国庫補助金等の圧縮記帳


2006年12月5日

(1)国庫補助金等を受け取った場合

 国から補助金をもらった場合、会社は、その分儲かったわけですから、通常、もらった補助金に対して、法人税がかかります。

 国の収入というのは、基本的に税金です。ということは、補助金は、税金から出ていることになります。税金から支出された補助金に、法人税という税金を課税するのは、結局、補助金を支給しても、国に戻ることになってしまいます。

 このため、補助金を受け取った場合には、その補助金を税金を気にしないで、有効に活用してもらえるように、法人税の負担を軽減する制度が設けられています。この制度を、圧縮記帳といいます。


(2)対象となる補助金

 圧縮記帳の対象になるのは、次の機関が交付する補助金、交付金、助成金、給付金で、一定のものになります。

・国又は地方公共団体
・独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
・独立行政法人雇用・能力開発機構
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
・独立行政法人空港周辺整備機構又は成田国際空港株式会社
・独立行政法人農畜産業振興機構
・独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
・社会保険診療報酬支払基金
・指定周波数変更対策機関
・日本たばこ産業株式会社


(3)固定資産取得要件

 補助金等の使途は、固定資産の取得や改良に充てなければいけません。補助金等の支給対象が、人件費の補填のように、経費のための支出の時は、圧縮記帳の対象になりません。

 補助金等をもらっても、そのまま、経費の支出になれば、収入=経費で、利益は、ゼロになりますね。法人税の負担を軽減するという圧縮記帳の手続は、必要なくなります。


(4)圧縮記帳の経理方法

 国庫補助金等を1億円もらい、その1億円で、新たに工場を建設した場合には、次の3つの方法により、経費を計上することができます。これらの方法により、収入=経費となり、補助金等に税金がかからないことになります。

 中小企業にとっては、最初の直接減額する方法が、処理上の手間が少なく、いいと思います。

・直接減額する方法

 (借方)固定資産圧縮損 1億  (貸方)建物 1億

 正確には、1円の備忘価額を残す必要があります。

・積立金方式

 (借方)固定資産圧縮積立金積立額 1億  (貸方)建物圧縮積立金 1億

 借方に、圧縮積立金積立額という、経費を計上します。直接減額する方法ですと、建物金額が、決算書から無くなってしまいますが、積立金方式ですと、決算書にも、実際に存在する建物の金額が、残ることになります。

・剰余金方式

 (借方)利益剰余金 1億  (貸方)建物圧縮積立金 1億

 決算承認の株主総会で、処理します。申告上は、承認する決算期の申告に反映されますので、申告書上で、調整する必要があります。


(5)その他

 補助金等によっては、返還条件がついている場合があります。圧縮記帳の条件として、補助金等の返還不要が確定する必要がありますので、条件付の場合には、返還不要が確定する前に決算期を迎えた場合には、返還不要として、経費計上することになります。

 そのまま、返還不要が確定すれば問題ありませんが、万が一、返還となった倍には、差額の法人税を、追加納付することになります。

 また、補助金等は、支給した金額に対して助成する場合が多くあります。支出した金額の領収証が、申請書類の添付書類となっていたりします。先に支出してから、補助金等をもらうことになりますので、資金繰りには、十分に注意する必要があります。

(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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