小規模企業共済|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2010.5.6
(1)小規模企業共済とは
個人事業主や小規模企業の会社役員の、老後の生活資金を積み立てておく共済制度で、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。小規模企業の経営者の、退職金制度として活用されています。
加入できるのは、従業員数20人以下(卸売業、小売業、サービス業は5人以下)の個人事業主(注)や会社の役員です。毎月、掛け金を支払い、廃業時や退職時に、共済金を受け取ることができます。
小規模企業共済は、税制上、優遇措置がありますし、国が全額出資している独立行政法人が運営していることから、老後の資産設計の一手段として、検討してみるのもいいと思います。
(注)23年4月までに、個人事業主の配偶者や後継者も加入できるようになります。
(2)掛金
毎月の掛金は、1,000円から70,000円の範囲であれば、500円単位で、自由に設定できます。
掛金全額が、その年の所得税を計算する際、所得控除の対象となります。所得控除ですから、掛金に税率を掛けた金額が、減税されることになります。
個人事業主であれば、実質的に、経費計上したのと同じ効果があります。会社役員でも、所得税額が減少することになりますし、掛金相当額を役員報酬に上乗せして支給すれば、会社の経費計上額を増やすことができます。
掛金の支払いは、年払いも選択できますので、12月に年払いで最高額の月額70,000円で加入すれば、84万円の経費計上と同様の効果となります。
(3)共済金の受取り
共済金の受取り時にも、税制上の優遇措置があります。
廃業や65歳以上になった場合に解約をして、一括で受け取った共済金は、退職所得となります。退職所得は、加入年数によって、大幅な控除がありますので、税負担がかなり抑えられることになります。また、支給時に税金が天引されますので、確定申告も必要ありません。
65歳未満で解約した場合には、一時所得となります。一時所得は、受取金額の約半分が税金対象ですから、途中で資金が必要になって解約した場合でも、税負担を抑えることができます。
(4)契約者貸付制度
資金が必要になった場合には、支払った掛金の合計額の範囲内で、借入をすることができます。共済契約を解除せずに、継続することができますし、借入金利も、民間の金融機関より低くなっています。
(M.H)