2023年4月5日
(1)30万円未満は即時償却
1年以上使用できる固定資産を購入したら、法律で決められた使用期間にわたって、按分して減価償却費という経費を計上します。
主な計算方法は、毎年同じ金額を減価償却する定額法と、購入当初に多く減価償却費を計上しだんだん減少していく定率法の2種類です。
会社は定率法、個人は定額法で計算することが多いですね。
原則として、固定資産は買った年に全額経費にはならないのです。
ただし、購入金額が10万円未満であれば減価償却ではなく全額を一括で経費計上することができます。
さらに、青色申告をしている場合は基準が30万円に増額されます。
つまり、30万円未満であれば、全額を購入年に経費計上することが可能です。
(2)買っても使わなければダメ
今期は利益が出たからといって、決算間際にあわてて購入する場合があると思います。
その際に買っただけで安心しないでくださいね。
全額経費計上するためには、使用しなければいけません。
決算期末までに必ず開封して、使うようにしましょう。
お金を払って領収証があるから大丈夫なんて言う人もいますが、これも使っていませんから全額経費になりません。
(3)改良、改造は注意
既に所有している減価償却資産に対して、改良や改造を行った場合は、たとえそれが30万円未満であっても全額経費にはできません。
ただ、改良等が単独で機能するものであれば、全額経費計上が可能な場合があります。
また、20万円未満であれば、修繕費として経費にできる場合もあります。
(4)上限が300万円とは限らない
1年間に少額減価償却資産として全額経費計上できるのは、300万円までです。
300万円を越えた分は、通常の減価償却になります。
300万円以内かどうかは、資産単位で判定します。
29万円の資産を11個、合計319万円分を購入した場合は、10個分の290万円が全額経費の上限です。
決して300万円が全額経費で、差額の19万円が減価償却ではありませんからね。
また、決算期が1年に満たない場合は、300万円を月数按分した金額がその年の上限です。
7ヶ月決算の場合は、
300万円×7月÷12月=175万円
が上限です。
1ヶ月未満の端数がある場合は、月数を繰り上げます。
4月5日に設立した3月決算の場合は、11ヶ月と26日ですが切り上げて12ヶ月となり、300万円が上限となります。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。