別の寡婦

 上記の寡婦に該当し、扶養親族である子がいて、かつ、所得が500万円以下の人


 寡夫

 妻と死別又は離婚して、扶養親族である子がいて、かつ、所得が500万円以下の人


(3)よくある間違い〜保険料控除申告書編〜

・加入している保険すべてを記載してある

 生命保険料控除は、生命保険の種類によって、「一般」と「個人年金」の2種類に分かれています。

 それぞれ、年間の保険料が10万円以上であれば、生命保険料控除の控除額は5万円で打ち止めとなります。ですから、月額1万円程度の保険を1つだけ記載されれば、控除は満額受けられることになります。

 あまりにいっぱい保険をかけられていると、別の意味で心配になってきます。

 なお、「一般」と「個人年金」の区別は、証明書に、その保険がどちらが該当するか記載されていますので、証明書をきちんと確認してください。「年金保険」という名称の保険でも、「一般」に該当することもあります。


・損害保険料控除もあります

 平成19年分より、損害保険料控除は、廃止されました。ただし、平成18年12月31日までに契約した長期損害保険契約については、19年以降も、控除を受けることができます。

 「長期」になるのは、保険期間が10年以上で、かつ、満期返戻金があるものです。期間が10年以上でも、満期返戻金が無いものもありますので、その場合は、対象になりません。


・自分で払った健康保険料を記載していない

 年の途中で無職の期間があった場合には、健康保険料や国民年金を自分で納付することになります。この自分で払った保険料は、申告がないと、会社では一切把握できません。

 用紙の左下に記載する欄がありますので、自分で払った金額を記載してください。なお、領収証の添付は必要ありません。

 給料から社会保険料が天引きされている人は、会社で計算しますので、記載する必要はありません。


(4)よくある間違い〜住宅ローン控除編〜

・1年目なのに年末調整で控除を受けようとする

 住宅ローン控除は、1年目だけは、税務署で確定申告をすることになっていますので、年末調整で会社に提出されても、控除は受けられません。

 2年目以降は、会社の年末調整で控除を受けることができます。


・残高証明書しか提出しない

 年末調整で住宅ローン控除を受けるためには、金融機関発行の「残高証明書」と「住宅借入金(取得)等特別控除申告書」を、会社に提出する必要があります。申告書は、2年目の夏頃税務署から、2年目以降の分がまとめて郵送されます。

 紛失や転職等により、手元に申告書がない場合には、税務署に再発行の手続をする必要がありますので、年末調整時期になって慌てないようにしましょう。

 残高証明書は、毎年11月頃に、各金融機関から郵送されます。


(5)よくある間違い〜その他〜

・前職の源泉徴収票を提出しない

 年末調整は、その年の1月1日から12月31日までの給料を合計して行います。年の途中で転職等をした場合には、前の勤務先から源泉徴収票を発行してもらい、現在の勤務先に提出します。

 前職の源泉徴収が、1月31日までに入手できない場合には、年末調整はできませんので、確定申告で精算することになります。

 同時に2カ所以上の職場に勤務している場合には、源泉徴収を提出しても、年末調整は受けられません。勤務期間が重複している場合には、確定申告をすることになります。


・医療費の領収証を提出する

 1年間に多額の医療費がかかった場合には、所得税を軽減させる、医療費控除の制度があります。この医療費控除は、年末調整で行うことはできません。医療費控除が必要な場合は、確定申告を行うことになります。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

ネットバンキングで納税


2007.12.5

 税金の納付というと、基本的には、納付書を銀行等の窓口に持っていき、納付する必要があります。税金の納付時期というのは、ちょうど銀行が混雑する時期と重なり、窓口の混雑にうんざりすることがありますね。

 混雑を避ける方法として、インターネットバンキングを利用した、税金の納付があります。平成19年12月現在では、国税のみが可能となっています。

 既に、インターネットバンキングを利用しているのであれば、国税電子申告・納税システム(e-Tax)で手続きをすれば、窓口に行かずに、税金の納税が可能です。

 特に、源泉所得税を毎月納付しているような場合には、利便性が向上するでしょう。さらに、平成20年3月からは、住民税の特別徴収も、利用可能となる予定です。

 電子納税を利用するには、事前の手続きが必要です。手続きが面倒という方は、当事務所がサポートしますので、お気軽にお問い合わせください。

《参考サイト》
国税電子申告・納税システム(e-Tax)
http://www.e-tax.nta.go.jp

地方税ポータルシステム(eLTAX)
http://www.eltax.jp
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

会費に対する消費税|仙台市の税理士・ひなた会計事務所


2007.11.5



(1)通常会費

 同業者の勉強会や組合等に支払った会費等で、その会の運営費として、使途が明確にならないで徴収された会費等は、対価性がないことから、消費税の課税対象外となります。

 通常会費、一般会費、年会費というような名目で徴収されるものが該当します。

 会計ソフトに入力する際には、「対象外」や「不課税」として、処理することになります。


(2)会報代

 会が、会報を発行している場合で、通常会費や年会費に、その会報の発行費用が含まれている場合でも、その会の業務運営の一環として、発行される場合には、その会報代に相当する会費でも、消費税の対象外となります。

 ただし、会報代を購読料や特別会費として、別途、使途を明確にして徴収された場合には、消費税の課税対象となります。

 消費税課税対象となる場合には、会計ソフトでは、「課税」、「税込」や「税抜」として、処理することになります。


(3)臨時会費、特別会費

 懇親会や研修会を開催する場合に、臨時会費や特別会費として、徴収される場合があります。懇親会費や研修会費は、その使途が明確で、又、その支出内容も消費税の課税対象に該当することから、臨時会費等を負担した会社では、消費税の課税対象として処理することになります。

 なお、懇親会費は、1人あたり5,000円以下であれば、交際費等に該当しないことになります。


(4)内容が不明な場合

 徴収された会費の内容が、はっきりしない場合には、その会の事務局等に、確認する必要があります。その会の処理が、消費税の課税にしているのか、対象外にしているのかによって、支出した会社でもそれに併せて処理をすることになります。

 ただ、会によっては、消費税の申告義務がなく、消費税の処理があいまいな場合もあります。その場合には、徴収した会費の使途によって、支出した会社で、消費税の可否を判断することになります。使途が決まっていない場合は、消費税は、課税対象外となります。

 

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。




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懇親会時のタクシー代

2007.11.5

(1)自社が主催する懇親会

 得意先や仕入先を接待するために懇親会を主催した場合、会場費、飲食費等の宴会費は、交際費等に該当し、一部、経費に計上できなくなります。その接待の際に、相手先に、お車代を渡した場合には、たとえ実費相当分でも、これも接待のための費用となり、交際費等に該当します。

 また、自社の役員や従業員へ、懇親会場との行きや帰りの交通費を支給した場合にも、交際費等に該当します。

 なお、経費に計上できない金額は、資本金1億円以下の法人の場合は、次の金額です。資本金1億円超の法人の場合は、支出交際費の全額が経費に計上できません。

 中小法人の損金不算入額=支出交際費の額−A×90%

※Aは、次のア、イのいずれか少ない金額
 ア 400万円
 イ 支出交際費


(2)他社が主催する懇親会

 仕入先等から自社が接待を受けるために、懇親会へ招待され、懇親会場への往復にタクシーや代行等を利用した場合のタクシー代等の交通費は、交際費等に該当しません。

 交際費等とは、他社に対して接待を行うための費用をいいます。他社主催で、自社が接待を受ける場合には、その逆ですから、交際費等ではなく、旅費交通費になります。

 同じタクシー代でも、状況によって勘定科目が違ってきますので、注意が必要です。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

役員等に対する罰課金の処理

2007.9.6

(1)損金不算入

 会社に対して課せられた罰金若しくは科料、過料又は交通反則金については、経費に計上することはできません。

 不正行為等に対する罰則として課されるものを経費として認めると、その分、税収が減少するわけですから、罰則の意味が、なくなってしまいますね。


(2)役員等に課された場合

 会社の役員や従業員が、業務中にスピード違反や駐車違反等をして、交通反則金を課せられたとします。会社によっては、業務中だということで、会社が負担して、支払ってくれる場合もあるようです。

 個人に課せられた罰金等を、会社が負担した場合には、たとえ、それが業務中であっても、罰金等ですから、経費にすることはできません。


(3)業務外での違反の場合

 業務外に生じた従業員の罰金等を、会社が負担した場合には、違反をした従業員の給与という扱いになります。給与ですから、負担してもらった従業員の給与収入として、源泉所得税がかかることになります。この場合には、従業員への給与ですから、逆に会社は、経費として計上できることになります。

 しかし、役員の場合には、経費として認められる給与に、定期同額給与や事前確定届出給与という制限がありますので、役員の業務外の罰金等は、経費に計上できません。

 さらに、給与という扱いには変わりありませんので、役員個人に、源泉所得税が課税されることになります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

軽油代の仕訳


2007.9.6

(1)消費税の課税対象外

 軽油引取税には、消費税がかかりません。ガソリンスタンドで、軽油を購入する場合には、軽油本体には、消費税等が加算されますが、軽油引取税分には、消費税等は加算されません。

 つまり、ガソリンスタンドでの軽油の販売価格は、次のように計算されます。

 販売価格=軽油本体価格+軽油本体価格×消費税率+軽油引取税


(2)消費税の計算

 決算時に、納付する消費税額を計算する場合には、軽油引取税の取り扱いに注意する必要があります。課税標準額に対する消費税額から控除する控除対象仕入税額の計算は、通常、次の通りです。

 控除対象仕入税額=税込の支払金額の合計額×4/105

 軽油引取税には、消費税が課税されませんから、ガソリンスタンドへの支払額が、そのまま「税込の支払金額」とはなりません。軽油の場合には、次のように、軽油引取税分を除外して、計算する必要があります。

 軽油分の控除対象仕入税額=(支払金額−軽油引取税)×4/105


(3)会計ソフトへの入力

 会計ソフトを利用している場合には、消費税額の計算は、税込の金額を入力すれば、自動で計算してくれます。ただし、軽油は、支払額=税込金額ではありませんから、支払額をそのまま入力すると、正しい消費税の計算ができなくなってしまいます。

 正しく計算するためには、軽油本体の金額と軽油引取税の金額を、別々の仕訳として、入力する必要があります。

 具体的には、軽油本体価格100、消費税等5、軽油引取税45の場合、次のような仕訳になります。会計ソフトによって、入力形式が違いますので、例を2つ掲載します。なお、勘定科目は、車両費にしましたが、会社によって、適当な科目に変えてください。

(仕訳例1)
 (借方)車両費 105 (貸方)現金預金 150
     車両費  45

(仕訳例2)
 (借方)車両費 105 (貸方)現金預金 105
     車両費  45     現金預金  45

 借方に、車両費が2つ並ぶことになります。簿記では、同じ勘定科目の場合には、まとめて1つの仕訳にするのが原則ですが、会計ソフトの場合は、一緒にしてはいけません。消費税の扱いが違うために、同じ勘定科目を2回使う必要があるのです。

 会計ソフトには、消費税を自動計算するために、仕訳入力の際、消費税の設定をする必要があります。同じ車両費でも、105は、消費税込み、45は、消費税対象外です。会計ソフトのマニュアルをきちんと読み、設定をしてください。


(4)領収証等に軽油引取税の記載がない場合

 まれに、ガソリンスタンドが発行した領収証等に、軽油引取税の金額が記載されていない場合があります。その場合には、軽油引取税の金額を正確に抽出するのは手間がかかります。

 記載がない場合には、軽油引取税の金額は気にせず、ガソリンスタンドへの支払額を、そのまま税込金額として、計算して良いことになっています。


(5)ゴルフ場利用税と入湯税

 ゴルフ場利用税と入湯税も、軽油引取税と同様、消費税の対象外となっています。ゴルフのプレー費や温泉の宿泊費の処理をする際には、ゴルフ場利用税と入湯税を、除いた金額で、消費税の計算をする必要があります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

不動産の売却時期


2007.8.6

(1)原則

 不動産を売却した場合には、原則として、所得税の確定申告が必要になります。確定申告期限は、不動産の引渡しをした年の翌年3月15日となります。

 不動産の場合には、通常、所有権移転登記が行われますので、その登記申請をした日が、不動産を売却した日ということになります。


(2)例外

 不動産の売買の契約を交わした日を、不動産を売却した日とすることもできます。

 不動産の売買では、先に契約をして手付金のみを支払い、後日、残りの代金の決済と所有権の移転を行うことが、一般的です。契約日と引渡し日が違う場合には、どちらか好きな方を、不動産を売却した日として、申告することができます。

 年末に契約だけして、年明けに物件の引渡しをした場合には、不動産を売却が完了するまで、年をまたぐことになります。所得税は、1月1日から12月31日までの暦年で計算しますから、申告する年を、自由に選ぶことができるようになります。


(3)特例の適用や損益通算で活用

 不動産売却の税金を安くしてくれる特例の適用が、その年の年末で期限切れとなる場合や、売却損が発生するような場合には、申告する年の選択によって、トータルで負担する税額が、大きく変動することがあります。

 特に年末は、翌年の税制改正が決まる時期でもあります。年末に不動産の売買の話が進むようであれば、年内に契約をして、物件の引渡しを翌年にしておけば、税制改正の内容やその年の収入の状況等をみて、申告する年を、有利になるよう選択した方がいいですね。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

一発経費になる備品

2008.8.6

(1)中小企業車等の少額償却資産の特例

 資本金1億円以下の会社が、取得価額が30万円未満の資産を購入した場合には、購入金額の全額を経費に計上することができます。

 対象となる資産は、本来減価償却が必要になる資産全てになりますので、備品の他に、車両や機械、ソフトウェアも対象になります。あくまでも30万円という金額が基準ですから、減価償却の対象になる資産であれば、建物も一発経費に計上できます。


(2)年間300万円の上限

 一発経費にできるのは、1年間の合計額が300万円に達するまでとなっています。

 例えば、19万円の備品を20台購入すれば、合計で380万円の支出になります。300万円を超えていますから、300万円に達するまでの台数、19万円×15台分の285万円を一発で経費計上することになります。380万円のうちの300万円が一発経費ではありません。

 300万円に達するまでの15台分は、一発経費計上ですが、残りの5台については、通常の減価償却か20万円未満の資産が対象になる一括償却(毎年3分の1ずつの均等償却)となります。


(3)償却資産税にも注意

 30万円未満の一発経費の制度を採用した場合は、決算書にその資産が計上されなくなりますが、償却資産税は、課税されます。

 それに対して、一括償却資産の場合には、償却資産税は、かからないことになっています。

 償却資産税の税率は、たかが1.4%ですが、耐用年数の長い資産などは、一発経費にしないほうがいい場合もあります。


(4)明細書の添付

 この特例の適用を受けるためには、申告書に、少額減価償却資産に関する明細書を添付する必要があります。

 平成18年3月31日以前に購入した資産は、明細書の添付は必要なく、会社が別途管理するということになっていました。当時、この適用を受けた場合には、その資産が決算書に全く載っていませんので、固定資産台帳等を作成して、資産の有無をチェックしておく必要があります。


(5)適用期限

 この特例は、平成20年3月31日までに購入した資産が対象となっています。期限が延長になる可能性もありますので、今後の税制改正に、注意が必要用です。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

災害等に遭ったときの法人に関する税制


2007.10.4

(1)所得税の源泉徴収猶予

 従業員が災害があった場合、会社は、災害を受けた日から直近の給与支払日までの間に、税務署へ届け出すれば、給料の源泉徴収を行わなくてよいことになります。

 この制度を利用することにより、翌年3月の確定申告まで待たなくても、毎月の給料手取り額が増えることになります。この制度を利用しない場合、災害減免法や雑損控除によって、確定申告時に所得税の減免を受けることになります。

 なお、この徴収猶予制度を利用した場合、会社で年末調整ができませんので、各自で確定申告を行うことになります。


(2)源泉所得税の還付

 源泉徴収の猶予を受けられる人で見込年収750万円以下の人は、年末調整前であっても、災害前に天引きされた所得税の還付を受けることができます。

 手続きについては、会社が発行する給与明細書等の証明書類を添付し、各自で税務署へ還付申請します。


(3)納期限の延長

 会社が災害により全財産の20%以上の損害を受け、納税が困難な場合、その損失を受けた日以後、納期限が1年以内に到来する税金について、納期限の延長が受けられます。

 これによって、法人税・消費税の中間納税はしなくてよくなり、その他の税金については、納期限が1年延長されます。中間納税をしなくてよいといっても、決算の申告時に一緒に納めるだけで、税額が減額されたり、免除されたりするわけではありません。

 手続きは、災害後2ヶ月以内に税務署へ申請します。


(4)提出期限の延長

 申告や届出等の提出期限についても、延長措置を受けることによって、災害
後2ヶ月以内に限り、提出期限が延長されます。

 手続きについては、税務署へ災害後2ヶ月以内に自主的に申告する場合と、税務署が地域を指定(手続不要)する場合があります。


(5)消費税に関する届出の特例

 消費税の課税事業者選択届出書や簡易課税制度選択届出書等の各種届出は、原則として選択したい事業年度の前期末が提出期限となっています。これらの届出について、提出期限の延長を受けることで、提出期限を過ぎても、期限内に提出されたものとみなされる特例があります。

 また、前々期の売上が5,000万円以下の会社は、消費税の計算方法を「原則課税」、「簡易課税」のどちらか選択し、申告することになっています。一度どちらかを選択すると原則2年間は変更できません。しかし、災害が原因で、消費税額に影響が出る場合には、災害後2ヶ月以内に税務署へ申請することによって、災害があった事業年度から、消費税の計算方法を変更できる特例もあります。

 この特例を利用することで、例えば災害で緊急に設備投資を行う場合、原則課税へ変更することで納税額を少なくすることができますし、火災等で会社の帳簿が消失し、原則課税による計算が困難となった場合には、簡易課税への変更もできます。

 手続きは、災害後2ヶ月以内に税務署へ申請するのですが、変更理由が災害と認められず、節税目的等と取られた場合、変更が認められない可能性もあります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

手土産代は全額経費か?


2007.10.4

(1)交際費等の損金不算入

 会社が、得意先等に行う、接待、供応、慰安、贈答等は、交際費等に該当し、法人税の計算上、一定金額を経費算入できないことになっています。


(2)得意先への手土産

 得意先等を訪問する際、手土産を持参する行為は、社会的儀礼の範囲としてよく行われていると思います。しかし、贈答は、交際費等に該当すると規定されています。この手土産が、仮に3,000円程度であった場合、法律で規定するところの「贈答」に該当するでしょうか。
 
 過去には、国税庁内部の取り扱いとして、3,000円程度の手土産代は、交際費等に該当せず、全額経費計上を認めるという通達がありました。

 現在、この通達は無くなっていますが、交際費課税の趣旨から考えると3,000円程度の少額の手土産を交際費として課税するということはないと思われます。手土産については、交際費という科目にせず、雑費等の他の科目を使用されたほうがいいでしょう。

 ただし、金額がいくら以下なら交際費に該当しないという、明確な基準はありません。あくまでも、地域の実情や慣習等を考慮し、社会的儀礼の範囲内であれば、交際費等には該当しないということになります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

所得税の予定納税


2007.7.6

 法人税20万円、消費税等60万円、所得税15万円。前期の年税額が、この金額を超えた場合に、今期の税金を前払いする、中間申告と中間納税が必要になります。


(1)所得税の予定納税

 前年の所得税額が15万円以上の場合には、7月31日及び11月30日までに、前年の所得税額の3分の1ずつを、納税しなければなりません。

 予定納税が必要な方には、6月15日までに、税務署から税額が通知されます。所得税の納税を口座振替にしている場合には、7月31日及び11月30日に、引落しになります。


(2)確定申告時の処理

 確定申告時には、年税額を計算し、予定納税額を控除した金額を、納付することになります。

 結果的に、予定納税は、確定申告で納めるべき所得税の前払いをしていることになります。

 なお、1年分の所得税を計算した結果、予定納税の金額を下回った場合には、その下回った金額は、税務署から還付されます。


(3)減額申請

 6月30日の時点で、その年の所得税が、前年の所得税を下回ることが明らかな場合には、7月15日までに、予定納税額の減額申請を行うことができます。

 収入が減少した場合や、個人事業の廃業、法人成り等をした場合には、減額申請の手続きをした方がいいでしょう。もし、手続きをしなかったとしても、納めた予定納税額は、確定申告で精算されることになります。

 なお、11月30日納期分については、11月15日までに手続きをすれば、減額を受けられることになります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

住民税の増税2007


2007.7.6

(1)税源移譲

 国から地方への税源移譲ということで、国税である所得税を減税し、地方税である住民税を増税するという措置が、平成19年より実施されました。

 所得税の減税措置は、サラリーマンの場合、既に1月から行われており、給料から天引きされる所得税が少なくなっています。

 それに対して住民税の増税措置は、6月から実施されました。このタイムラグのために、住民税が一気に上がったと感じる人が多かったようです。

 さらに、所得税、住民税の10%分を減税するという定率減税制度が、平成19年から廃止されたことも、税負担の増加に拍車をかけています。


(2)実質負担は

 総務省の説明では、所得税の増税分を住民税で減税しているので、実質的な負担は変わらないとしています。ところが、きちんと見ていくと、増税が行われていることがわかってきます。

 18年も19年も収入、社会保険料、扶養家族等に変動がなければ、総務省の説明のとおり、19年中に支払う税負担には、変動がありません。

 所得税は、その年の収入に対して課税されます。住民税は、前年の収入に対して課税されます。今回の税源移譲は、19年の収入に対して所得税の減税が行われたのに対して、住民税の増税は、18年の収入に対して行われています。

 つまり、18年の収入に対する税負担ということを考えると、住民税の増税措置だけが行われ、所得税の減税措置は行われていませんから、実際は、住民税が増えた分、増税になったことになります。


(3)損をしないための対策

 19年になってから退職した場合のように、18年は、収入があっても、19年から収入がなくなるような方には、19年分の所得税が減税になりませんので、救済措置が取られることになります。

 20年6月以降、住民税がかからなくなった場合には、平成20年7月中に、市町村に申請すれば、19年中に納めた住民税を還付してもらえることになっています。まだ先の話になりますが、忘れずに手続きをするようにしましょう。


(4)個人事業者の対策

 サラリーマンや年金受給者は、年初から、所得税が減税されていますが、個人事業者の所得税が減税されるのは、20年3月の確定申告時なります。19年6月から住民税の納税が始まってますので、減税より先に増税が行われています。

 19年の収入が18年より減ることが明らかであれば、7月又は11月に、手続きをすると、予定納税額を減少させることができます。


(5)住宅ローン控除

 平成18年までに住宅を購入した方にも、手続きが必要になる場合があります。住宅ローン控除は、所得税から控除する制度ですが、所得税が減税されたため、当初受けられる予定だった住宅ローン控除を満額受けられない場合が出てきます。

 所得税が控除しきれなかった住宅ローン控除は、住民税から控除されることになりました。こちらの手続きは、平成20年3月の確定申告期に行うことになります。

 19年の年末に会社から交付される源泉徴収票をよくご覧頂き、年税額がゼロの場合には、対象になる可能性が高くなります。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

消費税の中間申告

2006.6.6

 法人税20万円、消費税等60万円、所得税15万円。前期の年税額が、この金額を超えた場合に、今期の税金を前払いする、中間申告と中間納税が必要になります。


(1)消費税等の中間申告

 1年決算の場合、前期の消費税等の年税額が、60万円を超える場合には、当期に中間申告をしなければなりません。申告期限は、決算開始から8ヶ月後になります。つまり、3月決算の場合には、11月30日が、期限になります。

 中間申告で納税する額は、下記のとおりとなります。

 中間納税額=前期の年税額×6÷12

 1年決算であれば、当期の売上に関係なく、前期の納税額の半分になります。なお、納期限も、決算開始から8ヶ月後です。


(2)決算時の処理

 決算の時には、まず、中間申告をしたかどうかに関係なく、1年分の消費税等の税額を計算します。この年税額から、中間申告をした場合には、中間納税額を控除した金額を、決算時に納付することになります。

 結果的に、中間申告は、決算で納めるべき消費税等の前払いをしていることになります。

 なお、1年分の消費税等を計算した結果、中間納税の金額を下回った場合には、その下回った金額は、税務署から還付されます。


(3)仮決算

 中間申告の時点で、今期の売上の減少が明らかな場合や、大規模な設備投資をした場合には、中間申告をする税額を、減らすこともできます。決算開始から6ヶ月間を、一つの決算期とみなして、仮決算を行い、その仮決算に基づいて中間申告を行うことも認められています。

 仮決算を行う場合は、必ず、中間申告書を提出することを忘れないでください。中間申告制度には、中間申告書の提出がなかった場合、前期の年税額の半分の金額で、自動的に納税義務が確定することになります。油断していると、知らないうちに、延滞税がかかることになります。


(4)課税期間の短縮

 法人税の決算期に関係なく、消費税独自の決算期を定めることが可能になっています。税務署に、課税期間短縮の届出書を提出すれば、3ヶ月ごと又は1ヶ月ごとに、確定申告をすることになります。課税期間を短縮した場合には、原則として、中間申告は、不要になります。


(5)前期の年税額が60万円以上の場合

 消費税等は、預り金の性格を有していますので、税額が大きい場合は、6ヶ月ごとの申告ではなく、3ヶ月や毎月の中間申告が必要になってきます。

 前期の年税額が、500万円以上6,000万円未満の場合は、3ヶ月ごとに中間申告が必要になります。納税額は、下記のとおりです。

 中間納税額=前期の年税額×3÷12
 
 前期の年税額が、6,000万円以上の場合は、毎月の中間申告が必要になります。納税額は、下記のとおりです。

 中間納税額=前期の年税額×1÷12

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

法人税の中間申告

2007.5.7

 法人税20万円、消費税等60万円、所得税15万円。前期の年税額が、この金額を超えた場合に、今期の税金を前払いする、中間申告と中間納税が必要になります。


(1)法人税の中間申告

 1年決算の場合、前期の法人税の年税額が、20万円を超える場合には、当期に中間申告をしなければなりません。申告期限は、決算開始から8ヶ月後になります。つまり、3月決算の場合には、11月30日が、期限になります。

 中間申告で納税する額は、下記のとおりとなります。

 中間納税額=前期の年税額×6÷前期の月数

 1年決算であれば、当期の利益に関係なく、前期の納税額の半分になります。なお、納期限も、決算開始から8ヶ月後です。


(2)決算時の処理

 決算の時には、まず、中間申告をしたかどうかに関係なく、1年分の利益に対する法人税額を計算します。この年税額から、中間申告をした場合には、中間納税額を控除した金額を、決算時に納付することになります。

 結果的に、中間申告は、決算で納めるべき法人税の前払いをしていることになります。

 なお、1年分の法人税を計算した結果、中間納税の金額を下回った場合には、その下回った金額は、税務署から還付されます。


(3)仮決算

 中間申告の時点で、今期の業績が悪いということが明らかな場合には、中間申告をする税額を、減らすこともできます。決算開始から6ヶ月間を、一つの決算期とみなして、仮決算を行い、その仮決算に基づいて中間申告を行うことも認められています。仮決算を行った結果、赤字であれば、納税額は、ゼロとなります。

 仮決算を行った結果、納税額がゼロとなっても、必ず、中間申告することを忘れないでください。中間申告制度には、中間申告書の提出がなかった場合、前期の年税額の半分で、中間申告があったものとみなすことになっています。

 つまり、中間申告をしないと、前期の年税額の半分で、自動的に納税義務が確定することになります。中間納税額ゼロだと思って安心していると、知らないうちに、延滞税がかかることになります。


(4)地方税の中間申告

 原則として、法人税に中間申告の義務がある場合、法人住民税及び法人事業税についても、同様に、中間申告を行う必要があります。法人住民税は、赤字でも、均等割がありますので、必ず納税額は、発生します。
(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

減価償却制度の見直し


2007.5.7

(1)これまでの減価償却制度

 まず、これまでの減価償却制度について簡単におさらいします。

 減価償却とは、時間の経過とともにその価値が減少していく建物や車等の購入金額について、購入時に全額経費計上せず、法律で定められた期間(耐用年数)で按分して経費計上する制度です。

 経費計上できるといっても、税法上では購入金額の5%は資産に残す必要があります。

 また、毎期の減価償却費の計算について、基本的に「定額法」と「定率法」のどちらかの計算方法を選択することになり、耐用年数に応じた償却率を使って算出します。

 計算方法は次のとおりです。

・定額法の計算方法
  減価償却費=取得価格×90%×定額法の償却率

・定率法の計算方法
  減価償却費=(取得価格−前期までの償却額累計)×定率法の償却率


(2)減価償却制度改正の内容

 今回の改正で大きなポイントは次の2つです。

・購入金額のほぼ全額償却可能に

→ 平成19年4月1日以降に購入した資産は、今まで購入金額の5%分は、減価 償却ができませんでしたが、改正後は、購入金額の全額を減価償却すること ができます(1円は資産があることを忘れない為に残しておきます)。

・平成19年3月31日以前に購入した資産の計算方法変更

→ 平成19年3月31日以前に購入した資産については、今までの計算方法で減価償却を行った後、購入金額の5%を別の計算方法で減価償却していきます。


(3)旧・新制度での減価償却費の比較

 平成19年4月1日以降に購入した資産については、新償却率を使って計算します。償却率は大きく変わりましたが、計算式は基本的に変わりありませんので、具体的な例をみながら変更点を確認してみましょう。


・400万円の新車を、年度1ヶ月目に購入した場合の減価償却費(定率法、耐用年数6年)

      旧定率法  新定率法    差額
 1年目:1,276,000円 1,668,000円→+392,000円
 2年目: 868,956円  972,444円→+103,488円
 3年目: 591,759円  566,934円→△ 24,825円
 4年目: 402,987円 330,523円→△ 72,464円
 5年目: 274,435円 231,049円→△ 43,386円
 6年目: 186,890円 231,049円→+ 44,159円


 1、2年目の償却額が新定率法で非常に大きくなることがわかると思います。

 今回の改正により、資産を購入した年度から最初の何年間かは、減価償却費がこれまでと比べて増加する傾向にあるということを覚えておきましょう。


(4)既取得済資産についての償却方法

 平成19年3月31日以前に購入した資産の減価償却については、次の2段階で行っていきます。

・これまでと同様の方法で、購入金額の5%まで減価償却。

・購入金額の5%から1円を除き、5で割ったものを減価償却費として、償却終了の翌期より均等償却。

※計算式:減価償却費=(購入金額の5%−1円)÷5

 つまり、購入金額の5%については、おおむね5年間で償却していくこととなります。

 なお、既に減価償却を終えている場合は、帳簿上の5%について平成20年3月期以降から均等償却していくことになります。


(5)減価償却方法変更の届出

 現行制度上では、減価償却方法を変更する際、変更したい年度開始の前日ま
でに届出が必要で、最低3年間は同じ償却方法を使う必要がありました。

 新制度になっても上記内容に変更はありませんが、改正に伴い、経過措置が設けられました。

 経過措置では、平成19年4月1日以後、最初に到来する決算申告書提出期限までに届出した場合、以前の変更時期に係わらず、その事業年度から変更後の償却方法を使うことができるとされています。

 つまり3月決算の場合、平成20年5月末までに届出すれば、平成20年3月期より、新償却方法を使用できます。


(6)赤字転落の可能性

 定額法を採用している場合は、改正後も影響額はそれほど大きくありません。

 定率法を採用している場合、(3)の例では旧定率法と比べ、初年度で39万円の減価償却費が増加することになりますので、減価償却資産をこれから購入するのであれば、赤字転落の可能性も踏まえて計画を立てる必要があります。

 また、定率法の場合、節税の為の使い方も考えられます。

 例えば、期の初めに中古車を購入すると、100%経費計上できる場合もあります。

 ただし、年の途中で購入した場合、減価償却費は月数按分することになっていますので、決算直前に節税対策として購入しても、翌年の減価償却費は大きく増加しますが、購入した年での節税効果はほとんどありません。
(H.S)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

誰の扶養親族が得か

2007年4月5日

 子供が生まれたときに、誰の扶養親族にしますか。一般的には、家族の中で、一番収入の多い人の扶養にすることが多いと思いますが、必ずしも、それが得になるとは、限らないこともあります。


(1)扶養控除

 その年の12月31日現在で、所得金額が38万円以下の親族がいる場合には、所得税を計算する際、扶養控除の対象になり、その分、税金が安くなります。


(2)扶養控除額

 扶養控除の金額は、下記のとおりです。

・一般の扶養親族     38万円
・特定扶養親族      63万円
・老人扶養親族(同居以外)48万円
・同居老親等       58万円


(3)所得税の税率の違い

 所得税は、税率5%、10%、20%、23%、33%、40%までの6段階の累進課税となっています。収入が増えるにつれて、税率が上がっていく仕組みです。

 課税される所得金額が、150万円の場合、税率は、5%となりますので、所
得税は、次のとおりです。

 所得税額=150万円×5%=75,000円

 扶養親族(15歳以下)が1人増えると、課税される所得金額が38万円減りますから、所得税額は、次のように変わります。

 所得税額=(150万円−38万円)×5%=56,000円

 扶養親族が1人増えれば、扶養控除額に税率をかけた金額である19,000円だけ、負担する所得税が減少することになります。

 所得税の税率が20%の人の扶養親族にした場合には、38万円の20%が減少しますので、76,000円も所得税が減ることになります。

 このように、一般的には、税率の高い人、つまり収入の多い人の扶養親族にしたほうが、家族で負担する所得税が減少することになります。


(4)扶養控除が多い場合

 16歳から22歳までの特定扶養親族は、(2)のとおり、扶養控除額が、大きくなっています。この年代のお子さんが3人いると、控除額は、189万円となります。

 例えば、夫婦ともに給与収入が500万円である場合、3人のお子さんを、旦那さんの扶養親族とする場合が多いと思います。これを、旦那さんに2人、奥さんに1人と分けると、一家の所得税の負担が年間約2万円、減少することになります。

 扶養親族が複数いる場合には、振り分け方によって、所得税の負担が変わってきますので、いろいろと検討してみる必要がありますね。

 なお、健康保険の扶養親族を、全部ご主人に入れていても、所得税の計算は、別に行うことが可能です。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

輸入をした場合の消費税の取り扱い


2007年4月5日



(1)消費税の課税

 海外から、商品や材料等を輸入した場合には、消費税が課税されます。

 輸入の場合には、国内の消費税と違って、事業者に限定されていませんので、事業を行っていない一般の人も、海外から商品を購入した場合等は、消費税を納める必要があります。

 また、この場合の輸入は、海外から物品を国内に持ち込むことをいいますので、海外旅行のお土産を買ってきた場合も、消費税法上の輸入となります。

 なお、税率は、国内での消費税と同じ5%(うち地方消費税1%)です。


(2)仕入税額控除

 輸入した商品等を、国内で販売、使用した場合には、輸入する際に税関に支払った消費税は、消費税の納税額を計算する際、納付する消費税から、控除することになります。

 控除する消費税は、税関に支払った消費税額です。必ずしも、輸入した商品代金の5%とはならないことに、注意してください。

 この控除を受けるためには、輸入した商品名や税額等を帳簿に記載し、かつ、輸入の許可があったことを証明する書類を保存しておく必要があります。


(3)経理処理

 輸入した商品等が、販売用であれば、次のような仕訳になります。

 (借方)仕入     ××  (貸方) 現預金  ××
    仮払消費税等 ××

 国内での商品仕入と仕訳は同じになりますね。ただし、記載する金額が違ってきます。

 「仕入」の金額は、商品等の本体価格に、関税、輸送料等を加算した金額になります。この金額は、消費税の計算には、基本的に関係のない金額になりますので、二重に控除してしまうことのないように、注意してください。

 「仮払消費税等」の金額は、税関に実際に支払った消費税の額です。輸入の手続きを、通関業者に委託している場合には、直接、税関に支払っていないので、気づかないかもしれませんが、請求書や支払明細書等に記載されている、「消費税等」や「消費税及び地方消費税」の金額になります。


(4)会計ソフトでの注意点

 会計ソフトを利用して、消費税の計算をしている場合には、ソフトの設定に注意が必要です。初期設定のままでは、輸入取引を行うことを前提としていない場合がありますので、その設定を変更してください。

 仕訳を入力する際には、「仕入」は、消費税の計算に関係ありませんから、「対象外」や「不課税」とします。ただし、日本国内での輸送料が判明している場合には、国内の輸送料は、消費税がかかりますので、別立てで「課税」としておく必要があります。

 「仮払消費税等」は、「輸入」や「輸入取引」のように、国内で負担した消費税とは、区別したほうがいいでしょう。

(注)会計ソフトによって、設定方法が違いますので、必ず、説明書等で確認してください。

 
(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

青色専従者給与

2007年3月5日

(1)青色専従者給与とは

 所得税では、同一生計の親族に支払った給料は、経費として認められていません。しかし、1年を通じて、6ヶ月以上、事業に従事している場合には、届出をすることにより、支払った給与を、経費として計上することができます。

 なお、経費に算入するためには、青色申告である必要があります。


(2)青色事業専従者の要件

 青色事業専従者になれるのは、次に該当する場合です。

・同一生計の親族であること

 青色申告をする人と、生計を一にする必要があります。逆に生計が別であれば、労働の対価として適正な給料という条件がつきますが、経費計上は、特段、問題ありません。なお、親族は、6親等以内の血族と3親等以内の姻族をいいます。

・その年の12月31日現在、15歳以上であること

 年の途中で死亡した場合には、死亡当時の年齢で判定します。

・1年間を通じて、6月以上、その事業に従事すること

 学生は、原則として、青色事業専従者になれません。また、他に職業を持っている場合には、その職業が短時間で、事業に従事することに支障が無いことが条件になります。


(3)青色専従者給与の届出

 青色専従者給与を支給する場合には、その年の3月15日までに、青色専従者給与に関する届出書を提出する必要があります。届出書には、青色事業専従者の氏名、その職務の内容、給与・賞与の金額、給与・賞与の支給期、昇給の基準などを記載します。

 年の途中から事業を開始した場合には、事業開始から、2ヶ月以内に届出をすることになります。また、年の途中から新たに、専従者とすることになったときは、その日から2ヶ月以内に、届出書を提出します。

 支給する給与を変更する場合には、変更届出書を、提出することになっています。できるだけ、変更後に給与を最初に支給する日までに、提出するようにしましょう。

 最初の届出の際に、昇給の基準をきちんと記載しておけば、その範囲内で、給与の金額に増額があっても、変更届は、提出する必要はありません。「おおむね10〜20%程度」などと、記載しておくとよいでしょう。


(4)支給額の帳簿記載

 青色専従者給与を支給した場合には、きちんと帳簿に記載するようにしてください。帳簿に記載された支給額が、届出額より少なかった場合には、経費に計上できるのは、支給額として、帳簿に記載した金額になります。

 経費計上額が、予定より少なくなってしまうことになります。身内ですとルーズになりがちですが、身内こそ、きちんとした処理が必要です。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

株式投資の確定申告の損得

2007年3月5日

(1)特定口座制度

 株式投資をする際に、証券会社に口座を開設する必要があります。開設する口座は、特定口座か一般口座を選択することになります。

 特定口座の場合は、売買をした際の損益の計算は、証券会社が行ってくれ、年1回、1年間の取引状況を年間取引報告書として、発行してくれます。さらに、源泉徴収ありを選択すると、1年間の損益を通算した金額の10%(所得税7%、住民税3%)の税金を、その口座から天引きすることになります。

 一般口座の場合は、損益の計算は自分で行い、その計算に基づき、所得税の確定申告を行うことになります。


(2)特定口座の申告不要制度

 特定口座の源泉徴収ありを選択した場合には、所得税の確定申告をする義務はありません。既に税金が天引きされているため、さらなる確定申告は、省略となっています。

 ただし、特定口座でも、源泉徴収なしの場合には、確定申告をする必要があります。

 詳しくは、こちらをご参照ください。
 https://www.hinatax.jp/article/13127593.html


(3)専業主婦や学生の確定申告

 最近は、専業主婦や学生等の、他に収入が無い方が、株式投資で稼いでる場合があります。源泉徴収ありの特定口座を選択していれば、確定申告をする必要はないのですが、一手間をかけて、申告をすると、ちょっとお得になる場合があります。

 証券会社の特定口座の場合には、社会保険料や扶養控除等の各種控除は、全く考慮されずに、税金が天引きされます。他に収入がない場合には、これらの控除を受けることなく、納税が完了しますが、確定申告をすれば、これらの控除を受けることができます。誰でも、基礎控除といって、38万円の控除が、最低限認められていますので、申告をすることによって、数万円の還付を受けることができます。

 ただ、収入が無い方は、他の親族の扶養家族になっている場合が多いと思います。株式投資の売却益が38万円以上の方が、確定申告をしますと、扶養家族から外れることになります。本人は、税金が還付されて得をした気分になりますが、旦那さんや親御さんが、扶養家族が減ったことにより、税金が増えることになります。一家としてどちらが得になるか、いろいろとシミュレーションしてみる必要があります。


(4)証券会社が複数の場合

 複数の証券会社に口座を持っている場合も、確定申告をすると得になることがあります。特定口座は、各証券会社に1つ開設することができます。証券会社ごとに、株式投資の損益を通算して、税金が天引きされます。証券会社同士での連携は行われません。

 全ての証券会社の特定口座が黒字であれば、それぞれの証券会社の売却益に対して、税金が天引きされます。赤字の特定口座があれば、その特定口座からは、税金は天引きされません。

 赤字の特定口座があれば、確定申告をすることによって、黒字の特定口座と相殺することが可能になります。全特定口座を通算した結果、黒字よりも赤字のほうが大きい場合には、相殺しきれなかった赤字は、翌年以降3年間の株式投資の黒字と相殺することができます。

 赤字を繰り越す場合には、翌年以後も申告が必要になります。翌年以降、扶養家族になるかどうかは、繰り越しした赤字と相殺する前の黒字額で判定することになりますので、こちらも、慎重に判断する必要があります。


(5)住民税の納付

 確定申告書には、給与以外の分の住民税の納付方法について、選択をする箇所があります。サラリーマンの場合、通常、給料を受け取る際に、会社から住民税が天引きされると思います。

 そのまま確定申告をしますと、給与以外の分の住民税も、会社へ通知が行き、合わせて給与から天引きされることになります。通知が行くわけですから、株式投資でいくら稼いだかが、会社の経理担当者にバレてしまうんですね。

 これを避けるためには、確定申告書第2表の右下に、「住民税・事業税に関する事項」欄がありますので、そこの「自分で納付(普通徴収)」に、チェックを入れるようにしてください。そうしますと、給与以外の分の住民税は、自宅に送られることになりますので、会社にバレずにすみます。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

メール送信で印紙税の節約


2007年2月6日

(1)印紙税とは

 契約書や領収証等、法律で定められた文書を作成した場合には、記載内容や記載金額に応じて、所定の金額の収入印紙を文書に貼付し、消印をすることになっています。

 例えば、工事請負契約書の場合には、契約金額によって、次のように定められています。

記載された契約金額が
1万円未満           非課税
100万円以下         200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下  1千円
300万円を超え500万円以下  2千円
500万円を超え1千万円以下   1万円
                     (以下省略)


(2)電子メール等による送信

 業種によっては、発注元から注文書が送付され、それに対する注文請書を交付する場合があります。この注文請書は、押印がなくても、一般的に、契約書とみなされ、印紙税の対象になります。

 押印が必要ない文書であれば、同じ内容を電子メールで送信することも可能になります。この場合には、電子メールは、文書ではないため、印紙税の課税対象から外れることになります。

 受信側が、念のため受信したメールを印刷して保管していた場合でも、受信側にとっては、コピーと同種のものであるため、印紙税はかかりませんが、送信側が、印刷して相手先に届けた場合には、文書を交付しているので、印紙税がかかることになります。

 送信側で、社内用として保存している場合には、相手に文書を交付していないということで、印紙税はかかりません。

 FAXで送信した場合も、受信側では、紙で出力することになりますが、これも、コピーと同様の扱いということで、印紙税はかかりません。送信用の原本も、相手に交付せず、社内で保存する場合には、印紙税の対象外です。

 印紙税の負担が大きい場合は、節約の手段として、検討されてみてはいかがでしょうか。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

不納付加算税の改正


2007年2月6日

 源泉所得税の不納付加算税の取り扱いについて、法定納期限内に納める意志があった場合の救済制度が創設されたことに伴い、その取り扱いが、国税庁から公表されました。


(1)不納付加算税

 給料等から天引きした所得税は、給料支給日の翌月10日までに、税務署へ納付することになっています。従業員等が10人未満の会社の場合には、半年分をまとめて納付する特例が認められています。特例の納期限は、1月から6月支給分までの給与については、7月10日、7月から12月支給分までの給与については、1月20日(又は1月10日)となっています。

 法定の納期限までに源泉所得税を納付しなかった場合には、納付しなければならない金額の5%の不納付加算税がかかることになります。未納に自分で気づいて納付した場合には、5%で済みますが、後日、税務署から税額の通知を受けて納付した場合には、10%の不納付加算税となります。

 なお、計算した不納付加算税の金額が、5,000円未満であれば、加算税は、免除されます。

例1
 不納付加算税=源泉税500,000円×5%=25,000円

例2
 不納付加算税=源泉税70,000円×5%=3,500円→5,000円未満のため免除


(2)毎月納付と納期特例

 源泉所得税を半年に1回納める納期特例を採用している場合には、年に2回だけの手続で済み、事務コストが少ないというメリットがあります。

 そのかわり、半年分をまとめて納付するため、1回の納税額が大きくなります。資金繰りに気をつけなければいけないということもありますが、上記の不納付加算税についても、金額が少なければ、不納付加算税が免除になる可能性もあります。


(3)不納付加算税の免除

 源泉所得税を、法定納期限から1ヶ月以内に納付した場合には、不納付加算税は、免除されます。ただし、過去1年間に、期限後納付があった場合には、免除は受けられなくなります。

 例えば、7月10日が納期限の場合、8月9日までに納付する必要があります。そして、前年の6月30日以降に納期限が到来する源泉所得税について、期限後納付がない場合に、不納付加算税が免除されます。1年1回程度の期限後納付であれば、加算税がかからないよう、救済の余地が出てくることになります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

現金残高がマイナスに


2007年1月5日

(1)現金出納帳の様式

 現金出納帳の最低限必要な様式は、次になります。

┌──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│日付│科目│摘要│入金│出金│残高│
├──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│ │ │ │ │ │ │
├──┼──┼──┼──┼──┼──┤

 摘要欄には、入出金の相手先名とその内容を記載することになります。
 
 現金出納帳を記載したら、手元の実際の現金残高と現金出納帳の残高が合っていれば、その日の作業は終了ということになります。合わなければ、記載漏れや誤記入ということですので、その原因を追及し、修正することになります。


(2)残高がマイナスになる場合

 入金と全ての支払いを記帳したにもかかわらず、現金出納帳の残高がマイナスになってしまった。こんな経験はありませんか。もちろん、この状態では、実際の現金有り高と、一致しませんね。

 この原因として、一番多いのは、入金の記帳漏れです。ちょっとした支払いの時に、金庫から現金を出さずに、社長や経理担当者の財布から、支払いをすることがあったのではないでしょうか。ちょっと立て替えのつもりが、そのことをすっかり忘れてしまい、帳簿に記帳していないということが、よくあります。

 会社の立場からみれば、ちょっと立て替えというのは、入金があったことを意味します。立て替えた金額を、現金出納帳の入金欄に記入する必要があります。たとえ出金と同じ金額でも、面倒がらずに記帳するようにしましょう。

 また、支払いにお金が不足する時に、社長がポケットマネーから補充して、支払いをすることがあります。これも、会社からみれば、入金ということになります。社長が直接支払いをするような会社の場合には、この記帳漏れが起こりやすいですので、経理担当者に、きちんと伝えるようにしてください。


(3)勘定科目

 一週間や一月程度の、一時的に立て替えた時の勘定科目は、「仮受金」がいいでしょう。

 金額がまとまっていて、清算の目処が立っていない時は、「短期借入金」や「長期借入金」を使うことになります。短期と長期の違いは、返済期限が1年以内かどうかで、区別します。

 社長や会社の役員が立て替えた場合には、銀行融資などと区別するために、「役員借入金」や「社長借入金」を使用するのもいいでしょう。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

年末調整のやり直し


2007年1月5日

(1)年末調整の時期

 年末調整は、原則として、その年の最後の給与を支払う時に、行うことになっています。税金上の取り扱いは、ボーナスや賞与も「給与」になりますので、毎月の給料の後に、ボーナスの支給がある場合には、ボーナス支給時に年末調整をすることになります。


(2)年末調整のやり直し

 年末調整を受けるための扶養控除等(異動)申告書や保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書は、年末調整を受ける前に、会社に提出しなければなりません。会社によっては、11月中に提出を求められます。

 本来、年末調整は、12月31日現在の状況により行うことになるのですが、どうしても、会社の事務手続き上、早めに提出する必要が出てきます。年末調整のための申告書を提出した後に、出産や結婚等によって、扶養親族に変動があった場合などは、そのことを会社に申し出て、再度、年末調整をしてもらう必要があります。

 この年末調整のやり直しができるのは、翌年の1月31日までとなっています。


(3)扶養親族等の増減

 年末調整後12月31日までの間に、出産や結婚等により扶養親族が増加した場合には、年末調整をやり直します。

 結婚の場合には、配偶者の給与収入が、年間103万円以下である必要があります。結婚後に職場を退職した場合でも、その年の1月から結婚までの間の収入が103万円超あれば、扶養親族(配偶者控除対象者)にはなれませんので、注意してください。結婚後、引き続き無職であれば、翌年から、扶養となります。

 また、子供が結婚により、結婚相手の扶養となった場合には、自身の扶養からは、外れることになります。


(4)配偶者の収入見積額が変動した場合

 配偶者が扶養になるかどうかは、年末調整のタイミングにより、どうしても、収入の見積額で行うことになります。当初は、103万円以内に抑えるつもりだったのが、実際に支給されてみると、超えてしまっていたということがあり得ます。

 その様な場合には、年末調整のやり直しが必要になります。扶養から外れますので、差額を会社に支払う必要が出てきます。

 見積額が103万円以下で、変動後も103万円以内に収まった場合には、扶養であることに変わりありませんので、年末調整をやり直す必要はありません。

 103万円を超える場合でも、141万円未満の場合には、扶養にはなりませんが、配偶者特別控除の対象になります。配偶者特別控除は、1,2万円のちょっとした違いでも、控除額が変わることになりますので、見積額と実際の支給額に変動があった場合には、年末調整のやり直しが必要になるか、会社に確認してみたほうがいいでしょう。


(5)年末調整後に保険料を支払った場合

 年末調整を受けた後に、生命保険料、損害保険料、健康保険料、国民年金保険料、小規模企業共済の掛金等を支払った場合には、年末調整をやり直すことにより、還付金が増える可能性があります。

 生命保険料や損害保険料については、控除額に上限がありますので、既に、上限に達している場合には、還付金は増えません。それ以外については、控除する所得税が残っていれば、還付金が増えることになりますので、年末調整のやり直しをお願いしましょう。

 ただ、短期の損害保険料控除は、控除額が少額なので、還付金が増えても200円なんてこともありますので、手間と金額を考えて手続きをしてください。


(6)住宅借入金等特別控除申告書の入手

 会社に銀行から送られてきた残高証明書だけを提出して、住宅ローン控除は受けられない方が、たまにいらっしゃいます。年末調整で住宅ローン控除を受けるためには、残高証明書の他に、税務署から送付される申告書が必要になります。

 申告書は、住宅ローン控除の確定申告をした年の夏頃に、税務署から、2年目以降の申告書をまとめて送られてきます。住宅を取得した年によっては、最大で14年分ということもあります。

 保管期間が長くなる上に、1年に1回のことなので、どうしても紛失される方がおります。申告書を紛失した場合には、再発行が可能ですので、税務署で手続きをすることになります。再発行が年末調整までに間に合わなかった時は、再発行後、年末調整のやり直しをしてもらい、還付金を受け取ることになります。


(7)1月31日に間に合わなかった場合

 年末調整のやり直しの期限は、翌年1月31日です。それまでに間に合わなかった場合には、確定申告で、還付を受けることになります。手続きをしないと、住民税にも影響しますので、忘れずに確定申告をしましょう。

 ただし、追加納付となる場合には、1月31日の期限に関係なく、年末調整をやり直すことになります。そのまま手続きを怠りますと、10月頃に、税務署から会社宛に、追加納付を指摘されることがあります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

所得税額控除


2006年12月5日

(1)法人税額控除

 会社でも、個人と同じように、所得税がかかることがあります。例えば、預貯金の利息を受け取ったときは、利息に対して、15%の所得税と5%の住民税が課税されます。

 会社名義の預貯金でも、個人名義の預貯金でも、同じように課税され、税金を控除した分が、通帳に入金されます。

 個人の場合には、控除されたまま、納税手続は、完了します。しかし、会社の場合には、あくまでも、利益に税率をかけて、法人税を計算することになっています。

 受取利息も会社の収益ですから、利益の一部になります。利息に税率をかけた金額が、利息に対する税金ということになるのですが、利息を受け取るときに、既に、税金は、課税されています。

 結果として、二重に税金を払っていることになりますので、利息の受取時に課税された15%の所得税は、法人税の前払いとして、法人税の計算から、控除することになっています。

 例えば、1,000円の利息を受け取った場合、1,000円×15%=150円の所得税が控除されます。法人税は、1,000円×30%=300円の納税になりますが、既に、150円の所得税という、同じ国税が既に控除されていますので、本来納めるべき法人税300円から、所得税150円を引いた、150円を税務署に納付することになります。

 住民税分の5%については、同じ住民税である法人都道府県民税の納税額から、控除することになります。


(2)対象となる所得税

 次に掲げる利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金に対する所得税が、法人税から控除する対象となります。

・公社債及び預貯金の利子や公社債投資信託等の収益の分配
・法人から受ける利益の配当、常勤の分配等
・みなし配当
・定期積金にかかる給付補てん金
・その他


(3)税率

 控除される税金は、利息は、所得税15%、住民税5%の計20%ですが、上場企業の配当は、所得税7%、住民税3%の計10%となっています。

 このように、課税対象の違いによって、税率も変わってきます。投資対象の銘柄によっては、会社で投資するよりも、個人のほうが有利な場合もあります。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。