固定資産の取得時の消費税の経理処理|仙台市の税理士・ひなた会計事務所
2009.9.7
(1)税抜経理と税込経理
固定資産の取得について、税抜経理方式のほうが、節税になるのをご存知でしたでしょうか。
消費税の経理処理は、税抜経理方式と税込経理方式の2種類がありますが、どちらを採用するかは、会社の自由となっています。どちらを採用するかを決めたら、原則として全ての取引を同じ経理方式にする必要があります。
ただし、売上について税込経理にした場合には、経費や固定資産の購入についても、必ず税込経理にしなければいけないことになっています。
なお、消費税の免税事業者の場合には、税込計理しか採用することができません。
(2)固定資産の取得価額
固定資産の取得価額は、税込経理と税抜経理では、金額が変わります。税抜100万円の固定資産を購入した場合には、税抜経理では100万円ですが、税込経理では、105万円となります。減価償却費の計算も、この金額を元に行うことになります。
中小企業の場合、30万円未満の固定資産は、一発経費が認められています。税抜299,999円までで、税抜経理であれば、全額経費計上できます。しかし、税込経理を採用していると、30万以上となってしまい、一発経費にはできず、通常の減価償却となってしまいます。
(3)期末一括税抜経理方式
税抜経理は、一般的には、消費税額を別途仕訳しなければいけないので、手間がかかるといわれています。
しかし、期末一括税抜経理方式を採用すれば、税込経理と同じ感覚で、処理することが可能になります。一つ一つの仕訳は、税込経理で処理しておき、期末に、1年分の消費税額を一括で振り替えることになります。
会計ソフトによっては、設定によって、この処理を自動でやってくれますので、税込経理、税抜経理を意識することなく、税法上有利な方法を採用することができます。
(M.H)
※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。