税込経理の棚卸は税込金額|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2015.5.7
(1)経理方法による棚卸金額の違い
消費税の処理を税抜経理としている場合は、商品、製品、仕掛品等の棚卸金額を算出する際の金額は、税抜金額で行います。
単価が税込金額になっている場合は、税抜きに直す必要がありますので、ご注意ください。
逆に税込経理を採用している場合は、税込金額で棚卸金額を算定します。
税込経理の会社が、税抜金額で計算してしまいますと、消費税分、棚卸金額が少なくなってしまいますね。
棚卸金額が少ないということは、その分利益が少なくなり、法人税も少なくなります。
申告後に気づいた場合は、修正申告、追加納税となり加算税や延滞税がかかってしまいますよ。
(2)消費税率変更前在庫の金額
消費税率が変更になる前に購入した在庫の金額は、変更前、変更後のどちらの税率で、棚卸金額を計算するのでしょうか。
これは、その会社が採用している棚卸資産の評価方法によって、計算方法が変わってきます。
恐らく、税込経理を採用している会社の多くは、棚卸資産の評価方法は、最終仕入原価法を採用していると思います。
何を採用しているかわからないという場合は、最終仕入原価法の可能性が高いです。
この最終仕入原価法というのは、その在庫をいつ購入したかにかかわらず、在庫の種類ごとに最後に購入した時の単価を元に計算します。
ということは、棚卸しをした際に、その在庫を消費税率変更前に購入したとわかっていても、同じ種類の在庫を、税率変更後に購入している場合は、その種類の在庫は、税率変更後の単価で購入したものとして、棚卸金額を計算することになります。
棚卸資産の評価方法は、税務署に届出をすれば、いくつかの種類から好きな方法を選択できるようになっています。
業種や会社規模等によって、適切な評価方法は違ってきますので、一度税理士に相談してみてもいいかもしれませんね。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。