減価償却の定率法の改正|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2012.8.3
(1)償却率が縮小
平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産について、定率法を採用している場合の償却率が、縮小されました。
定率法による減価償却費の計算は、期首帳簿価額に償却率をかけて計算します。つまり、償却率が縮小されたということは、従来よりも減価償却費が少なくなります。
例えば、耐用年数が10年の場合、平成24年3月31日までに取得していれば、償却率が0.250だったのに対して、平成24年4月1日以降の取得ですと、償却率は0.200になります。
(2)縮小前の償却率を適用する方法
縮小された償却率を適用するのは、平成24年4月1日以後に取得した場合ですが、平成24年3月31日を含む決算期については、縮小前の償却率を適用することが認められています。
減価償却費を多くして利益を減らし、少しでも税金を抑えたいという場合には、平成24年4月1日以後の取得資産であっても、縮小前の償却率を適用すればいいわけですね。
なお縮小前の償却率を適用する場合は、手続きは必要ありません。
(3)縮小後の償却率を遡る方法
逆に減価償却費を減らして、少しでも黒字を多くしたいという場合には、平成24年3月31日以前の取得資産に、縮小後の償却率を適用することもできるんです。
ただし、縮小後の償却率を遡って適用する場合には、平成24年3月31日を含む決算期の申告期限までに、「減価償却資産の償却方法等に関する経過措置の適用を受ける旨の届出書」を税務署へ提出する必要があります。
さらに、縮小後の償却率といっても、従来の耐用年数をそのまま使用するのではなく、経過年数等を考慮した調整が必要になります。
調整に手間がかかる上に、逆に減価償却費が増加する場合もありますので、注意が必要ですよ。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。