設備投資は、決算対策になるか?

2005年6月6日

 決算で大幅な利益が出そうなので、何か物を買って、少しでも税金を減らそう。昔から、節税策として考えられてきました。さて、どれほど、効果があるのか、検討してみましょう。

(1)減価償却

 3月決算の会社が、3月25日に、500万円のトラックを購入したとします。耐用年数を5年とすると、その年の減価償却費(定率法)は、次のようになります。
 
 5,000,000円×0.369×1月/12月=153,750円
 
 計算式中の「1月/12月」の部分は、月割り計算を意味しています。期の途中
で、減価償却対象となる資産を購入した場合には、初年度だけ、月割り計算で
減価償却費の計算をすることになります。税率を40%とすると、節税額は、次
のとおりです。
 
 153,750円×40%=61,500円

 そうなりますと、500万円の出費をしたにもかかわらず、浮いた税金は、61,500円ということになります。今期の税金を少しでも少なくしたいという目的には、全然合ってないですね。

 それでも、2年目以降は、現金の出金がなくとも、減価償却費という形で、購入費の500万円が徐々に経費に計上されますので、減価償却が行われる5年間という期間で見ると、最終的には、出金分のほぼ全額が経費に計上されることになります。

 もし、トラックを購入しなければ、500万円に対する税金は、200万円かかることになります。それでも、会社に300万円が残るわけですから、今後の運転資金として、有効に活用することができるのではないでしょうか。

 税金の計算では、出金=経費ではありませんので、節税だけに気を取られずに、今後の資金繰りや経営戦略を考えて、設備投資をする必要があります。


(2)特別償却

 購入したトラックが、天然ガス車の場合には、上記(1)の減価償却費に、特別に償却費を上乗せして計算できる、「特別償却」を適用できる場合があります。
 
 上乗せ計算が適用できるのは、一定の要件に該当したときで、主なものとしては、次ような制度があります。
 
 ・エネルギー需給構造改革推進設備等の取得
 ・中小企業者等の機械等の取得
 ・事業基盤強化設備の取得
 ・情報通信機器等の取得             他
 
 上乗せできる金額は、制度によって様々ですが、目安としては、購入金額の30%〜50%となっています。
 
 この制度は、2期目以降の減価償却費の先取りの制度なので、トータルでの減価償却費には、影響がありません。ただ、初年度に限っては、購入代金の約12%〜20%の節税が行えることになります。


(3)特別税額控除

 (2)の制度に代えて、法人税を直接減額する制度もあります。
 
 特別償却は、初年度の償却費を多く計上できるので、初年度の税金は少なくなりますが、2年目以降の減価償却費が、通常よりも減少してしまうため、逆に2年目以降の納税額が多くなってしまいます。

 税額控除制度は、減価償却費には、何の影響も与えませんので、単純に購入年度の法人税が少なくなることになります。金額は、制度によって、おおむね購入金額の7%〜10%となっています。
 
 設備投資の時期、制度の選択により、納税額に大きく影響が出る場合がありますので、充分に検討する必要があります。



(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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