収用の場合の5,000万円控除|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2017.9.5
(1)売却益5,000万円まで無税
所有している不動産が、公共事業等による強制的な買取り、つまり収用されると、補償金を受け取ります。
収用された不動産は、補償金額で売却したことになります。
不動産の帳簿価額よりも補償金額が高ければ、売却益に対して税金がかかるわけですが、一定の要件に該当すれば、売却益から最高5,000万円を控除することができます。
つまり、収用に該当する場合には、5,000万円の売却益まで税金がかからないわけです。
(2)5,000万円控除の要件
控除の対象である公共事業であれば、公共事業者から買取り等の申出証明書や買取り等の証明書が発行されます。
買取りの申し出があったら、6ヶ月以内に売却しなければいけません。
収用が2回以上に分けて行われると、5,000万円控除は最初の1回しか受けられない可能性がありますので、ご注意ください。
その辺は、公共事業者がきちんとやってくれるとは思いますが。
(3)その他の特例
収用以外にも、土地区画整理事業の2,000万円控除、特定住宅地造成事業の1,500万円等の控除制度もありますので、事業体に優遇制度を確認しておきましょう。
また、受け取った補償金で代替の資産を購入した場合には、圧縮記帳という課税の繰延制度があります。
5,000万円控除ですと、売却益が5,000万円を超えた金額に対しては、税金がかかります。
しかし、圧縮記帳であれば、売却益が5,000万円を超えても、課税を繰り延べることができます。
なお、この収用の制度は、法人だけでなく、個人にも適用できますよ。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。