株式投資の確定申告の損得

2007年3月5日

(1)特定口座制度

 株式投資をする際に、証券会社に口座を開設する必要があります。開設する口座は、特定口座か一般口座を選択することになります。

 特定口座の場合は、売買をした際の損益の計算は、証券会社が行ってくれ、年1回、1年間の取引状況を年間取引報告書として、発行してくれます。さらに、源泉徴収ありを選択すると、1年間の損益を通算した金額の10%(所得税7%、住民税3%)の税金を、その口座から天引きすることになります。

 一般口座の場合は、損益の計算は自分で行い、その計算に基づき、所得税の確定申告を行うことになります。


(2)特定口座の申告不要制度

 特定口座の源泉徴収ありを選択した場合には、所得税の確定申告をする義務はありません。既に税金が天引きされているため、さらなる確定申告は、省略となっています。

 ただし、特定口座でも、源泉徴収なしの場合には、確定申告をする必要があります。

 詳しくは、こちらをご参照ください。
 https://www.hinatax.jp/article/13127593.html


(3)専業主婦や学生の確定申告

 最近は、専業主婦や学生等の、他に収入が無い方が、株式投資で稼いでる場合があります。源泉徴収ありの特定口座を選択していれば、確定申告をする必要はないのですが、一手間をかけて、申告をすると、ちょっとお得になる場合があります。

 証券会社の特定口座の場合には、社会保険料や扶養控除等の各種控除は、全く考慮されずに、税金が天引きされます。他に収入がない場合には、これらの控除を受けることなく、納税が完了しますが、確定申告をすれば、これらの控除を受けることができます。誰でも、基礎控除といって、38万円の控除が、最低限認められていますので、申告をすることによって、数万円の還付を受けることができます。

 ただ、収入が無い方は、他の親族の扶養家族になっている場合が多いと思います。株式投資の売却益が38万円以上の方が、確定申告をしますと、扶養家族から外れることになります。本人は、税金が還付されて得をした気分になりますが、旦那さんや親御さんが、扶養家族が減ったことにより、税金が増えることになります。一家としてどちらが得になるか、いろいろとシミュレーションしてみる必要があります。


(4)証券会社が複数の場合

 複数の証券会社に口座を持っている場合も、確定申告をすると得になることがあります。特定口座は、各証券会社に1つ開設することができます。証券会社ごとに、株式投資の損益を通算して、税金が天引きされます。証券会社同士での連携は行われません。

 全ての証券会社の特定口座が黒字であれば、それぞれの証券会社の売却益に対して、税金が天引きされます。赤字の特定口座があれば、その特定口座からは、税金は天引きされません。

 赤字の特定口座があれば、確定申告をすることによって、黒字の特定口座と相殺することが可能になります。全特定口座を通算した結果、黒字よりも赤字のほうが大きい場合には、相殺しきれなかった赤字は、翌年以降3年間の株式投資の黒字と相殺することができます。

 赤字を繰り越す場合には、翌年以後も申告が必要になります。翌年以降、扶養家族になるかどうかは、繰り越しした赤字と相殺する前の黒字額で判定することになりますので、こちらも、慎重に判断する必要があります。


(5)住民税の納付

 確定申告書には、給与以外の分の住民税の納付方法について、選択をする箇所があります。サラリーマンの場合、通常、給料を受け取る際に、会社から住民税が天引きされると思います。

 そのまま確定申告をしますと、給与以外の分の住民税も、会社へ通知が行き、合わせて給与から天引きされることになります。通知が行くわけですから、株式投資でいくら稼いだかが、会社の経理担当者にバレてしまうんですね。

 これを避けるためには、確定申告書第2表の右下に、「住民税・事業税に関する事項」欄がありますので、そこの「自分で納付(普通徴収)」に、チェックを入れるようにしてください。そうしますと、給与以外の分の住民税は、自宅に送られることになりますので、会社にバレずにすみます。

(M.H)

※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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