会社制度が変わります

2005年7月6日

 平成17年6月29日、新「会社法」が、参議院で可決成立しました。これまでの会社制度と大きく変わるものもありますので、中小企業に特に関係のあるものをご紹介いたします。なお、平成18年4月の施行が予定されています。


(1)有限会社の廃止

 有限会社制度が廃止されます。平成18年の4月以降は、有限会社の設立ができません。有限会社には、株式会社に比べ、取締役の任期がない、決算書を公告する必要がないなどの有利な制度がありました。このような有利な制度が活用できる有限会社が設立できるのは、平成18年3月までとなります。

 既に設立されている有限会社については、平成18年4月以降は、「特例株式会社」となります。特例株式会社は、名称に「有限会社」を引き続き使用することができ、役員の任期等の有利な制度も、引き続き活用することができます。

 また、下記に説明いたしますが、最低資本金制度がなくなりますので、最低資本金の1,000万円を気にすることなく、株式会社に名称を変更することも可能になります。


(2)役員は1名でも可

 現在、株式会社には、最低、取締役3名、監査役1名、計4名の役員が必要でしたが、株式の譲渡に制限を設けている会社であれば、取締役1名のみでも良いことになります。ほとんどの中小企業は、株式に譲渡制限を設けていますので、今後は、名義だけの役員を減らすことが可能です。


(3)役員の任期は10年

 現在、役員の任期は、取締役2年、監査役4年で、ほぼ2年に1回の役員変更手続が必要でした。平成18年4月以降は、取締役、監査役とも、最長10年とすることができるようになりますので、煩わしかった登記手続を減らすことができます。役員変更時の登録免許税が1件3万円かかりますので、経費の節約にもなりますね。

 逆に、10年に1回ですと、手続を忘れる可能性が高まりますので、余計に注意する必要がありますね。


(4)会計参与

 通常、会社の役員といいますと、取締役と監査役ですが、これに、新たに「会計参与」という役職が追加されます。会計参与は、税理士・公認会計士のみがなることができ、会計専門家として、取締役と共同して、決算書の作成を行います。会計参与を置くかどうかは、会社が自由に選択することができます。

 会計参与は、株主や債権者から書類の開示を求められた場合には、取締役の承諾なしに開示しなければなりません。株主や債権者にとっては、会計参与となった税理士等に直接請求できますから、決算書の入手がラクになり、便利な制度になるでしょう。

 経営者からすると、知らないうちに株主や債権者が決算書を入手していることになりますので、やっかいな制度といえるかもしれません。


(5)配当の自在性

 現在は、配当は、所有株数に応じて行われてきましたが、今後は、持株に関係なく配当することが可能になります。例えば、配当を全員同額としたり、株数に関係なく、一部の株主だけ配当を多くしたりできます。

 うまく活用すれば、事業承継の相続対策にも活用できそうですが、税制の整備がこれからとなりますので、今後の税制改正を見守りたいと思います。


(6)取締役会の書面決議

 定款の定めにより、取締役会の決議を書面で行うことが可能になります。遠方や外国人が役員の場合には、旅費の節約にもなりますし、業務運営上の迅速性も確保できることになります。


(7)類似商号の廃止

 現在は、同一市区町村内に、同じ名称で同種の営業を行うことはできませんでしたが、今後は、同一名称の使用が可能となります。ただ、商標権等には、注意する必要があります。


(8)最低資本金制度の撤廃

 有限会社300万円、株式会社1,000万円の最低資本金制度が、廃止されます。現在は、特例によって、資本金1円でも、会社を設立することが可能になっていますが、平成18年4月以降は、完全に誰でも、資本金1円で会社を設立できることになります。

 ただし、純資産(資本金と設立時からの累積利益の合計額)が、300万円未満の場合には、配当をすることができません。



(M.H)



※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。

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