コンピューターソフトの経費処理


2004年2月5日

(1)経理処理

 ソフトウェアは、無形固定資産という資産の一種に該当します。無形固定資産は、建物や車両のように、一旦購入金額を資産に計上し、減価償却により、経費に算入していくこととなります。

 ソフトウェアの減価償却方法は、残存価額ゼロで、定額法により計算します。計算式は、次のようになります。会計期間の途中で、ソフトウェアを取得した場合には、月割りにより按分して計算します。

 減価償却費=取得価額×償却率(※)×取得から期末までの月数÷当期の月数

 償却率は、耐用年数によって定められており、ソフトウェアの耐用年数は、次のようになっています。

・販売用の原本・・・3年(償却率0.333)
・開発研究用・・・・3年(償却率0.333)
・その他・・・・・・5年(償却率0.200)

 通常のパッケージとして販売されているソフトウェアの場合には、5年で償却することになります。

 3月決算の法人が、1月に50万円のソフトウェアを購入した場合は、次のようになります。

 50万円×0.200×3÷12=25,000円


(2)少額償却資産

 ソフトウェアは、購入金額によって、(1)の経理方法の他に、特例が認められています。

・10万円未満の場合

 1ライセンスあたりの金額が10万円未満の場合には、その全額を経費に算入することができます。(1)の通常の減価償却も採用できます。

・10万円以上20万円未満の場合

 1ライセンス当たりの金額が10万円以上20万円未満の場合の場合には、一括償却という方法を採用できます。一括償却とは、毎期3分の1ずつ減価償却をしていく方法をいいます。この場合は、月数按分を行いません。また、途中で、ソフトウェアを処分しても、除却損を計上することはできません。(1)の通常の減価償却も採用できます。

・中小企業で30万円未満の場合

 資本金1億円以下の中小企業で、1ライセンス当たりの金額が30万円未満の場合には、その全額を経費に算入することができます。20万円未満であれば、上記の一括償却を採用することもできます。また、(1)の通常の減価償却も採用できます。


(3)プリインストールのパソコンの場合

 市販のパソコンの場合には、ウィンドウズなどのOSやワープロ、表計算ソフトなどが、既に組み込まれているものがほとんどなっております。このような場合には、パソコンとソフトウェアに区分することは、不可能ですので、全額をパソコンとして、耐用年数4年で減価償却をすることになります。


(4)バージョンアップなどの場合

 バージョンアップにかかった費用は、そのバージョンアップの内容により判断することになります。プログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等のように、小幅な修正は、修繕費として経費に算入することになります。

 しかし、新たな機能の追加、機能の向上等、大幅な修正は、減価償却の対象となります。

 ただし、バージョンアップの費用が10万円(中小企業は30万円)未満の場合には、上記(2)から、全額経費に算入できます。


(5)ソフトウェアを使わないことになった場合

 ソフトウェアをパソコンから削除し、パッケージ等も処分した場合には、廃棄となり、まだ減価償却をしていない部分の金額を、経費に算入することになります。

 パソコンにそのソフトウェアが残ったままでも、そのソフトウェアを使用する業務を行わないことになったり、新しいソフトウェアを使用して業務を行うことになったため、古いソフトウェアを使用しないことが明らかなときは、まだ減価償却をしていない部分の金額を、経費に算入することができます。


(6)IT投資促進税制

・合計で70万円(資本金3億円超の場合は600万円)以上購入した場合

 次の特別償却か税額控除を選択できます。

 特別償却費=取得価額×50%

 控除税額=取得価額×10%


・合計で100万円(資本金3億円以下に限る)以上のリースを組んだ場合

 次の税額控除を受けることができます。

 控除税額=リース料総額×60%×10%


(M.H)


※内容につきましては、記載日現在の法令に基づき、一般的な条件設定のもとに、説明を簡略しております。実際の申告の際は、必ず、税理士又は税務署にご相談ください。
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